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第6回 税率はどう決まる?|消費税入門講座

消費税 入門講座|第6回(v2)

税率はどう決まる? ── 標準税率と軽減税率

「同じお弁当なのに、持ち帰りと店内で税率が違うのはなぜ?」に、軽減税率の対象(飲食料品と新聞)の決まり方で答えられるようになる回です。

所要 15分前提:第1回(国と地方の税率)・第3回(4つの区分)条文:消費税法29条・2条1項9号の2・別表第一令和8年度改正後の法令で解説
第1章 全体像123
第2章 誰が納める45
第3章 売上げの税67
第4章 仕入れの税8910111213
第5章 申告と総合演習1415
📘 用語表と、この講座の読み方(クリックで開く)
標準税率10%(国7.8%+地方2.2%)。軽減税率の対象でない課税資産の譲渡等すべて
軽減税率8%(国6.24%+地方1.76%)。飲食料品の譲渡と、一定の新聞の譲渡
飲食料品食品表示法に規定する食品(酒類を除く)。一定の一体資産を含む。医薬品・医薬部外品は含まない
外食飲食設備(テーブル・椅子など)のある場所で、飲食料品を飲食させるサービス。軽減税率の対象外
ケータリング相手が指定した場所で、加熱・調理・給仕などをして飲食料品を提供すること。軽減税率の対象外(有料老人ホームなどでの一定の食事を除く)
一体資産おもちゃ付きのお菓子のように、食品と食品以外が一体になった商品。一定の要件を満たせば全体が軽減税率
法令と数字この講座は令和8年度改正後の法令で解説しています。数字は改正で変わることがあり、改正のたびに差し替えます

はじめに:今日のゴール

🎯
今日のゴール
税率は標準税率10%と軽減税率8%の2つ。軽減税率は「飲食料品」と「一定の新聞」の譲渡だけで、外食とケータリングは対象外――「何を売るか」と「サービスを付けて提供するか」で税率を判定できるようになること。
健太さんのお弁当(本体500円)持ち帰り
→
飲食料品の譲渡軽減税率
→
支払う額540円
同じお弁当を店内で食べるイートイン
→
飲食させるサービス(外食)標準税率
→
支払う額550円
さくら食品の売上げ(税込)6,480万円+2,200万円
→
税率ごとに分ける8%と10%
→
第7回の計算へ税率ごとに課税標準額

※ 判定は典型的な場合の目安です。実際の税率は、取引の内容や提供のしかたで変わることがあります。

ハルカ先生、コンビニでお弁当を買ったら、店内で食べるかどうか聞かれました。答えで値段が変わるんですか?
先生変わるんだ。持ち帰りなら軽減税率8%、店内で食べるなら標準税率10%だよ。
ハルカ同じお弁当なのに、不思議です。
先生今日は、その理由を「何を売るか」と「どう提供するか」の2つで考えようか。
ハルカさくら食品の売上げにも関係がありますか?
先生大ありなんだ。さくら食品にはテイクアウトもイートインもあるから、売上げを税率ごとに分けるところまで見ていくよ。

図で見る:税率を決める判定の順番(5ステップ)

先生最初は健太さんのお弁当で5ステップを通してみよう。左のボタンで、さくら食品の売上げにも切り替えられるんだ。
ハルカステップ3の判定の順番が、今日の中心ですね。
先生そうだよ。Q1からQ3の順に、どこで標準税率に分かれるかを見ていこうか。
👆下のステップをクリックタップすると、図と会話が切り替わります← →キーでも移動できます
← 図は横にスクロールできます →
① 税率は2つ:標準税率と軽減税率標準税率 10%国 7.8% + 地方 2.2%軽減税率の対象でないもの全部軽減税率 8%国 6.24% + 地方 1.76%飲食料品・一定の新聞だけ店内で食べる(イートイン)本体 500円 + 税 50円 = 550円飲食させるサービス(外食)持ち帰る(テイクアウト)本体 500円 + 税 40円 = 540円飲食料品の譲渡同じお弁当でも、売り方(サービスを付けるか)で税率が変わる。第1回の540円のお弁当は軽減税率だった。
本体500円 × (1+8%) = 540円(持ち帰り)/ × (1+10%) = 550円(イートイン)
ハルカ同じお弁当なのに、店内で食べると高くなるのはなぜですか?
先生消費税の税率は、標準税率10%と軽減税率8%の2つなんだ。持ち帰りは軽減税率で540円、イートインは標準税率で550円だよ。
🤔 迷いポイント同じお弁当なのに、なぜ税率が違う?
ハルカお弁当はお弁当だから、どこで食べても同じ税率だと思っていました。
先生店内で食べるときは、テーブルや椅子を使って「食べさせるサービス」を受けているんだ。それは外食で、軽減税率の対象外なんだよ。
ハルカ第1回の健太さんの540円のお弁当は、持ち帰りだったから軽減税率だったんですね。
先生そのとおりだね。国と地方の内訳も、税率ごとに決まっているんだ。
💡 そうだったのか!税率は標準税率10%と軽減税率8%の2つ。同じ食べ物でも、食べさせるサービス(外食)なら標準税率になる。
STEP1〜5の会話をまとめて読む(文字だけ)

