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第14回 課税期間・申告・納付・届出|消費税入門講座

消費税 入門講座|第14回(v5)

課税期間・申告・納付・届出 ── いつ、何を、いくら納める?

「さくら食品はいつ申告して、年の途中でも納めるの?」に、課税期間・確定申告・中間申告・届出の期限で答えられるようになる回です。

所要 15分前提:第11〜13回(税額の計算)条文:消費税法19条・42条・45条・49条・57条令和8年度改正後の法令で解説
第1章 全体像123
第2章 誰が納める45
第3章 売上げの税67
第4章 仕入れの税8910111213
第5章 申告と総合演習1415
📘 用語表と、この講座の読み方(クリックで開く)
課税期間税額を計算する期間。個人は1月1日〜12月31日、法人は事業年度。届出で1か月・3か月ごとにもできる
確定申告課税期間の末日の翌日から2か月以内に申告・納付する。個人の12月31日までの課税期間は翌年3月31日まで
中間申告前の課税期間の確定消費税額(国の年税額)に応じて、年1回・3回・11回、途中で申告・納付する
確定消費税額前の課税期間の確定申告書に書いた消費税額(国の分)。中間申告の回数と金額を決める
税込経理・税抜経理消費税を売上げ・仕入れに含めて記帳するか、仮受消費税等・仮払消費税等に分けて記帳するか。納める税額は基本的に同じ
法令と数字この講座は令和8年度改正後の法令で解説しています。数字は改正で変わることがあり、改正のたびに差し替えます

はじめに:今日のゴール

🎯
今日のゴール
消費税は課税期間ごとに、末日の翌日から2か月以内に申告・納付する。前の年の税額が大きいと中間申告で途中に前払いする。届出の期限と、税込経理・税抜経理の違いもあわせて説明できるようになること。
さくら食品:年税額(国+地方)2,532,300円
→
中間申告(年1回)で前払い− 80万円・22万5,600円
→
2027年5月31日までに納める1,506,700円
由紀さん:2026年分27,100円
→
個人は翌年3月31日まで中間申告なし
→
2027年3月31日申告・納付

※ 入門の範囲として、e-Taxの操作、申告書の様式・欄、納税地の細部、輸入取引の申告は扱いません。

ハルカ先生、さくら食品の年税額は2,532,300円でした。これを一度に納めるんですか?
先生実は、年の途中でも一部を納めているんだ。それが中間申告だよ。
ハルカ申告の期限も、会社と個人で違うんですか?
先生違うんだ。今日は、課税期間・確定申告・中間申告・届出の期限をまとめて見るよ。
ハルカこれまでに出てきた届出も、整理できそうですね。
先生そうだね。最後に、帳簿の付け方の税込経理と税抜経理も見ていこうか。

図で見る:課税期間と申告・納付のカレンダー(5ステップ)

先生最初はさくら食品で5ステップを通してみよう。由紀さんと、前期の税額が600万円の会社にも切り替えられるんだ。
ハルカ中間申告の回数が、会社によって違うんですね。
先生そうだよ。ステップ3で、前の年の税額との関係を見ようか。
👆下のステップをクリックタップすると、図と会話が切り替わります← →キーでも移動できます
← 図は横にスクロールできます →
① 課税期間:個人は暦年、法人は事業年度個人事業者1月1日〜12月31日(暦年)由紀さん:2026年1月1日〜12月31日法人事業年度さくら食品:2026年4月1日〜2027年3月31日特例(届出)1か月ごと・3か月ごとに短くできる還付が多い輸出事業者などが使うことがあるなぜ1年?消費税は預かった税なので、本来はできるだけ早く納めるもの。でも短すぎると事務が大変 → 原則1年+中間申告(③)。
課税期間:個人=1月1日〜12月31日、法人=事業年度(届出で1か月・3か月ごとも可)
ハルカ消費税は、いつからいつまでの分を計算するんですか?
先生その期間を課税期間というんだ。個人は1月1日から12月31日、法人は事業年度だよ。さくら食品は3月決算だから、2026年4月1日から2027年3月31日だね。
🤔 迷いポイント消費税の課税期間は、会社でもみんな1月から12月?
ハルカ消費税は国の税金だから、全員そろって暦年だと思っていました。
先生法人は自分の事業年度なんだ。法人税と同じ期間で計算するから、決算と一緒に考えられるよ。
ハルカ届出を出すと、もっと短くもできるんですね。
先生そうだよ。輸出が多くて還付を早く受けたい事業者などが、1か月や3か月ごとにすることがあるんだ。
💡 そうだったのか!課税期間は、個人が暦年、法人が事業年度。届出で1か月・3か月ごとにもできる。
STEP1〜5の会話をまとめて読む(文字だけ)

