人的資本可視化指針ラボ【基礎編】|図で学ぶ人的資本開示の5段の流れ・4つの要素
無料の学習ツール「人的資本可視化指針ラボ」の読み方ガイドです。ラボの基礎タブを上から順に、先生と生徒の会話形式で見ていきます。各行の図はラボの図そのものです。重要な節の最後には、ラボで30秒だけ手を動かす小さな実習を置いています。
🎧 動画で聞く人件費はコストか明日への投資か(22分)
この記事の先生とハルカの会話と、ラボの図で解説する音声動画です。費用の中身から、5段の流れ・4つの要素・有報の第4までを扱います。クリックすると再生が始まります(YouTubeで開く)
今日の事例
同じ利益の2社(架空の例・単位:百万円)
| A社・B社の売上高 | 1,000 |
| A社・B社の費用 | 850 |
| A社・B社の利益 | 150 |
| A社の成長に向けた追加の人的資本投資(育成・採用・処遇) | 70 |
| B社の成長に向けた追加の人的資本投資 | ほぼ0 |
| 5年後の利益(イメージ)A社 | 280 |
| 5年後の利益(イメージ)B社 | 115 |
はじめに
今日の題材 ── 同じ利益の2社
📍 ラボの場所:基礎タブ全体
ハルカ
先生、人的資本の開示って、人事部の仕事ですよね。経理の私が勉強する必要はあるんでしょうか。
先生
出発点は損益計算書なんだ。今日の題材は、売上高も費用も利益も同じ架空の2社。表を手元に置いて、ラボの「基礎」タブを上から順に読んでいこうか。
ハルカ
数字が全部同じなら、投資家から見ても同じ会社ですよね。
先生
今日の最後には、この2社の5年後の利益が 280 と 115 に分かれる理由と、その違いが財務諸表だけでは読み取れない理由が分かるよ。
📗 基礎 1 ラボの図
基礎 1
なぜ人的資本の開示が必要なのか:同じ利益の2社
📍 ラボの場所:基礎タブ 1
ハルカ
A社もB社も、売上高 1,000、費用 850、利益 150。本当に同じ数字ですね。
先生
人的資本可視化指針ラボで「費用の中身を見る」を押すと違いが出るよ。図はその状態なんだ。A社の費用 850 のうち
70 は、成長に向けた追加の育成・採用・処遇改善への投資。B社は、通常の給与は払っていても、この追加の投資がほぼゼロなんだ。
迷いポイント 人的資本投資は、貸借対照表に資産として載る?
ハルカ
70 も投資しているなら、A社の貸借対照表には「人的資本」という資産が載っているはずです。
先生
それが、載らないのだよ。研修費も採用費も給与も、会計上はほとんどが費用として処理される。支出そのものは財務諸表に入っているけれど、それが将来のための投資なのか、必要な投資が足りているのかまでは、財務諸表だけでは読み取れないんだ。
ハルカ
では、人的資本投資をやめれば来期の利益はすぐ上がりますね。全社員、来期は研修なしで…。
先生
その利益は、5年後に 115 になる方の利益だよ。投資家が知りたいのは「目先の利益を削ってでも、必要な投資をしているか」で、それは財務諸表の外に書くしかないんだ。
💡 そうだったのか!
