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セグメント情報ラボ【応用編】|先生と一緒に図で学ぶ集約・損失の判定・差異調整・関連情報

セグメント情報ラボ【応用編】

無料の学習ツール「セグメント情報ラボ」の読み方ガイドです。ラボの応用タブから、実務で迷いやすい論点を選んで、先生と生徒の会話形式で見ていきます。基礎タブの内容は基礎編で扱っています。各行の図はラボの図そのものです。重要な節の最後には、ラボで30秒だけ手を動かす小さな実習を置いています。

応用タブの早見表
基準値何を(分子)何と比べる(分母・取扱い)
報告セグメントを決める(分母に注意)
10%以上事業セグメントの売上高(内部売上高・振替高を含む)すべての事業セグメントの売上高の合計(このツールでは、分子と同じく内部売上高を含めて集計)
10%以上利益又は損失の絶対値「利益の出ている事業セグメントの利益合計」と「損失の出ている事業セグメントの損失合計の絶対値」の大きい方
10%以上事業セグメントの資産すべての事業セグメントの資産の合計
過半数10%未満どうしを結合するときの、類似している要素の数5つの要素のうち3つ以上(経済的特徴の類似も必要)
75%以上報告セグメントの外部顧客への売上高の合計損益計算書の売上高(内部売上高は含まない)
10超報告セグメントの数超えたら、区分が適切かを慎重に判断(上限はない)
関連情報(分母は財務諸表の金額)
10%以上製品・サービス区分の外部顧客への売上高 → 区分して開示損益計算書の売上高。単一の区分が90%超なら、その旨を開示して省略できる
10%以上海外のうち、単一の国の外部顧客への売上高 → 主要な国として区分損益計算書の売上高。国内が90%超なら、その旨を開示して省略できる
10%以上海外に所在する有形固定資産のうち、単一の国 → 区分して開示貸借対照表の有形固定資産。国内が90%超なら、その旨を開示して省略できる
10%以上単一の外部顧客への売上高 → 主要な顧客として開示損益計算書の売上高(同じ企業集団の顧客は、知り得る限り集約が望ましい)
はじめに

同じ「10%」でも、分母が違う

📍 ラボの場所:応用タブ 📋 早見表
ハルカ
基礎編で10%基準と75%ルールは分かりました。応用では、何がそんなに難しいんですか。
先生
早見表を見て。同じ「10%」でも、何を何で割るかが場所ごとに違うんだ。報告セグメントを決める10%は内部売上高込みの合計が分母、関連情報の10%は損益計算書の売上高が分母だよ。
ハルカ
分母が変わるだけで、同じ10%でも別物なんですね。
先生
そうなんだ。今日は応用タブから、集約・損失・継続性で報告セグメントを決める場面と、測定・差異調整・関連情報・収益の分解で開示する場面を、順に見ていこうか。
ラボの応用タブを開きながら読むと分かりやすいですラボで開く ▶
📙 応用 A-4 ラボの図
経済的特徴長期的な売上総利益率などの趨勢がおおむね類似+製品・サービスの内容製造方法・製造過程市場・顧客の種類販売方法規制環境5つの要素「すべて」がおおむね類似集約(第11項):量的基準の「前」に1つの事業セグメントにまとめるあわせて、集約が基本原則と整合していることが必要大きさは条件ではありません。10%未満どうしの「結合」(第13項)は、要素の過半数の類似でよい別の仕組みです。
応用 A-4