STEP 1 税率は2つ

ハルカ同じお弁当なのに、店内で食べると高くなるのはなぜですか?
先生消費税の税率は、標準税率10%と軽減税率8%の2つなんだ。持ち帰りは軽減税率で540円、イートインは標準税率で550円だよ。
🤔 迷いポイント同じお弁当なのに、なぜ税率が違う?
ハルカお弁当はお弁当だから、どこで食べても同じ税率だと思っていました。
先生店内で食べるときは、テーブルや椅子を使って「食べさせるサービス」を受けているんだ。それは外食で、軽減税率の対象外なんだよ。
ハルカ第1回の健太さんの540円のお弁当は、持ち帰りだったから軽減税率だったんですね。
先生そのとおりだね。国と地方の内訳も、税率ごとに決まっているんだ。
💡 そうだったのか!税率は標準税率10%と軽減税率8%の2つ。同じ食べ物でも、食べさせるサービス(外食)なら標準税率になる。

本体500円 × (1+8%) = 540円(持ち帰り)/ × (1+10%) = 550円(イートイン)

STEP 2 軽減税率の対象

ハルカ軽減税率になるのは、どんなものですか?
先生左の図の緑の枠、「飲食料品」と「一定の新聞」の2つだけなんだ。飲食料品は、食品表示法に規定する食品のことだよ。
🤔 迷いポイント飲み物なら、ビールも軽減税率?
ハルカ飲食料品というくらいだから、飲み物は全部入ると思っていました。
先生酒類は飲食料品から除かれるんだ。医薬品や医薬部外品も食品ではないから、栄養ドリンクでも医薬部外品なら標準税率だよ。
ハルカ栄養ドリンクのラベルを、これから毎回見てしまいそうです。
先生それはいい観察だね。軽減税率は低所得者への配慮のための例外だから、対象を品目で絞っているんだ。
💡 そうだったのか!軽減税率の対象は、飲食料品(食品表示法の食品。酒類を除く)と一定の新聞だけ。それ以外は全部、標準税率。

軽減税率の対象 = 飲食料品(食品表示法の食品。酒類を除く。一定の一体資産を含む)+ 週2回以上発行・定期購読の新聞

STEP 3 判定の順番

ハルカ食べ物かどうかのほかに、何を確かめればいいですか?
先生左の図の順番だよ。Q1で飲食料品かを確かめて、Q2で外食か、Q3でケータリングかを確かめるんだ。
🤔 迷いポイント出前やネットで届けてもらうのも、ケータリングと同じ?
ハルカ家まで届けてもらうから、サービスが付いて標準税率だと思っていました。
先生出前や宅配は、飲食料品を届けるだけで、その場で調理や給仕はしないんだ。だから軽減税率だよ。ケータリングは、相手の指定した場所で調理や給仕までするから標準税率なんだ。
ハルカ「届ける」だけか、「その場で作ってよそう」までするかの違いなんですね。
先生そう考えると分かりやすいね。判定は売るときに、お客さんの意思を確かめて行うんだ。
💡 そうだったのか!判定は「何を売るか(Q1)」→「どう提供するか(Q2外食・Q3ケータリング)」の順。出前・宅配は軽減税率、ケータリングは標準税率。

