収益認識ラボ④【応用編】|先生と一緒に図で学ぶ工事契約の結合・見積りの変更・残高変動の注記・出荷基準
無料の学習ツール「収益認識ラボ④」の読み方ガイドです。ラボの応用タブから、実務で迷いやすい論点を選んで、先生と生徒の会話形式で見ていきます。基礎タブの内容は基礎編で扱っています。各行の図はラボの図そのものです。重要な節の最後には、ラボで30秒だけ手を動かす小さな実習を置いています。
📋 応用タブ冒頭 処理早見表
① 工事契約(基準第38〜45項、適用指針第90・95・99・102項)
| 状況 | 判断 | 処理 | 根拠・設例 |
|---|
| 進捗度を合理的に見積れる | 一定の期間にわたり充足 | 進捗度(原価比例法など)で収益 | 基準第38・41・44項 |
| 見積額が変わった | 会計上の見積りの変更 | 累計の進捗度で計算し、当期の収益で調整(さかのぼらない) | 基準第43項 |
| 進捗度を見積れないが、費用の回収は見込める | 原価回収基準 | 発生した原価と同額の収益(利益ゼロ) | 基準第45項 |
| 契約の初期段階で進捗度を見積れない | 代替的な取扱い | 初期段階は収益を認識せず、見積れる時から認識 | 適用指針第99項 |
| 工事原価総額等が工事収益総額を超える可能性が高く、合理的に見積れる | 工事損失 | 既に計上した損益を除いた残額を工事損失引当金に(売上原価) | 第90項・設例32 |
| 期間がごく短い工事 | 代替的な取扱い | 完全に充足した時点で一括して収益 | 第95・96項 |
| 複数の工事契約が実質的に1つの取引 | 代替的な取扱い | 原則との差異に重要性が乏しければ結合して単一の履行義務 | 第102・103項 |
② 表示(基準第78-2・79項、適用指針第104-2〜106項)
| 状況 | 判断 | 表示 | 根拠・設例 |
|---|
| 履行義務を充足したが、対価の請求に他の条件がある | 権利は条件付き | 契約資産(工事未収入金など) | 基準第79項・設例27 |
| 対価を請求でき、時の経過だけで支払期限が来る | 無条件の権利 | 顧客との契約から生じた債権(売掛金・営業債権など) | 基準第79項・設例27 |
| 財・サービスの移転前に、対価を受け取った、または対価を受け取る期限が到来した | 契約負債 | 契約負債(前受金など) | 基準第79項 |
| 顧客に返金すると見込む | 返金負債 | 返金負債(契約負債と区別) | 基準第53項・設例28 |
| 消費税等 | 第三者のために回収 | 取引価格に含めず、仮受消費税等 | 基準第47項・設例29 |
| 返品資産と返金負債 | — | 相殺しない | 適用指針第105項 |
| 工事損失引当金 | — | 流動負債。繰入額は売上原価。同じ工事の棚卸資産と相殺可 | 第106項 |
契約負債は、対価を受け取った時と支払期限が到来した時の早い方で認識する。単なる請求書の発行とは区別する。
③ 注記(基準第80-10〜80-24項、適用指針第106-3〜106-9項)
| 注記 | 内容 | ポイント | 根拠・開示例 |
|---|
| 収益の分解情報 | 性質・金額・時期・不確実性に影響する要因で区分 | セグメントとの関係も示す | 第80-10・80-11項・開示例1 |
| 履行義務の充足時点・方法 | 出荷時・引渡時・サービスの提供に応じて など | インプット法・アウトプット法の記述 | 第80-18項・第106-6・106-7項 |
| 契約資産・契約負債の残高 | 期首・期末の残高、期首の契約負債から当期に認識した収益、重要な変動など | 重要な残高変動の説明については、定量的情報は必須ではない(残高などの金額は注記する) | 第80-20項・第106-8項 |
| 残存履行義務 | 未充足の履行義務に配分した取引価格と、いつ収益になるか | 1年以内の契約などは含めないことができる | 第80-21〜80-24項・開示例2・3 |
| 工事損失 | 当期の繰入額、棚卸資産と相殺したか・その額 | 両建てなら対応する棚卸資産の額 | 適用指針第106-9項 |
④ 代替的な取扱い(適用指針第92〜104項)
| 項 | 対象 | 認められる扱い | 主な条件 |
