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法人税法ラボ【応用編】|先生と一緒に図で学ぶ会計との違い・別表・手続の期限・グループと国際

法人税法ラボ【応用編】|先生と一緒に図で学ぶ会計との違い・別表・手続の期限・グループと国際

無料の学習ツール「法人税法ラボ」の読み方ガイドです。ラボの「会計との違いから」「別表から」「手続・期限から」「テーマから」の各タブから、実務で迷いやすい論点を選んで、先生と生徒の会話形式で見ていきます。全体像タブの内容は基礎編で扱っています。登場する会社と設例の数値はすべて架空の例です。解説は公認会計士・税理士が監修しています。各行の図はラボの図そのものです。重要な節の最後には、ラボで30秒だけ手を動かす小さな実習を置いています。

📋 会計との違いから ラボの表
方向項目税務の扱い別表四条文
益金不算入受取配当等持株割合に応じて全額〜20%を益金に入れない減算・社外流出(※)法人税法第23条
益金不算入外国子会社から受ける配当等95%を益金に入れない減算・社外流出(※)法人税法第23条の2
益金不算入資産の評価益原則として益金に入れない減算・留保法人税法第25条
益金不算入法人税等の還付金益金に入れない減算・社外流出法人税法第26条
益金算入無償・低額での資産の譲渡時価との差額を益金に入れる加算法人税法第22条第2項・第22条の2第4項
損金不算入減価償却の償却超過額償却限度額を超える部分加算・留保 → 後年に認容法人税法第31条
損金不算入資産の評価損原則として損金にしない加算・留保法人税法第33条
損金不算入役員給与定期同額・事前確定届出・業績連動以外は損金にしない加算・社外流出法人税法第34条
損金不算入寄附金損金算入限度額を超える部分加算・社外流出法人税法第37条
損金不算入法人税・住民税など損金にしない加算・留保(延滞税・加算税などは社外流出)法人税法第38条・第55条第4項
損金不算入交際費等限度額を超える部分加算・社外流出租税特別措置法第61条の4
損金不算入引当金の繰入額原則として損金にしない加算・留保法人税法第22条第3項第2号・第52条
損金算入繰越欠損金青色欠損金を10年間繰り越して控除減算・社外流出(※)法人税法第57条
損金算入圧縮記帳の圧縮額国庫補助金などで取得した資産の圧縮額を損金に積立金方式なら減算・留保法人税法第42条〜
税額の調整源泉徴収された所得税損金不算入としたうえで、法人税額から控除加算・社外流出 → 税額控除法人税法第40条・第68条
はじめに

