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第15回 総合演習・卒業テスト|消費税入門講座

消費税 入門講座|第15回(v3)

総合演習・卒業テスト ── さくら食品の消費税を、最初から最後まで

「売上げの税から、確定申告で納める額まで、自分で通して計算できる?」に、計算の流れの図(講本 p.79)で答える最終回です。

所要 20分前提:第1〜14回計算の流れ:消費税法45条・30条・38条・39条、地方税法令和8年度改正後の法令で解説
第1章 全体像123
第2章 誰が納める45
第3章 売上げの税67
第4章 仕入れの税8910111213
第5章 申告と総合演習1415
📘 用語表と、この講座の読み方(クリックで開く)
計算の流れ売上げの税 − 控除する仕入れの税 − 返品の税 − 貸倒れの税 = 差引税額(国)→ ×22/78で地方消費税 → 年税額 → 中間納付を引いて確定申告で納める額
端数処理課税標準額は千円未満、差引税額・地方消費税・中間納付額は百円未満を切り捨てる。仕入れの税・返品・貸倒れの税は円未満切捨て
この講座の共通事例さくら食品株式会社(3月決算・一般課税・個別対応方式)と、青山由紀さん(料理教室・2026年10月に登録・2割特例→3割特例)
法令と数字この講座は令和8年度改正後の法令で解説しています。数字は改正で変わることがあり、改正のたびに差し替えます

はじめに:今日のゴール

🎯
今日のゴール
さくら食品の1年間(2026年4月1日〜2027年3月31日)の消費税を、売上げの税 → 仕入れの税 → 差引税額 → 地方消費税 → 中間納付を引くの順に通して計算し、確定申告で納める1,506,700円までたどり着くこと。最後に卒業テスト12問で全体を確かめる。
売上げの税(第6・7回)530万4,000円
→
控除・返品・貸倒れ(第8〜11回)差引 197万5,200円
→
年税額(国+地方)2,532,300円
年税額253万2,300円
→
中間納付を引く(第14回)年1回
→
確定申告で納める額1,506,700円

※ 計算の流れの図は、講本の参考2「納付すべき税額の計算の流れ」(p.79)に沿って、この講座の範囲に絞ったものです。申告書の様式・欄は扱いません。

ハルカ先生、とうとう最終回です。第1回で見た2,532,300円を、自分で計算できるんですか?
先生できるよ。これまでの回の部品を、計算の流れの順に組み立てるだけなんだ。
ハルカ売上げの税から始めて、最後は確定申告で納める額までですね。
先生そうだよ。さくら食品は、中間納付を引いて1,506,700円を納めることになるんだ。
ハルカ最後の卒業テストも、がんばります。
先生12問だよ。どの回の内容かも解説に書いてあるから、復習にも使おうか。

図で見る:納める税額の計算の流れ(5ステップ)

