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第3回 課税・非課税・免税・不課税を見分けよう|消費税入門講座

消費税 入門講座|第3回(v4)

課税・非課税・免税・不課税を見分けよう ── 判定は3つの関門の順に

「消費税がかからない取引は、全部『非課税』なの?」に、3つの関門を順に通す判定で答えられるようになる回です。

所要 15分前提:第1回(預かった税−支払った税)・第2回(4つの要件)条文:消費税法4条・6条・7条・別表第二令和8年度改正後の法令で解説
第1章 全体像123
第2章 誰が納める45
第3章 売上げの税67
第4章 仕入れの税8910111213
第5章 申告と総合演習1415
📘 用語表と、この講座の読み方(クリックで開く)
課税消費税がかかる取引。3つの関門をすべて通り抜けたもの
不課税(課税の対象外)4つの要件(国内・事業として・対価を得て・資産の譲渡等)のどれかを欠き、そもそも消費税の対象にならない取引
非課税課税の対象だが、法律(消費税法別表第二)に列挙されていて消費税をかけない取引
免税輸出など、外国で消費されるものの売上げで、消費税が免除される取引
免税事業者消費税を納める義務がない事業者(第4回)。取引の「免税」とは別の話
課税売上割合売上げのうち、課税と免税の売上げが占める割合。仕入れの税をどこまで控除できるかに使う(第10回)
法令と数字この講座は令和8年度改正後の法令で解説しています。改正があれば差し替えます

はじめに:今日のゴール

🎯
今日のゴール
消費税がかからない取引には不課税・非課税・免税の3つがあり、①課税の対象か → ②非課税か → ③免税かの順に3つの関門を通して判定する――この順番で、取引を4つの区分に分けられるようになること。
シンプルな例:4つの取引弁当・給与・土地・輸出
→
3つの関門を順に通す判定の順番
→
4つの区分に分かれる課税・非課税・免税・不課税
さくら食品:1年間の受取り6種類
→
同じ3つの関門4区分に仕分け
→
この区分が、課税売上割合(第10回)につながる

※ 判定は典型的な場合の目安です。実際の区分は、契約の内容や事実関係で変わることがあります。

ハルカ先生、第1回で「預かった税−支払った税」を習いました。でも、消費税がかからない取引もありますよね?
先生あるよ。ただ「かからない」にも3つの種類があるんだ。不課税・非課税・免税で、課税と合わせて4つの区分になるよ。
ハルカ3つもあるんですか。どれも「かからない」なら、同じではないんですか?
先生かからない理由が違うし、仕入れの税の扱いも違うんだ。今日は、3つの関門を順番に通す判定のしかたを身につけようか。
ハルカさくら食品の受取りも、仕分けられるようになりますか?
先生6種類の受取りを仕分けると、課税売上割合という大事な数字につながるんだ。それは第10回で計算するよ。

図で見る:3つの関門で4つの区分に分ける(5ステップ)

先生最初は「シンプルな例」の4つの取引で、5ステップを通してみよう。左のボタンで、さくら食品の受取りにも切り替えられるんだ。
ハルカどの取引が、どの関門で止まるのか、図で見られるんですね。
先生関門ごとに、そこで区分が決まる取引が箱に入っていくよ。ステップ1から順に進めていこうか。
👆下のステップをクリックタップすると、図と会話が切り替わります← →キーでも移動できます
← 図は横にスクロールできます →
① 判定の順番:3つの関門を、順に通す関門1 課税の対象?4つの要件を満たすかはいいいえ不課税・会社員が受け取る給与関門2 非課税?法律に列挙された取引かいいえはい非課税・会社が持っている土地を…関門3 免税?外国で消費されるものかいいえはい免税・商品を外国へ輸出する課税・弁当を店で売る最後まで通り抜けた順番を入れ替えない:関門1で外れたもの(不課税)は、関門2・3には進まない。
不課税:会社員が受け取る給与 / 非課税:会社が持っている土地を売る / 免税:商品を外国へ輸出する / 課税:弁当を店で売る
ハルカ弁当・給与・土地・輸出……。消費税がかからないものは、全部「非課税」と呼ぶんですか?
先生かからない理由によって、不課税・非課税・免税の3つに分かれるんだ。左の図のように、3つの関門を順番に通して判定するよ。
🤔 迷いポイントどの関門から確かめても、答えは同じ?
ハルカ先に「輸出かどうか」を見ても、結果は同じだと思っていました。
先生順番が大事なんだ。まず関門1で「そもそも消費税の対象か」を確かめるよ。対象でなければ不課税で、非課税や免税の判定には進まないんだ。
ハルカ関所を1つずつ通る旅人みたいですね。
先生いいたとえだね。最後の関門まで通り抜けたものだけが「課税」になるんだ。
💡 そうだったのか!判定は、関門1(課税の対象か)→ 関門2(非課税か)→ 関門3(免税か)の順。最後まで残ったものが課税。
STEP1〜5の会話をまとめて読む(文字だけ)