今日の題材 ── 別段の定めを、実務の入口から引く

📍 ラボの場所:会計との違いからタブ 処理早見表
ハルカ
先生、基礎編で「別段の定めは4方向」と習いました。応用編では何を見るんですか。
先生
今日は、その4方向の中身を実務の入口から引いていくよ。会計の勘定科目、別表、手続の期限、グループと国際の制度の順だね。
ハルカ
処理早見表には、受取配当等、役員給与、寄附金、交際費等…と15行あります。どれも申告書で見たことがあります。
先生
どの行にも、別表四での書き方と条文が付いているんだ。ラボでは行をクリックすると補足が開くよ。気になる行から一緒に開いていこうか。
ラボの「会計との違いから」タブを開きながら読むと分かりやすいですラボで開く ▶
🔁 会計との違いから ラボの表
論点会計法人税法別表四での書き方
売上(収益の計上)益金収益認識基準(5つのステップ)で計上目的物の引渡し・役務の提供の日の事業年度に益金。額は引渡し時の価額など(法人税法第22条の2第1項・第4項)原則として差は出にくい。差が出れば加算・減算(留保)
棚卸資産損金収益性が下がれば帳簿価額を切り下げる選定した評価方法で期末評価(法人税法第29条第1項)。評価換えによる減額は原則として損金不算入(法人税法第33条第1項)税務で認められない切下げ額は加算(留保)
有価証券損金売買目的は時価、その他有価証券は評価差額を純資産に売買目的有価証券は時価法、売買目的外は原価法など(法人税法第61条の3第1項)その他有価証券の評価差額は別表四を通さず別表五(一)で調整
減価償却損金耐用年数・償却方法は会社の見積り損金経理額のうち償却限度額まで(法人税法第31条第1項)。超過額は翌期以降の損金経理額に含む(法人税法第31条第4項)償却超過額は加算(留保)、後の年度の認容は減算(留保)
繰延資産損金支出時の費用処理が原則損金経理額のうち償却限度額まで(法人税法第32条第1項)超過額は加算(留保)
引当金損金将来の費用・損失を見積もって計上償却費以外の費用は期末までに債務が確定したものに限る(法人税法第22条第3項・法人税基本通達2-2-12)。貸倒引当金は中小法人等などに限り繰入限度額まで(法人税法第52条第1項・第2項)繰入額は加算(留保)、取崩しの年に減算(留保)
減損・評価損損金減損損失・評価損を計上評価換えによる減額は原則損金不算入(法人税法第33条第1項)。災害による著しい損傷などの例外(法人税法第33条第2項)損金不算入額は加算(留保)
評価益益金—(時価評価する資産を除き計上しない)評価換えによる増額は原則益金不算入(法人税法第25条第1項)計上した評価益は減算(留保)
リース(借手)損金使用権資産とリース負債を計上(新リース会計基準)税務上のリース取引は売買として扱う(法人税法第64条の2第1項)。それ以外の賃貸借は債務の確定した部分が損金(法人税法第53条第1項)償却費・利息を加算、債務が確定した賃借料を減算(留保)
役員給与損金費用定期同額給与・事前確定届出給与・業績連動給与以外は損金不算入(法人税法第34条第1項)。不相当に高額な部分(第2項)、隠蔽・仮装による支給(第3項)も不算入加算(社外流出)
寄附金損金費用損金算入限度額を超える部分は損金不算入(法人税法第37条第1項)。100%グループ内は全額(法人税法第37条第2項)加算(社外流出)
交際費等損金費用原則として損金不算入(租税特別措置法第61条の4第1項)。1人当たり1万円以下の飲食費は除く(租税特別措置法施行令第37条の5第1項)加算(社外流出)
法人税等損金法人税、住民税及び事業税(中間納付分+期末の未払計上=納税充当金)法人税・地方法人税(法人税法第38条第1項)、住民税(法人税法第38条第2項)は損金不算入。延滞税・加算税なども損金不算入(法人税法第55条第4項)。事業税は第38条に掲げられておらず損金になる。損金算入は原則として申告書を提出した事業年度(直前事業年度分の特例あり。国税庁タックスアンサーNo.5300)
  • 損金経理をした法人税・地方法人税・住民税(中間申告分などの納付):加算・留保
  • 損金経理をした納税充当金:加算・留保
  • 納税充当金から支払った事業税等:減算・留保(申告書を提出した年度の損金)
  • 損金経理をした延滞税・加算税など:加算・社外流出
法人税等の留保は、別表五(一)の未納法人税等で受けます(国税庁「申告書作成上の留意点」の検算式)
受取配当等益金収益株式等の区分に応じ全額・一部を益金不算入(法人税法第23条第1項)。外国子会社の配当も(法人税法第23条の2第1項)減算(社外流出)
還付金益金収益(または法人税等の戻し)損金不算入とした法人税等の還付は益金不算入(法人税法第26条第1項)減算(社外流出)
100%グループ内の受贈益益金収益法人による完全支配関係がある法人からの受贈益は益金不算入(法人税法第25条の2第1項)減算(社外流出)
圧縮記帳損金国庫補助金は収益取得した固定資産の帳簿価額を減額した圧縮額を損金に(法人税法第42条第1項)積立金方式なら減算(留保)
欠損金損金—過去10年の欠損金を所得から控除(法人税法第57条第1項)別表四の最後で控除
外貨建取引益金外貨建取引等会計処理基準で換算取引時の換算(法人税法第61条の8第1項)、期末換算差損益(法人税法第61条の9第1項)換算方法が違えば加算・減算(留保)
長期大規模工事益金収益認識基準(一定期間にわたり充足)長期大規模工事は工事進行基準の方法(法人税法第63条第1項)差が出れば加算・減算(留保)
会計との違い

