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減損会計ラボ【設例・グルーピング編】|先生と一緒に図で学ぶ設例1-1〜1-6 管理会計の単位・共用資産・連結の見直し

減損会計ラボ【設例・グルーピング編】|先生と一緒に図で学ぶ設例1-1〜1-6 管理会計の単位・共用資産・連結の見直し

無料の学習ツール「減損会計ラボ」の読み方ガイドです。ラボの設例タブから、グルーピングの設例(設例1-1〜1-6型)を1つずつ、先生と生徒の会話形式で見ていきます。登場する会社と設例の数値はすべて架空の例です(原典の設例の数値は使っていません)。解説は公認会計士・税理士が監修しています。各行の図はラボの図そのものです。重要な節の最後には、ラボで30秒だけ手を動かす小さな実習を置いています。

📘 設例・基礎1-1 ラボの画面
Y工場(所有)原材料CX工場 ラインA製品群AX工場 ラインB製品群B営業部(製品群A)本社・賃借営業部(商品群D)外部仕入外部へ

前提条件(独自の数値・設定)

  • 甲社は製品群A・Bを製造販売し、商品群Dを販売している。Y工場(所有)で原材料Cを加工してX工場に供給(外部にも販売)。X工場(所有)のラインAで製品群A、ラインBで製品群Bを製造。本社(賃借)の営業部が製品群Aと商品群Dを卸している。
  • 甲社は合理的な内部振替価額を使い、Y工場・X工場ラインA・ラインB・営業部に分けて管理している。
📎 実務で確認する資料
  • 管理会計の区分(工場・ライン・営業部)と内部振替価額の設定資料
  • 事業部別の売上・利益の相互関係が分かる資料
  • 工場の土地・建物の利用状況(複数ラインの共用)
はじめに

設例1-1〜1-6 ── グルーピングは「収支を把握している単位」から始める

📍 ラボの場所:設例・基礎タブ 基礎1-1 ステップ1
ハルカ
先生、今日はグルーピングの設例ですね。設例1-1から1-6まで、業種ごとに6つあります。
先生
そうだよ。基礎編で見た「概ね独立したキャッシュ・フローを生み出す最小の単位」を、製造業・商業・不動産業・連結でどう当てはめるかの練習なんだ。
ハルカ
前提に、工場やラインごとに内部振替価額で管理している、とあります。
先生
その管理の区分が出発点になる。手順は (1) 収支を把握している単位を見つけ、(2) 相互補完的な単位を束ね、(3) 複数の単位に貢献する資産を共用資産にする、の3つだよ。
設例・基礎タブの基礎1-1を開きながら読むと分かりやすいですラボで開く ▶
📘 設例・基礎1-1 ラボの画面
Y工場(所有)原材料CX工場 ラインA製品群AX工場 ラインB製品群B営業部(製品群A)本社・賃借営業部(商品群D)外部仕入外部へX工場の土地・建物 = 製品群A事業部とB事業部の共用資産Y工場:製品群A事業部に含める(相互補完的なら)
① グルーピング② 兆候③ 認識の判定④ 測定⑤ 配分と減損後

甲社が製品群A事業部(Y工場・ラインA・製品群Aの営業部)、製品群B事業部(ラインB)、商品群D事業部として管理し、それぞれの売上が相互補完的でなければ、この3事業部がグルーピングの単位(第7項(2))。

Y工場が原材料Cを独立に外部販売でき、X工場も外部調達できるなら、Y工場を切り離してもラインAのキャッシュ・イン・フローに大きな影響がないので、Y工場だけで単位になることも考えられる(第70項(2)なお書き)。