集約基準 ── 「小さいから」ではなく「似ているから」まとめる

📍 ラボの場所:応用タブ A-4
ハルカ
小さな事業がたくさんあるときは、まとめて1つにすればすっきりしますよね。
先生
図を見て。集約できるのは、経済的特徴(長期的な売上総利益率の趨勢など)がおおむね類似し、さらに5つの要素すべてがおおむね類似するときなんだ。あわせて、集約がセグメント情報の基本原則と整合していることも要件だよ。大きさは条件になっていないよ。
迷いポイント 集約は、10%基準で判定したあとに行う?
ハルカ
10%に届かなかったものを、あとからまとめるんですよね。
先生
集約は量的基準の前に行うんだ。まとめてから、その合計で10%を判定するよ。10%未満どうしを、要素の過半数の類似でまとめる「結合」は、10%判定のあとに使う別の仕組みなんだ。
ハルカ
「似ているからまとめる」と「小さいからまとめる」…。うちの妹と私は顔が似ているので、集約されそうです。
先生
経済的特徴まで似ているかは、別に確かめないといけないね。事業も同じで、見た目だけでは決めないんだ。
💡 そうだったのか!
集約は似ているからまとめるもので、量的基準の前に行います。10%未満どうしをまとめる「結合」とは、条件もタイミングも違います。
⏱ 30秒だけラボで試す
  1. シミュレーションの「① 報告セグメントの判定」で「事例D」を読み込む
  2. 東北スーパーの「集約」を X → - にする

👀 集約から外れた東北スーパーは売上高 8.4% で 10% に届かず「その他」へ移り、カバー率が 97.5% → 87.7% に下がります。

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📙 応用 A-5 ラボの図
小売 640不動産賃貸 210利益の合計920外食 310ホテル 720損失の合計(絶対値)1,030大きい方 → 分母10%ライン = 1,030 × 10% = 103小売|640|○ 10%以上外食|▲310|○ 10%以上ホテル|▲720|○ 10%以上旅行|70|× 10%未満不動産賃貸|210|○ 10%以上
応用 A-5

利益基準の計算 ── 損失のセグメントがあるとき

📍 ラボの場所:応用タブ A-5
ハルカ
利益の10%判定って、全部の事業の利益を足した合計の10%ですよね。
先生
図は事例Bだよ。損失の事業があるときは、利益の合計920と損失の合計(絶対値)1,030を比べて、大きい方を分母にするんだ。事例Bは1,030だから、10%ラインは103だよ。
迷いポイント 利益と損失を相殺した純額を分母にしてもいい?
ハルカ
920から1,030を引いた▲110の10%で、11…あれ、マイナスです。
先生
純額にすると、ラインがとても小さくなって、ほとんど全部の事業が10%を超えてしまうんだ。だから相殺はしないよ。大きな損失を出しているホテルも、絶対値で見るから報告セグメントになるんだ。
💡 そうだったのか!
利益基準の分母は、利益の合計と損失の合計(絶対値)の大きい方です。大きな赤字の事業も、報告セグメントになります。
⏱ 30秒だけラボで試す
  1. シミュレーションの「① 報告セグメントの判定」で「事例B」を読み込む
  2. ホテルの「利益又は損失」を ▲720 → ▲200 にする

👀 損失の合計が 710 に減り、分母が「損失計 1,030」から「利益計 920」に入れ替わります。10%ラインは 103 → 92 です。

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📙 応用 A-8 ラボの図
事業セグメント① 売上高10%ライン=2,35810%48.8%28.4%6.3%16.5%② 利益又は損失10%ライン=151.210%57.5%35.7%6.7%10.6%(損失)③ 資産10%ライン=1,94110%51.0%28.9%6.2%13.9%建材報告塗料報告接着剤継続→報告環境エンジニアリング報告判定
応用 A-8