勘定科目ごとの「会計/税法/別表四」 ── 法人税等の行

📍 ラボの場所:会計との違いからタブ 冒頭の表
ハルカ
売上、棚卸資産、有価証券…と勘定科目の順に、会計・法人税法・別表四の3列が並んでいます。
先生
会計で計上した金額のうち、税法で扱いが違うところだけを並べたんだ。今日は、毎年必ず出てくる「法人税等」の行を見てみようか。
迷いポイント 損益計算書の「法人税、住民税及び事業税」は、全部まとめて加算すれば終わり?
ハルカ
税金は損金にならないので、全部まとめて加算すると思っていました。
先生
法人税と住民税は損金不算入だけれど(第38条)、事業税は損金になるんだ。原則として、申告書を提出した事業年度の損金になるよ(タックスアンサーNo.5300)。
ハルカ
別表五(二)ラボで、延滞税や加算税は加算・社外流出、利子税は損金になると習いました。税金の中にも、損金になるものとならないものがあるんですね。
先生
よく覚えていたね。損金経理をした法人税等と納税充当金は加算・留保、延滞税・加算税は加算・社外流出(第55条第4項)。行ごとに区分が違うんだ。
💡 そうだったのか!
「法人税等」をまとめて加算するのではなく、税目ごとに見ます。法人税・住民税は損金不算入、事業税は申告書を提出した年度の損金、延滞税・加算税は加算・社外流出です。
🔁 応用 A1 ラボの図
配当100を受け取ったら、いくら益金から外れる?
受け取った配当 100 の扱い(完全子法人株式等)配当等の計算期間を通じて完全支配関係(100%)がある法人の株式益金不算入 100100%3分の1超5%超5%以下← 持株割合が小さい持株割合が大きい →
完全子法人株式等:益金不算入 100配当等の全額が益金不算入です。
法人税法第23条
A1

受取配当等の益金不算入 ── 持株割合で4区分

📍 ラボの場所:会計との違いからタブ A1
ハルカ
持株割合が大きいほど、益金から外れる部分が大きくなるんですね。100%なら全額、5%以下なら20%です。
先生
配当を払った会社では、もう法人税が課されているからね。二重課税を避けるために、持株割合で区分を分けているんだ(第23条)。
迷いポイント 受け取った配当は、全部益金に入れなくてよい?
ハルカ
配当は二重課税だから、全額が益金不算入だと思っていました。
先生
全額なのは完全子法人株式等と関連法人株式等だけで、関連法人は負債利子に相当する額を差し引くよ。その他の株式等は50%、非支配目的株式等は20%なんだ。
ハルカ
外国税額控除ラボでは、外国子会社の配当は95%が益金不算入で、その源泉税は戻らないと習いました。
先生
その通り。持株割合(原則25%以上)や保有期間(6か月以上)などの要件を満たす外国子会社の配当が、第23条の2の対象なんだ。国内の配当とは別の条文だよ。
💡 そうだったのか!
受取配当等の益金不算入は持株割合で4区分(全額・全額−負債利子・50%・20%)。一定の持株割合・保有期間などの要件を満たす外国子会社の配当は、別の条文(第23条の2)で95%です。
🔁 応用 A2 ラボの図
役員給与(会計では費用)定期同額給与第34条第1項第1号事前確定届出給与第34条第1項第2号業績連動給与第34条第1項第3号損金になる損金不算入(加算)3つの形でも、不相当に高額な部分・隠蔽仮装による支給は損金不算入(第34条第2項・第3項)
毎月同じ額の報酬:損金定期同額給与にあたります。毎月同じ額を支給する報酬は、損金になります。
A2