STEP 1 判定の順番

ハルカ弁当・給与・土地・輸出……。消費税がかからないものは、全部「非課税」と呼ぶんですか?
先生かからない理由によって、不課税・非課税・免税の3つに分かれるんだ。左の図のように、3つの関門を順番に通して判定するよ。
🤔 迷いポイントどの関門から確かめても、答えは同じ?
ハルカ先に「輸出かどうか」を見ても、結果は同じだと思っていました。
先生順番が大事なんだ。まず関門1で「そもそも消費税の対象か」を確かめるよ。対象でなければ不課税で、非課税や免税の判定には進まないんだ。
ハルカ関所を1つずつ通る旅人みたいですね。
先生いいたとえだね。最後の関門まで通り抜けたものだけが「課税」になるんだ。
💡 そうだったのか!判定は、関門1(課税の対象か)→ 関門2(非課税か)→ 関門3(免税か)の順。最後まで残ったものが課税。

不課税:会社員が受け取る給与 / 非課税:会社が持っている土地を売る / 免税:商品を外国へ輸出する / 課税:弁当を店で売る

STEP 2 関門1 課税の対象?

ハルカ関門1の「課税の対象」は、何で決まるんですか?
先生左の4つの要件を、全部満たすかどうかだよ。国内で、事業者が事業として、対価を得て行う、資産の譲渡・貸付け・役務の提供なんだ。この4つの要件は、第2回の中心のテーマだよ。
🤔 迷いポイント会社員が受け取る給与は、働いた対価だから課税の対象?
ハルカ働いて受け取るお金なので、対価だと思っていました。
先生給与は、雇われて働く人が受け取るもので、「事業として」行う取引ではないんだ。だから課税の対象にならず、不課税だよ。保険金や寄附金も、資産の譲渡等の対価ではないから不課税なんだ。
ハルカでは、お祝いにもらったお菓子にも、消費税はかからないんですね。
先生もらった人には、対価を払う取引がないからね。お菓子を買った人が払った消費税は、お店で買ったときにかかっているよ。
💡 そうだったのか!4つの要件のどれかを欠く取引は「不課税」。課税の対象の外にあるので、関門2・3には進まない。

関門1で外れる(不課税):会社員が受け取る給与

STEP 3 関門2 非課税?

ハルカ関門1を通った取引は、全部消費税がかかるんですか?
先生課税の対象になっても、消費税をかけない取引が法律で決められているんだ。それが非課税で、左の図のように2つのグループがあるよ。土地の売却がこれに当たるんだ。
🤔 迷いポイント土地に関係するものは、全部非課税?
ハルカ土地も建物も、不動産はまとめて非課税だと思っていました。
先生非課税なのは土地の譲渡や貸付けで、建物の売却は課税なんだ。駐車場のように施設として貸す場合や、1か月未満の貸付けも課税になるよ。
ハルカ「消費」になじまない土地やお金と、暮らしを守るための医療や住宅……。理由がわかると覚えやすいです。
先生そのとおりだね。非課税は、税の性格からなじまないものと、社会政策的な配慮によるものに分かれるんだ。
💡 そうだったのか!非課税は、課税の対象だが法律で消費税をかけない取引。土地・金融・医療・住宅の貸付けなど、法律に列挙されたものだけ。

関門2で決まる(非課税):会社が持っている土地を売る

STEP 4 関門3 免税?

