減損会計ラボ【設例・共用資産とのれん編】|先生と一緒に図で学ぶ設例7-1・7-2・8 より大きな単位・超過額・配分する方法
無料の学習ツール「減損会計ラボ」の読み方ガイドです。ラボの設例タブから、共用資産とのれんの設例(設例7-1・7-2・8型)を1つずつ、先生と生徒の会話形式で見ていきます。登場する会社と設例の数値はすべて架空の例です(原典の設例の数値は使っていません)。解説は公認会計士・税理士が監修しています。各行の図はラボの図そのものです。重要な節の最後には、ラボで30秒だけ手を動かす小さな実習を置いています。
📘 設例・基礎7-1 ラボの画面
① グルーピング② 兆候③ 認識の判定④ 測定⑤ 配分と減損後
B:割引前CF 470 ≧ 帳簿価額 450 → 認識しない。
C:割引前CF 520 < 帳簿価額 600 → 認識し、回収可能価額 350 まで減額。減損損失 250。
Aは兆候がないので判定しない。
注7第48項(1)(3)
はじめに
設例7-1・7-2・8 ── 共用資産とのれんは「まずグループごと、次により大きな単位」
📍 ラボの場所:設例・基礎タブ 基礎7-1 ステップ2
ハルカ
先生、今日は共用資産とのれんの設例ですね。基礎編では、2段階で判定すると習いました。
先生
その2段階を数字で追うのが今日の目的だよ。資産グループA・B・Cの帳簿価額は 300・450・600、共用資産の本社は 250。B・Cと共用資産に兆候があるんだ。
ハルカ
まずグループごとですね。Bは割引前CF 470 ≧ 450 で認識せず、Cは 520 < 600 で認識して回収可能価額 350 まで、減損 250。
先生
Aは兆候がないので判定しない。ここまでが①だよ。次に②として、A・B・Cに共用資産を加えたより大きな単位で判定するんだ。
設例・基礎タブの基礎7-1を開きながら読むと分かりやすいですラボで開く ▶
📘 設例・基礎7-1 ラボの画面
🧾 減損損失の計上
減損損失の計上| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|
| 減損損失(特別損失) | 480 | 資産グループCの構成資産 | 250 |
| | 共用資産 | 230 |
① グルーピング② 兆候③ 認識の判定④ 測定⑤ 配分と減損後
比べる帳簿価額 = 減損控除前のA・B・C 1,350 + 共用資産 250 = 1,600
割引前CF 1,250 < 1,600 → 認識する → 回収可能価額 1,120 まで減額 → 減損損失 480
増加額 = 480 − Cの分 250 = 230 → 原則として共用資産に配分
グループごとの割引前CFとより大きな単位の割引前CFの差は、共用資産の正味売却価額や共用資産から生ずる雑収入などから成る(設例7-1型の注)。
共用資産に配分される損失が、共用資産の帳簿価額と正味売却価額の差額を超えることが明らかな場合は、超過額を各グループへ(注8。設例・応用「設例7-1型(4)」で)。
基準 二 7.第48項(2)(4)(5)
設例・基礎7-1
(2)(3) より大きな単位 ── 1,600 vs 1,250 で認識、増加額 230 は共用資産へ
📍 ラボの場所:設例・基礎タブ 基礎7-1 ステップ3・4
ハルカ
比べる帳簿価額が 1,600 になっています。A・B・Cの 1,350 は、Cの減損 250 を引く前の金額ですね。
先生
そこが要点だよ。より大きな単位の帳簿価額は減損損失控除前の各グループに共用資産を加えた額なんだ。割引前CF 1,250 < 1,600 で認識し、回収可能価額 1,120 まで減額して 480 になるんだ。
迷いポイント より大きな単位の減損 480 は、A・B・C・共用資産に帳簿価額比で配る?
ハルカ
480 を4つに帳簿価額比で配分するんですよね。
先生
そうではないんだ。480 から①で認識したCの 250 を引いた増加額 230 を、原則として共用資産に配分する(第48項(5))。仕訳はCの構成資産 250 と共用資産 230 だよ。
ハルカ
共用資産は、みんなが減損した後に残った「増加額」だけを受け取るんですね。本社だけ割り勘の計算が違います。
先生
割り勘ではなく、最後に残った差額を引き受ける係なんだよ。
ハルカ
グループごとのCFの合計と、より大きな単位のCF 1,250 の差は、どこから来るんですか。
先生
共用資産の正味売却価額や、共用資産から生ずる雑収入などだよ。本社ビルの一部を貸していれば、その賃料はより大きな単位のCFに入るんだ。
💡 そうだったのか!