前年度の報告セグメントが10%を下回ったら ── 継続性

📍 ラボの場所:応用タブ A-8
ハルカ
事例Fの接着剤は、売上高も利益も資産も10%未満ですね。今年から「その他」行きですか。
先生
量的基準は毎年判定するけれど、機械的に入れ替えるわけではないんだ。接着剤は前年度に報告セグメントで、引き続き重要と判断しているから、区分して開示を続けるよ。図の「継続→報告」だね。
迷いポイント 一度報告セグメントになったら、ずっと報告し続ける?
ハルカ
それなら一度入ってしまえば安泰ですね。
先生
安泰ではないよ。重要かどうかは、区分しなくなった場合に、利用者が業績を理解し将来キャッシュ・フローを評価するうえで重要な影響があるかで判断するんだ。重要でなくなれば外すし、そのときは前年度の情報を当年度の区分で作り直して開示するよ。
ハルカ
ジムの会員みたいに、通っていなくても籍だけ残る…というわけにはいかないんですね。
先生
籍を残すには、毎年「重要か」を考え直す必要があるね。
💡 そうだったのか!
前年度の報告セグメントは、10%を下回っても引き続き重要なら区分を続けます。相当期間の継続性に配慮するためです。
⏱ 30秒だけラボで試す
  1. シミュレーションの「① 報告セグメントの判定」で「事例F」を読み込む
  2. 接着剤の「前年度は報告・重要」のチェックを外す

👀 接着剤が「その他」に移り、報告セグメントが 4 → 3、カバー率が 100.0% → 93.7% になります。

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📙 応用 B-1 ラボの図
経営者に報告される数字実際に使っている利益指標(営業利益・経常利益・管理利益…)連結修正・配分は、含まれている場合だけ含めるそのままセグメント情報(注記表)連結財務諸表会計方針に基づく数字差は「差異調整」で説明注記で説明する「測定方法」・セグメント間取引の価格の決め方 ・財務諸表との会計処理の違い・配分していない額の内容 ・複数の測定方法があれば、財務諸表と最も整合的なものを使う
📄 注記のかたちで確認

記載のイメージ:「報告されている事業セグメントの会計処理の方法は、棚卸資産の評価基準を除き、連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項における記載と概ね同一である。報告セグメントの利益は、営業利益ベースの数値である。セグメント間の内部収益及び振替高は市場実勢価格に基づいている。」

応用 B-1

測定方法 ── 経営者に報告されている金額で開示する

📍 ラボの場所:応用タブ B-1
ハルカ
セグメント利益って、営業利益のことですよね。
先生
会社によって違うんだ。図の左の箱のとおり、営業利益・経常利益・独自の管理利益など、利益指標は会社ごとに異なるよ。ただし注記のために自由に選ぶのではなく、最高経営意思決定機関が資源配分と業績評価のために実際に使っている利益指標を基礎にするんだ。
迷いポイント 連結の相殺消去は、必ずセグメントの数字に入れる?
ハルカ
連結の注記なら、連結修正後の数字にそろえますよね。
先生
連結上の修正や相殺消去、費用の配分は、経営者が使う数字に含まれている場合にだけ含めるんだ。そのかわり、財務諸表との違いは測定方法として説明し、金額の差は差異調整でつなぐよ。図の下の「記載のイメージ」がその説明の例だね。
💡 そうだったのか!
セグメントの数字は最高経営意思決定機関に報告される金額で、利益指標も経営者が実際に使っているものを基礎にします。財務諸表との違いは、測定方法の説明と差異調整で補います。
📙 応用 B-2 ラボの図
本社の共通費2,000(例)化学品+430医薬+270食品素材+160配分する:合理的な基準で配分しない1,140 → 全社費用差異調整の「調整額」として開示(事例Gの全社費用)配分基準の例営業費用:便益を受ける程度共用資産:利用面積・人員数、 取扱量・生産量など※ 資産は配分せず、減価償却費 だけ配分 → その内容を開示配分額の数字は説明用の例
応用 B-2

