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別表二ラボ【応用編】|先生と一緒に図で学ぶ自己株式・議決権・使用人兼務役員

別表二ラボ【応用編】のアイキャッチ

無料の学習ツール「別表二ラボ」の読み方ガイドです。ラボの応用タブから、実務で迷いやすい論点を選んで、先生と生徒の会話形式で見ていきます。基礎タブの内容は「基礎編」で扱っています。左の図はラボの図そのものです。重要な節の最後には、ラボで30秒だけ手を動かす小さな実習を置いています。

📙 応用 判定結果が効く先 早見表
別表二の判定結果留保金課税
法人税法67条・別表三(一)
行為計算の否認
法人税法132条
持株による「みなし役員」
施行令7条2号
使用人兼務役員の持株制限
施行令71条1項5号
非同族会社対象外対象外対象外対象外
同族会社
(特定同族会社にあたらない)
対象外対象対象対象
特定同族会社対象対象対象対象
はじめに

応用タブの見取り図 ── 判定結果はどこに効く?

📍 ラボの場所:応用タブ(早見表)
ハルカ
先生、基礎編で同族会社の判定の流れはわかりました。応用では何を学ぶんですか?
先生
左の早見表を見て。別表二の判定結果は、留保金課税・行為計算の否認・みなし役員・使用人兼務役員の制限の4つの入口になる。「対象」は入口に立つという意味で、実際に適用されるかはそれぞれの要件で決まるよ。
ハルカ
非同族会社はすべて対象外、特定同族会社はすべて対象…。
先生
今日は、判定の数字を狂わせやすい論点(自己株式・議決権・名義株・同順位)と、判定結果が効く先(留保金課税・役員)を順に見ていこう。
📙 応用 ラボの図
(誤り)自己株式を分母に入れた場合 発行済 10,000株25.0%12.0%7.0%その他 41.0%自己株式50%上位3グループ 計 44.0% ≦ 50% → 非同族会社に見えてしまう株式数で見る(自己株式を除く 8,500株)29.4%14.1%8.2%その他 48.2%50%上位3グループ 計 51.8% > 50% → 同族会社第1順位 甲 2,500株 29.4%第2順位 乙(他人) 1,200株 14.1%第3順位 丙(他人) 700株 8.2%
応用 ①

自己株式は分母から除く

📍 ラボの場所:応用タブ
先生
左は事例D。上位3グループの持株は4,400株、発行済株式は10,000株、そのうち自己株式が1,500株ある会社だよ。
迷いポイント 判定割合の分母は、発行済株式数?
ハルカ
4,400÷10,000で44.0%。50%以下だから非同族会社ですね。
先生
分母からは自己株式を除く。4,400÷8,500=51.8%で同族会社なんだ。自己株式を取得しただけで、同族会社に変わることもあるよ。
先生
だから自己株式の取得・消却をした年は、判定が変わっていないかを必ず確認しよう。
💡 そうだったのか!
判定割合の分母は自己株式を除いた発行済株式。44.0%に見えても、実は51.8%の同族会社ということがある。
⏱ 30秒だけラボで試す
  1. 「シミュレーション」タブを開き、右の「事例から始める」で「事例D 自己株式を持っている会社」を選ぶ

👀 同族会社の判定割合は51.8%(自己株式1,500株を除いた8,500株が分母)で、判定結果は同族会社になる。

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📙 応用 ラボの図
株式数で見る(自己株式を除く 10,000株)26.0%11.0%8.0%7.0%その他 48.0%50%上位3グループ 計 45.0% ≦ 50% → この基準では該当しない議決権の数で見る(議決権の総数 6,400個)40.6%17.2%12.5%その他 29.7%50%上位3グループ 計 70.3% > 50% → 同族会社第1順位 甲(創業者) 2,600株 26.0% /議決権 2,600個 40.6%第2順位 乙(他人) 1,100株 11.0% /議決権 1,100個 17.2%第3順位 丙(他人) 800株 8.0% /議決権 800個 12.5%第4順位 丁ファンド(無議決権の優先株式) 700株 7.0% /議決権 0個 0.0%
応用 ②