より大きな単位の帳簿価額は
減損控除前の合計+共用資産。損失のうち
増加額(480 − 250 = 230)だけを、原則として
共用資産に配分。
⏱ 30秒だけラボで試す
- リンクからシミュレーションを開く(プリセット「基礎7-1の数字(より大きな単位)」)
- 「より大きな単位の回収可能価額」を 1,120 から 1,000 に変える
👀 減損損失の合計が 480 → 600、増加額 350 のうち共用資産には帳簿価額 250 まで、超過額 100 が A 27・B 41・C 32 に配分されます。
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📘 設例・応用7-1(4) ラボの画面
① グルーピング② 兆候③ 認識の判定④ 測定⑤ 配分と減損後
共用資産に配分できる上限 = 帳簿価額 250 − 正味売却価額 170 = 80
超過額 = 230 − 80 = 150
増加額が共用資産の帳簿価額と正味売却価額の差額を超過することが明らかなので、超過額を合理的な基準で各資産グループに配分する(注8、第48項(5))。
注8第48項(5)
① グルーピング② 兆候③ 認識の判定④ 測定⑤ 配分と減損後
| 配分額 | 配分後の帳簿価額 |
|---|
| 資産グループA 150 × 300 ÷ 1,100 | ▲41 | 259 |
| 資産グループB 150 × 450 ÷ 1,100 | ▲61 | 389 |
| 資産グループC 150 × 350 ÷ 1,100 | ▲48 | 302 |
減損処理後の帳簿価額(Cは回収可能価額まで減額後)の比率で配分(第48項(5)②)。
ただしCは回収可能価額 350 が分かっているので、これを下回る結果になる。次の方法が考えられる。
第48項(5)②
設例・応用7-1(4)
超過額 150 ── 共用資産には「帳簿価額 − 正味売却価額」までしか配分しない
📍 ラボの場所:設例・応用タブ 応用7-1(4) ステップ2・3
ハルカ
共用資産の正味売却価額が 170 と分かると、共用資産に配分できるのは 250 − 170 = 80 まで。増加額 230 のうち 150 が超過額になるんですね。
先生
共用資産を正味売却価額より下まで減額するのは、明らかに行き過ぎだからね(注8)。超過額 150 は、合理的な基準で各資産グループに配分するんだ。
迷いポイント 超過額を配分されるのは、兆候のあったB・Cだけ?
ハルカ
Aは兆候がなくて判定もしていないので、超過額の配分からは外れますよね。
先生
Aにも配分されるんだ。方法①の帳簿価額比では A 41・B 61・C 48。より大きな単位で認識した損失だから、兆候のなかったAも単位の一員として負担するんだよ。
ハルカ
ところが方法①だと、Cが 350 − 48 = 302 になって、せっかく把握した回収可能価額 350 を下回ってしまいます。
先生
そこで方法②があるんだ。回収可能価額が分かるCを下回らないように、A・Bだけに 60・90 を配分する(第48項(5)②ただし書き)。次のステップで3つ目の方法も見ようか。
💡 そうだったのか!
共用資産への配分は
帳簿価額 − 正味売却価額が上限。超過額は
兆候のなかったAも含めて各グループへ。回収可能価額が分かるグループは下回らないように。
📘 設例・応用7-1(4) ラボの画面
🧾 減損損失の計上(方法③の場合)
減損損失の計上| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|
| 減損損失(特別損失) | 480 | 資産グループAの構成資産 | 50 |
| | 資産グループBの構成資産 | 100 |
| | 資産グループCの構成資産 | 250 |
| | 共用資産 | 80 |
① グルーピング② 兆候③ 認識の判定④ 測定⑤ 配分と減損後
| 配分額 | 配分後の帳簿価額 |
|---|
| 資産グループA 150 × 300 ÷ 750 | ▲60 | 240 |
| 資産グループB 150 × 450 ÷ 750 | ▲90 | 360 |
| 資産グループC(配分しない) | 0 | 350 |
一部のグループの回収可能価額が容易に把握できる場合は、それを下回らないように、把握できない構成資産に配分できる(第48項(5)②ただし書き)。
第48項(5)②ただし書き
設例・応用7-1(4)
方法②と方法③ ── 回収可能価額が「分かる範囲」で配分の仕方が変わる
📍 ラボの場所:設例・応用タブ 応用7-1(4) ステップ4・5
ハルカ
方法③は、A・Bの回収可能価額も 240・330 と分かる場合ですね。帳簿価額との差額 60・120 の比で、150 を 50・100 に分けています。
先生
各グループの回収可能価額が容易に把握できるときは、回収可能価額を下回らないように差額の比率などで配分する(第48項(5)①)。配分後は A 250・B 350・C 350 で、どれも回収可能価額以上だよ。
迷いポイント 3つの方法のうち、会社が好きなものを選べる?