共通費・共通資産の配分と「全社費用」

📍 ラボの場所:応用タブ B-2
ハルカ
本社の費用は、どの事業のものでもないですよね。どう扱うんですか。
先生
図を見て。本社の共通費2,000(例)のうち、合理的な基準で配分した860は各事業の費用になり、配分しないと決めた1,140は全社費用になるんだ。全社費用は、差異調整の「調整額」に入るよ。
迷いポイント 配分の基準は、基準で決められている?
ハルカ
人数とか面積とか、決まったルールがありそうです。
先生
特定の基準は決められていないんだ。営業費用は便益を受ける程度に応じて、共用資産は利用面積・人員数・取扱量などで、会社の実情に合わせて選ぶよ。注意したいのは、資産は配分しないのに減価償却費だけ配分するような食い違いで、そのときは内容を開示するんだ。
ハルカ
本社の費用を配らずに残すと、事業部のみなさんは喜びそうですね。
先生
事業部の利益は大きく見えるね。でも調整額が大きくなるから、読む人は調整額の中身をよく見るんだ。
💡 そうだったのか!
共通費は合理的な基準で配分するか、配分せずに全社費用として調整額に入れます。配分の方法が食い違うときは、その内容を開示します。
📙 応用 B-3 ラボの図
報告セグメント計から、連結財務諸表の営業利益まで報告セグメント計3,380その他+58セグメント間取引消去▲85全社費用▲1,140のれんの償却額▲320棚卸資産の調整額▲45連結の営業利益1,848
📄 注記のかたちで確認(別表形式・事例G)
売上高金額
報告セグメント計33,100
「その他」の区分の売上高3,200
セグメント間取引消去▲3,650
連結財務諸表の売上高32,650
利益金額
報告セグメント計3,380
「その他」の区分の利益58
セグメント間取引消去▲85
全社費用▲1,140
のれんの償却額▲320
棚卸資産の調整額▲45
連結財務諸表の営業利益1,848
資産金額
報告セグメント計36,200
「その他」の区分の資産2,950
セグメント間の債権の相殺消去▲2,260
全社資産7,900
棚卸資産の調整額▲45
連結財務諸表の資産合計44,745
負債金額
報告セグメント計16,100
「その他」の区分の負債1,400
全社負債9,600
連結財務諸表の負債合計27,100
その他の項目報告セグメント計その他調整額連結財務諸表計上額
減価償却費2,7701902603,220
有形固定資産及び無形固定資産の増加額3,070907103,870
応用 B-3

差異調整 ── セグメントの合計を、財務諸表の数字につなげる

📍 ラボの場所:応用タブ B-3
ハルカ
差異調整って、利益だけ合わせればいいんですか。
先生
売上高・利益・資産・負債・その他の項目のそれぞれで、合計と財務諸表計上額の差を説明するんだ。図は事例Gの利益で、報告セグメント計3,380に「その他」58を足し、消去▲85・全社費用▲1,140・のれんの償却額▲320・棚卸資産の調整額▲45を順に足し引きして、営業利益1,848になるよ。
迷いポイント 調整額は「その他の調整額」の1行にまとめてもいい?
ハルカ
細かく書くと長くなるので、1行でよさそうです。
先生
重要な調整事項は個別に書くんだ。セグメント利益の会計処理が財務諸表と違うときは、その重要な差異をすべて個別に書くよ。事例Gの棚卸資産の調整額も、名前を付けて1行にしているね。
💡 そうだったのか!
差異調整は項目ごとに、重要な調整事項を個別に示します。書き方は注記表の調整額欄でも、図の下のような別表でもかまいません。
⏱ 30秒だけラボで試す
  1. シミュレーションの「② 注記表と差異調整」で「事例G」を読み込む
  2. 右の「その他の調整額(+は増・−は減)」を ▲45 → 0 にする

👀 調整後の利益が 1,848 → 1,893 になり、連結P/Lの営業利益 1,848 と合わないので「不一致」と出ます。棚卸資産の調整を落とすと、つながらなくなることが分かります。

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📙 応用 B-8 ラボの図
売上高(顧客の所在地別)基準額 42,600 の10%=4,26010%日本58.5% →国内米国16.0%区分して開示中国10.6%区分して開示ドイツ5.4%その他に含めるその他9.6%その他有形固定資産(所在地別)基準額 18,500 の10%=1,85010%日本74.1% →国内米国6.2%その他に含める中国14.3%区分して開示ドイツ2.2%その他に含めるその他3.2%その他
📄 注記のかたちで確認(事例H)