ハルカ関門3の免税は、非課税とどう違うんですか?
先生免税は、輸出や国際輸送のように、外国で消費されるものにかかる消費税を免除するんだ。商品を外国へ輸出する取引がこれに当たるよ。
🤔 迷いポイント外国人のお客に売ったら、全部免税?
ハルカ外国の人が買うなら、免税だと思っていました。
先生免税は、モノやサービスが外国へ出ていくかどうかで判断するんだ。外国人旅行者が日本のホテルに泊まったり、店で食事をしたりするのは国内での消費だから、課税だよ。
ハルカ街で見かける「免税店」も、同じ仕組みですか?
先生免税店は、外国人旅行者が持ち帰る物品について、別に設けられた制度なんだ。この講座では名前だけにしておこうか。
💡 そうだったのか!免税(輸出免税など)は、外国で消費されるものの売上げ。輸出したことを証明する書類の保存が必要。

関門3で決まる(免税):商品を外国へ輸出する → 残りが課税:弁当を店で売る

STEP 5 4区分の違い

ハルカ非課税も免税も、売上げに消費税がかからないのは同じですよね?
先生売上げにかからないのは同じだけど、仕入れの税の扱いが違うんだ。左の表で、4つの区分を横に並べて比べようか。
🤔 迷いポイント非課税と免税で、仕入れの税の控除に違いはない?
ハルカどちらも売上げに税がかからないので、扱いも同じだと思っていました。
先生免税の売上げのための仕入れは、税を控除できるんだ。非課税の売上げのための仕入れは、控除が制限されるよ。課税売上割合でも、免税は分子と分母に入り、非課税は分母だけに入るんだ。
ハルカ消費税法ラボ【基礎編】 ↗で見た「4区分の違いは仕入税額控除に出る」は、このことだったんですね。
先生そうだよ。課税売上割合の計算は、第10回でさくら食品を使って見ていこうか。
💡 そうだったのか!4区分の違いは仕入税額控除に出る。免税は控除できる、非課税は制限される、不課税は課税売上割合に入れない。

免税=控除できる/非課税=控除が制限される/不課税=課税売上割合に入れない

さくら食品と由紀さんで確かめる

さくら食品の1年間の受取り(2026年4月1日〜2027年3月31日・税込)を、3つの関門で仕分けると次のとおりです。

由紀さんの受取り(料理教室を営む個人事業者)

受取り区分理由(どの関門か)
料理教室の受講料・さくら食品からの講師料課税3つの関門をすべて通り抜ける。料理教室は学校教育法の学校ではないので、授業料の非課税には当たらない
賃貸マンション1室の家賃(居住用)非課税関門2:住宅の貸付け(契約や貸付けの状況から居住用と明らかで、貸付期間が1か月以上)
父から受けた贈与不課税関門1:対価を得て行う取引ではない(所得税入門講座 第2回の贈与と同じお金)
先生さくら食品の受取りを、3つの関門で仕分けたのが左の表だよ。
ハルカ保険金は関門1で、家賃と利息は関門2で、海外向けの販売は関門3で決まるんですね。
先生そのとおりだね。下の表は由紀さんの受取りなんだ。料理教室の受講料は課税だよ。
ハルカ由紀さんは免税事業者だったので、受講料は「免税」だと思いました。
先生そこが混ざりやすいところなんだ。免税事業者は「納める義務があるか」の話で、取引の区分とは別なんだ。第4回で見ていこうか。

やってみよう:3つの関門で仕分ける(基本10枚+追加10枚)

カードの取引を、関門1 → 関門2 → 関門3の順に判定してください。途中の関門で区分が決まったら、そこで終わりです。(答えは典型的な場合の目安です)

ハルカカードを使って、関門の順番どおりに判定してみたいです。
先生左のカードは、関門1から1つずつ答えていく形だよ。区分が決まったところで、そのカードは終わりなんだ。
ハルカいきなり「非課税」と答えたくなっても、関門1から順番に、ですね。
先生そうだよ。順番を守ると、不課税と非課税を取り違えなくなるんだ。

よくある間違い

① 非課税と不課税は同じ

どちらも消費税はかかりませんが、不課税はそもそも課税の対象の外(関門1)、非課税は課税の対象だが法律で消費税をかけないもの(関門2)です。課税売上割合では、非課税は分母に入り、不課税は入りません(第10回)。