ハルカ
減損後の数字が一番きれいになる方法を、毎回選んでもいいんですよね。
先生
きれいさで選ぶものではないんだ。回収可能価額をどこまで把握できているかが出発点になる。第48項(5)①のとおり、全部が容易に把握できるなら、それを下回らないように差額の比率等で配分するんだよ。
ハルカ
一部だけ分かるときは、必ず方法②にするんですか。
先生
そこは「できる」なんだ。把握できないグループは帳簿価額比が原則で、分かるグループを下回らないように把握できない方へ配分する方法も採れる(同②ただし書き)。採ったら、同じ場面では続けるんだよ。
ハルカ
「できる」が多いので、情報を集めなかった方が楽な方法になりませんか。
先生
楽な方法ほど、Cのように測った数字を壊してしまう。集めた情報は、使わないと損なんだよ。
💡 そうだったのか!
全部の回収可能価額が容易に把握できるなら、
下回らないように差額の比率等で配分。一部だけなら帳簿価額比が原則で、
分かるグループを下回らないよう把握できない方へ配分する方法も採れる(「できる」規定)。
⏱ 30秒だけラボで試す
- リンクからシミュレーションを開く(プリセット「応用7-1(4)の数字」)
- 「超過額の配分方法」を「帳簿価額の比率」→「回収可能価額が分かるグループを下回らないように」→「差額の比率」と切り替える
👀 超過額 150 の配分が 41・61・48 → 60・90・0 → 50・100・0 と変わり、共用資産の 80 と合計 480 は同じです。
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📘 設例・応用7-2 ラボの画面
🧾 減損損失の計上
減損損失の計上(配分する方法)| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|
| 減損損失(特別損失) | 270 | 資産グループBの構成資産 | 90 |
| | 資産グループCの構成資産 | 137 |
| | 共用資産 | 43 |
① グルーピング② 兆候③ 認識の判定④ 測定⑤ 配分と減損後
A = 300 + 250 × 20% = 350 B = 450 + 75 = 525 C = 600 + 125 = 725
共用資産の帳簿価額を配分して管理会計を行っている場合や、将来CFの生成への寄与と強い相関を持つ合理的な配賦基準がある場合に採用できる(第49項(1))。採用したら翌期以降も継続し、類似グループでも同じ方法(第49項(2)(3))。
兆候は、配分された各グループについて判断する(第16項なお書き)。
基準 二 7.第49項
① グルーピング② 兆候③ 認識の判定④ 測定⑤ 配分と減損後
B:割引前CF 500 < 配分後の帳簿価額 525 → 認識 → 回収可能価額 420 まで減額(▲105)。
C:割引前CF 700 < 725 → 認識 → 560 まで(▲165)。
第50項(1)(2)
設例・応用7-2
共用資産の帳簿価額を配分する方法 ── 配分してから、グループごとに1回判定
📍 ラボの場所:設例・応用タブ 応用7-2 ステップ2〜4
ハルカ
7-2は、共用資産 250 を 20%・30%・50% でA・B・Cに先に配分するんですね。配分後の帳簿価額は 350・525・725。
先生
管理会計で共用資産の帳簿価額を配分していたり、将来CFの生成と強い相関を持つ配賦基準があるときに選べる方法だよ(第49項(1))。配分した後は、より大きな単位の判定はせず各グループで1回なんだ。
迷いポイント 配分する方法でも、2段階(グループごと → より大きな単位)は要る?
ハルカ
配分した後も、念のためより大きな単位で確かめるんですよね。
先生
要らないんだ。共用資産はもう各グループの帳簿価額に溶けているからね。B は 500 < 525 で 105、C は 700 < 725 で 165 を認識して、それで終わりだよ。
ハルカ
減損損失は、構成資産と共用資産の配分額に帳簿価額比で分けるんですね。Bは 90 と 15、Cは 137 と 28。
先生
そう(第50項(3))。共用資産には合計 43 が配分されて 250 → 207。採用したら翌期以降も続け、類似のグループでも同じ方法にするんだ。
💡 そうだったのか!