製品及びサービスごとの情報

報告セグメントが製品・サービス別で、セグメント情報に同様の情報があるため、記載を省略します(会計基準 第29項)。

地域ごとの情報 (1) 売上高

日本米国中国その他合計
24,9006,8004,5006,40042,600

(注)売上高は顧客の所在地を基礎とし、国又は地域に分類しています。

地域ごとの情報 (2) 有形固定資産

日本中国その他合計
13,7002,6502,15018,500

主要な顧客ごとの情報

顧客の名称又は氏名売上高関連するセグメント名
○○商事(株)5,300産業機械、電子部品
応用 B-8

関連情報 ── 製品・サービス、地域、主要な顧客

📍 ラボの場所:応用タブ B-8
ハルカ
地域の情報は、国ごとに全部並べるんですか。
先生
まず国内と海外に分けて、海外のうち単一の国で10%以上の国を区分するんだ。図は事例Hで、売上高は米国16.0%と中国10.6%が区分、ドイツ5.4%は「その他」に含めるよ。
迷いポイント 売上高で区分した国は、有形固定資産でも区分する?
ハルカ
同じ国なんだから、そろえて出すんですよね。
先生
売上高と有形固定資産は別々に判定するんだ。分母も、売上高は損益計算書の売上高42,600、有形固定資産は貸借対照表の有形固定資産18,500だよ。事例Hでは、有形固定資産で区分するのは中国だけで、米国は6.2%で「その他」に入るんだ。
ハルカ
米国は、お客さんは多いけれど工場は少ない国なんですね。
💡 そうだったのか!
地域の情報は売上高と有形固定資産を別々に判定します。分母は財務諸表の金額です。主要な顧客は、売上高が10%以上の場合、顧客の名称・売上高・関連する主な報告セグメントの名称を開示します。
⏱ 30秒だけラボで試す
  1. シミュレーションの「③ 関連情報・収益の分解」で「事例H」を読み込む
  2. 中国の「有形固定資産」を 2,650 → 1,700 にする

👀 有形固定資産の合計が 17,550 になり、10%ライン 1,755 に届かないので、有形固定資産で区分する国が 1 → 0 になります。

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📙 応用 B-10 ラボの図
報告セグメントの外部売上高を「移転の時期」と「その他の収益」に分ける(事例H)産業機械14,6003,20018,400電子部品12,60012,600住宅設備6,4007,300物流サービス2,1002,100ソフトウェア1,750その他450一時点で移転一定の期間にわたり移転その他の収益(リース等)青+緑=顧客との契約から生じる収益 42,000 / 合計=外部顧客への売上高 42,600
📄 注記のかたちで確認(事例H)
産業機械電子部品住宅設備物流サービスソフトウェアその他合計
一時点で移転される財又はサービス14,60012,6006,400065045034,700
一定の期間にわたり移転される財又はサービス3,20009002,1001,10007,300
顧客との契約から生じる収益17,80012,6007,3002,1001,75045042,000
その他の収益(リース収益など)60000000600
外部顧客への売上高18,40012,6007,3002,1001,75045042,600

※「一定の期間にわたり移転」と「その他の収益」に入力しなかった残りの額を「一時点で移転」としています(このツールの計算上の扱い)。リース収益(不動産賃貸など)は収益認識会計基準の範囲外(第3項(2))のため、「その他の収益」に入力します。

一番下の行の合計 42,600 は、入力した連結P/Lの売上高(42,600)と一致します。

応用 B-10

収益の分解情報とのつながり(収益認識会計基準)