|---|
| 第92項 | 契約変更 | 別契約・既存契約の変更のいずれの方法も可 | 追加に重要性が乏しい |
| 第93項 | 履行義務の識別 | 約束が履行義務かを評価しない | 顧客との契約の観点で重要性が乏しい |
| 第94項 | 出荷・配送活動 | 履行義務にせず、移転の約束を履行する活動として処理 | 支配の獲得後に行う活動 |
| 第95・96項 | 工事契約・受注制作ソフトウェア | 完全に充足した時点で収益 | 期間がごく短い |
| 第97項 | 船舶による運送 | 一航海を単一の履行義務とし、その期間で収益 | 一航海が通常の期間 |
| 第98項 | 国内の商品・製品の販売 | 出荷時〜支配移転時の一時点(出荷時など)で収益 | その期間が通常の期間 |
| 第99項 | 一定の期間の履行義務 | 初期段階は収益を認識しない | 初期段階に進捗度を合理的に見積れない |
| 第100項 | 独立販売価格の見積り | 残余アプローチを使える | 付随的で重要性が乏しい |
| 第101項 | 契約の単位・配分 | 個々の契約を単位に、契約の金額で収益 | 実質的な取引の単位・金額が独立販売価格と著しく異ならない |
| 第102・103項 | 工事契約の結合 | 結合して単一の履行義務 | 原則との差異に重要性が乏しい |
| 第103-2項 | 電気・ガスの検針 | 検針日から決算日までの収益を日数按分などで見積る | 毎月、月末以外に検針 |
| 第104項 | 有償支給取引 | 譲渡に係る収益を認識しない(必須)。買戻義務ありなら消滅も認識しない(個別財務諸表では消滅の認識が可) | — |
多くは選択できる扱いだが、第104項の「譲渡に係る収益を認識しない」は必須。選択できるのは個別財務諸表での支給品の消滅の認識。
はじめに
今日の地図 ── 工事契約・表示・注記・代替的な取扱いの早見表
📍 ラボの場所:応用タブ冒頭「処理早見表」
ハルカ
先生、基礎編で工事損失引当金と、表示・注記の全体像は分かりました。実務では、どこで手が止まるんですか。
先生
早見表の4つの表を見てほしいんだ。工事契約、表示、注記、代替的な取扱い。どの行も「状況 → 判断 → 処理」の順に並んでいるよ。実務で止まるのは、自分の工事や契約がどの行に当たるかを決めるところなんだ。
ハルカ
代替的な取扱いの表は12行もあります。全部覚えないといけませんか。
先生
全部でなくていいよ。自社で使っている扱いと、その条件を確かめられれば十分なんだ。今日はこの中から、実務で質問の多い8つを順に見ていこうか。
📙 応用 A1 ラボの図
応用 A1
工事契約の結合 ── 実質的な取引の単位
📍 ラボの場所:応用タブ A1
ハルカ
本体工事と付帯工事を、別々の契約書で請けることがあります。契約が2つなら、収益も2つに分けて計算しますよね。
先生
原則はそうだよ。同じ顧客と同時またはほぼ同時に結んだ契約は一定の要件で結合し(基準第27項)、履行義務は契約ごとに識別するんだ(第32項)。ただ工事契約には代替的な取扱いがあって、図のように結合して単一の履行義務にできるんだ(適用指針第102項)。
迷いポイント 契約書が別なら、必ず別々に収益を計算する?
ハルカ
契約書が分かれている以上、まとめるのは無理がある気がします。
先生
条件は、当事者間で合意された実質的な取引の単位を反映するように結合した場合と、原則で処理した場合の差異に重要性が乏しいことなんだ。異なる顧客や異なる時点の契約も対象になるよ。受注制作のソフトウェアも同じなんだ(第103項)。
💡 そうだったのか!
工事契約は、原則との差異に重要性が乏しければ
実質的な取引の単位で結合し、1つの進捗度で収益にできます。
📙 応用 A2 ラボの図
応用 A2
期間がごく短い工事 ── 引渡し時に一括
📍 ラボの場所:応用タブ A2
ハルカ
2週間で終わる修繕工事でも、期末をまたいだら進捗度を計算するんですか。
先生
原則は一定の期間にわたる収益認識だから、進捗度が必要だよ。でも図の代替的な取扱いがあって、取引開始日から完全に充足するまでの期間がごく短い工事なら、完全に充足した時点で一括して収益にできるんだ(適用指針第95項)。
迷いポイント 「ごく短い」は何日以内?