先生最初はさくら食品で5ステップを通してみよう。由紀さんの2027年分にも切り替えられるんだ。
ハルカ上の7つの箱が、計算の流れなんですね。
先生そうだよ。ステップごとに、光る箱が進んでいくんだ。
👆下のステップをクリックタップすると、図と会話が切り替わります← →キーでも移動できます
← 図は横にスクロールできます →
① 売上げの税:税率ごとに課税標準額 → 国の税率(第6・7回)売上げの税5,304,000円− 控除する額3,302,275円− 返品・貸倒れ26,520円= 差引税額1,975,200円+ 地方消費税557,100円= 年税額2,532,300円− 中間 = 納付1,506,700円標準:税込 22,000,000円 → 課税標準額 20,000,000円 × 7.8% = 1,560,000円軽減:税込 64,800,000円 → 課税標準額 60,000,000円 × 6.24% = 3,744,000円売上げの税(国)= 5,304,000円ポイント:税率ごとに割り戻し、千円未満を切り捨ててから国の税率を掛ける(第6・7回)。返品 324,000円(軽減)の税 18,720円、貸倒れ 110,000円(標準)の税 7,800円 は、④で差し引く。
20,000,000円×7.8%+60,000,000円×6.24% = 5,304,000円
ハルカいよいよ通しの計算ですね。どこから始めるんですか?
先生まず売上げの税なんだ。税率ごとに課税標準額を出して、国の税率を掛けると5,304,000円だよ。
🤔 迷いポイント売上げの税は、税込の売上げに10%を掛ければいい?
ハルカ最終回なのに、最初の落とし穴にもう一度はまりそうです。
先生税込の金額を税率ごとに割り戻して、千円未満を切り捨ててから、国の税率を掛けるんだったね。第6回と第7回の部品だよ。
ハルカ軽減税率と標準税率を分けるところから、もう始まっているんですね。
先生そのとおりだね。ここが計算の流れのいちばん上なんだ。
💡 そうだったのか!売上げの税=税率ごとの課税標準額(千円未満切捨て)×国の税率。計算の流れの出発点。
STEP1〜5の会話をまとめて読む(文字だけ)

STEP 1 売上げの税

ハルカいよいよ通しの計算ですね。どこから始めるんですか?
先生まず売上げの税なんだ。税率ごとに課税標準額を出して、国の税率を掛けると5,304,000円だよ。
🤔 迷いポイント売上げの税は、税込の売上げに10%を掛ければいい?
ハルカ最終回なのに、最初の落とし穴にもう一度はまりそうです。
先生税込の金額を税率ごとに割り戻して、千円未満を切り捨ててから、国の税率を掛けるんだったね。第6回と第7回の部品だよ。
ハルカ軽減税率と標準税率を分けるところから、もう始まっているんですね。
先生そのとおりだね。ここが計算の流れのいちばん上なんだ。
💡 そうだったのか!売上げの税=税率ごとの課税標準額(千円未満切捨て)×国の税率。計算の流れの出発点。

20,000,000円×7.8%+60,000,000円×6.24% = 5,304,000円

STEP 2 仕入れの税と割合

ハルカ次は仕入れの税ですね。
先生課税仕入れ等の税額は3,453,840円だよ。でも課税売上割合が95%未満だから、全額は引けないんだ。
🤔 迷いポイント仕入れの税は、払った経費の合計の1割で計算できる?
ハルカ経費の合計がわかれば、ざっくり計算できると思っていました。
先生課税仕入れだけを、税率と控除の割合ごとにまとめて計算するんだ。給与や利息は入らないし、インボイスがない仕入れは経過措置だったね。
ハルカ第8回から第10回の内容が、全部ここに入っているんですね。
先生そうだよ。ここで正しく数えることが、次の控除の計算の土台なんだ。
💡 そうだったのか!仕入れの税は課税仕入れだけ(インボイス・経過措置を反映)。課税売上割合が95%未満なら、全額は控除できない。

課税仕入れ等の税額 3,453,840円、課税売上割合 93.137%…(95%未満)

STEP 3 控除する額

ハルカ控除する額は、どう決まるんですか?
先生さくら食品は個別対応方式で、A+C×課税売上割合の3,302,275円だよ。
🤔 迷いポイント控除の方法は、その年に一番得なものを自由に選べる?
ハルカ毎年、計算してから選べばいいと思っていました。
先生一括比例配分方式には継続の決まりがあるし、簡易課税は原則として前もって届出がいるんだ(2割・3割特例の翌年からなら、その年分の申告期限まで)。2割特例・3割特例は申告のときに選べるけど、使える人と年が決まっているよ。
ハルカ選び方にも、それぞれ理由と決まりがあるんですね。
先生そうだね。「なぜその方法を選ぶのか」を説明できることが、この講座のゴールなんだ。
💡 そうだったのか!控除する額は、全額控除・個別対応・一括比例配分・簡易課税・2割/3割特例のどれかで計算する。選び方には、それぞれの決まりがある。

