会計方針書ジェネレーターβ|棚卸資産(会計+税務・業種別ナビ付き)
上場準備会社が棚卸資産の評価に関する会計基準(企業会計基準第9号)へ移行するときの、論点整理書・ポジションペーパー・会計方針書・内部統制文書(3点セット)のドラフトが、質問に答えていくだけで組み上がります。業種(複数選択可)を選ぶと、各論点に「★ 主要論点」バッジが表示されます。
最初の関門は、いま使っている評価方法が使えるかどうかです。中小企業で広く使われている最終仕入原価法は、法人税法上は届出をしない場合の法定評価方法ですが、企業会計基準第9号では棚卸資産の評価方法として定められていません。期末棚卸資産の大部分が最終の仕入価格で取得されているときのように期間損益の計算上弊害がないと考えられる場合か、期末棚卸資産に重要性が乏しい場合にのみ容認される方法とされています(基準34-4項)。
そして、上場申請には申請直前2期間の監査証明が必要です。会計方針の変更は原則として遡及適用となる一方、基準改正に伴う変更には経過措置が設けられている場合もありますが、いずれにせよ直前期での変更は負担が大きいため、会計方針は直前々期(N-2期)の期首までに固めておくのが実務上の安全策になります。評価方法の変更と評価損の新規計上は損益に直接影響するため、早期の試算が欠かせません。
本ツールは、その決め事を質問形式で1つずつ確定させ、①論点整理書 → ②ポジションペーパー → ③会計方針書 → ④J-SOX3点セットの4文書のドラフトへ自動的に組み上げます。最初に業種(小売EC・製造・卸売商社・建設不動産・食品アパレル。複数選択可)を選ぶと、選んだ業種で主要な論点に該当業種名つきのバッジが付きます。所要時間の目安は45〜90分です。
▼ ボタンを押すと、下のツールがそのフェーズに切り替わり、設問エリアを赤枠で表示します
はじめての方はフェーズ1から順に進めてください。回答は自動保存されるので、途中で中断しても続きから再開できます。
使い方は3ステップ
| ステップ | やること |
|---|---|
| 1. 事実を選ぶ | 業種、保有する棚卸資産の種類、上場準備の局面、現在の評価方法、評価損の計上有無、受払管理・実地棚卸・原価計算の整備状況を選びます。ここで「最終仕入原価法」「評価損はほとんど計上していない」を選ぶと、移行負担の警告が表示されます。 |
| 2. 論点に答える | 会計17+税務7の論点について、選択肢から処理を選びます。各設問には条文番号つきの判断ガイドが付いており、「どんな会社がどれを選ぶ傾向か」まで書いてあります。自社に関係のない論点は自動的に消えます。 |
| 3. Word出力する | 4つの文書をWord互換形式で出力し、社内の規程フォーマットに合わせて仕上げます。回答はブラウザ内に自動保存され、JSON書き出しでバックアップも取れます。 |
収録している論点
企業会計基準第9号の原典(2020年3月31日までに公表された会計基準等による修正を反映した版)で全項を確認し、選択の余地がある論点を洗い出しました。結論の背景(34-4項の最終仕入原価法、53項の判断単位の2類型、43項の突発的変動時の平均売価など)まで判断ガイドに織り込んでいます。
| 区分 | 論点 |
|---|---|
| 移行の判断 | A-2 現行の評価方法からの移行(最終仕入原価法の可否・34-4項)/A-17 会計方針の変更の適用時期と遡及適用(N-2期の期首) |
| 取得原価 | A-1 適用範囲と区分/A-3 購入棚卸資産の付随費用の範囲/A-4 製造原価の算定と原価計算制度の整備 |
| 評価方法 | A-5 6-2項の4方法の選択と区分ごとの継続適用(6-3項)/A-6 売価還元法の期末評価(13項・売価還元低価法の原価率) |