ハルカ
何日以内なら「ごく短い」と言えるんですか。決まっていれば楽なのですが。
先生
日数の基準は定められていないんだ。期末をまたぐ工事の件数や金額が大きいと、原則との差が大きくなる。自社の工事の実態に照らして、方針として決めておくことが大事だよ。
ハルカ
正直に言うと、「短い工事は全部まとめて完成時」と、ざっくり決めて安心しようとしていました。
先生
その「ざっくり」に、期末をまたぐ大きな工事が紛れていないかを確かめるんだよ。
💡 そうだったのか!
期間が
ごく短い工事は完成時に一括で収益にできます。日数基準はないので、期末をまたぐ工事の影響を確かめて方針にします。
📙 応用 A3 ラボの図
🧾 仕訳で確認(例:X1年度末の見積り 3,000 → X2年度末 8,000)
X2年度:工事収益の減額(見積りの変更による累積的な影響。進捗度 25%)| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|
| 売上高(工事収益) | 1,250 | 契約資産 | 1,250 |
X2年度:発生した工事原価(未成工事支出金等からの振替をまとめた簡略表示)| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|
| 売上原価(工事原価) | 500 | 未成工事支出金等 | 500 |
X2年度:請求(顧客との契約から生じた債権へ)| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|
| 売掛金(完成工事未収入金) | 2,000 | 契約資産 | 250 |
| | 契約負債 | 1,750 |
X2年度:工事損失引当金の繰入(適用指針第90項)| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|
| 売上原価 | 2,250 | 工事損失引当金 | 2,250 |
累計の収益が 2,500 から 1,250 に減るので、当期の収益は ▲1,250。同時に工事損失引当金 2,250 を計上する。
応用 A3
見積りの変更で収益が減る ── 累積的な影響
📍 ラボの場所:応用タブ A3
ハルカ
図の X2年度の行に「当期の収益 ▲1,250」と出ています。売上がマイナスなんて、表示の間違いですよね。
先生
間違いではないんだ。X1年度末は見積額 3,000 で進捗度 50%、収益 2,500。X2年度末に見積額が 8,000 に増えて、累計原価 2,000 では進捗度 25%、累計の収益は 1,250 に下がる。前期までに 2,500 計上しているから、当期は ▲1,250 になるよ。
ハルカ
②編でも、見積りが変わったら前の期は直さずに変わった期で調整すると習いました。それが工事でも同じなんですね。
先生
そう、ちゃんと覚えていたね。累計の進捗度で計算し直して、差額を当期に計上する(基準第43項)。差額がマイナスなら、当期の収益が減るんだ。
迷いポイント 収益がマイナスになるとき、仕訳はどうする?
先生
仕訳を見てごらん。契約資産があれば先に減らし、足りなければ契約負債を増やすんだ。この例では、X1年度末の契約資産 1,500 のうち 1,250 を減らすんだ。その後の請求 2,000 で残りの契約資産 250 がなくなり、超える 1,750 が契約負債になっているよ。同時に、見積額が工事収益総額 5,000 を超えたので、工事損失引当金 2,250 も計上しているね。
ハルカ
頑張って工事を進めたのに、売上が減って、引当金まで積まれて…。泣きっ面に蜂です。
先生
見積りを正直に直した結果なんだ。翌期に引当金を取り崩すので、X3年度の損益はゼロになるよ。
💡 そうだったのか!