種類株式があるときは議決権でも判定する

📍 ラボの場所:応用タブ
先生
基礎編の⑤で見た事例Eの詳しい版だよ。無議決権の優先株式があると、株式数と議決権の数が食い違うんだ。
迷いポイント 議決権の判定は、1つの決議事項で見ればいい?
ハルカ
株主総会の議決権は、1つにまとめて見ればいいですよね?
先生
本来は4つの決議事項(組織再編、役員の選任・解任、役員報酬、配当)ごとに判定して、どれか1つでも上位3グループで50%超なら同族会社だよ。
先生
行使できない議決権は、総数からもその株主の数からも除く。同じ内容の議決権行使に同意している人の議決権は、その株主が持つものとみなすんだ。
💡 そうだったのか!
種類株式があれば議決権でも判定し、4つの決議事項のどれか1つで50%超なら同族会社。
📙 応用 ラボの図
株主名簿の記載名義人:乙 2,000株実際は?実際の権利者甲(資金を出した人)判定では甲の持株 2,000株
応用 ③

名義株は実際の権利者で判定する

📍 ラボの場所:応用タブ
ハルカ
株主名簿に乙さんの名前で2,000株と書いてあれば、乙さんの持株ですよね?
迷いポイント 株主名簿の名義人の持株として数える?
先生
設立時に名前を借りた名義株は、資金を出した実際の権利者の持株として判定する。左の例なら、甲さんの持株2,000株だよ。
先生
名義株を放置すると、同族判定だけでなく、相続税の申告や事業承継でも問題になる。「生計を一にする」なども、形式ではなく実態で判断するんだ。
ハルカ
名前を貸しただけのつもりが、何十年も残るんですね。
先生
貸すのは簡単、戻すのは大変。判定は名義ではなく実態で見るよ。
💡 そうだったのか!
判定は名義ではなく実際の権利者で行う。名義株は、資金を出した人の持株として数える。
📙 応用 ラボの図
Aグループ 25.0%Bグループ 25.0%Cグループ 25.0%Dグループ 25.0%50%4グループとも第1順位。どの3つを選んでも合計75.0% > 50% → 同族会社
応用 ④

同じ持株数のグループがあるとき

📍 ラボの場所:応用タブ
先生
4グループが25%ずつの例。どの3つを選んでも合計75%で同族会社だから、同族会社の判定は迷わないね。
迷いポイント 20%・20%・15%・15%なら、15%のグループは第3順位?
ハルカ
20%の2グループが第1順位と第2順位で、15%が第3順位…?
先生
同順位はまとめて同じ順位にして、次は1つずつ進める。20%の2グループがどちらも第1順位、15%の2グループは第2順位だよ。
先生
これが効くのは役員の持株要件。「50%超のグループ」を見るとき、同順位のグループはすべてその順位に含めるんだ。
💡 そうだったのか!
同順位のグループはすべて同じ順位にし、次の順位は1つずつ進める。同族判定より、役員の持株要件で効いてくる。
📙 応用 ラボの図
株式数で見る(自己株式を除く 10,000株)70.0%20.0%10.0%50%上位3グループ 計 100.0% > 50% → 同族会社上位1グループで見る(特定同族会社の判定)20.0%10.0%被支配会社でない法人は除く50%上位1グループ 20.0% ≦ 50% → 特定同族会社ではない第1順位 P社(上場会社・親会社) 7,000株 70.0%第2順位 Q社(提携先) 2,000株 20.0%第3順位 R氏(役員) 1,000株 10.0%
応用 ⑤

留保金課税の対象になる会社 ── 親会社が上場会社なら?

📍 ラボの場所:応用タブ
先生
事例Fは、上場会社P社が70%を持つ子会社。上位3グループで100%だから同族会社だね。
迷いポイント 上場会社の子会社も、特定同族会社として留保金課税の対象?
ハルカ
P社1社で70%、上位1グループで50%超だから特定同族会社ですよね?
先生
P社は上場会社で被支配会社でない法人。特定同族会社の判定では除いて考えるから、上位1グループは20%で、特定同族会社にはならない。上場会社の孫会社でも同じだよ。
先生
逆に親会社がオーナー系の被支配会社なら除かれない。資本金1億円以下でも、大法人の100%子会社などは対象に残るから注意してね。
💡 そうだったのか!
上場会社の子会社・孫会社は同族会社でも、ふつうは特定同族会社にならない。親会社が被支配会社でない法人として除かれるから。
⏱ 30秒だけラボで試す
  1. 「シミュレーション」タブを開き、右の「事例から始める」で「事例F 上場会社の子会社」を選び、次に「上場会社の孫会社(中間に子会社が入る)」を選ぶ