配分する方法は
合理的な配賦基準があるときに選べ、配分後は
各グループで1回判定。損失は構成資産と共用資産の配分額に帳簿価額比で配分し、
継続適用。
⏱ 30秒だけラボで試す
- リンクからシミュレーションを開く(プリセット「応用7-2の数字(帳簿価額を配分する方法)」)
- 「配賦割合 A(%)」を 20 から 40、「配賦割合 C(%)」を 50 から 30 に変える
👀 Cの配分後の帳簿価額が 725 → 675 になり、割引前CF 700 ≧ 675 で認識せず。減損損失の合計は 270 → 105(B のみ)に変わります。配賦割合が結果を大きく動かすので、基準の合理性が要件です。
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📘 設例・基礎8 ラボの画面
① グルーピング② 兆候③ 認識の判定④ 測定⑤ 配分と減損後
事業Ⅰ = 360 × 600 ÷ (600+900) = 144 事業Ⅱ = 216
分割する単位は、取得対価が概ね独立して決定され、取得後も内部管理上独立した業績報告が行われる単位(注9)。分割は取得時の時価の比率など合理的な方法(注10)。
事業Ⅰに配分されたのれんに兆候があるものとする。
基準 二 8.注9・注10第51項
① グルーピング② 兆候③ 認識の判定④ 測定⑤ 配分と減損後
比べる帳簿価額 = 減損控除前のA・B・C 700 + のれん 144 = 844
割引前CF 820 < 844 → 認識 → 回収可能価額 690 まで → 減損損失 154
増加額 = 154 − 70 = 84 → のれんに配分(のれんは 144 → 60)
のれんに配分された損失がのれんの帳簿価額を超える場合は、超過額を各グループに合理的な基準で配分する(注11)。
第52項(2)(4)(5)注11
設例・基礎8
のれん ── 時価比率で 144 と 216 に分割し、事業Ⅰで2段階
📍 ラボの場所:設例・基礎タブ 基礎8 ステップ2〜4
ハルカ
のれん 360 を、取得時の事業Ⅰ・Ⅱの時価 600:900 で 144 と 216 に分けるんですね。
先生
取得対価が概ね独立して決まり、取得後も独立した業績報告がある事業単位に分割する(注9)。基準は時価の比率など合理的な方法だよ(注10)。事業Ⅰのグループごとでは、Cだけ 70 を認識するんだ。
迷いポイント のれんを含む単位の帳簿価額に、Cの減損後の 110 を使う?
ハルカ
より大きな単位では、Cは減損後の 110 で足して 630 + 144 = 774 ですよね。
先生
共用資産と同じで減損控除前なんだ。700 + 144 = 844 と割引前CF 820 を比べて認識し、回収可能価額 690 まで 154。増加額 154 − 70 = 84 をのれんに配分して、のれんは 60 になるよ。
ハルカ
これ、資本連結ラボで習った「のれんは20年以内で償却」ののれんですよね。減損で 84 落としたら、償却はどうなりますか。
先生
よく覚えていたね。残った 60 を残存償却年数で規則的に償却していく。戻入れはしないよ。見積期間も、第37項(4)により、のれんの残存償却年数と20年の短い方が原則なんだ。
💡 そうだったのか!
のれんは
事業単位に分割してから、共用資産と同じ
2段階。より大きな単位の帳簿価額は減損控除前で、増加額は
のれんへ。残りは償却を続ける。
⏱ 30秒だけラボで試す
- リンクからシミュレーションを開く(プリセット「基礎8の数字(分割→より大きな単位)」)
- 「取得時の事業Ⅰの時価」を 600 → 900、「事業Ⅱの時価」を 900 → 600 に入れ替える
👀 事業Ⅰののれんが 144 → 216 になり、より大きな単位の帳簿価額 916 vs 820 で減損 226、増加額 156 がのれんへ(残 60)。分割比率がのれんの減損額を直接動かします。
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📘 設例・応用8 ラボの画面
🧾 減損損失の計上
減損損失の計上(のれんを配分する方法)| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|
| 減損損失(特別損失) | 204 | 資産グループBの構成資産 | 20 |
| | 資産グループCの構成資産 | 70 |
| | のれん | 114 |
① グルーピング② 兆候③ 認識の判定④ 測定⑤ 配分と減損後
A:割引前CF 240 < 258 → 認識 → 回収可能価額 230 まで(▲28)
B:割引前CF 330 < 370 → 認識 → 回収可能価額 300 まで(▲70)
C:割引前CF 150 < 216 → 認識 → 回収可能価額 110 まで(▲106)
第54項(1)(2)
設例・応用8
のれんを配分する方法 ── 損失はのれんに優先配分
📍 ラボの場所:設例・応用タブ 応用8 ステップ3・4
ハルカ
のれん 144 を 40%・35%・25% でA・B・Cに配分すると、配分後の帳簿価額は 258・370・216。今度は3つとも認識になりました。
先生
A は 240 < 258 で 28、B は 330 < 370 で 70、C は 150 < 216 で 106、合計 204 だよ。基礎8の 154 と結果が違うのは、方法が違うからなんだ。
迷いポイント 配分後のグループの減損損失は、のれんと構成資産に帳簿価額比で分ける?