人的資本投資は
費用に埋もれ、その中身や将来への意味は財務諸表だけでは読み取れない。だから
開示が要る、というのが指針の出発点です。
⏱ 30秒だけラボで試す
- 基礎 1 の「① 費用の中身を見る」を押す
- 続けて「② 5年後まで進める」を押す
👀 A社の費用の右端に黄色の「人的資本投資 70」が現れ、折れ線が5年後に A社 280/B社 115 に分かれます。
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📗 基礎 背景 ラボの図
90%
S&P500構成銘柄の時価総額のうち、無形資産が占める割合(2020年)
競争力の源泉が無形資産へ
6割超
投資家86社のうち、中長期の投資・財務戦略で人的資本投資を特に重視すべきと考える割合
生命保険協会 2024年度調査
3.4兆円
女性特有の健康課題の放置やキャリア断絶による年間の経済損失(推計)
指針が引用する試算
改訂版が挙げる「質の高い人的資本投資」に向けた5つの課題
丸をクリックすると、課題の中身と3つのCとの関係が出ます。
① 重要なスキルを持つ人材の確保・育成に向けた投資(賃金等)人手不足の中、必要な人材を確保できるかが戦略の成否を左右します。日本はスキルによる賃金差が小さいと指摘されています。
関係する3つのC:A構成 B能力 C環境
どれも、経営戦略と連動させて取り組むことが前提です。
基礎 背景
なぜ今、改訂されたのか:数字と5つの課題
📍 ラボの場所:基礎タブ 背景
ハルカ
指針は2022年にもありましたよね。どうして2026年に改訂されたんですか。
先生
図の3つの数字が理由なんだ。S&P500の時価総額の 90% が無形資産、投資家の 6割超 が人的資本投資を特に重視、女性特有の健康課題による経済損失が年 3.4兆円。人への投資が「量」から「質」へ移った、という認識だよ。
迷いポイント 5つの課題は、全部の会社が取り組まないといけない?
ハルカ
①から⑤まで、全社が必ず取り組むチェックリストですよね。うちの会社も5つとも書かないと。
先生
チェックリストではないんだ。
人的資本可視化指針ラボで丸をクリックすると出る説明のとおり、どれも「経営戦略と連動させながら、必要性に応じて」取り組むもの。自社の戦略に効く課題から選ぶのだよ。
💡 そうだったのか!
改訂の背景は
「質の高い人的資本投資」への転換。5つの課題は、戦略に照らして選ぶ材料です。
📗 基礎 2 ラボの図
やってみよう:「離職率8%」は高い?低い?
基礎 2
「指標」中心の開示と「戦略」中心の開示
📍 ラボの場所:基礎タブ 2
ハルカ
図の左は指標がずらりと並んでいて、右はストーリーになっています。どちらが正解ですか。
先生
改訂版が重視するのは右の「戦略に焦点をあてた開示」なんだ。自社の経営戦略から出発して、人材戦略、そして指標にたどり着く。指標だけ並べると、比べやすい代わりに、その会社の「なぜ」が見えないんだよ。
迷いポイント 離職率 8% は、高い? 低い?
ハルカ
離職率 8% なら、だいたい普通だと思います。高くも低くもないです。
先生
それだけでは決められないんだ。
人的資本可視化指針ラボでボタンを切り替えると、急成長中のIT企業なら「想定どおり」、安定したインフラ企業なら「目標の 3% を大きく上回り要注意」になる。同じ 8% でも、戦略という文脈で意味が変わるんだよ。
💡 そうだったのか!
数字は
戦略の文脈があって初めて意味を持つ。比べやすい指標ほど「会社が適切と考える水準」を添えます。
⏱ 30秒だけラボで試す
- 基礎 2 の「急成長中のIT企業なら」を押す
- 続けて「安定したインフラ企業なら」を押す
👀 同じ「離職率 8%」の札の説明が、「想定どおり」から「要注意:目標の 3% を大きく上回り」に変わります。
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📗 基礎 3 ラボの図
② 人的資本関連のリスク・機会 改訂版で追加依存と影響を整理すると、業績を左右するリスクと機会が見えてきます。どの事業・地域に集中しているかも分かります。
例:採用競争に負けると開発が遅れ解約が増える(リスク)/確保できれば単価が上がる(機会)
基礎 3
改訂版の中心:5段の流れ(ストーリーの滝)
📍 ラボの場所:基礎タブ 3
ハルカ
この5段の図が、ラボのあちこちに出てきますね。
先生
改訂版の中心の図だから、覚えてしまおうか。経営戦略 → ①人的資本への依存・影響 → ②人的資本関連のリスク・機会 → 人材戦略 → 指標及び目標。赤い破線で囲んだ①と②が、改訂版で加わった2つの段なんだ。
迷いポイント 経営戦略から、いきなり人材戦略を書いてはいけない?