第7項(2)第70項
① グルーピング② 兆候③ 認識の判定④ 測定⑤ 配分と減損後

X工場の土地・建物は、製品群A事業部とB事業部の両方の将来CF生成に寄与するので共用資産(注1 5.)。

まとめ:管理会計の区分 → 資産と対応する収支の単位 → 相互補完性で束ねる → 複数の単位に貢献する資産は共用資産。

注1第7項
設例・基礎1-1

製造業:機能別の区分 ── 工場・ライン・営業部を束ねる

📍 ラボの場所:設例・基礎タブ 基礎1-1 ステップ3・4
ハルカ
Y工場、X工場のラインA・B、営業部が基礎の単位で、それを製品群A事業部・B事業部・商品群D事業部に束ねていますね。
先生
束ねる理由は相互補完性だよ。Y工場の原材料CはラインAに流れ、営業部が製品群Aを売る。この3つの売上が互いに補い合うなら、製品群A事業部で1つなんだ。
迷いポイント 内部振替価額で管理している単位は、「収支の把握」に数えていい?
ハルカ
外部との現金のやり取りがないY工場やラインは、収支を把握しているとは言えないのではないですか。
先生
数えてよいんだ(第7項(1)①)。収支は外部との直接のキャッシュ・フローでなくてよく、合理的な内部振替価額や共通費の配分でもよい。だからY工場も基礎の単位になるよ。
ハルカ
Y工場を切り離してもラインAに大きな影響がなければ、Y工場だけで単位になることも考えられる、とあります。
先生
原材料Cを外部にも売れて、X工場も外部調達できるなら、キャッシュ・イン・フローが独立しているからね。そしてX工場の土地・建物は、A・B両方に寄与するので共用資産なんだ。
💡 そうだったのか!
収支の把握は内部振替価額でもよい。相互補完的なら事業部に束ね、独立していれば工場単独の単位もありうる。2つの事業部に寄与する工場の土地・建物は共用資産。
📘 設例・基礎1-2 ラボの画面
部品Z製造工場単独では収支把握なし製品群A製造工場収支管理あり製品群B製造工場収支管理あり部品外部販売外部販売部品Z工場はグルーピングの基礎にならず、AとBの共用資産。AとBが相互補完的なら事業部全体が1グループ
① グルーピング② 兆候③ 認識の判定④ 測定⑤ 配分と減損後

管理会計上の単位は製品群A工場・製品群B工場・各製品群・Y事業部だが、資産と対応するのは製品群A工場と製品群B工場。この2つがグルーピングの基礎(第7項(1))。

部品Z工場は単独で収支を把握していないので基礎にならない。

第7項(1)
① グルーピング② 兆候③ 認識の判定④ 測定⑤ 配分と減損後

製品群AとBの性質や市場が全く異なりキャッシュ・イン・フローが相互補完的でなければ、A工場とB工場がそれぞれグルーピングの単位。

部品Z工場はA・Bの将来CFの生成に寄与する共用資産。共用資産に兆候があるとき、各製品群の業績管理で部品Z工場の帳簿価額を配分していたり合理的な配賦基準があれば、帳簿価額を配分して判定・測定できる(第49項)。

製品群AとBのキャッシュ・イン・フローが相互補完的なら、Y事業部全体が1つの資産グループになる。

第7項(2)第49項
設例・基礎1-2

製造業:製品別の区分 ── 単独で収支を見ていない部品工場は共用資産

📍 ラボの場所:設例・基礎タブ 基礎1-2 ステップ2・3
ハルカ
部品Z工場は、製品群A・Bの部品を全部作っているのに、グルーピングの基礎にならないんですね。
先生
部品Z工場単独では継続的な収支の把握をしていないからね。資産と対応して収支を把握しているのは製品群A工場とB工場。この2つが基礎で、部品Z工場は共用資産になるんだ。
迷いポイント 共用資産になった部品Z工場は、どの段階で判定に入る?
ハルカ
共用資産になると、減損の判定からは外れてしまうんですか。
先生
外れないよ。共用資産に兆候があれば、A・B工場と部品Z工場を合わせたより大きな単位で判定する。各製品群の業績管理で部品Z工場の帳簿価額を配分していれば、第49項の配分して判定する方法も選べるんだ。
ハルカ
部品Z工場は、自分では稼いでいないように見えて、A・Bの両方を支えている縁の下の力持ちなんですね。
先生
縁の下にいる分、判定は上の2つと一緒に受けることになるんだよ。
💡 そうだったのか!
単独で収支を把握していない工場は基礎にならず共用資産。判定から外れるのではなく、より大きな単位(または配分する方法)で判定に入る。
📝 減損会計ラボ【設例・共用資産とのれん編】(共用資産の2段階と配分する方法)記事を読む ▶
📘 設例・基礎1-3 ラボの画面
A工場 機械X 4台所有A営業本部賃借A地域(独立した物流)B工場 機械X 3台所有B営業本部賃借B地域(独立した物流)C工場 機械X 2台所有C営業本部賃借C地域(独立した物流)本社ビル(一部を外部へ賃貸)地域別が資産グループ。本社ビルは1つの資産なので分割せず共用資産(大部分を賃貸すれば賃貸ビルとして別グループに)
① グルーピング② 兆候③ 認識の判定④ 測定⑤ 配分と減損後

