移転価格の文書化は「義務があるか」を判定して終わりではなく、ローカルファイルという文書を実際に作って申告期限までに手元に置くところまでが仕事です。この画面は、制度を学び、自社の国外関連取引を棚卸しして義務を判定し、算定方法の候補を出し、措置法規則22条の10第6項の16項目に沿った草案を Word互換形式で出力し、翌年の更新まで案内する4フェーズのウィザードです。
この画面でできること
- フェーズ1 学ぶ:国別報告事項・マスターファイル・ローカルファイルの3層、閾値と期限、免除でも「重要な書類」は求められること
- フェーズ2 棚卸・判定・設計:国外関連者×取引×金額を入れると、相手先ごとの同時文書化義務(50億円・無形資産3億円)と会社レベルの提供義務を判定。取引ごとに質問に答えると、参考事例集ナビと同じエンジンで算定方法の候補と理由が出る。期限カレンダー(休日繰延べ対応)つき
- フェーズ3 作る:1号イ〜リ・2号イ〜トの16項目をフォームで埋める。機能・リスク表、損益、比較対象の選定記録、差異調整。フェーズ2の内容が下書きとして流れ込み、草案を Word互換形式(.doc)で出力
- フェーズ4 守る:年次更新チェック、事前確認(APA)を検討する目安、更正を受けたときの選択肢、相手国側制度(利益B)の確認
使い方
まずフェーズ2の「サンプルを読み込む」で架空会社(タイ子会社=義務あり、ドイツ子会社=免除)を入れ、フェーズ3で草案がどう組み上がるかを一度通して見てください。そのうえで「初期化」して自社の取引を入れると、どこを手で書く必要があるかが分かります。入力はこのブラウザ内(localStorage)に保存され、本ツール自身はサーバーへ送信しません。JSON書き出しで来年に引き継げます。
つまずきやすいところ
3億円の無形資産取引の判定は、勘定科目や取引名称ではなく実質で行います。経営管理料やグループ内役務提供の中に使用許諾相当分が含まれていれば、その対価を「うち無形資産取引の対価」として算入します(文書化FAQ問71)。四分位レンジは、比較対象が4件以上あれば自動的に使えるわけではなく、差異調整後もなお定量化困難な差異が残り影響が軽微であるなど、中央値による調整ができる場合の取扱いです。
この画面が扱う範囲
出力は草案(たたき台)です。未記入は【要検討】、自動生成の文は【自動生成のたたき台・要修正】と明示されます。比較対象取引の選定と差異調整、算定方法の最終判断は個々の事実関係に基づく総合判断であり、実際の文書化・申告には原典(措置法66条の4、規則22条の10、事務運営指針、文書化FAQ)の確認と税理士等の専門家への相談が必要です。localStorage は暗号化保管ではないため、共用PCでは作業後に「初期化」で消去してください。
もっと詳しく
移転価格税制の全体像を初学者向けに解説した記事:移転価格税制とは?わかりやすく|文書化の50億円と四分位レンジ
あわせて使うツール
- 移転価格 文書化判定・レンジ試算(義務の有無と利益率レンジを先に当たる)
- 移転価格 参考事例集ナビ(算定方法の選び方・31事例・裁決/判決/有報の実例)
- 国際税務入門|このシリーズの入口
- 国際税務ナビ(全体像から論点を洗い出す)
この画面は学習と作業整理のためのツールです。判定と草案は法令・国税庁資料に基づく簡略化したもので、申告用の書類を確定するものではありません。実際の適用には法令・通達の確認と、税理士等の専門家への相談が必要です。