ハルカ
経営戦略があって、人材戦略があって、指標がある。この3つで十分な気がします。間の2段は飛ばしても。
先生
3つだけだと、読む側には「なぜその人材戦略なのか」がつながらないんだ。
人的資本可視化指針ラボで段をクリックすると問いかけが出るよ。①は「戦略の実現は、どんな人材に頼っている?」、②は「その人材が確保できない/できたら、キャッシュ・フローはどうなる?」。この2つの問いに答えると、人材戦略が経営戦略の続きとして読めるようになるんだよ。
💡 そうだったのか!
5段の流れは
経営戦略と人材戦略をつなぐ橋。改訂版で加わった①依存・影響と②リスク・機会が、その橋の部分です。
📗 基礎 4 ラボの図
依存と影響は一方通行ではない企業は人材に頼り(依存)、投資で人材を育てます(影響)。この循環が将来の業績を左右します。
基礎 4
「依存」と「影響」:企業と人材はお互いに頼り、働きかけ合う
📍 ラボの場所:基礎タブ 4
ハルカ
「依存」と「影響」という言葉が難しいです。会社が人材に依存する、というのは分かる気がしますが。
先生
図の矢印が2本あるのがポイントなんだ。①依存は、戦略の実現が必要な人材を確保できるかにかかっている、という上向きの矢印。②影響は、採用・育成・賃金・職場環境への投資で会社が人材に働きかける、という下向きの矢印だよ。
迷いポイント 依存と影響は、どちらか一方を書けばいい?
ハルカ
うちの会社は専門人材に頼っているので、「依存」の方だけ書けば足りますよね。
先生
両方で1つの循環なんだ。頼っているなら、その人材を確保し続けるために何をするかが「影響」。この循環がうまく回るかどうかで、③のリスクと機会が生まれ、キャッシュ・フローや資本コストにつながるんだよ。
ハルカ
会社と人材が、お互いに「頼んだよ」「任せて」と言い合っている図なんですね。
💡 そうだったのか!
依存と影響は
一方通行ではない循環。ここからリスク・機会が生まれ、お金の話につながります。
📗 基礎 5 ラボの図
Capability(能力・スキル)必要なスキルを備えているか?
★はAIスキルの保有者。開発職では約6割(21人/34人)。戦略に必要な水準と比べて、育成か採用かを判断します。
基礎 5
リスク・機会を3つのCで分ける
📍 ラボの場所:基礎タブ 5
先生
同じ100人を3つのレンズで見る図なんだ。Composition(構成)は職種や雇用形態、Capability(能力)は必要なスキルの有無、Conditions(環境)は離職リスク。図は Capability で、★がAIスキルの保有者 31 人。開発職では 21/34 人、約6割なんだ。多いか少ないかは、戦略に必要な水準と比べて決めるんだよ。
迷いポイント 3つのCは、新しい国際基準?
ハルカ
Composition、Capability、Conditions。これがISSBの新しい人的資本基準なんですね。覚えておきます。
先生
そこは注意がいるんだ。3つのCは、ISSBの検討段階の分類案を別紙が紹介したもの。ISSBは2026年9月にプロジェクトの名称を変えて調査を続けていて、基準として確定したものではないんだよ。リスク・機会を漏れなく洗い出すための参考のレンズ、と考えてほしいんだ。
ハルカ
同じ100人を、眼鏡をかけ替えて3回見るんですね。私は普段、眼鏡なしで帳簿を見ていました。
先生
帳簿には、どの眼鏡で見ても「100人」としか書いていないからね。
💡 そうだったのか!
3つのCは
リスク・機会を洗い出す参考のレンズ。確定した基準ではないので、言い切らないことが大切です。
⏱ 30秒だけラボで試す
- 基礎 5 の「Composition(構成)」を押す
- 続けて「Conditions(環境)」を押す
👀 構成では開発 34人・営業 24人・製造 26人・管理 16人(薄い色は非正規 32人)、環境では離職リスクが高い人 17人 が赤い枠で示されます。
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📗 基礎 6 ラボの図
人材戦略説明:人的資本関連のリスク及び機会を管理する企業の戦略(人材戦略)
投資家の期待:経営戦略を実現するための人材の確保・育成と、その投資戦略
5段の流れとの関係:5段の流れのうち、経営戦略から人材戦略までがこの円の中身です。
5段の流れは、どの円に入る?