収支の把握と管理会計が地域別なので、A地域(A工場・A営業本部)、B地域、C地域がグルーピングの基礎。

製品は1つでも、地域が離れ物流が独立していてキャッシュ・イン・フローが相互補完的でないため、各地域が資産グループ。

第7項
① グルーピング② 兆候③ 認識の判定④ 測定⑤ 配分と減損後

B工場の一部をB営業本部で使っても、同じ管理会計の単位なのでグルーピングは変わらない。

本社ビルの一部賃貸は用途の転用だが、原則として小さくとも物理的な1つの資産が基礎なので、賃貸部分を分割せず全体が従前どおり共用資産。

ビルの大部分が賃貸され製品Xの販売と相互補完的でなくなれば、賃貸ビルとして新しいグルーピングの単位になりうる。仕様が違う賃貸部分が独立した資産と考えられる場合も同様(第7項(1)③)。

第7項(1)③第13項(3)
設例・基礎1-3

製造業:地域別のグルーピングと転用 ── 1つの資産は分割しない

📍 ラボの場所:設例・基礎タブ 基礎1-3 ステップ2・3
ハルカ
製品Xは1つなのに、A・B・Cの地域ごとに資産グループが分かれるんですね。
先生
収支の把握と管理会計の単位が地域別で、地理的に離れて物流も独立しているからね。製品が同じでも、キャッシュ・イン・フローが相互補完的でなければ各地域が資産グループなんだ。
迷いポイント 本社ビルの一部を賃貸に回したら、その部分だけ別のグループになる?
ハルカ
本社ビルの一部を外部に貸し始めたら、賃貸部分は賃貸ビルとして別の単位にしますよね。
先生
原則として分割しないんだ。小さくとも物理的な1つの資産が基礎だから、賃貸部分も含めて全体が従前どおり共用資産だよ。大部分が賃貸になって製品Xと相互補完的でなくなれば、話は別だね。
ハルカ
B工場の建物の 30% をB営業本部が使うようになった方は、どうですか。
先生
同じB地域の管理会計の単位の中だから、グルーピングは変わらないよ。ただし使用方法の変化は兆候②に当たりうるので、兆候の確認は別に要るんだ。
ハルカ
一部を貸しただけで別の資産にならないなら、妹にまた貸ししている私のクローゼットの半分も…いえ、物理的に1つの部屋でした。
先生
1つの部屋は分割しない。原則どおりの理解だね。
💡 そうだったのか!
収支の把握が地域別なら地域が資産グループ。一部の転用・賃貸では物理的な1つの資産を分割しない(大部分が賃貸になれば新しい単位になりうる)。
📘 設例・基礎1-4 ラボの画面
XY社(持株会社)本社ビルのみX社:8店舗(法人事業部 A〜D店/小売事業部 全店)Y社:3店舗(A店はX社から賃借)A店B店C店D店E店F店G店H店A店I店J店個別:各店舗が資産グループ、XY社は本社ビルを含む会社全体。連結:連結管理上、本社ビルが共用資産に、共同店舗A店は1つのA店に見直されることがある
① グルーピング② 兆候③ 認識の判定④ 測定⑤ 配分と減損後

