無料の学習ツール「別表五(二)ラボ」の読み方ガイドです。ラボの応用タブから、実務で迷いやすい論点を選んで、先生と生徒の会話形式で見ていきます。基礎タブの内容は「基礎編」で扱っています。左の図はラボの図そのものです。重要な節の最後には、ラボで30秒だけ手を動かす小さな実習を置いています。
📙 応用 経理方法×税目の早見表
はじめに
応用タブの見取り図 ── 経理方法が変わると、通る行が変わる
📍 ラボの場所:応用タブ(早見表)
ハルカ
先生、基礎編で「期首+発生-納付=期末」の家計簿はわかりました。実務では、どこでつまずきやすいんですか?
先生
左の早見表を見て。同じ納付でも、充当金取崩し・仮払経理・損金経理のどれで払ったかで、別表四の通る行が変わる。でも最後の所得への影響は同じになるんだ。
ハルカ
行は変わっても、着地は同じ…。そこがわかっていれば迷いにくそうですね。
先生
今日は応用タブから、行の書き分け、修正申告、附帯税、充当金の過不足、源泉所得税など、実務でミスが出やすい論点を順に見ていこう。
📙 応用 ラボの要点
応用 ①
前期分・中間分・確定分の行分け
📍 ラボの場所:応用タブ
ハルカ
同じ法人税でも、行がいくつもあって混乱します。
先生
どの事業年度の税額かで行を分けるんだ。前期分は2・7・12・17欄、当期中間分は3・8・13・18欄、当期確定分は4・9・14欄だよ。
迷いポイント 事業税の前期分も、法人税と同じく「期首現在未納①」に書く?
ハルカ
前期分なら、どの税目も①からスタートですよね?
先生
法人税・住民税は前期の⑥を①に書く。でも事業税の前期分は②(当期発生)に書くんだ。事業税は申告した期の損金だからね。それと、事業税には確定分の行がないよ。
💡 そうだったのか!
行は「どの事業年度の税額か」で分ける。事業税の前期分は①ではなく②に書く。ここを混ぜると⑥が合わなくなる。📙 応用 ラボの図
応用 ②
修正申告・更正による追徴税額
📍 ラボの場所:応用タブ
先生
左は前期分の修正申告で、法人税が600追徴された例。前期の⑥は当初2,550だったね。
迷いポイント 修正申告の追徴税額は、当期に発生した税金として②に書く?
ハルカ
当期に払うんだから、当期発生②ですよね?
先生
修正申告は前期の申告書を直す手続。法人税・住民税は前期の⑥が修正後の3,150になって、それが当期の期首未納①になるんだ。
先生
ただし事業税の追徴分だけは、修正申告書を出した日の事業年度の損金だから、当期の②(17欄)に書く。一緒に払った延滞税・加算税は、別表四5欄で加算・社外流出だよ。
💡 そうだったのか!
法人税・住民税の追徴分は、修正後の前期⑥=当期①から始まる。事業税の追徴分だけが当期発生②。⏱ 30秒だけラボで試す
- 「シミュレーション」タブを開き、右の「事例から始める」で「事例E 修正申告で追徴と附帯税を払った会社」を選ぶ
- 下の「別表五(二)の記載イメージ」で、法人税の前期分①を見る
👀 ①に当初2,550+修正申告600=3,150と表示され、修正で増えた期首残高が橙の破線で示される。
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応用 ③
附帯税の区分 ── 延滞税は不算入、利子税は算入
📍 ラボの場所:応用タブ
ハルカ
附帯税は、まとめて損金不算入ですよね?
迷いポイント 附帯税は、すべて損金にならない?
先生
名前が似ていても扱いが逆のものがある。利子税と納期限延長の延滞金は損金算入(20・21欄)。加算税・延滞税・延納分以外の延滞金・過怠税は損金不算入(24〜27欄)だよ。
先生
不算入のものは別表四で加算・社外流出。罰の性格だから、別表五(一)には載らないんだ。
ハルカ
附帯税を、まとめて「悪いほうの税金」の箱に入れていました。
先生
その箱から、利子税だけは出してあげてね。
💡 そうだったのか!
附帯税でも利子税・納期限延長の延滞金は損金。延滞税・加算税などは加算・社外流出で、別表五(一)には載らない。⏱ 30秒だけラボで試す
- 「シミュレーション」タブを開き、右の「事例から始める」で「附帯税だけを払った期(延滞税 vs 利子税)」を選ぶ
👀 加算税45+延滞税30の75が別表四で加算され、利子税20+延滞金10の30は損金(所得への影響▲30)になる。
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応用 ④
納税充当金の過不足
📍 ラボの場所:応用タブ
先生
決算で計上した未払法人税等と、翌期に確定した税額は、ぴったり合うとは限らないよね。
迷いポイント 充当金が余ったら、戻入益はそのまま所得になる?
ハルカ
戻し入れた分は会計上の利益だから、課税されますよね?