ハルカ
共用資産のときと同じで、のれんの配分額と構成資産に帳簿価額比ですよね。
先生
のれんは違うんだ。のれんに優先的に配分し、残額を構成資産へ(第54項(3))。Cの 106 は、のれん配分額 36 を全部消してから、残り 70 を構成資産に配分するよ。
ハルカ
のれんが真っ先に削られるんですね。買収のときに一番はしゃいでいた人が、最初に席を立たされる感じです。
先生
はしゃいだ分、つまり買収の期待の部分が先に消える、という理解でいいよ。方法は配賦基準の合理性で決めて継続する。基礎8の方法と比べて有利な方を毎期選ぶものではないんだ。
💡 そうだったのか!
のれんを配分する方法では、グループの損失を
のれんに優先配分し、残額を構成資産へ。より大きな単位の方法と結果は違うが、配賦基準の合理性で決めて
継続。
📝 のれんの減損で監査人は何を見る?KAM事例399社を分析記事を読む ▶
今日の内容を、ラボで確かめてみませんか?
この記事の図は、すべて減損会計ラボの画面そのものです。設例タブを開けば、同じ図を見ながら、ステップを1つずつ読み返せます。
減損会計ラボを開く ▶今日のまとめ ── 設例ごとの結論
おわりに
今日のふりかえり
先生
今日のまとめだよ。共用資産とのれんはまずグループごと、次により大きな単位で、比べる帳簿価額は減損控除前。増加額は共用資産・のれんへ配分し、上限を超える分は各グループへ。配分する方法を選ぶなら継続。この3つなんだ。
ハルカ
より大きな単位の方法と配分する方法で、減損損失が 480 と 270、154 と 204 と違いました。方法が違えば答えが違うのは、前は「どちらかが間違い」だと思っていたはずです。
先生
どちらも正しい。のれんは同じ数字だけど、共用資産の2つの設例は帳簿価額は同じでも、方法に応じてCF等の前提も変えているんだ。一度選んだ方法は続けるのが原則だよ。
ハルカ
私は、本社ビルを「稼がない建物」だと思っていました。今日からは「全店の縁の下にいる建物」と呼びます。
先生
縁の下にいる分、兆候も全店と一緒に見てあげてほしいんだ。次の設例・配分と土地再評価編では、土地の正味売却価額を下回らない配分、旧リースの什器備品、再評価した土地の減損を見ていこうか。
参考資料
減損会計基準 二 7.・8.、注7〜注11、適用指針第6号 第48〜54項(共用資産・のれんの判定と配分)、設例7-1・7-2・8。「固定資産の減損に係る会計基準」・「固定資産の減損に係る会計基準の設定に関する意見書」(企業会計審議会 2002年8月9日)、企業会計基準適用指針第6号「固定資産の減損に係る会計基準の適用指針」(最終改正 2025年10月16日。設例1〜10)、企業会計基準第18号「資産除去債務に関する会計基準」第44項(減損との関係)、土地の再評価に関する法律第8条。IFRSは IAS 36「資産の減損」。基準確認日:2026年10月12日。ラボの設例は、原典の設例1〜10と同じパターンを独自の数値で組み立てたものです(原典の数値は画面に出していません)。
このシリーズの記事:基礎編/応用編/設例・グルーピング編(設例1-1〜1-6)/設例・判定と測定編(設例0・2〜6)/設例・配分と土地再評価編(設例9・10)
この記事を書いた人
TaxJudge編集部|公認会計士・税理士(実務25年)による企画・監修。会計基準・税法・裁決・有価証券報告書などの一次情報をもとに、検索できるデータベースと計算・判定・文書作成ツールを制作しています。