STEP 1 課税期間

ハルカ消費税は、いつからいつまでの分を計算するんですか?
先生その期間を課税期間というんだ。個人は1月1日から12月31日、法人は事業年度だよ。さくら食品は3月決算だから、2026年4月1日から2027年3月31日だね。
🤔 迷いポイント消費税の課税期間は、会社でもみんな1月から12月?
ハルカ消費税は国の税金だから、全員そろって暦年だと思っていました。
先生法人は自分の事業年度なんだ。法人税と同じ期間で計算するから、決算と一緒に考えられるよ。
ハルカ届出を出すと、もっと短くもできるんですね。
先生そうだよ。輸出が多くて還付を早く受けたい事業者などが、1か月や3か月ごとにすることがあるんだ。
💡 そうだったのか!課税期間は、個人が暦年、法人が事業年度。届出で1か月・3か月ごとにもできる。

課税期間:個人=1月1日〜12月31日、法人=事業年度(届出で1か月・3か月ごとも可)

STEP 2 確定申告と納付

ハルカさくら食品は、いつまでに申告するんですか?
先生原則は、課税期間の末日の翌日から2か月以内なんだ。さくら食品は2027年5月31日までに、1,506,700円を納めるよ。
🤔 迷いポイント消費税と地方消費税は、別々の役所に申告する?
ハルカ地方消費税は都道府県の税だから、県にも申告すると思っていました。
先生地方消費税は、消費税とあわせて税務署に申告して、国に納めるんだ。国から都道府県に払い込まれる仕組みだよ。
ハルカ1回の申告で両方済むのは、ありがたいですね。
先生そうだね。法人税の申告期限の延長を受ける法人は、届出で1か月延ばすこともできるんだ。ただし、延ばした期間の分は利子税がかかるよ。
💡 そうだったのか!確定申告・納付は課税期間の末日の翌日から2か月以内(個人の暦年分は翌年3月31日)。国と地方をあわせて税務署に申告する。

2,532,300円 − 中間 1,025,600円 = 1,506,700円(2027年5月31日まで)

STEP 3 中間申告

ハルカさくら食品は、年の途中でも消費税を納めるんですか?
先生前の課税期間の確定消費税額が48万円を超えると、中間申告で途中に納めるんだ。さくら食品は160万円だから年1回、2026年11月30日までに800,000円と地方225,600円だよ。
🤔 迷いポイント中間申告で納めた税は、年税額とは別に追加で払うもの?
ハルカ年に2回も払うと、負担が倍になると思いました。
先生中間申告は前払いなんだ。確定申告で、年税額から中間納付額を引いて、残りを納めるよ。多すぎたら還付されるんだ。
ハルカ預かった税を、なるべく早く国に渡すための仕組みなんですね。
先生そのとおりだね。仮決算をして、実際の額で中間申告することもできるんだ。
💡 そうだったのか!中間申告は、前の課税期間の確定消費税額で回数が決まる前払い(年1回・3回・11回)。確定申告で精算する。

前期 160万円 → 年1回:国 800,000円 + 地方 225,600円(2026年11月30日まで)