役員給与 ── 損金になる3つの形

📍 ラボの場所:会計との違いからタブ A2
ハルカ
役員給与から3本の線が出ていて、定期同額給与、事前確定届出給与、業績連動給与につながっています。
先生
役員給与は、この3つの形のどれかに当たるものだけが損金になるんだ(第34条第1項)。利益を見てから配る「お手盛り」を防ぐためだよ。
迷いポイント 期末に利益が出たら、役員に決算賞与を出して利益を調整できる?
ハルカ
利益が多い年に役員賞与を出せば、そのぶん所得も減りますよね。
先生
事前に届け出ていない臨時の賞与は、3つの形のどれにも当たらないので損金不算入なんだ。設例のA社の加算 1,200 がそれだよ。社外流出で、翌期以降にも戻らないんだ。
ハルカ
会社の利益で役員に「ボーナスを出せば税金が減る」は、税法の方が先回りして待っていたんですね。
先生
先回りというより、はじめから形を決めてあるんだよ。
💡 そうだったのか!
役員給与は定期同額・事前確定届出・業績連動の3つの形だけが損金。届出なしの臨時賞与は損金不算入(加算・社外流出)で、不相当に高額な部分も不算入です。
🔁 応用 A3 ラボの図

寄附金の4区分

国・地方公共団体への寄附金全額損金指定寄附金(財務大臣の指定)全額損金特定公益増進法人などへの寄附金特別損金算入限度額まで一般の寄附金一般損金算入限度額まで100%グループ内の法人への寄附金(法人による完全支配関係)全額損金不算入

交際費等の損金不算入額を計算してみる

交際費等の額6,000
うち接待飲食費2,000
定額控除限度額(年800万円)6,000
接待飲食費の50%1,000
損金算入限度額(有利な方)6,000
損金不算入額(別表四で加算)0
寄附金:一般の寄附金一般損金算入限度額まで。寄附金の区分や交際費等の計算条件は、法人税法ラボ本体で切り替えて確認できます。この図は初期状態の表示です。
A3

寄附金と交際費等 ── 限度額を超えた部分が損金不算入

📍 ラボの場所:会計との違いからタブ A3
ハルカ
左が寄附金の区分、右が交際費等の計算です。交際費 6,000 の中小法人は、損金不算入が 0 になっています。
先生
中小法人は、年800万円の定額控除か、接待飲食費の50%か、有利な方を選べるからね(租税特別措置法第61条の4)。6,000 なら定額控除の中に収まるんだ。
迷いポイント 交際費等の損金不算入額は、会社の大きさに関係なく同じ?
ハルカ
同じ交際費なら、どの会社でも損金不算入額は同じだと思っていました。
先生
大法人には定額控除がないんだ。資本金100億円以下なら接待飲食費の50%までで、100億円超は全額が損金不算入だよ。同じ金額でも、法人の大きさで不算入額が変わるんだ。
💡 そうだったのか!
交際費等は法人の大きさで損金算入限度額が違います。中小法人は定額控除(年800万円)か接待飲食費の50%の有利な方、大法人は接待飲食費の50%まで(100億円超は全額不算入)です。
⏱ 30秒だけラボで試す
  1. 会計との違いからタブのA3で、「12,000(うち飲食6,000)」を押す
  2. 法人の大きさを「資本金1億円超100億円以下」に切り替える

👀 中小法人では損金不算入額が 4,000、大法人に切り替えると 9,000 になります。

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🔁 応用 A4 ラボの図
3002001年目加算 1003002002年目加算 1003002003年目加算 1003002004年目加算 1002005年目減算 2002006年目減算 200会計の償却費損金になる額取得価額1,200・定額法・残存価額0(備忘価額は省略)
年目123456
会計の償却費30030030030000
償却限度額200200200200200200
損金になる額200200200200200200
加算(償却超過額)10010010010000
減算(認容)0000200200
別表五(一) 期末残高1002003004002000
会計4年・法定6年(超過)会計の耐用年数(4年)が法定耐用年数(6年)より短いので、1〜4年目は毎年100が償却超過額として加算され、残高が400まで積み上がります。5・6年目は会計の償却がゼロでも、繰り越した超過額が償却費とみなされ200ずつ認容され、残高はゼロに戻ります。
A4