2,939,040円 + 390,000円 × 割合 = 3,302,275円

STEP 4 差引税額と地方

ハルカ差引税額と地方消費税を出しますね。
先生売上げの税から控除と返品・貸倒れの税を引いて、百円未満を切り捨てると1,975,200円だよ。地方消費税は×22/78で557,100円だね。
🤔 迷いポイント地方消費税は、売上げに2.2%を掛ける?
ハルカ税率が7.8%と2.2%に分かれていたので、そう思っていました。
先生地方消費税は、国の差引税額に22/78を掛けるんだ。7.8%と2.2%の比が、78対22だからだよ。
ハルカ第1回で見た22/78が、最後にここで使われるんですね。
先生そうだよ。国と地方を足すと、年税額2,532,300円になるんだ。
💡 そうだったのか!差引税額(国・百円未満切捨て)×22/78=地方消費税。国+地方が年税額。

差引 1,975,200円 + 地方 557,100円 = 年税額 2,532,300円

STEP 5 確定申告で納める

ハルカ年税額を、全部5月に納めるんですか?
先生11月に中間申告で1,025,600円を前払いしているから、確定申告で納めるのは1,506,700円だよ。
🤔 迷いポイント中間申告で払った分も、確定申告でもう一度払う?
ハルカ年税額をそのまま納めると思っていました。
先生中間納付は前払いだから、年税額から引いて精算するんだ。期限は課税期間の末日の翌日から2か月以内だったね。
ハルカ第1回で見た2,532,300円を、自分で計算できました。
先生よくがんばったね。最後に卒業テストで、全体を確かめようか。
💡 そうだったのか!年税額から中間納付額を引いた残りを、確定申告で納める。さくら食品は1,506,700円。

2,532,300円 − 中間 1,025,600円 = 1,506,700円(2027年5月31日まで)

さくら食品の通しの計算表

先生さくら食品の計算を、流れの順に並べたのが左の表だよ。右の列は、学んだ回なんだ。
ハルカ第1回から第14回まで、全部の回の数字がつながっています。
先生そうだね。1つでも部品が違うと、最後の数字が変わるんだ。
ハルカ下の計算マップで、条件を変えて確かめてみます。
先生家賃を300万円にすると、全額控除に切り替わって、納める額も変わるよ。

計算マップ:条件を変えて、通して計算する

さくら食品の住宅の家賃・控除の方式・前の課税期間の確定消費税額を変えると、計算の流れ全体がどう変わるかを確かめましょう。

ハルカ家賃を300万円にしたら、差引税額が1,823,600円になりました。
先生課税売上割合が95%以上になって、全額控除に切り替わったからなんだ。
ハルカ前の年の税額を600万円にすると、中間申告が年3回になりました。
先生中間申告の回数は、前の課税期間の確定消費税額で決まるんだったね。

総合演習でよくある間違い

① 地方消費税は、売上げの2.2%

地方消費税は、差引税額(国)× 22/78で計算します(百円未満切捨て)。売上げに2.2%を掛けるのではありません。さくら食品は 1,975,200円 × 22/78 = 557,100円です。

② 中間申告で納めた額を引き忘れる

確定申告で納めるのは、年税額から中間納付額を引いた残りです。さくら食品は 2,532,300円 − 中間 800,000円・225,600円 = 1,506,700円。

③ 端数をまとめて最後に切り捨てる

端数処理は段階ごとです。課税標準額は千円未満、差引税額と地方消費税は百円未満を切り捨てます。返品・貸倒れの税は円未満を切り捨ててから差し引きます。
ハルカ①の地方消費税の計算は、ステップ4で私が間違えたところです。
先生国の差引税額に22/78を掛けるんだったね。
ハルカ③の端数処理も、段階ごとに切り捨てるんですね。
先生そうだよ。課税標準額は千円未満、差引税額と地方消費税は百円未満なんだ。