STEP 4 届出の期限

ハルカこれまでの回で、いろいろな届出が出てきました。期限はどう違うんですか?
先生この図の赤い期限は「前もって」出すものなんだ。選択・簡易課税・課税期間の特例は開始の日の前日まで、登録は希望日の15日前までだよ。
🤔 迷いポイント届出は、適用したい年の申告のときに出せばいい?
ハルカ申告書と一緒に出せば、まとめて済むと思っていました。
先生前もって出す届出は、あとからは出せないんだ。課税事業者届出書のように、事実が起きたら「速やかに」出すものもあるよ。
ハルカ来年のことは、今年のうちに決めておくんですね。
先生そうだね。届出の一覧は、毎年の計画を立てるときに見直そうか。
💡 そうだったのか!選択・簡易課税・課税期間の特例は原則として開始の日の前日まで(2割・3割特例の翌年からの簡易課税は、その年分の申告期限まで)。登録は希望日の15日前まで。課税事業者届出は速やかに。

選択・簡易課税・課税期間の特例 = 開始の日の前日まで/登録 = 希望日の15日前まで/課税事業者届出 = 速やかに

STEP 5 税込経理と税抜経理

ハルカ会社の帳簿では、消費税をどう記帳するんですか?
先生税込経理と税抜経理の2つがあるんだ。税込経理は消費税を売上げや仕入れに含めて、税抜経理は仮受消費税等・仮払消費税等に分けるよ。
🤔 迷いポイント税抜経理にすれば、納める消費税が少なくなる?
ハルカ税抜にすると、なんとなく税金も少なくなる気がしていました。
先生どちらを選んでも、申告で計算する納める税額は基本的に同じなんだ。違うのは帳簿の見え方と、費用になるかどうかだよ。
ハルカ税込経理だと、納めた消費税が租税公課という費用になるんですね。
先生そうだよ。税抜経理は仮受と仮払の差額で処理するのが基本だから、原則として損益には出ないんだ。ただ、控除できない仮払消費税等(さくら食品のように割合が95%未満のとき)や、簡易課税などで計算した税額との差額は、費用・収益や資産の取得価額などに出てくるよ。
💡 そうだったのか!税込経理・税抜経理は記帳のしかたの違い。納める税額は基本的に同じで、損益への出方が違う。

税込経理 = 納付額を租税公課に/税抜経理 = 仮受 − 仮払。納める税額は基本的に同じ

さくら食品と由紀さんの申告・納付

先生さくら食品と由紀さんの申告・納付を、日付の順に並べたのが左の表だよ。
ハルカさくら食品は11月に中間申告、5月に確定申告なんですね。
先生そうだね。確定申告では、年税額から中間で納めた額を引いて1,506,700円を納めるんだ。
ハルカ由紀さんは3月31日の1回だけですね。
先生前の年は免税事業者だったから、中間申告はないんだ。

やってみよう:中間申告の計算機

前の課税期間の確定消費税額(国の年税額)を入れると、中間申告の回数と1回あたりの額が分かります(課税期間は1年・前の期の確定消費税額で計算する方法)。

ハルカ前の年の税額を変えて、回数がどう変わるか試してみます。
先生400万円を超えると年3回、4,800万円を超えると年11回になるよ。
ハルカ48万円以下だと、中間申告がないんですね。
先生そうだよ。ただ、届出を出せば年1回の中間申告を選ぶこともできるんだ。

よくある間違い

① 法人も個人も、申告期限は翌年3月31日

原則は課税期間の末日の翌日から2か月以内です。3月決算の法人なら5月31日まで。個人の12月31日までの課税期間だけが、特例で翌年3月31日までです。法人税の申告期限の延長を受ける法人は、届出で1か月延ばせます(延長した期間の分は利子税がかかります)。

② 中間申告で納めた税は、そのまま追加の負担になる

中間申告は前払いです。確定申告で年税額から中間納付額を引いて、残りを納めます。中間納付額のほうが多ければ還付されます。

③ 届出は、適用したい年の申告のときに出せばよい

課税事業者の選択・簡易課税・課税期間の特例は、原則として適用を受けようとする課税期間の開始の日の前日まで。インボイス登録(免税事業者が年の途中から)は希望日の15日前まで(2026年10月1日が希望日なら9月16日まで)。あとからは選べません。ただし、2割特例・3割特例を受けた翌課税期間から簡易課税にするときは、その課税期間の確定申告期限まで出せます(令和8年度改正)。
ハルカ①の申告期限は、所得税の3月15日と混ざりそうです。
先生消費税は、個人の暦年分が翌年3月31日だったね。法人は2か月以内なんだ。
ハルカ③の届出は、あとからは出せないんですね。
先生そうだよ。前もって出す届出は、来年の計画を立てるときに確かめようか。

