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第2回 どんな取引に消費税がかかる?|消費税入門講座

消費税 入門講座|第2回(v4)

どんな取引に消費税がかかる? ── 課税の対象の4つの要件

「フリマアプリで自分の服を売ったら、消費税はかかるの?」に、課税の対象の4つの要件で答えられるようになる回です。

所要 15分前提:第1回(売るたびに税を預かる)条文:消費税法2条1項8号・4条令和8年度改正後の法令で解説
第1章 全体像123
第2章 誰が納める45
第3章 売上げの税67
第4章 仕入れの税8910111213
第5章 申告と総合演習1415
📘 用語表と、この講座の読み方(クリックで開く)
課税の対象消費税がかかるかどうかを判定する入口。4つの要件をすべて満たす取引
資産の譲渡等事業として対価を得て行う、資産の譲渡(売る)・資産の貸付け(貸す)・役務の提供(サービスをする)
国内取引・国外取引取引が行われた場所で分ける。国外取引は課税の対象にならない
事業として対価を得て、反復・継続・独立して行うこと。法人の取引はすべて事業として行うもの
みなし譲渡個人事業者の家事消費と、法人の役員への贈与。対価がなくても課税の対象になる
不課税4つの要件のどれかを欠き、課税の対象にならない取引(第3回の関門1)
法令と数字この講座は令和8年度改正後の法令で解説しています。数字は改正で変わることがあり、改正のたびに差し替えます

はじめに:今日のゴール

🎯
今日のゴール
消費税の課税の対象は、①国内で ②事業者が事業として ③対価を得て行う ④資産の譲渡・貸付け・役務の提供――この4つの要件をすべて満たす取引だけ。取引ごとに4つを確かめて、課税の対象かどうかを判定できるようになること。
シンプルな例:日本の店でパンを売る4つとも○
→
4つの要件を確かめる要件1〜4
→
消費税の対象になる課税の対象
会社員が自分の服をフリマで売る要件2が×
→
生活用の物の売却は事業ではない1つ欠ける
→
消費税の対象の外不課税

※ 判定は典型的な場合の目安です。輸入取引(外国から貨物を引き取る取引)は、事業者でない人が行っても課税の対象になります(この講座では名前だけ扱います)。

ハルカ先生、フリマアプリで自分の服を売ったら、私も消費税を納めないといけないんですか?
先生いい問いだね。答えは「普通は納めなくていい」なんだ。理由は、消費税の対象になる4つの要件のうち、1つを満たさないからだよ。
ハルカ第1回では、売るたびに消費税がかかると習いました。売ったのに、かからないんですか?
先生第1回の「売る」は、事業者が事業として売る場合なんだ。今日は、どんな取引が消費税の対象になるのかを、4つの要件で確かめようか。
ハルカ由紀さんやさくら食品の取引でも、確かめられますか?
先生できるよ。由紀さんの冷蔵庫の売却や、さくら食品の保険金も出てくるんだ。

図で見る:4つの要件を1つずつ確かめる(5ステップ)