減価償却 ── 償却超過額は翌期以降に認容

📍 ラボの場所:会計との違いからタブ A4
ハルカ
会計4年・法定6年だと、1〜4年目に毎年 100 ずつ加算して、5・6年目に 200 ずつ減算しています。
先生
損金になるのは、損金経理した額のうち償却限度額までなんだ(第31条第1項)。超えた分は加算・留保で、後の年度に認容されて、別表五(一)の残高は0に戻るよ。
迷いポイント 償却が足りなかった年の分は、後の年度に取り戻せる?
ハルカ
会計の償却が限度額より少なければ、その差は翌年以降に損金にできると思います。
先生
償却不足額は、後から申告書の上だけで損金にはできないんだ。超過額は翌期以降の損金経理額に含めて認容されるけれど(第31条第4項)、不足額には繰越しの仕組みがないよ。
ハルカ
超過は貯金できるのに、不足は借金にもならない…。少し不公平な気がします。
先生
損金経理が条件だから、決算で費用にした分が出発点なんだ。そのぶん、会計の償却どおりに長い期間で損金になっていくよ。
💡 そうだったのか!
償却超過額は加算・留保して後の年度に認容。償却不足額は取り戻せず、会計の償却どおりの期間で損金になります。
⏱ 30秒だけラボで試す
  1. 会計との違いからタブのA4で、「会計8年・法定6年(不足)」を押す

👀 各年の会計の償却費 150 がそのまま損金になる額になり、加算・減算はどの年も 0 です。

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🔁 応用 A5 ラボの図
欠損翌期から10年間、所得から控除できる期限切れX0X1X2X3X4X5X6X7X8X9X10X11ある年度の控除前所得 1,000 から差し引ける上限控除できる 1,000中小法人等:控除前所得の全額まで控除できます。
中小法人等(控除限度 100%)欠損金は古い年度のものから順に使います。10年を過ぎると切り捨てられるので、控除限度50%の大法人ほど期限切れに注意が必要です。
法人税法第57条
A5

欠損金の繰越控除 ── 10年・控除限度・申告と帳簿

📍 ラボの場所:会計との違いからタブ A5
ハルカ
赤字の年の欠損金を、翌期から10年間、所得から差し引けるんですね。
先生
そう(第57条第1項)。ただし、中小法人等以外は、控除前の所得の50%までしか控除できないんだ。欠損金が残っていても、所得の半分には課税されるよ。
迷いポイント 欠損金がある会社は、黒字に戻った年の税金はゼロになる?
ハルカ
税効果会計で、繰越欠損金の繰延税金資産は「控除限度×繰越期限」で上限が決まると習いました。大法人なら半分は課税されるんですね。
先生
よく覚えていたね。中小法人なら控除前の所得の全額まで控除できるけれど、大法人は50%までだよ。それに、欠損金が生じた年度から連続して確定申告書を出し、帳簿を保存していることが条件なんだ(第57条第10項)。
💡 そうだったのか!
欠損金は10年間繰り越せますが、控除できるのは中小法人等以外は所得の50%まで。連続した確定申告書の提出と帳簿の保存が条件です。※平成30年4月1日前に開始した事業年度に生じた欠損金の繰越期間は9年です。
⏱ 30秒だけラボで試す
  1. 設例・試算タブで「欠損金を5年間で使う」を開き、「全部表示」を押す
  2. 「中小法人以外だったら(控除限度50%)」にチェックを入れる

👀 5年間の法人税の合計が、中小法人の 2,737千円から 4,106千円に増えます(差は 1,369千円)。

ラボを開く ▶
🧾 別表から ラボの画面
別表一各事業年度の所得に係る申告書

申告書の本体。所得金額・法人税額・中間納付額・差引納付額を記載

もとになる条文:法人税法第74条第1項・法人税法第77条

5段の流れ:⑤ どう納める

別表から

別表から条文へ ── 申告書の様式を手がかりに

📍 ラボの場所:別表からタブ
ハルカ
別表一、別表二、別表四…と15枚のボタンが並んでいます。押すと、もとになる条文と5段のどこかが出るんですね。
先生
別表は、条文の計算を1枚ずつ書き出す様式なんだ。別表四で所得を出して、別表一で税額を出す。別表五(一)は、別表四の留保の残高を翌期に持ち越すよ。
迷いポイント 別表は、毎年全部の様式を出さなければならない?
ハルカ
別表は番号が十六まであるので、毎年全部を作るのかと思っていました。
先生
別表一と、所得の計算の別表四・別表五(一)などは毎年作るけれど、交際費等の別表十五や寄附金の別表十四(二)は、その取引がある年に作るんだ。条文の計算があるところだけ、別表が増えるよ。
💡 そうだったのか!
別表は条文の計算を書き出す様式。別表四→別表一の流れが軸で、交際費等・寄附金などの別表は、その計算が必要な年に加わります。
⏱ 30秒だけラボで試す
  1. 別表からタブで「別表十五」を押す