卒業テスト(12問)

Q1. 消費税を負担するのは、だれ?
Q2. 簡易課税制度を使えるのは、基準期間の課税売上高がいくら以下の事業者?
Q3. 居住用の住宅の貸付け(貸付期間1か月以上)の区分は?
Q4. 個人事業者の2027年分の納税義務を判定する基準期間は?
Q5. 2割特例で納める消費税(国)は?
Q6. コンビニで弁当を買い、イートインスペースで食べると伝えた。税率は?
Q7. 課税標準額の端数処理は?
Q8. 次のうち、課税仕入れに当たらないものは?
Q9. 2026年11月に、登録していない農家から野菜を仕入れた(帳簿だけで控除できる特例には当たらない)。仕入れの税は?
Q10. 課税売上割合の分母に入れないものは?
Q11. 個別対応方式で控除する額は?
Q12. 3月決算の法人(申告期限の延長なし)の、消費税の確定申告の期限は?

おわりに ── 講座全体のふりかえり

1分まとめ
  1. 消費税は消費者が負担し、事業者が納める税。各段階で「預かった税 − 支払った税」を納めるので、税が重ならない(第1回)。
  2. 取引は課税の対象か → 非課税か → 免税かで4区分に分け、課税の売上げを税率ごとに集計する(第2・3・6回)。
  3. 納めるのは課税事業者。基準期間・特定期間で判定し、登録・選択・新設法人でも課税事業者になる(第4・5回)。
  4. 売上げの税 − 控除する仕入れの税。控除は課税仕入れ・インボイス・課税売上割合・方式で決まり、簡易課税や2割・3割特例もある(第7〜13回)。
  5. 差引税額に地方消費税(×22/78)を足して年税額。中間納付を引いて、期限までに確定申告で納める(第14・15回)。
先生講座全体のまとめだよ。消費税は消費者が負担して、事業者が「預かった税−支払った税」を納める税なんだ。
ハルカ取引を4つの区分に分けて、税率ごとに売上げの税を出して、仕入れの税を引く。選び方には理由と決まりがある、ですね。
先生そのとおりだよ。1つだけ足すと、数字は改正で変わっても、この流れは変わらないんだ。
ハルカ全15回、ありがとうございました。由紀さんにも、さくら食品にも、説明できそうです。
先生よくがんばったね。わからなくなったら、いつでもラボと各回の教材に戻ってこようか。

参照条文・出典

参照条文:消費税法28条・29条・30条・32条・37条・38条・39条・42条・45条・49条、地方税法72条の77〜72条の88(地方消費税)、所得税法等の一部を改正する法律(平成28年法律第15号)附則51条の2・51条の3・52条・53条

参考資料:税務大学校『消費税法(基礎編)令和8年度版』参考2「納付すべき税額の計算の流れ(図式)」(p.79)・参考6「地方消費税の概要」(p.104)ほか全体(国税庁ホームページ「税務大学校講本」で公開)

本教材は、上記講本を参考に、TaxJudgeが独自に構成・解説したものです。講本の基準日は令和8年1月1日で、その後の令和8年度税制改正(インボイス制度の経過措置の延長・3割特例など)は国税庁の資料で反映しています。卒業テストの答えは、典型的な場合の目安です。

本教材は国税庁による監修・保証を受けたものではありません。令和8年度改正後の法令に基づく学習用の解説・試算であり、個別の判断は税理士等にご確認ください。さくら食品・青山家の数字は学習用に設定した仮定の数値です。

ハルカ計算の流れの図は、どこにありますか?
先生講本の参考2「納付すべき税額の計算の流れ」、p.79なんだ。この講座の図は、それを入門の範囲に絞ったものだよ。
ハルカ地方消費税の決まりは、どこで確かめられますか?
先生地方税法と、講本の参考6「地方消費税の概要」にまとまっているよ。
消費税 入門講座 第15回|taxjudge.com
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