📍 ラボの場所:応用タブ B-10
ハルカ
収益認識の「収益の分解情報」と、セグメント情報は別の注記ですよね。
先生
別の注記だけれど、各報告セグメントの売上高との関係が分かるように書くことが求められているんだ。図は、事例Hの外部売上高を「一時点」「一定の期間」「その他の収益」に分けたものだよ。
迷いポイント セグメントの外部売上高は、全部「顧客との契約から生じる収益」?
ハルカ
売上高なんだから、全部お客さんとの契約の収益ですよね。
先生
リース収益のように、収益認識会計基準の範囲外の収益が入っていることがあるんだ。事例Hでは産業機械の600がそれで、契約から生じる収益は42,000、外部顧客への売上高は42,600になるよ。分けて示すと関係が分かりやすいんだ。
ハルカ
同じ売上高の顔をして、実は別の基準の住人がまぎれているんですね。
先生
そういうことだね。この設例では、契約から生じる収益42,000にその他の収益600を足して、セグメントの外部顧客への売上高42,600とのつながりが分かる形にしているよ。基準が求めているのは、両者の関係を理解できる十分な情報なんだ。
💡 そうだったのか!
収益の分解情報は、報告セグメントごとに分けて見せると関係が分かりやすくなります。リース収益など契約外の収益は、分けて示します。

今日の内容を、ラボで確かめてみませんか?

この記事の図は、すべてセグメント情報ラボの画面そのものです。応用タブを開けば、同じ図を見ながら読み返せます。

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今日のまとめ ── 迷いポイント早見表

迷いポイント答えラボ
集約は10%判定のあと?前。基本原則と整合し、経済的特徴+5つの要素すべてが類似するときにまとめ、その合計で判定応用A-4
利益基準の分母は純額?利益の合計と損失の合計(絶対値)の大きい方(事例Bは1,030)応用A-5
10%を下回ったら即「その他」?前年度の報告セグメントで引き続き重要なら区分を続ける応用A-8
セグメント利益は営業利益?最高経営意思決定機関に報告される金額(経営者が実際に使う利益指標)。違いは測定方法と差異調整で説明応用B-1
本社の費用はどうする?合理的な基準で配分するか、全社費用として調整額へ応用B-2
調整額は1行にまとめてよい?重要な調整事項は個別に。項目ごとに差を説明応用B-3
地域はどこを区分する?まず国内と海外に分け、海外のうち10%以上となる単一の国を区分応用B-8
売上高で区分した国は資産でも区分?別々に判定。分母は損益計算書の売上高と貸借対照表の有形固定資産応用B-8
外部売上高は全部契約の収益?リース収益など範囲外が入ることがある。分けて示し、セグメント売上高との関係が分かるようにする応用B-10
おわりに

今日のふりかえり

先生
今日のまとめだよ。集約は似ているからまとめるもので、10%判定の前に行う。利益基準の分母は利益と損失の大きい方。開示では、経営者の数字と財務諸表の差を差異調整で項目ごとにつなぐんだ。
ハルカ
私のパン屋巡りも、クロワッサンとメロンパンは経済的特徴が似ているので、「甘い系」に集約していいですか。
先生
5つの要素がそろえばね。ただ、クロワッサンとメロンパンは生地の作り方が違うから、「製造方法」の要素は類似とは言いにくいかもしれないよ。
ハルカ
じゃあ結合で行きます。どちらも10%未満の少量買いなので、条件はぴったりです。
先生
量まで考えてあるなら、りっぱな判定だね。次の設例編では、事例A〜Cで報告セグメントの判定を1ステップずつ追っていこうか。

参考資料

企業会計基準第17号「セグメント情報等の開示に関する会計基準」/企業会計基準適用指針第20号「セグメント情報等の開示に関する会計基準の適用指針」/企業会計基準第29号「収益認識に関する会計基準」(いずれも企業会計基準委員会)。ラボの事例の数値は独自のものです。
このシリーズの記事:基礎編/設例・報告セグメントの判定編(事例A〜C)/設例・集約・結合・継続性編(事例D〜F)/設例・差異調整と関連情報編(事例G〜H)
連結決算ラボの関連:資本連結ラボ/連結決算ラボ(総合ナビ)

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この記事を書いた人

TaxJudge編集部|公認会計士・税理士(実務25年)による企画・監修。会計基準・税法・裁決・有価証券報告書などの一次情報をもとに、検索できるデータベースと計算・判定・文書作成ツールを制作しています。