👀 どちらも同族会社の判定割合は100.0%、特定同族会社の判定割合は20.0%で、判定結果は同族会社(特定同族会社ではない)。

ラボを開く ▶
📙 応用 ラボの図
①50%超のグループ第2順位まで②グループで10%超10%を超えるか③本人+配偶者等で5%超5%を超えるか持株要件の結論甲(役付)● 当てはまる 第1順位● 当てはまる 43.5%● 当てはまる 39.0%兼務不可乙(平取締役)● 当てはまる 第1順位● 当てはまる 43.5%● 当てはまる 39.0%兼務不可丙(平取締役)● 当てはまる 第1順位● 当てはまる 43.5%○ 外れる 4.5%制限なし丁(役付)● 当てはまる 第2順位● 当てはまる 24.0%● 当てはまる 24.0%兼務不可戊(平取締役)○ 外れる 第3順位○ 外れる 8.0%● 当てはまる 8.0%制限なし
応用 ⑥

使用人兼務役員になれない役員 ── 50%・10%・5%

📍 ラボの場所:応用タブ
先生
同族会社では、3つの持株要件にすべて当てはまる役員は使用人兼務役員になれない。①50%超に達するまでの上位グループ、②グループで10%超、③本人+配偶者等で5%超だよ。
迷いポイント 自分の持株が5%以下なら、使用人兼務役員になれる?
ハルカ
乙さんの持株は3%だから、③には当てはまらないですよね?
先生
③は本人と配偶者の合計で見る。乙さんは甲さんの妻だから、合わせて39%で当てはまるんだ。逆に戊さんは8%持っていても、第3順位のグループだから①から外れるよ。
先生
丙さんは4.5%で③から外れるから、持株要件による制限は受けない。ただ、使用人兼務役員と認められるには、部長などの職制上の地位で常時使用人の職務に従事していることが別に必要だよ。
ハルカ
4.5%と5%で分かれるんですね。0.5%の重み…。
先生
基準はそこで切れているからね。だから持株は毎年確かめるんだ。
💡 そうだったのか!
使用人兼務役員の制限は50%・10%・5%の3要件すべて。③は本人+配偶者(とその支配会社)の合計で見る。
⏱ 30秒だけラボで試す
  1. 「シミュレーション」タブを開き、右の「事例から始める」で「事例G 役員が株主になっている会社」を選ぶ

👀 「使用人兼務役員になれない役員」は3人と表示される(左の図の甲・乙・丁)。

ラボを開く ▶
📙 応用 ラボの要点

同族会社の使用人でも、持株が多く、経営に従事していれば、税務上は役員として扱われます。

  • 持株要件は使用人兼務役員の判定と同じ50%・10%・5%です。
  • 持株要件を満たすだけでは役員になりません。会社の経営に従事していることが必要です。
  • みなし役員にあたると、その人への給与は役員給与のルール(定期同額給与など)で損金算入を判定します。
応用 ⑦

持株による「みなし役員」

📍 ラボの場所:応用タブ
ハルカ
役員でない従業員でも、税務上は役員になることがあるんですか?
迷いポイント 持株要件を満たせば、それだけで「みなし役員」?
先生
持株要件は使用人兼務役員と同じ50%・10%・5%。でもそれだけでは役員にならない。会社の経営に従事していることが必要なんだ。
先生
みなし役員にあたると、その人の給与は役員給与のルール(定期同額給与など)で損金算入を判定するよ。
💡 そうだったのか!
みなし役員は持株要件+経営への従事の両方が必要。当たると、給与は役員給与のルールで判定する。

今日の内容を、ラボで確かめてみませんか?

この記事の図は、すべて別表二ラボの画面そのものです。応用タブを開けば、同じ図を見ながら読み返せます。

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基礎から読む:基礎編 ── ラボの基礎タブを上から順に解説しています。基礎編を読む ▶

今日のまとめ ── 迷いポイント早見表

迷いポイント答えラボ
判定割合の分母は発行済株式数?自己株式を除く応用①
議決権は1つの決議事項で見る?4つの決議事項のどれか1つで50%超なら同族会社応用②
名義人の持株として数える?実際の権利者の持株として数える応用③
同順位の次は順位を飛ばす?同順位はまとめ、次は1つずつ進める応用④
上場会社の子会社は特定同族会社?親会社を除くため、ふつうは特定同族会社にならない応用⑤
自分の持株5%以下なら兼務役員になれる?本人+配偶者等の合計で見る応用⑥
持株要件だけでみなし役員?経営への従事も必要応用⑦

参考資料

法人税法2条10号・67条・132条/法人税法施行令4条・7条・71条/法人税基本通達1-3-1〜1-3-8ほか/国税庁「別表二 記載要領」(2026年9月21日確認。ラボの根拠表示に準拠)

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この記事を書いた人

TaxJudge編集部|公認会計士・税理士(実務25年)による企画・監修。会計基準・税法・裁決・有価証券報告書などの一次情報をもとに、検索できるデータベースと計算・判定・文書作成ツールを制作しています。