👀 もとになる条文が租税特別措置法第61条の4第1項・第2項、5段の流れは「③ いくら」と表示されます。

ラボを開く ▶
⏱ 手続・期限から ラボの表
時期手続期限だれが条文
設立設立の届出設立の日以後2か月以内新設の普通法人・協同組合等法人税法第148条第1項
設立会計期間の届出設立の日などから2か月以内法令・定款等に会計期間の定めがない法人法人税法第13条第2項
設立青色申告の承認申請(設立第1期)設立の日以後3か月を経過した日と第1期の終了の日のいずれか早い日の前日新設の普通法人・協同組合等法人税法第122条第2項第1号
期首前青色申告の承認申請青色申告をしたい事業年度開始の日の前日内国法人法人税法第122条第1項
随時事業年度の変更の届出遅滞なく会計期間を変更した法人法人税法第15条
随時納税地の異動の届出異動したとき法人法人税法第20条
随時収益事業の開始の届出開始した日以後2か月以内公益法人等・人格のない社団等法人税法第150条第1項
期中事前確定届出給与の届出政令で定める期限まで役員に所定の時期の給与を出す法人法人税法第34条第1項第2号
届出期限は法人税法施行令(未取得)
期中減価償却方法・棚卸資産評価方法の選定政令で定める期限まで方法を選ぶ法人法人税法第31条第1項・法人税法第29条第1項
届出期限は法人税法施行令(未取得)
6か月経過後中間申告(前期実績)6月経過日から2か月以内事業年度が6か月超の普通法人(前期実績が10万円以下なら不要)法人税法第71条第1項
6か月経過後中間申告(仮決算)同上仮決算の税額が前期実績の額を超える場合はできない法人税法第72条第1項
6か月経過後中間申告分の納付中間申告書の提出期限まで中間申告をした普通法人法人税法第76条
期末前申告期限の延長の特例の申請延長を受けたい事業年度終了の日まで定款の定めなどで定時総会が2か月以内に招集されない常況の法人法人税法第75条の2第1項・法人税法第75条の2第3項
期末後確定申告事業年度終了の日の翌日から2か月以内(延長の特例あり)内国法人法人税法第74条第1項
期末後確定申告分の納付確定申告書の提出期限まで確定申告をした法人法人税法第77条
期末後電子申告(e-Tax)申告と同じ特定法人(資本金1億円超・通算法人など)法人税法第75条の4第1項・法人税法第75条の4第2項
期末後欠損金の繰戻し還付の請求確定申告書の提出と同時青色申告の法人(中小法人等以外は原則不可)法人税法第80条第1項・租税特別措置法第66条の12第1項
期末後青色申告の取りやめの届出やめたい事業年度の確定申告書の提出期限まで青色申告法人(通算法人を除く)法人税法第128条
申告後修正申告・更正の請求更正の請求は原則として法定申告期限から5年納税者国税通則法第19条要原文確認・国税通則法第23条要原文確認
国税通則法は未取得
申告後更正・決定—税務署長(青色申告書の更正は帳簿調査に基づく)国税通則法第24条要原文確認・国税通則法第25条要原文確認・法人税法第130条
国税通則法は未取得
保存帳簿書類の備付け・保存保存期間は財務省令で定める青色申告法人/それ以外の普通法人等法人税法第126条第1項・法人税法第150条の2第1項
保存期間は施行規則(未取得)
手続・期限

届出・申告・納付の一覧(時期順)

