このラボには、先生と生徒の会話形式の解説記事があります収益認識ラボ④の図をそのまま使って、迷いやすい点を会話で読み解きます。30秒でできるラボ実習つき。
このラボでできること
- 工事契約の収益と損失を年次で追う … 原価比例法の進捗度(基準第38〜44項)、見積りの変更(第43項)、原価回収基準(第45項)と初期段階の取扱い(適用指針第99項)、工事損失引当金(第90項・設例32)を、3年分の年次表と仕訳で確認できます。
- 契約資産・債権・契約負債の違いをつかむ … 対価に対する権利が無条件かどうか(基準第79項)を、2つの製品を後で請求する設例27、数量による遡及値引き(返金負債)の設例28、消費税等の設例29と同じパターンで追えます。
- 表示と注記の全体像 … 科目の例示(適用指針第104-2・104-3項)、返品資産・工事損失引当金の表示(第105・106項)、収益の分解(基準第80-10項・開示例1)、契約残高(第80-20項)、残存履行義務(第80-21〜80-24項・開示例2・3)、工事損失の注記(第106-9項)を図で整理しています。
- 代替的な取扱いを一覧で … 出荷基準等(第98項)、期間がごく短い工事(第95項)、工事契約の結合(第102項)、電気・ガスの検針(第103-2項)、有償支給取引(第104項)など、日本独自の扱い(第92〜104項)を処理早見表で確認できます。
- 数字を変えて確かめる … 工事契約(進捗度・工事損失引当金・契約資産と契約負債)、契約資産・債権・消費税、残存履行義務の注記の3テーマ。Undo・Redo・リセット付き。IFRSとの違いのタブでは、出荷基準と支配の移転時点の違いを期末前後の日数で比べられます。
使い方(3ステップ)
- 「基礎」タブで考え方をつかむ
工事契約 → 原価回収基準 → 工事損失引当金 → 契約資産・債権 → 消費税等と返金負債 → 表示 → 注記 → 収益の分解 → 残存履行義務 → 代替的な取扱いの順に図で確認します。実務の論点は「応用」タブ(処理早見表つき)で。 - 「設例」タブで1ステップずつ追う
設例・基礎は工事損失引当金(設例32型)・契約資産と債権・返金負債・消費税等・収益の分解。設例・応用は残存履行義務(固定対価・変動対価・注記に含めない場合・定性的な注記)・原価回収基準・有償支給取引です。 - 「シミュレーション」で数字を変える
設例の「この設例の数字でシミュレーション ▶」から、同じ数字が入った状態で開けます。
よくあるつまずき
- 見積りが増えたので過去の年度の収益を直す … 会計上の見積りの変更です。累計の進捗度で計算し直し、当期の収益で調整します(基準第43項)。当期の収益がマイナスになることもあります。
- 工事損失を残りの年数で按分する … 工事損失のうち既に計上した損益を除く残額を、見込まれた期に工事損失引当金として計上します(適用指針第90項・設例32)。
- 請求前の売上をすべて売掛金にする … 対価に対する権利が無条件になるまでは契約資産です(基準第79項・設例27)。
- 消費税等を売上高に含める … 第三者のために回収する額なので取引価格に含めません(基準第47項・設例29)。
- 受注残高をそのまま残存履行義務として注記する … 契約として識別された履行義務に配分した取引価格(変動対価は制限後)です。1年以内の契約などは含めないことができます(第80-21〜80-24項)。
学習用の簡易計算です。工事契約は3年・原価比例法で、X3年度の工事原価総額は発生原価の合計(実績)とします。発生原価は未成工事支出金等から売上原価への振替をまとめて表示し、販売直接経費は考慮しません。工事損失引当金は「見積った工事損失 − 既に計上した損益」で計算し、工事損失の可能性が高く合理的に見積れるかは選択式です。原価回収基準は、X1年度の発生原価の全額の回収が見込まれる前提で、発生原価が工事収益総額を超える入力は受け付けません。数量による遡及値引き(設例28型)は、減額の条件を満たす前の時点を扱うため、移転した数量が減額の数量を超える入力は受け付けません。契約資産と契約負債は、同じ契約の中では純額の1つの残高として計算します。残存履行義務は取引価格を契約期間にわたり均等に認識する前提で、端数は、各期間末の累計収益を四捨五入し、前期間末との差額を各期間の金額にします。金額・数量の入力は整数に限定しています。有償支給取引(応用6)は判定のみの設例で、実際の判断は契約条件・取引の実態を踏まえて行います。
根拠にした基準
- 企業会計基準第29号「収益認識に関する会計基準」(2024年9月13日最終改正)第38〜45項・第47項・第53項・第78-2項・第79項・第80-10〜80-24項
- 企業会計基準適用指針第30号「収益認識に関する会計基準の適用指針」(2024年9月13日最終改正、2025年10月16日公表の企業会計基準第37号による修正を反映)第90〜106-10項、設例27〜29・32、開示例1〜3
- IFRS第15号「顧客との契約から生じる収益」・IAS第37号「引当金、偶発負債及び偶発資産」(IFRSとの違いのタブのみ)
基準の内容は2026年10月2日にASBJ公表のPDF・会計基準検索システムで確認しました(基準確認日:2026年10月2日)。原文はASBJ(企業会計基準委員会)で公開されています。
あわせて読む・調べる
- 収益認識ラボ①(5ステップと認識編) … 契約・履行義務・一定の期間か一時点か・進捗度
- 収益認識ラボ②(取引価格と配分編) … 変動対価・返品権付き販売・値引きの配分
- 収益認識ラボ③(特定の取引編) … 本人と代理人・ポイント・ライセンス・買戻し
- 【早見表】収益認識基準・適用指針 … 論点を項番号で検索
- 売上の期間帰属の適切性とは?KAM事例263社分析 … 期末の売上計上の実務
- KAM事例データベース
- 税効果会計ラボ/ラボ一覧
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