| 期末評価 | A-7 正味売却価額の見積り/A-8 原材料等の再調達原価(10項)/A-9 収益性の低下の判断単位(12項・53項)/A-10 滞留・陳腐化の切下げ基準(9項)/A-11 正味売却価額がマイナスの場合(44項) |
| 戻入れ・表示 | A-12 洗替え法と切放し法(14項)/A-13 表示・注記(17項・18項)/A-14 トレーディング目的(15項・19-2項) |
| 管理体制 | A-15 実地棚卸と社外保管在庫/A-16 期中財務諸表における簡便的な取扱い(企業会計基準第37号) |
| 税務 | T-1 評価方法の選定・届出(法令28〜31条)/T-2 税務上の低価法の選定と期末時価(基通5-2-11。切放しは平成23年度改正で廃止)/T-3 低価法で反映されない評価減と法33条の評価損(基通5-2-11/法法33条2項・法令68条1項1号)/T-4 付随費用の3%基準/T-5 原価差額の調整(おおむね1%相当額以内/基通5-3-3)/T-6 廃棄の証拠保全/T-7 短期売買商品等 |
後入先出法は2008年(平成20年)改正により選択できる評価方法から削除されています(基準34-12項)。本ツールでも選択肢に含めていません。
業種によって主要論点が変わります
| 業種 | 主要論点になりやすいもの |
|---|---|
| 小売・EC・百貨店 | 売価還元法の期末評価、値下げの反映、季節商品の滞留、取得原価に含める付随費用の範囲 |
| 製造業(メーカー) | 原価計算制度の整備、原材料の再調達原価、原価差額の1%基準、製造原価とする簿価切下額の判定 |
| 卸売・商社 | 個別法/先入先出法の選択、滞留在庫の回転期間基準、輸入取引の関税・通関費用 |
| 建設・工事・不動産開発 | 未成工事支出金・販売用不動産の評価、正味売却価額がマイナスとなる場合の引当金 |
| 食品・日配・アパレル | 消費期限・季節性による陳腐化、切下率の段階設定、判断単位のグルーピング |
出力される4つの文書
| 文書 | 内容 |
|---|---|
| ① 論点整理書 | 会計17+税務7の論点一覧(該当性・主な根拠・検討の方向性つき)と、当社の状況の文章化。非該当の論点も「非該当(確認済み)」として残るため、検討漏れでないことの証跡になります。 |
| ② ポジションペーパー | 論点ごとに、論点の内容/基準・法令の定め/選択可能な方法の比較表(採用に◎)/当社の結論/結論の理由/協議欄(会計=監査人・税務=税理士で分離)。監査対応で最も効く文書です。 |
| ③ 会計方針書 | 結論を条文体に変換した規程ドラフト。適用範囲から税務上の取扱いとの関係、上場準備の場合は会計方針の適用時期まで。未回答の論点は【要検討】として残ります。 |
| ④ J-SOX3点セット | 棚卸資産プロセス(発注・入荷・検収/払出しと売上原価/原価計算/実地棚卸/評価減の判定/廃棄/決算・税会差異)の業務記述書・業務フロー・RCM・業務チェックリスト。P・R・C番号で相互に連動します。 |
よくある質問
最終仕入原価法をそのまま続けることはできますか?
いつまでに会計方針を決めればよいですか?
これまで評価損をほとんど計上していません。移行するとどうなりますか?
洗替え法と切放し法はどちらを選ぶべきですか?
入力した内容は外部に送信されますか?
出力した会計方針書はそのまま使えますか?
次のステップ・関連ページ
コンテンツ最終確認日:2026-07-31/参照:企業会計基準第9号「棚卸資産の評価に関する会計基準」(最終改正2019年7月4日。本ページは2020年3月31日までの修正反映版で項番号を確認。ASBJ現行版は2025年10月16日までの修正を反映)、企業会計原則と関係諸法令との調整に関する連続意見書 第四、原価計算基準、法人税法33条2項・61条、法人税法施行令28条・29条・31条・68条1項1号・118条の4、法人税基本通達5-1-1・5-2-11・5-3-3・9-1-4〜9-1-6