X社:店舗×事業部のマトリックス管理なので、①店舗単位、②事業部単位、③店舗内の事業部単位が候補。原則として物理的な1つの資産が基礎で、営業範囲が重複せず相互補完的でないため、各店舗が単位。

Y社:小売専業で店舗単位の利益管理、営業範囲も重複しないので各店舗が単位。

XY社:管理業務の管理会計単位で区切ることも考えられるが、物理的な1つの資産が最小単位なので、本社ビルを含むXY社全体が単位。

第7項
① グルーピング② 兆候③ 認識の判定④ 測定⑤ 配分と減損後

連結でも各店舗が単位。ただし連結管理会計上、XY社の本社ビルがX社・Y社の各店舗の将来CF生成に寄与する資産として扱われていれば、連結の見地から見直され共用資産になる(第10項)。

共同店舗A店が連結上1つのA店として管理されていれば、X社とY社のA店の将来CFの合計がA店のCFになり、両社間の賃貸料の受払いは相殺消去される。

第10項第75項
設例・基礎1-4

商業・サービス業:店舗営業と持株会社 ── 個別と連結での単位

📍 ラボの場所:設例・基礎タブ 基礎1-4 ステップ2・3
ハルカ
X社は店舗 × 事業部のマトリックス管理で、候補が3つあります。店舗単位、事業部単位、店舗の中の事業部単位。
先生
答えは各店舗だよ。原則として物理的な1つの資産が基礎で、各店の営業範囲が重複せず相互補完的でないからね。店舗の中を事業部で切るのは、資産を分割することになるんだ。
迷いポイント 営業をしていない持株会社の本社ビルは、何の単位になる?
ハルカ
持株会社XY社は役務収入しかないので、管理業務の単位で区切るんですよね。
先生
物理的な1つの資産が最小単位だから、本社ビルを含むXY社全体が単位になるんだ。ただし連結では、本社ビルがX社・Y社の店舗の将来CFに寄与していれば、第10項により連結の見地から共用資産に見直されるよ。
ハルカ
共同店舗のA店は、X社とY社で賃貸料のやり取りがありますね。
先生
連結上1つのA店として管理していれば、両社のA店の将来CFを合計してA店のCFにする。賃貸料の受払いは連結で相殺消去されるんだよ。
💡 そうだったのか!
店舗は各店舗が単位(店舗の中を事業部で分割しない)。持株会社は本社ビルを含む会社全体が単位で、連結では共用資産に見直されうる。
📘 設例・基礎1-5 ラボの画面
A土地(複合施設・同じ敷地)賃貸ビル賃料収入商業テナントビルテナント収入文化施設単独では収益性が悪い各棟で収支計算 → 各棟が候補。文化施設が他棟のCFに寄与するなら共用資産。全体で回収する投資判断なら複合施設全体が1グループ
① グルーピング② 兆候③ 認識の判定④ 測定⑤ 配分と減損後

各棟で収支計算しているので、各棟をグルーピングの単位とすることが考えられる(第7項(1))。

第7項(1)
① グルーピング② 兆候③ 認識の判定④ 測定⑤ 配分と減損後

文化施設の収入が重要でなく、賃貸ビルとテナントビルの将来CF生成に寄与する資産なら、文化施設は単位にならず共用資産。

当初の投資意思決定から複合施設全体を管理単位とし、文化施設の収入にも一定の重要性があり、各棟のキャッシュ・イン・フローが相互補完的なら、複合施設全体が1つのグルーピングの単位(第7項(2))。