基礎 6
4つの要素:人的資本開示の「器」
📍 ラボの場所:基礎タブ 6
ハルカ
同心円の図ですね。ガバナンス・人材戦略・リスク管理・指標及び目標。この4つはどこから来たんですか。
先生
SSBJ基準・ISSB基準が、サステナビリティのリスク・機会を開示するときの4つの要素なんだ。別紙はこれを人的資本に
例示的に当てはめている。
人的資本可視化指針ラボで円をクリックすると、説明と投資家の期待、そして5段の流れとの関係が出るよ。
迷いポイント SSBJ基準には、人的資本専用の開示要求がある?
ハルカ
4つの要素で書けと言われているなら、SSBJ基準に人的資本の章があるんですよね。
先生
それが、無いのだよ。SSBJ基準に人的資本だけの開示要求事項は定められていない。ただし、SSBJ基準を適用する会社は、人的資本に重要なリスク・機会があれば一般開示基準に従って開示する。専用の章が無いから開示しなくてよい、ということではないんだ。だから別紙は「当てはめるとこうなる」という例示として整理しているんだ。5段の流れの経営戦略から人材戦略までが「人材戦略」の円、最後の段がそのまま「指標及び目標」の円。そこにガバナンスとリスク管理を加えると、4つの要素に沿った開示になるんだよ。
💡 そうだったのか!
4つの要素は開示の
「器」。5段の流れを器に入れ、ガバナンスとリスク管理を添えると形になります。
📗 基礎 7 ラボの図
比較可能性のある指標
独自性のある指標(例)
AI研修の受講時間(独自性)戦略に必要なスキルの育成がどこまで進んだか
独自の指標には、定義・重要な理由・時系列の実績などの説明が期待されます。
基礎 7
独自性と比較可能性:天秤のバランス
📍 ラボの場所:基礎タブ 7
ハルカ
天秤の図です。左が比較可能性、右が独自性。指標を載せると傾くんですね。
先生
図では比べやすい指標の「従業員数」「離職率」と、独自の指標の「キャリア採用比率」「AI研修の受講時間」を載せているよ。比べやすい指標は他社比較の手がかり、独自の指標は「なぜ自社がこの戦略なのか」の証拠になるんだ。
迷いポイント 天秤が水平なら、指標の選び方はそれで十分?
ハルカ
2つと2つで、天秤は水平です。同じ個数で水平なら、これで十分ですね。
先生
個数がそろっているかどうかではないんだ。大切なのは、戦略に照らして要る指標が両方の側にあるかどうか。天秤の上の札も、両方の観点が入っているかを見ていて、個数の差では判定していないんだよ。
💡 そうだったのか!
独自性と比較可能性は
数の均衡ではなく組み合わせ。それぞれが戦略とどうつながるかまで説明します。
⏱ 30秒だけラボで試す
- 基礎 7 で、最初から載っている「従業員数」を押して外し、「離職率」を押す
- 続けて「キャリア採用比率」を押す
👀 最初は「⚠ 独自性の観点がありません」、2つ目を載せると「⚖ 両方の観点が入っています」に変わります。
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📗 基礎 8 ラボの図
第4【提出会社の状況】5 従業員の状況等(記載イメージ)2026年3月期から、「従業員の状況」は第4へ移り、2本立てになりました。
・
(1) 人材戦略に関する基本方針等:企業戦略と人材戦略、給与等の決定方針を書きます。
・
(2) 従業員の状況:平均年間給与の
対前年増減率が加わりました。
持株会社は、人材戦略をグループ全体で書きます。さらに「最大人員会社」の給与等の方針と、従業員数・平均年間給与などの数値も示します。
最大人員会社=外国会社を除く連結子会社のうち、従業員数が最も多い会社。その会社の従業員数が連結全体の過半数を超えないときは、次に多い会社も含みます。
基礎 8
有価証券報告書のどこに書くのか
📍 ラボの場所:基礎タブ 8
ハルカ
これは有報の目次ですね。経理の私には、いちばん身近な図です。
先生
人的資本可視化指針ラボの年度ボタンで目次そのものが切り替わるよ。2026年3月期から、「従業員の状況」は第1【企業の概況】から
第4【提出会社の状況】の「5 従業員の状況等」へ移った。そこに(1)人材戦略に関する基本方針等が加わり、企業戦略と関連付けた人材戦略、従業員給与等の決定方針、平均年間給与の対前年増減率を書くことになったんだ。
迷いポイント 女性管理職比率などの多様性の指標は、全社が必ず書く?