先生最初は「シンプルな例」の4つの取引で、5ステップを通してみよう。左のボタンで、由紀さんやさくら食品の取引にも切り替えられるんだ。
ハルカ4つの要件の表が、ステップごとに1列ずつ光るんですね。
先生そうだよ。どの取引が、どの要件で外れるのかを見ていこうか。
👆下のステップをクリックタップすると、図と会話が切り替わります← →キーでも移動できます
← 図は横にスクロールできます →
① 課税の対象は、4つの要件をすべて満たす取引取引要件1国内で行う要件2事業者が事業として要件3対価を得て要件4資産の譲渡等日本の店でパンを売る○○○○会社員が自分の服をフリマで売る○×○○日本の会社の米国支店が現地で売る×○○○会社が取引先に贈り物を無償で贈る○○×○・4つの要件をすべて満たす → 課税の対象(このあと第3回の関門2・3で、非課税・免税を判定)・1つでも欠ける → 不課税(課税の対象の外)
課税の対象(4つとも○):日本の店でパンを売る / 不課税:会社員が自分の服をフリマで売る、日本の会社の米国支店が現地で売る、会社が取引先に贈り物を無償で贈る
ハルカお金のやりとりがあれば、全部消費税の対象になるんですか?
先生消費税の対象になるのは、左の表の4つの要件をすべて満たす取引だけなんだ。国内で、事業者が事業として、対価を得て行う、資産の譲渡・貸付け・役務の提供だよ。
🤔 迷いポイントお金を受け取る取引なら、全部消費税の対象?
ハルカ代金でも保険金でも、お金が入ってくれば同じだと思っていました。
先生1つでも要件を欠くと、そもそも消費税の対象の外になるんだ。これが第3回で見る「不課税」だよ。今日は4つの要件を1つずつ見ていこうか。
ハルカ消費税法ラボ【基礎編】 ↗の5段の流れでいうと、「②何に」の話ですね。
先生そうだよ。第1回の「売るたびに税を預かる」の「売る」が、ここでいう課税の対象なんだ。
💡 そうだったのか!課税の対象は、国内・事業として・対価を得て・資産の譲渡等の4つの要件をすべて満たす取引。1つでも欠けると不課税。
STEP1〜5の会話をまとめて読む(文字だけ)

STEP 1 4つの要件

ハルカお金のやりとりがあれば、全部消費税の対象になるんですか?
先生消費税の対象になるのは、左の表の4つの要件をすべて満たす取引だけなんだ。国内で、事業者が事業として、対価を得て行う、資産の譲渡・貸付け・役務の提供だよ。
🤔 迷いポイントお金を受け取る取引なら、全部消費税の対象?
ハルカ代金でも保険金でも、お金が入ってくれば同じだと思っていました。
先生1つでも要件を欠くと、そもそも消費税の対象の外になるんだ。これが第3回で見る「不課税」だよ。今日は4つの要件を1つずつ見ていこうか。
ハルカ消費税法ラボ【基礎編】 ↗の5段の流れでいうと、「②何に」の話ですね。
先生そうだよ。第1回の「売るたびに税を預かる」の「売る」が、ここでいう課税の対象なんだ。
💡 そうだったのか!課税の対象は、国内・事業として・対価を得て・資産の譲渡等の4つの要件をすべて満たす取引。1つでも欠けると不課税。

課税の対象(4つとも○):日本の店でパンを売る / 不課税:会社員が自分の服をフリマで売る、日本の会社の米国支店が現地で売る、会社が取引先に贈り物を無償で贈る

STEP 2 要件1 国内か

ハルカ要件1の「国内」は、日本の会社の取引なら全部当てはまるんですか?
先生会社の国籍ではなく、取引が行われた場所で判断するんだ。モノなら、売ったときにそのモノがあった場所が国内かどうかだよ。米国支店が現地で売る商品は国外にあるから、国外取引なんだ。
🤔 迷いポイント外国のお客に売る取引は、国外取引?
ハルカお客が外国にいれば、国外の取引だと思っていました。
先生日本から外国へ送るなら、送るときに商品が国内にあるから国内取引なんだ。消費税がかからないのは、第3回の関門3で「輸出免税」に当たるからだよ。
ハルカ「国外」と「免税」は、関門が違うんですね。
先生そのとおりだね。サービスなら、提供した場所で判断するんだ。
💡 そうだったのか!国内かどうかは、資産の譲渡・貸付けならその時の資産の所在地、役務の提供なら提供した場所で判断する。

要件1「国内において行う取引」を欠くもの:日本の会社の米国支店が現地で売る

STEP 3 要件2 事業として

ハルカ要件2の「事業として」は、どんな意味ですか?
先生対価を得て、反復・継続・独立して行うことなんだ。会社の取引は、すべて事業としての取引だよ。
🤔 迷いポイント個人事業者が売るものは、全部「事業として」?
ハルカ個人でも、売れば事業の取引だと思っていました。
先生個人事業者には、事業者の顔と消費者の顔があるんだ。家庭で使っていた冷蔵庫や服を売るのは消費者の顔だから、事業としての取引ではないよ。会社員がフリマで自分の服を売るのも同じなんだ。
ハルカでは、フリマアプリでワンピースを売っても、消費税の心配はいらないんですね。
先生生活用の物を売るだけならね。仕入れて売ることを繰り返すと、事業になることがあるよ。
💡 そうだったのか!「事業として」は、反復・継続・独立して行うこと。法人の取引は全部事業。個人の生活用の物の売却は事業ではない。