共用資産から生ずる雑収入は、より大きな単位の割引前CFに含まれることがある(設例7-1型の注)。

第7項(2)注1 5.
設例・基礎1-5

不動産業:複合施設 ── 収益性の悪い文化施設をどう扱うか

📍 ラボの場所:設例・基礎タブ 基礎1-5 ステップ2・3
ハルカ
賃貸ビル・商業テナントビル・文化施設の3棟で、各棟ごとに収支計算をしています。棟ごとに単位にするのが素直に見えます。
先生
それが1つ目の候補だよ。ただ、文化施設はイメージアップと集客のために建てた施設で、単独の収益性は悪い。文化施設をどう位置づけるかで答えが2通りに分かれるんだ。
迷いポイント 収益性の悪い文化施設は、単独で減損してしまう?
ハルカ
文化施設を1つの単位にしたら、単独では赤字なので、すぐ減損になりそうです。
先生
文化施設の収入が重要でなく、他の2棟の将来CFに寄与する資産なら、単位にならず共用資産になるんだ。逆に、当初から複合施設全体を管理単位とし各棟のCFが相互補完的なら、全体で1つの単位だよ。
ハルカ
赤字の文化施設を単独で見るか、3棟セットで見るかで、結論がまるで違うんですね。投資したときの考え方まで戻って決めると。
先生
そう、投資の意思決定の単位は、グルーピングの大事な手がかりなんだ。共用資産の雑収入が、より大きな単位の割引前CFに含まれることもあるよ。
💡 そうだったのか!
収益性の悪い棟は、他の棟に寄与する共用資産か、相互補完的なら複合施設全体で1つの単位。投資の意思決定の単位が手がかり。
📘 設例・基礎1-6 ラボの画面
部品子会社Y簿価 500X社 工場A簿価 900販売子会社Z簿価 300連結:製品群Aグループ(Y+工場A+Z)には兆候なし → 認識しない。連結修正で 250 を戻し入れる
🧾 連結修正仕訳
個別の減損損失の戻入れ
借方金額貸方金額
機械装置等(工場A)250減損損失250
① グルーピング② 兆候③ 認識の判定④ 測定⑤ 配分と減損後
X社の工場A
帳簿価額900
割引前将来CF820
減損損失の認識する
回収可能価額650
減損損失▲250

X社では工場という資産に対応して収支を把握しているので、工場Aと工場Bが基礎。相互補完的でないので各工場が資産グループ、本社は共用資産。

工場Aの割引前CF 820 < 帳簿価額 900 → 回収可能価額 650 まで減額。

🧾 X社個別の仕訳
減損損失の計上
借方金額貸方金額
減損損失250機械装置等(工場A)250
第7項基準 二 2.・3.
設例・基礎1-6

連結の見地から見直す ── 個別の減損 250 を連結で戻し入れる

📍 ラボの場所:設例・基礎タブ 基礎1-6 ステップ2・3
ハルカ
X社の個別では工場Aの割引前CF 820 < 帳簿価額 900 で、回収可能価額 650 まで 250 の減損ですね。
先生
個別ではそれで確定だよ。第10項のとおり、個別財務諸表ではグルーピングが自社を超えて他社に及ぶことはないからね。
迷いポイント 連結では、個別の減損損失をそのまま合算する?
ハルカ
連結は個別の積み上げなので、250 の減損損失もそのまま連結に載りますよね。
先生
ここでは載らないんだ。連結管理上の単位である製品群Aグループ(Y社・工場A・Z社)には兆候がないので、連結では認識しない。連結修正仕訳で 250 を戻し入れるよ。
ハルカ
応用編でも見た論点ですね。あのときは「個別の数字をそのまま足すのが連結ではない」と教わりました。
先生
よく覚えていたね。工場Aに兆候があっても、連結の単位であるグループに兆候がなければ判定に進まない点にも注目してほしいんだ。割引前CF 1,900 は参考の数字だよ。
ハルカ
個別で泣いた 250 が、連結では笑顔で戻ってくるんですね。
先生
笑顔なのは連結の数字だけで、工場Aの個別の減損はそのまま残るんだよ。
💡 そうだったのか!
連結では連結管理上の単位で見直し、グループに兆候がなく減損損失を認識しなければ、個別の減損損失を連結修正仕訳で戻し入れる(第75項なお書き)。
⏱ 30秒だけラボで試す
  1. 設例・基礎タブで基礎1-6のステップ2を開く
  2. プルダウンで基礎1-4に切り替えて、ステップ3「連結財務諸表」を開く

👀 1-6は「製品群Aグループで見直して戻し入れ」、1-4は「本社ビルが連結では共用資産に」と、連結での見直しの2つの型を比べられます。

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📝 資本連結ラボ【応用編】(個別の簿価と連結上の簿価)記事を読む ▶

今日の内容を、ラボで確かめてみませんか?

