分割基準ナビβ|均等割・法人税割・事業税をこの1画面で

複数の都道府県に拠点がある会社の「分割基準」を、東京都主税局ガイドブックの設例で学び、自社の数字で試算できます。

① 法人事業税

按分する(業種で基準が変わる)
所得などの課税標準を、業種別の分割基準で都道府県に按分。一般事業は事務所等の数1/2+従業者数1/2、製造業は従業者数のみ(倉庫・ガス供給業=固定資産、電気供給業・鉄道/軌道事業は別基準)。

② 住民税・法人税割

按分する(全業種おなじ基準)
法人税額を、業種を問わず従業者数だけで都道府県・市区町村に按分。事務所数は使いません。

③ 住民税・均等割

按分しない(定額×月割)
事務所等・寮等のある自治体ごとに、資本金等の額(市区町村分は従業者50人判定も)で決まる定額を存在月数で月割して納付。

論点整理|3税目の「分割基準」考え方比較表

論点 ① 法人事業税 ② 住民税・法人税割 ③ 住民税・均等割
何を分ける? 所得(外形標準課税法人は付加価値額・資本金等の額も)🔢 例: 所得3,617万円を、拠点のある各都道府県に分ける〔D-1〕 法人税額🔢 例: 法人税額1,500万円を分ける〔D-3〕 分けない(そもそも定額の税)🔢 例: 資本金等5,000万円 → 県分5万円+市分13万円(50人以下)/年
配分先 都道府県のみ🔢 例: 東京都と大阪府に拠点 → 2都府県それぞれに分割申告 都道府県+市区町村🔢 例: 大阪市の拠点分は、大阪府(県民税)と大阪市(市民税)の両方へ 事務所等・寮等のあるすべての自治体(都道府県分+市区町村分)🔢 例: 千代田区本社+大阪営業所+軽井沢保養所 → 3自治体すべてで均等割
分割基準 業種で異なる:一般事業=事務所等の数1/2+従業者数1/2/製造業=従業者数のみ(倉庫・ガス・電気供給業・鉄道/軌道事業は別基準) 🔢 例: 小売業: 事務所36/120 と 従業者61人/150人 で半分ずつ按分〔D-1〕 全業種とも従業者数のみ🔢 例: 従業者65人/1,750人 → 課税標準の約3.7%がその自治体分〔D-3〕 分割基準なし。従業者数は市区町村分の税率区分(50人超/以下)の判定にだけ使う🔢 例: 大阪市内49人→51人で、市分13万円→15万円へ段差〔E-4〕
「事務所等の数」 各月の末日現在の数の合計(1事務所×12か月=12) 🔢 例: 3/20新設でも3月末に存在すれば+1〔B-2〕。1/20廃止なら12月末分までの9〔B-3〕 数としては使わない(従業者の所属先としてのみ意味を持つ)🔢 例: 事務所が何か所増えても、按分は従業者数だけで変わらない 数ではなく「存在」で判定し、存在月数で月割🔢 例: 10月開設なら6か月分: 市分13万円×6/12=65,000円
「従業者数」の判定時点 事業年度終了の日現在 🔢 例: 期末61人 → この期の分割基準は61人 同左(算定期間終了の日現在) 算定期間の末日現在のスナップショットのみ(月割・平均なし) 🔢 例: 年間ずっと49人でも、期末に51人なら「50人超」区分
期中の新設・廃止 事務所数=月末カウントで自然に反映/従業者数=月数按分(1人未満・1月未満切上げ) 🔢 例: 新設: 5人×11/12=4.58…→5人〔C-1〕/廃止: 3人×2/12=0.5→1人〔C-2〕 従業者数の月数按分は事業税と同じ🔢 例: 2人×10/12=1.66…→2人(1人未満切上げ) 均等割額 × 存在月数/12 の月割🔢 例: 県分5万円の県に7か月 → 5万円×7/12=29,100円(百円未満切捨て)
著しい変動(2倍超) 各月末人数の平均に切替 🔢 例: 各月末2人⇄5人(2.5倍)→ (2×6+5×6)÷12=3.5→4人 同左 なし(期末の人数のみ)🔢 例: 期末5人なら、繁忙期に何人いても5人で50人判定
工場の特例 資本金1億円以上の製造業は工場従業者×1.5 🔢 例: 工場123人 → 62人を加算して185人 なし(等倍)🔢 例: 同じ工場でも123人のまま なし(50人判定も実人数)
寮・保養所等 分割基準の対象外(事業所等に該当せず) 🔢 例: 軽井沢保養所 → 事務所数0・従業者数0(配分に影響ゼロ) 同左・対象外 課税対象(従業者ゼロでも均等割がかかる)🔢 例: 同じ保養所に長野県5万円+軽井沢町13万円/年(資本金等5,000万円)
端数処理 1単位当たり額=小数点「総数の桁数+1」位以下切捨て → 按分額千円未満切捨て → 税額百円未満切捨て 🔢 例: 2,000千円÷120=16,666.666 ×36=599,999.976 → 599,000円〔D-1〕 同じ手順(従業者数のみで按分) 🔢 例: 1,500万円を65人/1,750人で按分 → 557,000円 ×10.4%=57,900円 月割計算のうえ税額百円未満切捨て🔢 例: 市分13万円×7/12=75,833.3… → 75,800円
主な根拠 地方税法72条の48、分割基準のガイドブック 地方税法57条・321条の13 地方税法52条・312条、均等割明細書記載の手引
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黄色のマーカー=3税目の間で扱いが分かれる論点。🔢の金額例はガイドブック計算例・標準税率ベースの概算(均等割は資本金等5,000万円の区分で例示)。出典: 東京都主税局「分割基準のガイドブック」(令和7年8月)・法人事業税・法人都民税Q&A・均等割額の計算に関する明細書記載の手引(令和7年改正)。