会計・経理まわりのサービス12社(マネーフォワード・freee・LayerX・Sansan・ラクス・invox・TOKIUM・OBC・弥生ほか)の公式発表を taxjudge が確認し、新サービス・機能アップデート・提携・調査のうち経理・会計事務所が見ておきたいものだけを独自の編集でお届けします。
① 今週のピックアップ(3件)
1. 確定申告・年末調整を「デジタル前提」で組み替える提言が公表(マネーフォワード・OBCほか/10/5)
ソフトウェア各社が参加する業界団体の研究会から、個人所得申告のデジタル化に向けた提言と、イギリスの税務デジタル化に関する調査報告書が公表されました。 参加各社の発表によると、提言は「電子申告や行政手続APIの普及で電子化は進んだが、業務プロセス全体をデジタル前提で組み替える段階には至っていない」という問題意識から作られたものだと説明されています。 注目したいのは数字で、年末調整業務には社会全体で年間およそ1,000億円から3,000億円規模のコストが投じられているとの試算が示されています。 あわせて公表された調査報告書では、イギリスの Real Time Information(給与情報のリアルタイム報告)、Making Tax Digital、デジタルインボイスの3つが取り上げられています。 提言そのものは制度への働きかけであって、すぐに実務が変わるものではありません。ただし、年末調整や確定申告まわりの手間を「変わらない前提」として見積もってよいのかを考える材料にはなります。 なお、同じ提言について参加各社がそれぞれ発表を出しており、研究会の参加社数の表記は発表によって異なります。
2. 名刺の肩書きから見た「AI人材」は5年で約3倍、6割は社内異動(Sansan/10/5)
名刺アプリに蓄積された名刺データをもとにした調査結果が公表されました。公式発表によると、所属や役職に「AI」「AX」といった名称を含む人は、2021年からの5年間でおよそ3倍に増えたとされています。 増え方の内訳も示されており、そうした肩書きに移った人の約6割は社内異動、約4割は転職によるもので、転身前の職種は「企画開発」が最も多く、次いで「営業」が多かったと説明されています。 AI関連の部署や職種が社外からの採用だけでなく、既存の人員の配置換えによって作られているという読み方ができる数字です。 会計事務所や経理部門にとっては、顧問先企業がAI活用の担当者をどこから出しているのかを推し量る材料になります。 なお、この調査は同社の名刺アプリの利用者データを分析したものなので、母集団はそのサービスの利用者に限られる点は押さえておいてください。
3. 請求書の送付手段にFAXを追加、デジタル化後も残る個別対応をまとめて扱う(OBC/10/7)
請求書発行のクラウドサービスに、郵送とFAXの送付を代行するオプションが追加され、FAX送付機能の提供が始まりました。 公式発表によると、これまでのメール・Web配信・郵送に加えてFAXも同じ画面で管理できるようになり、取引先ごとに異なる送付方法を一元管理したうえで送付作業を自動化するとされています。 開発の背景として、同社は、クラウド型の請求書発行システムを使っている企業でも郵送やFAXを希望する取引先には個別対応を続けている実態があり、日常業務でFAXを使う割合も一定数あると説明しています(これらの数値は同社が引用したものです)。 請求書のデジタル化は「紙をなくすこと」として語られがちですが、実務では送付手段が増えるほど管理の手間が分散するという問題が残ります。 今回の追加は、その分散を1つのサービスに寄せる方向の対応で、今週唯一の機能アップデートでもあります。
② その他の更新
- 10/9ラクス
全国の20〜60代の有職者1,027名を対象にした業務システムの利用実態の調査結果を公表——自社の業務に合わせた専用システムの導入を検討した層のうち79.3%が「断念した・本格化しなかった」と回答し、理由の最多は「開発・導入費用」(58.3%)、中堅・中小企業では「IT人材不足」も50.0%にのぼったとしている(調査期間は2026年9月25日〜30日) - 10/7マネーフォワード
暗号資産の取引所やウォレットをAPIでつなぐ基盤を手がける米国企業、および金融グループとの3社で、国内に合弁会社を設立することで基本合意——デジタル資産の売買や送金、支払いの手続きが利用者ごとに分かれている状態を整理する狙いで、2026年中の設立を目指すとしており、現時点では最終契約の締結や関係当局への対応が前提とされている(会計・経理の実務に直接関わる発表ではないが、決済まわりの動きとして記録しておく)
導入事例・セミナー・決算・コーポレートのお知らせなどの話題(今週は8件)は各社トピックスβに掲載しています。
③ 全件は「AIサービス動向ウォッチβ」で
※本記事の見出し・要約は、taxjudge が各社の公式発表をもとに独自に作成したものです。機能の内容・提供条件・料金は、必ずリンク先の公式発表でご確認ください。
※本記事は taxjudge が各社の公開情報を独自に収集・整理したものであり、掲載各社との提携・監修関係を示すものではありません。