要件2「事業者が事業として行う取引」を欠くもの:会社員が自分の服をフリマで売る

STEP 4 要件3 対価を得て

ハルカ要件3の「対価を得て」は、お金を受け取ればいいんですか?
先生モノやサービスの見返りとして受け取ることなんだ。贈与・寄附・保険金・配当は、見返りではないから原則として対価がないよ。
🤔 迷いポイント代金をもらわずに、ただであげれば、消費税はかからない?
ハルカただなら、消費税は関係ないと思っていました。
先生例外があるんだ。個人事業者が商品などを家事に使ったときと、法人が役員に資産を贈与したときは、対価を得たものとみなすよ。これを「みなし譲渡」というんだ。
ハルカ左の表の「○※」が、それなんですね。
先生そうだよ。事業者の手元で、税を負担しないまま消費されるのを防ぐための決まりなんだ。
💡 そうだったのか!対価がない取引は原則として不課税。ただし、個人事業者の家事消費と法人の役員への贈与は「みなし譲渡」で課税の対象になる。

要件3「対価を得て行う取引」を欠くもの:会社が取引先に贈り物を無償で贈る

STEP 5 要件4 資産の譲渡等

ハルカ要件4の「資産の譲渡等」には、どんな取引が入るんですか?
先生資産の譲渡(売る)、資産の貸付け(貸す)、役務の提供(サービスをする)の3つなんだ。料理教室は「サービスをする」に当たるよ。
🤔 迷いポイント保険金も、何かと引き換えに受け取るから資産の譲渡等?
ハルカ保険料を払っていたので、その見返りだと思いました。
先生保険金は、事故があったときに受け取るもので、資産の譲渡・貸付け・役務の提供のどれにも当たらないんだ。損害を補うだけの損害賠償金や、盗まれた・燃えてなくなった資産も同じだよ。
ハルカ4つの要件を全部通ったら、いよいよ消費税がかかるんですね。
先生もう1段あるよ。課税の対象になっても、非課税や免税に当たるものがあるんだ。それが第3回の関門2と関門3だよ。
💡 そうだったのか!資産の譲渡等=資産の譲渡・資産の貸付け・役務の提供の3つ。損害を補うだけの保険金や損害賠償金は、原則として当たらない(名称ではなく実質で判定)。4つを通ったら、次は非課税・免税の判定へ。

要件4「資産の譲渡・貸付け・役務の提供」を欠くもの:この例ではなし

さくら食品と由紀さんで確かめる

由紀さん・さくら食品の取引を、4つの要件で確かめると次のとおりです(○※=みなし譲渡)。

※「課税の対象」になった取引でも、非課税・免税に当たるかどうかは第3回で判定します(住宅の家賃は非課税、海外向けネット販売は免税)。

先生由紀さんとさくら食品の取引を、4つの要件でまとめたのが左の表だよ。
ハルカ由紀さんの冷蔵庫は要件2で、父からの贈与は要件3で外れるんですね。
先生そのとおりだね。さくら食品の住宅の家賃と海外向けネット販売は、4つとも○で課税の対象なんだ。
ハルカでも、家賃や輸出には消費税がかからないと聞いたことがあります。
先生それは、課税の対象になったあとの判定なんだ。家賃は非課税、輸出は免税で、第3回の関門2・3で見ていこうか。

やってみよう:どの要件が欠ける?(12問)

取引ごとに、欠けている要件か「4つとも満たす」を選んでください。(答えは典型的な場合の目安です)

ハルカどの要件が欠けるのか、自分で当ててみたいです。
先生左のカードで、欠ける要件か「4つとも満たす」を選んでみよう。12問あるよ。
ハルカ「ただであげる」のカードは、みなし譲渡かどうかに気をつけます。
先生みなし譲渡は、個人事業者の家事消費と、法人の役員への贈与だったね。