📍 ラボの場所:手続・期限からタブ
ハルカ
設立、期首前、随時、期中…と、時期の順に手続が並んでいます。期限と条文も書いてありますね。
先生
中間申告は6か月経過日から2か月以内(第71条)、確定申告は終了の日の翌日から2か月以内(第74条)だよ。申告期限の延長を受けると納付期限も延びるけれど、延びた期間には利子税がかかるんだ(第75条の2)。
迷いポイント 青色申告の承認申請は、決算が終わってから出しても間に合う?
ハルカ
黒字か赤字か分かってから、青色にするか決めればいいと思っていました。
先生
承認申請は、原則として青色申告をしたい事業年度の開始の日の前日までなんだ(第122条第1項)。設立第1期は、設立の日以後3か月を経過した日と第1期の終了の日の早い方の前日までだよ。
ハルカ
試合が終わってから、ユニフォームの色を選ぼうとしていました。
先生
色は試合の前に決めておくものだね。表の「期首前」の行に、ちゃんと置いてあるよ。
💡 そうだったのか!
手続には期限の早いものがあります。青色申告の承認申請は事業年度の開始の日の前日まで。期限が政令・省令にあるもの(事前確定届出給与の届出など)は、ラボでは要原文確認として示しています。
🧩 テーマから ラボの図
親法人所得 500333.3子法人S1欠損 2000子法人S2所得 10066.7通算前課税される所得
グループ通算あり:課税される所得の合計 400S1の欠損200を、親法人とS2の所得の比(500:100)で配分して差し引きます。親法人は166.7、S2は33.3を損金に入れます。
テーマ B2

グループ通算制度と100%グループ内の取引

📍 ラボの場所:テーマからタブ B2・100%グループ内の取引
ハルカ
子法人S1の欠損 200 が、親法人とS2の所得から差し引かれて、課税される所得の合計が 400 になっています。
先生
グループ通算は、承認を受けた100%グループの中で、黒字と赤字を通算する制度なんだ(第64条の5・第64条の9)。申告は各法人がそれぞれ行うよ。
迷いポイント 100%子会社があれば、通算を選ばなくても特別な扱いがある?
ハルカ
通算を選ばなければ、100%子会社も普通の取引先と同じですよね。
先生
通算を選ばなくても、100%グループ内の一定の取引には特別な扱いが適用されるんだ。ただ、制度ごとに要件が違うよ。
ハルカ
要件が違うって、どういうことですか。
先生
寄附金の全額損金不算入と受贈益の益金不算入は、法人による完全支配関係がある内国法人の間だけ(第37条第2項・第25条の2)。譲渡損益調整資産の繰延べは、個人による完全支配関係でも対象になるんだ(第61条の11)。
ハルカ
選んでいないのに付いてくるなんて、セット商品のおまけみたいですね。
先生
おまけというより、グループを1つの会社のように見る考え方の一部なんだよ。
💡 そうだったのか!
グループ通算は承認を受けた場合だけ。100%グループ内の一定の取引の特例は通算を選ばなくても適用されますが、寄附金・受贈益は法人による完全支配関係に限られ、譲渡損益の繰延べは個人による完全支配関係でも対象です。
⏱ 30秒だけラボで試す
  1. テーマからタブのB2で、「グループ通算を選んでいる」のチェックを外す

👀 課税される所得の合計が 400 から 600 に増え、S1の欠損 200 はS1の繰越欠損金として残ります。

ラボを開く ▶
🧩 テーマから ラボの図
最低税率 15%25%日本(親会社)10%不足 5%A国(子会社)20%B国(子会社)12%不足 3%C国(子会社)国ごとの実効税率(架空)と、15%に足りない部分(黄色)→ 日本の親会社が納める
所得合算ルール(IIR)日本の親会社が、軽課税国にある子会社などの分のトップアップ税を、日本で納めます。「国際最低課税額に対する法人税」です(法人税法第82条の3〜)。
テーマ B3

グローバル・ミニマム課税と外国法人

📍 ラボの場所:テーマからタブ B3
ハルカ
国ごとの実効税率が並んでいて、15%に足りない国に黄色の「不足」が乗っています。
先生
国ごとの実効税率が最低税率15%を下回るとき、その差に相当する税を課す仕組みなんだ。日本の親会社がその分を納めるのが、所得合算ルール(IIR)だよ。
迷いポイント グローバル・ミニマム課税も、所得に税率を掛ける同じ法人税の一部?
ハルカ
グローバルミニマム課税ラボで、対象は直前4年度のうち2年度以上で7.5億ユーロ以上のグループだと習いました。法人税の申告書に一緒に書くんですか。
先生
よく覚えていたね。ただ、これは各事業年度の所得に対する法人税とは別の法人税なんだ。課税標準も申告も、第2編第2章(第82条〜)に別に定められているよ。
💡 そうだったのか!
グローバル・ミニマム課税は所得とは別の課税標準による別の法人税(第2編第2章)。外国法人は、本流の5段を国内源泉所得に当てはめた第3編で課税されます。

今日の内容を、ラボで確かめてみませんか?