見積りの変更で累計の進捗度が下がると、
当期の収益はマイナスになり得ます。契約資産を先に減らし、足りなければ契約負債を増やします。
⏱ 30秒だけラボで試す
- リンクから「工事契約」のシミュレーションを開く
- 右のプリセットで 「見積りが大幅に増えて収益が減る」 を選ぶ
👀 当期の収益が X2 ▲1,250、工事損失引当金 2,250、損益は X1 1,000/X2 ▲4,000/X3 0(合計 ▲3,000)。X2年度末は契約負債 1,750 になります。
ラボを開く ▶📝 収益認識ラボ②【設例・変動対価と制限編】(数量値引き・見積りの変更)記事を読む ▶
📙 応用 A4 ラボの図
応用 A4
工事損失引当金と棚卸資産 ── 相殺表示と注記
📍 ラボの場所:応用タブ A4
ハルカ
同じ工事に、未成工事支出金 300 と工事損失引当金 112 があります。資産と負債に両方載せるんですか。
先生
図の左が両建て、右が相殺の表示だよ。同じ工事契約に関する棚卸資産と工事損失引当金は、相殺して表示することができるんだ(適用指針第106項)。相殺すると、棚卸資産 188 だけが残るよ。
迷いポイント 相殺したら、注記は要らない?
ハルカ
相殺してしまえば、引当金はB/Sから消えるので、何も書かなくていいですね。
先生
どちらを選んでも注記は必要なんだ。当期の繰入額に加えて、両建てならその旨と棚卸資産のうち引当金に対応する額、相殺ならその旨と相殺した棚卸資産の額を注記するよ(第106-9項)。
💡 そうだったのか!
棚卸資産と工事損失引当金は
相殺も両建ても可。どちらでも、繰入額と相殺の状況を注記します。
📙 応用 B1 ラボの図
応用 B1
契約資産・契約負債の残高変動の注記
📍 ラボの場所:応用タブ B1
ハルカ
図は X2年度の契約資産・契約負債の動きですね。期首が ▲400、期末が 960 です。
先生
そう、期首は契約負債 400、収益 3,760 で増えて、請求 2,400 で減り、期末は契約資産 960 なんだ。こうした期首・期末の残高や、期首の契約負債のうち当期に収益にした額などを注記するよ(基準第80-20項)。
迷いポイント 残高変動の注記は、金額を書かなくてもいい?
ハルカ
「定量的情報は必須ではない」と聞いたので、残高の注記は文章だけで済むと思っていました。
先生
その一文は、重要な変動の説明についての話なんだ(適用指針第106-8項)。期首・期末の残高などの金額情報は注記するよ。変動の理由には、進捗度の見積りの変更による累積的な影響や、権利が無条件になるまでの通常の期間の変化などがあるね。
💡 そうだったのか!
契約残高は
金額を注記したうえで、重要な変動の内容を説明します。定量的情報が必須でないのは、変動の説明の部分です。
⏱ 30秒だけラボで試す
- リンクから「工事契約」のシミュレーションを開く(基礎1の数字)
- 右の「X2年度の請求額」を 4,000、「X3年度の請求額」を 1,600 に変える
👀 X2年度末の残高が 契約資産 960 → 契約負債 640 に変わります(収益の累計 5,760 < 請求の累計 6,400)。損益は変わりません。
ラボを開く ▶
📙 応用 B2 ラボの図
応用 B2
残存履行義務:含めないもの・変動対価
📍 ラボの場所:応用タブ B2
ハルカ
図の清掃契約は、取引価格 264 のうち残り 198 が注記の対象ですね。下に「含めていない 18」とあります。
先生
業績ボーナスは上限 90 だけれど、取引価格に含めたのは 72 だけ。残りの 18 は見積りの制限で入れていないから、残存履行義務の額にも入らないんだ。その場合は、注記に含めていないものがある旨を注記するよ(基準第80-23項)。
ハルカ
②編の「著しい減額が起きない部分だけを入れる」制限ですね。注記にも影響するとは思いませんでした。
先生
よく覚えていたね。取引価格の制限は、そのまま注記の額の範囲になるんだ。
迷いポイント 残存履行義務には、すべての契約を入れないといけない?
ハルカ
1か月ごとの契約も、全部注記に入れるんですか。
先生
含めないことができる場合があるんだ。当初に予想される契約期間が1年以内のもの、請求する権利を有している金額で収益を認識しているもの、一定の変動対価だよ(第80-22項)。含めないときは、その旨などを注記するんだ(第80-24項)。
ハルカ
18 は、取引価格にも注記にも入れてもらえないんですね。ボーナスなのに、宴会に呼ばれなかった気分でしょうね。
先生
見積りの根拠がそろえば、取引価格に入って注記にも出てくるよ。
💡 そうだったのか!