よくある間違い

① 売れば何でも課税の対象

個人が家庭で使っていた物(服・家具・家電)を売るのは、事業としての取引ではないので不課税です。ただし、仕入れて売ることを繰り返すと事業になることがあります。

② お金を受け取れば課税の対象

対価は、モノやサービスの見返りとして受け取るものです。保険金・配当・寄附金・損害賠償金(心身や資産の損害に対するもの)は、原則として課税の対象になりません。

③ ただであげれば関係ない

個人事業者が商品などを家事に使うとき、法人が役員に資産を贈与するときは、対価を得たものとみなされます(みなし譲渡)。
ハルカ②は、今日の最初に私が考えていたことです。
先生お金を受け取っても、見返りでなければ対価ではないんだ。保険金や配当がそうだったね。
ハルカ③のみなし譲渡は、うっかりしそうです。
先生事業者が自分で使ったり、役員にあげたりしたときは、課税の対象になるか確かめようか。

ミニテスト(3問)

Q1. 課税の対象の4つの要件に「含まれない」ものは?
Q2. 個人の八百屋が、売り物の野菜を家族の食事に使った。正しいものは?
Q3. 商品を売る取引が「国内取引」かどうかは、何で判断する?

おわりに ── 今日のふりかえり

1分まとめ
  1. 課税の対象は、4つの要件(国内・事業として・対価を得て・資産の譲渡等)をすべて満たす取引。
  2. 国内かどうかは、資産なら譲渡・貸付けの時の所在地、サービスなら提供した場所で判断する。
  3. 事業としては反復・継続・独立して行うこと。法人の取引はすべて事業。個人の生活用の物の売却は事業ではない。
  4. 対価がない贈与・保険金・配当などは不課税。ただし家事消費・役員への贈与はみなし譲渡。
  5. 資産の譲渡等は、譲渡・貸付け・役務の提供の3つ。4つを通ったら、次は非課税・免税の判定(第3回)。
先生今日のまとめだよ。課税の対象は、国内・事業として・対価を得て・資産の譲渡等の4つをすべて満たす取引なんだ。
ハルカ4つのどれかが欠けたら不課税。私のフリマの服は、要件2の「事業として」で外れる……ですね。
先生そのとおりだよ。1つだけ足すと、ただであげても「みなし譲渡」で課税の対象になる場合があるんだ。
ハルカでは、クローゼットの服はフリマで売って、売り物は家で食べないようにします。
先生その分け方なら安心だね。次の第3回では、課税の対象になった取引を、非課税・免税・課税に分けていこうか。

参照条文・出典

参照条文:消費税法2条1項8号(資産の譲渡等)、4条1項(課税の対象)・3項(国内取引の判定)・5項(みなし譲渡)、消費税法施行令2条(資産の譲渡等に類する行為)・6条(国内取引の判定)

参考資料:税務大学校『消費税法(基礎編)令和8年度版』第2章「課税の対象」(pp.11〜17。4つの要件 p.12、事業として p.13、対価を得て・みなし譲渡 p.14、不課税取引の事例と判定の流れ p.16)(国税庁ホームページ「税務大学校講本」で公開)

本教材は、上記講本を参考に、TaxJudgeが独自に構成・解説したものです。講本の基準日は令和8年1月1日で、その後の令和8年度税制改正(インボイス制度の経過措置の延長・3割特例など)は国税庁の資料で反映しています。

本教材は国税庁による監修・保証を受けたものではありません。令和8年度改正後の法令に基づく学習用の解説・試算であり、個別の判断は税理士等にご確認ください。さくら食品・青山家の数字は学習用に設定した仮定の数値です。

ハルカ条文で確かめたいときは、どこを見ればいいですか?
先生資産の譲渡等の定義は消費税法2条1項8号、課税の対象は4条なんだ。消費税法ラボ ↗で条文から引けるよ。
ハルカみなし譲渡は、どこに書いてあるんですか?
先生4条5項だよ。講本の第2章にも、判定の流れと不課税の例がまとまっているんだ。
消費税 入門講座 第2回|taxjudge.com
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