この記事の図は、すべて法人税法ラボの画面そのものです。各タブを開けば、同じ図を見ながら読み返せます。

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今日のまとめ ── 迷いポイント早見表

迷いポイント答えラボ
「法人税等」は全部まとめて加算すれば終わり?税目ごと。事業税は申告書を提出した年度の損金、延滞税・加算税は加算・社外流出会計との違い
受け取った配当は全部益金に入れなくてよい?持株割合で4区分(全額・全額−負債利子・50%・20%)。要件を満たす外国子会社は第23条の2で95%A1
決算賞与で利益を調整できる?届出なしの臨時賞与は損金不算入(第34条第1項)A2
交際費等の不算入額は会社の大きさに関係ない?中小法人は定額控除か飲食費50%、大法人は飲食費50%(100億円超は全額不算入)A3
償却不足額は後で取り戻せる?取り戻せない。超過額だけが後の年度に認容される(第31条第4項)A4
欠損金があれば黒字の年の税金はゼロ?中小法人等以外は所得の50%まで。申告と帳簿が条件(第57条)A5
別表は毎年全部出す?計算がある年に加わる。軸は別表四→別表一別表から
青色申告の承認申請は決算後でも間に合う?事業年度開始の日の前日まで(第122条第1項)手続・期限
通算を選ばなければ100%子会社も普通の取引先?一定の取引は通算を選ばなくても適用。寄附金・受贈益は法人による完全支配関係に限り、譲渡損益の繰延べは個人による完全支配関係も対象テーマ B2
グローバル・ミニマム課税も同じ法人税の一部?所得とは別の課税標準による別の法人税(第2編第2章)テーマ B3
おわりに

今日のふりかえり

先生
今日のまとめだよ。会計と税法のずれは科目ごと・税目ごとに見る。控除の限度や手続の期限は法人の大きさや時期で変わる。グループと国際の制度は、本流のどの段を変えるかで位置づければいいんだ。
ハルカ
前は、別表五(二)、税効果、外国税額控除…と、ラボを1つずつ別々に覚えていました。今日は、それが全部法人税法の中の住所でつながりました。
先生
それが一番の収穫だね。ほかのラボで習ったことも、条文から引き直すと、もう一度整理できるよ。
ハルカ
では、今まで習ったラボを全部、法人税法の目次の順に並べ直してみます。本棚の大掃除みたいです。
先生
掃除のあとに条文を引けば、どこに何があるかすぐ分かるよ。基礎編から読み返すと、5段の図の見え方がきっと変わるよ。

参考資料

法人税法(昭和40年法律第34号。e-Gov法令検索、令和8年10月1日施行〈令和8年法律第12号による改正〉までの版)、租税特別措置法第42条の3の2・第61条の4・第66条の12、法人税基本通達2-2-12、国税庁「申告書作成上の留意点」(別表四・別表五(一))・タックスアンサーNo.5300。法令の確認日:2026年10月14日。ラボと記事の設例の会社・金額はすべて架空です(単位:千円)。地方法人税・防衛特別法人税・住民税・事業税の計算は含みません。

シリーズ:基礎編/応用編 / 関連:別表五(二)ラボ【応用編】(附帯税・納税充当金)/外国税額控除ラボ【基礎編】(外国子会社配当の95%益金不算入)/税効果会計ラボ【応用編】(繰越欠損金の回収可能性)/グローバルミニマム課税ラボ【基礎編】(国別実効税率15%・対象グループ)

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この記事を書いた人

TaxJudge編集部|公認会計士・税理士(実務25年)による企画・監修。会計基準・税法・裁決・有価証券報告書などの一次情報をもとに、検索できるデータベースと計算・判定・文書作成ツールを制作しています。