残存履行義務は
制限後の取引価格が基礎。当初に予想される契約期間が1年以内の契約などは含めないこともでき、その場合は注記で説明します。
⏱ 30秒だけラボで試す
- リンクから「残存履行義務の注記」のシミュレーションを開く(応用2の数字)
- 右の「取引価格に含める変動対価」を 72 から 90 に変える
👀 取引価格が 264 → 282、残存履行義務が 198 → 211(1年以内 141、その後 70)になり、「含めていない」の表示が消えます。
ラボを開く ▶
📙 応用 C1 ラボの図
応用 C1
出荷基準等と出荷・配送活動
📍 ラボの場所:応用タブ C1
ハルカ
③編で、検収が形式的でなければ検収まで支配は移転しないと習いました。それなら出荷基準は使えないのでは?
先生
原則はそうだよ。でも国内の販売で、出荷から支配の移転(例えば検収)までが通常の期間なら、その間の一時点、例えば出荷時や着荷時に収益にできるんだ(適用指針第98項)。図の黄色い帯の範囲だよ。
迷いポイント 出荷基準は、輸出にも使える?
ハルカ
海外向けも船に積んだ日で売上にしていいですよね。
先生
第98項は国内の販売が対象なんだ。通常の期間とは、国内の出荷・配送に要する日数に照らして、取引慣行ごとに合理的と考えられる日数だよ。支配を獲得した後の配送活動は、履行義務にせずに処理することもできるね(第94項)。
💡 そうだったのか!
出荷基準等は
国内販売で、出荷から支配移転までが通常の期間のときだけ。期末前後の出荷はカットオフの論点になりやすいです。
⏱ 30秒だけラボで試す
- リンクから「IFRSとの違い」タブを開く
- 右の「出荷日(期末の何日前)」を 2 から 6 に変える
👀 支配の移転(出荷から5日後)が期末の前になり、IFRSでも当期の売上 5,000 になります(初期値の2日前だと、IFRSでは翌期の売上)。
ラボを開く ▶📝 売上の期間帰属の適切性とは?KAM事例263社分析【カットオフ監査】記事を読む ▶
📙 応用 C3 ラボの図
応用 C3
重要性による扱いと有償支給取引
📍 ラボの場所:応用タブ C3・設例・応用6
ハルカ
材料を 600 で加工業者に売って、加工した部品を買い戻す取引があります。材料を売った 600 は売上ですよね。
先生
有償支給取引では、支給品の譲渡に係る収益は認識しないんだ(適用指針第104項)。そのうえで、図の左右で、企業が加工後の部品を買い戻す義務を負っているかで処理が分かれるよ。
ハルカ
③編の買戻契約で、企業に買い戻す義務がある先渡取引では顧客は支配を獲得しない、と習いました。同じ考え方ですか。
先生
そう、つながっているね。買い戻す義務がなければ支給品の消滅を認識し、義務があれば消滅も認識しないんだ。ただし個別財務諸表では、義務があっても譲渡時に消滅を認識することができるよ。どの場合も収益は認識しないね。
迷いポイント 有償支給の収益不認識も、選べる代替的な取扱い?
ハルカ
代替的な取扱いの仲間なら、収益にするかどうかも選べますよね。
先生
収益を認識しないのは必須なんだ。選べるのは、買い戻す義務がある場合の個別財務諸表での消滅の認識だけだよ。
ハルカ
材料が出張して、一回り大きくなって帰ってくるだけ。旅費を売上にしてはいけないんですね。
先生
その旅で売上は生まれないんだ。行きも帰りも、同じ一連の取引の一部だからだよ。
💡 そうだったのか!
有償支給は
収益を認識しないのが必須。買い戻す義務の有無で、支給品の消滅を認識するかが変わります。
📝 収益認識ラボ③【基礎編】(買戻契約・請求済未出荷・検収)記事を読む ▶
今日の内容を、ラボで確かめてみませんか?
この記事の図は、すべて収益認識ラボ④の画面そのものです。応用タブを開けば、同じ図を見ながら読み返せます。
収益認識ラボ④を開く ▶
この記事を書いた人
TaxJudge編集部|公認会計士・税理士(実務25年)による企画・監修。会計基準・税法・裁決・有価証券報告書などの一次情報をもとに、検索できるデータベースと計算・判定・文書作成ツールを制作しています。