Q1 飲食料品か → Q2 外食か → Q3 ケータリングか。Q1が「はい」で、Q2・Q3が「いいえ」なら軽減税率

STEP 4 一体資産と新聞

ハルカおもちゃ付きのお菓子は、どちらの税率になるんですか?
先生食品と食品以外が一体になった商品を「一体資産」というんだ。左の図の2つの要件を両方満たせば、全体が軽減税率だよ。
🤔 迷いポイント一体資産は、食品の部分だけ軽減税率にして、おもちゃの部分は標準税率に分ける?
ハルカ中身ごとに分けて計算するのが、正確だと思っていました。
先生一体資産は分けないんだ。税抜1万円以下で、食品の価額が3分の2以上なら全体が軽減税率、そうでなければ全体が標準税率だよ。
ハルカ新聞も、駅で1部買うのと家に届くのとで違うんですね。
先生そうだよ。週2回以上発行されて、定期購読契約で届くものだけが軽減税率なんだ。電子版は標準税率だね。
💡 そうだったのか!一体資産は分けずに全体で判定する(税抜1万円以下・食品の価額が3分の2以上なら全体が軽減)。新聞は週2回以上・定期購読だけ。

一体資産:税抜1万円以下 かつ 食品の価額が3分の2以上 → 全体が軽減税率。新聞:週2回以上・定期購読(電子版は標準)

STEP 5 税率ごとに分ける

ハルカレシートの税率は、お店にとってどう役に立つんですか?
先生お店は1日の売上げを税率ごとに集計して、1年分を税率ごとに計算するんだ。
🤔 迷いポイント売上げ全部をまとめて、平均の税率で計算すればいい?
ハルカ2つの税率の間くらいで計算すれば、手間が省けると思いました。
先生それはできないんだ。税額は、税率ごとに分けた売上げから計算するよ。だから、売るときに税率を判定して、分けて集計しておくことが大事なんだ。
ハルカお店のレジが商品ごとに税率を覚えているのは、そのためなんですね。
先生そうだよ。第7回では、税率ごとの売上げから税額を計算しようか。
💡 そうだったのか!売上げは、売るときに税率を判定して、税率ごとに分けて集計する。第7回で、税率ごとに課税標準額と税額を計算する。

売上げは税率ごとに集計する → 第7回で税率ごとに課税標準額と税額を計算

さくら食品の売上げを税率ごとに分ける

さくら食品の1年間の売上げ(2026年4月1日〜2027年3月31日・税込)を、税率ごとに分けると次のとおりです。

📌 予定されている改正(計算には入れていません)
飲食料品の税率を、2027年4月1日から2年間、国・地方合計で1%に引き下げる案があり、2026年10月9日に法案が国会に提出されています(この教材の制作時点では成立前です)。成立して内容が確定するまで、この講座の計算には入れません。この講座の法令ファイルでは、軽減税率は2027年3月31日までの取引に限って計算し、それより後の日付は「範囲外」として計算しない作りにしています。さくら食品の今の課税期間(〜2027年3月31日)は、この案の対象期間より前に終わります。
先生さくら食品の売上げを、判定の順番で1つずつ分けたのが左の表だよ。
ハルカワインや地ビールは、お店で売っていても標準税率なんですね。
先生酒類は飲食料品から除かれるからね。料理教室の参加費も、食べ物を売るのではなく教えるサービスだから標準税率なんだ。
ハルカ下の黄色いカードの改正案が成立したら、さくら食品の数字も変わるんですか?
先生この事例の課税期間は2027年3月31日までだから、今の数字は変わらないんだ。成立して内容が確定したら、法令ファイルを差し替えて、翌課税期間の話として追記するよ。

やってみよう:税率カード(12枚)

カードの取引は、軽減税率(8%)と標準税率(10%)のどちらでしょう。(答えは典型的な場合の目安です)

ハルカ12枚のカードで、税率を当ててみます。
先生迷ったら、ステップ3の「何を売るか → どう提供するか」の順に戻ってみようか。
ハルカ出前とケータリングの違いに気をつけます。
先生「届けるだけ」か「その場で調理・給仕もする」かだったね。

よくある間違い

① 食べ物・飲み物なら全部8%

軽減税率の「飲食料品」は、食品表示法に規定する食品です。酒類(ビール・本みりんなど)と医薬品・医薬部外品は含まれません。水道水も、生活用水として使われるので標準税率です。