ミニテスト(3問)

Q1. 3月決算の法人(申告期限の延長なし)の、消費税の確定申告の期限は?
Q2. 前の課税期間の確定消費税額(国)が100万円。課税期間1年の中間申告は?
Q3. 税込経理と税抜経理について、正しいものは?

おわりに ── 今日のふりかえり

1分まとめ
  1. 課税期間は、個人が暦年、法人が事業年度。届出で1か月・3か月ごとにもできる。
  2. 確定申告・納付は課税期間の末日の翌日から2か月以内(個人の暦年分は翌年3月31日)。国と地方をあわせて税務署に申告・納付する。
  3. 中間申告は前の課税期間の確定消費税額で決まる:48万円以下なし・400万円以下年1回・4,800万円以下年3回・超は年11回。前払いなので確定申告で精算する。
  4. 届出は原則前もって:選択・簡易課税・課税期間の特例は開始の日の前日まで、登録は希望日の15日前まで。2割・3割特例の翌年からの簡易課税は、その年分の確定申告期限まで。
  5. 税込経理・税抜経理は記帳のしかたの違いで、納める税額は基本的に同じ。さくら食品の確定申告で納める額は1,506,700円。
先生今日のまとめだよ。課税期間は個人が暦年、法人が事業年度で、末日の翌日から2か月以内に申告・納付するんだ。
ハルカ中間申告は前払いで、届出は前もって。税込経理と税抜経理は、納める税額は同じですね。
先生そのとおりだよ。1つだけ足すと、さくら食品の確定申告で納めるのは1,506,700円なんだ。
ハルカいよいよ最終回で、全部をつなげて計算するんですね。
先生そうだね。次の第15回では、さくら食品を最初から最後まで通して計算して、卒業テストに挑戦しようか。

参照条文・出典

参照条文:消費税法19条(課税期間)、42条・43条(中間申告)、45条・45条の2(確定申告・申告期限の特例)、48条・49条(納付)、57条(届出)、租税特別措置法86条の4(個人事業者の申告期限の特例)、地方税法72条の88(地方消費税の申告・納付の特例)

参考資料:税務大学校『消費税法(基礎編)令和8年度版』第7章第1節「課税期間」(pp.64〜65)・第2節「申告・納付」(pp.65〜68。中間申告の具体例 pp.67〜68)、第9章1「届出書」(pp.73〜74)、参考5「消費税の会計処理」(pp.103〜104)(国税庁ホームページ「税務大学校講本」で公開)

本教材は、上記講本を参考に、TaxJudgeが独自に構成・解説したものです。講本の基準日は令和8年1月1日で、その後の令和8年度税制改正(インボイス制度の経過措置の延長・3割特例など)は国税庁の資料で反映しています。中間申告の金額は、前の課税期間の確定消費税額で計算する方法(原則)で示しています。仮決算による方法もあります。期限が土日・祝日などに当たるときは、その翌日が期限になります(国税通則法10条2項)。簡易課税の届出期限の特例は、国税庁の令和8年度税制改正(インボイス制度関係)資料によります。

本教材は国税庁による監修・保証を受けたものではありません。令和8年度改正後の法令に基づく学習用の解説・試算であり、個別の判断は税理士等にご確認ください。さくら食品・青山家の数字は学習用に設定した仮定の数値です。

ハルカ申告と納付の決まりは、条文のどこにありますか?
先生確定申告は消費税法45条、中間申告は42条、課税期間は19条だよ。個人の3月31日は租税特別措置法86条の4なんだ。
ハルカ届出書の一覧は、どこで確かめられますか?
先生講本の第9章に一覧があるよ。国税庁の届出書の様式のページでも確かめようか。
消費税 入門講座 第14回|taxjudge.com
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