② 外国人への販売は免税

免税は、輸出のように外国で消費されるものの売上げです。外国人旅行者が日本のホテルに泊まる・店で食事をするのは国内での消費なので課税です(外国人旅行者向けの免税店は別の制度です)。

③ 土地や建物の取引は全部非課税

非課税は土地の譲渡・貸付けです。建物の売却は課税です。駐車場など施設として貸す場合や、貸付期間が1か月未満の場合も課税です。住宅の貸付けは、契約で居住用と明らかな場合や、実際の貸付けの状況から居住用と明らかな場合に、原則として非課税です(貸付期間が1か月未満の場合などを除きます)。
ハルカ①は、今日の最初に私が混ぜていたことです。
先生不課税は関門1、非課税は関門2で決まるんだったね。課税売上割合への入り方も違うよ。
ハルカ③の駐車場は、土地を貸しているのに課税なんですね。
先生施設として使わせるからなんだ。迷ったら、関門2の一覧に本当に載っているかを確かめようか。

ミニテスト(3問)

Q1. 取引の区分を判定するとき、最初に確かめることは?
Q2. 非課税と免税の違いとして、正しいものは?
Q3. 次のうち「不課税」に当たるものは?

おわりに ── 今日のふりかえり

1分まとめ
  1. 判定は関門1(課税の対象か)→ 関門2(非課税か)→ 関門3(免税か)の順。順番を変えない。
  2. 関門1:国内・事業として・対価を得て・資産の譲渡等の4つの要件のどれかを欠けば不課税(給与・保険金・寄附金・配当・国外取引など)。
  3. 関門2:課税の対象でも、法律に列挙されたものは非課税(土地・有価証券・利子・医療・住宅の貸付けなど)。
  4. 関門3:輸出など外国で消費されるものは免税。最後まで残ったものが課税。
  5. 4区分の違いは仕入税額控除と課税売上割合に出る。免税は控除できる、非課税は制限される、不課税は割合に入れない。
先生今日のまとめだよ。取引は、課税の対象か・非課税か・免税かの3つの関門を順に通して、4つの区分に分けるんだ。
ハルカ関門1で外れたら不課税、関門2で止まったら非課税、関門3で止まったら免税、最後まで残ったら課税……ですね。
先生そのとおりだよ。1つだけ足すと、4区分の違いは売上げより仕入れの側に大きく出るんだ。
ハルカ明日から、レシートを見るたびに3つの関門を思い浮かべます。
先生いい練習になるね。次の第4回では、消費税を納める事業者は誰なのかを見ていこうか。

参照条文・出典

参照条文:消費税法2条1項8号(資産の譲渡等)、4条1項・3項(課税の対象・国内取引の判定)、6条1項・別表第二(非課税)、7条(輸出免税等)、30条6項(課税売上割合)、消費税法施行令8条(土地の貸付けから除かれる場合)

参考資料:税務大学校『消費税法(基礎編)令和8年度版』第2章「課税の対象」(pp.11〜17。課税となるかどうかの判定の流れ p.16)、第3章「非課税と免税」(pp.18〜25)(国税庁ホームページ「税務大学校講本」で公開)/国税庁タックスアンサー No.6226(住宅の貸付け)

本教材は、上記講本を参考に、TaxJudgeが独自に構成・解説したものです。判定の図・カードの事例は独自に作成しています。

本教材は国税庁による監修・保証を受けたものではありません。令和8年度改正後の法令に基づく学習用の解説で、区分は典型的な場合の目安です。個別の取引の判定は税理士等にご確認ください。さくら食品・青山家の数字は学習用に設定した仮定の数値です。

ハルカ条文で確かめたいときは、どこを見ればいいですか?
先生課税の対象は消費税法4条、非課税は6条と別表第二、輸出免税は7条だよ。消費税法ラボ ↗で条文から引けるんだ。
ハルカ判定の順番の図も、講本に載っているんですか?
先生講本の第2章に判定の流れがあるよ。この教材の図とカードは、それを参考にTaxJudgeが独自に作っているんだ。
消費税 入門講座 第3回|taxjudge.com
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