課税期間・申告・納付・届出 ── いつ、何を、いくら納める?
「さくら食品はいつ申告して、年の途中でも納めるの?」に、課税期間・確定申告・中間申告・届出の期限で答えられるようになる回です。
📘 用語表と、この講座の読み方(クリックで開く)
| 課税期間 | 税額を計算する期間。個人は1月1日〜12月31日、法人は事業年度。届出で1か月・3か月ごとにもできる |
| 確定申告 | 課税期間の末日の翌日から2か月以内に申告・納付する。個人の12月31日までの課税期間は翌年3月31日まで |
| 中間申告 | 前の課税期間の確定消費税額(国の年税額)に応じて、年1回・3回・11回、途中で申告・納付する |
| 確定消費税額 | 前の課税期間の確定申告書に書いた消費税額(国の分)。中間申告の回数と金額を決める |
| 税込経理・税抜経理 | 消費税を売上げ・仕入れに含めて記帳するか、仮受消費税等・仮払消費税等に分けて記帳するか。納める税額は基本的に同じ |
| 法令と数字 | この講座は令和8年度改正後の法令で解説しています。数字は改正で変わることがあり、改正のたびに差し替えます |
はじめに:今日のゴール
消費税は課税期間ごとに、末日の翌日から2か月以内に申告・納付する。前の年の税額が大きいと中間申告で途中に前払いする。届出の期限と、税込経理・税抜経理の違いもあわせて説明できるようになること。
※ 入門の範囲として、e-Taxの操作、申告書の様式・欄、納税地の細部、輸入取引の申告は扱いません。
図で見る:課税期間と申告・納付のカレンダー(5ステップ)
STEP1〜5の会話をまとめて読む(文字だけ)
STEP 1 課税期間
課税期間:個人=1月1日〜12月31日、法人=事業年度(届出で1か月・3か月ごとも可)
STEP 2 確定申告と納付
2,532,300円 − 中間 1,025,600円 = 1,506,700円(2027年5月31日まで)
STEP 3 中間申告
前期 160万円 → 年1回:国 800,000円 + 地方 225,600円(2026年11月30日まで)
STEP 4 届出の期限
選択・簡易課税・課税期間の特例 = 開始の日の前日まで/登録 = 希望日の15日前まで/課税事業者届出 = 速やかに
STEP 5 税込経理と税抜経理
税込経理 = 納付額を租税公課に/税抜経理 = 仮受 − 仮払。納める税額は基本的に同じ
さくら食品と由紀さんの申告・納付
やってみよう:中間申告の計算機
前の課税期間の確定消費税額(国の年税額)を入れると、中間申告の回数と1回あたりの額が分かります(課税期間は1年・前の期の確定消費税額で計算する方法)。
よくある間違い
① 法人も個人も、申告期限は翌年3月31日
原則は課税期間の末日の翌日から2か月以内です。3月決算の法人なら5月31日まで。個人の12月31日までの課税期間だけが、特例で翌年3月31日までです。法人税の申告期限の延長を受ける法人は、届出で1か月延ばせます(延長した期間の分は利子税がかかります)。② 中間申告で納めた税は、そのまま追加の負担になる
中間申告は前払いです。確定申告で年税額から中間納付額を引いて、残りを納めます。中間納付額のほうが多ければ還付されます。③ 届出は、適用したい年の申告のときに出せばよい
課税事業者の選択・簡易課税・課税期間の特例は、原則として適用を受けようとする課税期間の開始の日の前日まで。インボイス登録(免税事業者が年の途中から)は希望日の15日前まで(2026年10月1日が希望日なら9月16日まで)。あとからは選べません。ただし、2割特例・3割特例を受けた翌課税期間から簡易課税にするときは、その課税期間の確定申告期限まで出せます(令和8年度改正)。ミニテスト(3問)
おわりに ── 今日のふりかえり
- 課税期間は、個人が暦年、法人が事業年度。届出で1か月・3か月ごとにもできる。
- 確定申告・納付は課税期間の末日の翌日から2か月以内(個人の暦年分は翌年3月31日)。国と地方をあわせて税務署に申告・納付する。
- 中間申告は前の課税期間の確定消費税額で決まる:48万円以下なし・400万円以下年1回・4,800万円以下年3回・超は年11回。前払いなので確定申告で精算する。
- 届出は原則前もって:選択・簡易課税・課税期間の特例は開始の日の前日まで、登録は希望日の15日前まで。2割・3割特例の翌年からの簡易課税は、その年分の確定申告期限まで。
- 税込経理・税抜経理は記帳のしかたの違いで、納める税額は基本的に同じ。さくら食品の確定申告で納める額は1,506,700円。
参照条文・出典
参照条文:消費税法19条(課税期間)、42条・43条(中間申告)、45条・45条の2(確定申告・申告期限の特例)、48条・49条(納付)、57条(届出)、租税特別措置法86条の4(個人事業者の申告期限の特例)、地方税法72条の88(地方消費税の申告・納付の特例)
参考資料:税務大学校『消費税法(基礎編)令和8年度版』第7章第1節「課税期間」(pp.64〜65)・第2節「申告・納付」(pp.65〜68。中間申告の具体例 pp.67〜68)、第9章1「届出書」(pp.73〜74)、参考5「消費税の会計処理」(pp.103〜104)(国税庁ホームページ「税務大学校講本」で公開)
本教材は、上記講本を参考に、TaxJudgeが独自に構成・解説したものです。講本の基準日は令和8年1月1日で、その後の令和8年度税制改正(インボイス制度の経過措置の延長・3割特例など)は国税庁の資料で反映しています。中間申告の金額は、前の課税期間の確定消費税額で計算する方法(原則)で示しています。仮決算による方法もあります。期限が土日・祝日などに当たるときは、その翌日が期限になります(国税通則法10条2項)。簡易課税の届出期限の特例は、国税庁の令和8年度税制改正(インボイス制度関係)資料によります。
本教材は国税庁による監修・保証を受けたものではありません。令和8年度改正後の法令に基づく学習用の解説・試算であり、個別の判断は税理士等にご確認ください。さくら食品・青山家の数字は学習用に設定した仮定の数値です。