ハルカ
女性管理職比率や男性の育休取得率は、上場会社なら全社が必ず有報に書くんですよね。
先生
そこは条件付きなんだ。女性活躍推進法や育児介護休業法で公表義務のある会社(提出会社・連結子会社)が、有報にも記載する。任意で公表しているだけなら、有報への記載義務はないよ。
ハルカ
あ、女性管理職比率は、
CGコードラボで「測定可能な目標」を立てる話がありましたよね。目標を置けない会社はエクスプレインする、という。
先生
よく覚えていたね。CGコードと有報では、開示の根拠も記載する項目も違う。でも同じ指標が2つの書類に出てくるから、目標と実績のつじつまが合っているかを投資家は見ているんだ。
ハルカ
有報の中で、従業員の状況が引っ越ししたんですね。住所変更の届けは出ているんでしょうか。
💡 そうだったのか!
2026年3月期から「従業員の状況」は
第4へ移り、人材戦略と給与等の決定方針が加わった。多様性の指標は、公表義務の対象となる会社が記載します。
⏱ 30秒だけラボで試す
- 基礎 8 で「2023年3月期〜」を押す
- 続けて「2026年3月期〜」に戻す
👀 「5 従業員の状況」が第1【企業の概況】から第4【提出会社の状況】へ移り、吹き出しに NEW の3項目(人材戦略・給与等の決定方針・対前年増減率)が現れます。
ラボを開く ▶📝 CGコードラボ【基礎編】(多様性の「測定可能な目標」)記事を読む ▶
今日の内容を、ラボで確かめてみませんか?
この記事の図は、すべて人的資本可視化指針ラボの画面そのものです。基礎タブを開けば、同じ図を見ながら読み返せます。
人的資本可視化指針ラボを開く ▶今日のまとめ ── 迷いポイント早見表
おわりに
今日のふりかえり
先生
今日のまとめだよ。人的資本投資は費用に埋もれて、財務諸表だけでは中身が読み取れないから開示が要る。その開示は、経営戦略から指標までを5段の流れでつなぐと、読む側に「なぜ」が伝わる。この2つを持ち帰ってほしいんだ。
ハルカ
最初は人事部の話だと思っていました。でも、費用 850 の中身を見る話から始まって、有報の目次で終わる。全部、経理の机の上の話でしたね。
先生
そのとおりだよ。人件費の内訳を説明できるのも、財務諸表とのつながりを書けるのも、経理の人なんだ。
ハルカ
では私も、いつかCFOになったときのために、今日から費用の中身を眺める癖をつけます。まずは自分の給与明細から。
先生
給与明細は人的資本投資の一部ではあるけれど、開示の対象は会社全体だからね。次の応用編では、人材戦略を作る3つのステップと、実際の業種別データを見ていこうか。
参考資料
内閣官房・金融庁・経済産業省「人的資本可視化指針(改訂版)」「別紙 戦略に焦点をあてた人的資本開示」「付録① 経営戦略と人材戦略の連動及びそれを踏まえた指標の開示事例」(2026年3月23日)、「付録② 人的資本に関する開示基準・開示事項例の整理」(2026年5月)、企業内容等の開示に関する内閣府令(2026年2月20日改正、2026年3月31日以後に終了する事業年度から適用)。確認日:2026年10月12日。原文は内閣官房(非財務情報可視化研究会)で公開されています。企業の設例・シミュレーションの数値は架空の例で、ラボの図と同じものです。公表資料に基づく統計数値(無形資産の割合など)は、それぞれの出典によります。公認会計士が監修しています。
シリーズ:人的資本可視化指針ラボ【基礎編】(この記事)/人的資本可視化指針ラボ【応用編】/人的資本開示/業種別の傾向と事例(総合ガイド)/KPI設定マニュアル:人材育成の効果を数値化する
📓 ハルカの学習ノートで、この章を見る ▶
この記事を書いた人
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