先生
充当金は前期に全額加算済みだよね。だから戻入益は別表四で減算(留保)する。別表五(二)では取崩額の「その他」(38欄)に書くよ。
先生
逆に足りなかったら、不足分は損金経理で払う。法人税・住民税分は加算、事業税分は損金だ。余りを取り崩さずに残すこともできるよ。
💡 そうだったのか!
充当金の余りの戻入益は、前期に加算済みなので減算(留保)。取り崩さずに残しても、所得への影響は変わらない。⏱ 30秒だけラボで試す
- 「シミュレーション」タブを開き、右の「事例から始める」で「事例D 前期の計上額が多すぎた会社」を選ぶ
- 「前期分の納付後に納税充当金が余ったら取り崩す」のチェックを外す
👀 期末納税充当金が2,470 → 2,550に増えるが、所得への影響は▲1,110のまま変わらない。
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応用 ⑤
税効果会計との関係 ── 未払事業税は一時差異
📍 ラボの場所:応用タブ
ハルカ
別表五(二)と税効果会計って、関係あるんですか?
先生
当期末に計上した未払事業税は、会計では当期の費用、税務では翌期の損金。この差が将来減算一時差異になるんだ。
迷いポイント 未払法人税・住民税も、一時差異になる?
先生
法人税・住民税は永久に損金にならないから、一時差異にはならない。別表五(一)の納税充当金から未納法人税・住民税を引いた残りが、おおむね未払事業税=一時差異の金額だよ。
ハルカ
法人税と住民税は、将来にも期待させてくれないんですね。
先生
そのかわり、迷わなくて済むよ。
💡 そうだったのか!
一時差異になるのは未払事業税だけ。法人税・住民税は損金にならないので一時差異にならない。📙 応用 ラボの図
応用 ⑥
源泉所得税 ── 別表五(二)・別表四・別表六(一)の連動
📍 ラボの場所:応用タブ
先生
預金利息や配当から源泉所得税357を引かれ、そのうち327について所得税額控除を受ける例だよ。
迷いポイント 源泉所得税は、別表四の2欄(法人税)や5欄(附帯税)で加算する?
ハルカ
税金だから、法人税と同じ2欄で加算すると思っていました。
先生
控除を受ける327は、別表四の29欄「法人税額から控除される所得税額」で加算・社外流出。別表五(二)では「その他・損金不算入」に書く。控除を受けない30は損金算入のほうだよ。
先生
会計で費用にしても、仮払税金にしても、手取額で計上しても、所得への影響は同じになるんだ。
💡 そうだったのか!
所得税額控除を受ける源泉所得税は別表四29欄で加算・社外流出。2欄や5欄に入れるのはよくある誤り。⏱ 30秒だけラボで試す
- 「シミュレーション」タブを開き、右の「事例から始める」で「源泉所得税だけがある期(3つの経理方法を試す)」を選ぶ
- 源泉所得税の経理方法を「仮払税金(資産)に計上」に切り替える
👀 別表四の加算-減算は327 → ▲30に変わるが、所得への影響は▲30のまま。
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応用 ⑦
仮払税金の翌期処理
📍 ラボの場所:応用タブ
ハルカ
仮払経理した中間納付が期末に残ったら、翌期はどう消すんですか?
迷いポイント 仮払税金を消すときは、いつも39欄「仮払税金消却」を使う?
先生
会計での消し方で分かれる。費用に振り替えるなら、前期に認定損で減算済みだから、別表四で加算(留保)して五(一)の△を消す。39欄は使わないよ。
先生
納税充当金と相殺して消すときだけ、39欄「仮払税金消却」に書く。手数が増えるから、実務では損金経理か充当金取崩しが一般的だね。
💡 そうだったのか!
仮払税金の翌期処理は、費用に振り替えるなら別表四で加算、充当金と相殺するなら39欄。会計の消し方で決まる。基礎から読む:基礎編 ── ラボの基礎タブを上から順に解説しています。基礎編を読む ▶
今日のまとめ ── 迷いポイント早見表
| 迷いポイント | 答え | ラボ |
|---|---|---|
| 事業税の前期分も①に書く? | 事業税の前期分は②(当期発生) | 応用① |
| 修正申告の追徴は②に書く? | 法人税・住民税は修正後の前期⑥=当期①。事業税だけ② | 応用② |
| 附帯税はすべて損金不算入? | 利子税・納期限延長の延滞金は損金 | 応用③ |
| 充当金の戻入益は所得になる? | 前期に加算済みなので減算(留保) | 応用④ |
| 未払法人税・住民税も一時差異? | 一時差異になるのは未払事業税だけ | 応用⑤ |
| 源泉所得税は2欄や5欄で加算? | 控除を受ける分は29欄で加算・社外流出 | 応用⑥ |
| 仮払税金の消却はいつも39欄? | 39欄は充当金と相殺するときだけ | 応用⑦ |
参考資料
法人税法38条・55条/法人税基本通達9-5-1ほか/国税庁「別表五(二) 記載要領」/国税庁「別表四」「別表六(一)」記載要領(2026年9月22日確認。ラボの根拠表示に準拠)