② 実際に食べた場所で税率が決まる

税率は売るときに決めます。持ち帰りかイートインかは、販売の時点で、お客さんの意思を確かめて判定します。持ち帰りで買ったものを、あとで店のベンチで食べても税率は変わりません。

③ 軽減税率は、消費者が買うときだけの話

事業者どうしの取引でも同じです。さくら食品が仕入れる食材も飲食料品なので8%です。売上げの税(第7回)も、仕入れの税(第8回)も、税率ごとに分けて計算します。
ハルカ②は、私もやりそうです。持ち帰りで買って、ベンチで食べたら……。
先生税率は売るときに決まるから、あとで食べた場所では変わらないんだ。
ハルカ③の、さくら食品の食材も軽減税率というのは、仕入れの話ですね。
先生そうだよ。第8回で仕入れの税を計算するときも、税率ごとに分けるんだ。

ミニテスト(3問)

Q1. コンビニで弁当を買い、店員に「イートインスペースで食べます」と伝えた。税率は?
Q2. 税抜800円のおもちゃ付きお菓子。食品の部分の価額は全体の4分の3。正しいものは?
Q3. 次のうち、軽減税率の対象になるものは?

おわりに ── 今日のふりかえり

1分まとめ
  1. 税率は標準税率10%(国7.8%+地方2.2%)と軽減税率8%(国6.24%+地方1.76%)の2つ。
  2. 軽減税率の対象は飲食料品(食品表示法の食品。酒類を除く)と、週2回以上発行・定期購読の新聞の譲渡だけ。
  3. 同じ食べ物でも、外食(飲食設備のある場所で食べさせる)とケータリング(指定の場所で調理・給仕)は標準税率。持ち帰り・出前は軽減税率。
  4. 一体資産は、税抜1万円以下で、食品の価額が3分の2以上なら全体が軽減税率。それ以外は全体が標準税率。
  5. 税率は売るときに判定し、税率ごとに分けて集計する。この区分が、第7回の課税標準額と第9回のインボイスにつながる。
先生今日のまとめだよ。税率は標準税率10%と軽減税率8%の2つで、軽減税率は飲食料品と一定の新聞だけなんだ。
ハルカ外食とケータリングは標準税率、持ち帰りと出前は軽減税率。一体資産は分けずに全体で判定、ですね。
先生そのとおりだよ。1つだけ足すと、税率は売るときに判定して、税率ごとに分けて集計するんだ。
ハルカ次にコンビニで聞かれたら、自信を持って答えられます。
先生それはよかったね。次の第7回では、税率ごとの売上げから、売上げの消費税を計算しようか。

参照条文・出典

参照条文:消費税法29条(税率)、2条1項9号の2(軽減対象課税資産の譲渡等)、別表第一(飲食料品・新聞)、消費税法施行令2条の3、2条の4、地方税法72条の83(地方消費税の税率)、消費税法基本通達5-9-1〜5-9-13

参考資料:税務大学校『消費税法(基礎編)令和8年度版』第5章第1節4「税率」・5「軽減税率制度」(pp.36〜37)(国税庁ホームページ「税務大学校講本」で公開)/国税庁「消費税の軽減税率制度に関するQ&A」

本教材は、上記講本を参考に、TaxJudgeが独自に構成・解説したものです。講本の基準日は令和8年1月1日で、その後の令和8年度税制改正(インボイス制度の経過措置の延長・3割特例など)は国税庁の資料で反映しています。飲食料品の税率引下げ案は、法案の成立前のため計算に入れていません。

本教材は国税庁による監修・保証を受けたものではありません。令和8年度改正後の法令に基づく学習用の解説・試算であり、個別の判断は税理士等にご確認ください。さくら食品・青山家の数字は学習用に設定した仮定の数値です。

ハルカ軽減税率の対象は、どこに書いてあるんですか?
先生消費税法の別表第一に、飲食料品と新聞が書いてあるんだ。税率は29条、地方消費税の税率は地方税法だよ。
ハルカ迷う例は、どこで確かめられますか?
先生国税庁の「消費税の軽減税率制度に関するQ&A」に、たくさんの例が載っているんだ。
消費税 入門講座 第6回|taxjudge.com
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