この記事の図は、すべて減損会計ラボの画面そのものです。設例タブを開けば、同じ図を見ながら、ステップを1つずつ読み返せます。

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📓 ハルカの学習ノートで、この章を見る学習ノートへ ▶

今日のまとめ ── 設例ごとの結論

設例迷いポイント答え
1-1内部振替価額で管理している単位は「収支の把握」に数えていい?数えてよい(第7項(1)①)。相互補完的なら事業部に束ね、X工場の土地・建物は共用資産
1-2共用資産になった部品Z工場は、どの段階で判定に入る?外れない。より大きな単位(または配分する方法)で判定(第49項)
1-3本社ビルの一部を賃貸に回したら、その部分だけ別のグループ?原則として分割しない。物理的な1つの資産が基礎(第7項(1)③)
1-4営業をしていない持株会社の本社ビルは何の単位?会社全体が単位。連結では共用資産に見直されうる(第10項)
1-5収益性の悪い文化施設は単独で減損してしまう?他の棟に寄与する共用資産か、相互補完的なら複合施設全体で1つの単位(第7項(2))
1-6連結では個別の減損損失をそのまま合算する?連結管理上の単位で見直し、兆候がなく認識しなければ連結修正仕訳で戻し入れる(第75項)
おわりに

今日のふりかえり

先生
今日のまとめだよ。グルーピングは収支を把握している単位から始め、相互補完性で束ね、複数の単位に寄与する資産は共用資産にする。物理的な1つの資産は分割せず、連結では連結管理上の単位で見直す。6つの設例は、この手順の当てはめなんだ。
ハルカ
6つとも、最初に「どこで収支を見ているか」を確かめていました。会計の判断なのに、答えの材料は管理会計と投資の意思決定にあるんですね。前は数字の計算がグルーピングだと思っていました。
先生
計算の前に単位が決まる。そこが見えたのは大きいよ。単位を間違えると、後の計算が全部ずれるからね。
ハルカ
では私は、固定資産台帳の前に、管理会計の部門コード表を開くことにします。経理なのに、最初に見るのが台帳ではないのが不思議です。
先生
台帳は2番目でいいんだよ。次の設例・判定と測定編では、導入設例の店舗と、20年ルール・建設仮勘定・期待値・割引率の設例を見ていこうか。

参考資料

適用指針第6号 第7〜10項(グルーピングの手順)・第70〜75項(結論の背景)・注1 5.(共用資産)、設例1-1〜1-6。「固定資産の減損に係る会計基準」・「固定資産の減損に係る会計基準の設定に関する意見書」(企業会計審議会 2002年8月9日)、企業会計基準適用指針第6号「固定資産の減損に係る会計基準の適用指針」(最終改正 2025年10月16日。設例1〜10)、企業会計基準第18号「資産除去債務に関する会計基準」第44項(減損との関係)、土地の再評価に関する法律第8条。IFRSは IAS 36「資産の減損」。基準確認日:2026年10月12日。ラボの設例は、原典の設例1〜10と同じパターンを独自の数値で組み立てたものです(原典の数値は画面に出していません)。
このシリーズの記事:基礎編/応用編/設例・判定と測定編(設例0・2〜6)/設例・共用資産とのれん編(設例7-1・7-2・8)/設例・配分と土地再評価編(設例9・10)

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この記事を書いた人

TaxJudge編集部|公認会計士・税理士(実務25年)による企画・監修。会計基準・税法・裁決・有価証券報告書などの一次情報をもとに、検索できるデータベースと計算・判定・文書作成ツールを制作しています。