総合演習・卒業テスト ── さくら食品の消費税を、最初から最後まで
「売上げの税から、確定申告で納める額まで、自分で通して計算できる?」に、計算の流れの図(講本 p.79)で答える最終回です。
📘 用語表と、この講座の読み方(クリックで開く)
| 計算の流れ | 売上げの税 − 控除する仕入れの税 − 返品の税 − 貸倒れの税 = 差引税額(国)→ ×22/78で地方消費税 → 年税額 → 中間納付を引いて確定申告で納める額 |
| 端数処理 | 課税標準額は千円未満、差引税額・地方消費税・中間納付額は百円未満を切り捨てる。仕入れの税・返品・貸倒れの税は円未満切捨て |
| この講座の共通事例 | さくら食品株式会社(3月決算・一般課税・個別対応方式)と、青山由紀さん(料理教室・2026年10月に登録・2割特例→3割特例) |
| 法令と数字 | この講座は令和8年度改正後の法令で解説しています。数字は改正で変わることがあり、改正のたびに差し替えます |
はじめに:今日のゴール
さくら食品の1年間(2026年4月1日〜2027年3月31日)の消費税を、売上げの税 → 仕入れの税 → 差引税額 → 地方消費税 → 中間納付を引くの順に通して計算し、確定申告で納める1,506,700円までたどり着くこと。最後に卒業テスト12問で全体を確かめる。
※ 計算の流れの図は、講本の参考2「納付すべき税額の計算の流れ」(p.79)に沿って、この講座の範囲に絞ったものです。申告書の様式・欄は扱いません。
図で見る:納める税額の計算の流れ(5ステップ)
STEP1〜5の会話をまとめて読む(文字だけ)
STEP 1 売上げの税
20,000,000円×7.8%+60,000,000円×6.24% = 5,304,000円
STEP 2 仕入れの税と割合
課税仕入れ等の税額 3,453,840円、課税売上割合 93.137%…(95%未満)
STEP 3 控除する額
2,939,040円 + 390,000円 × 割合 = 3,302,275円
STEP 4 差引税額と地方
差引 1,975,200円 + 地方 557,100円 = 年税額 2,532,300円
STEP 5 確定申告で納める
2,532,300円 − 中間 1,025,600円 = 1,506,700円(2027年5月31日まで)
さくら食品の通しの計算表
計算マップ:条件を変えて、通して計算する
さくら食品の住宅の家賃・控除の方式・前の課税期間の確定消費税額を変えると、計算の流れ全体がどう変わるかを確かめましょう。
総合演習でよくある間違い
① 地方消費税は、売上げの2.2%
地方消費税は、差引税額(国)× 22/78で計算します(百円未満切捨て)。売上げに2.2%を掛けるのではありません。さくら食品は 1,975,200円 × 22/78 = 557,100円です。② 中間申告で納めた額を引き忘れる
確定申告で納めるのは、年税額から中間納付額を引いた残りです。さくら食品は 2,532,300円 − 中間 800,000円・225,600円 = 1,506,700円。③ 端数をまとめて最後に切り捨てる
端数処理は段階ごとです。課税標準額は千円未満、差引税額と地方消費税は百円未満を切り捨てます。返品・貸倒れの税は円未満を切り捨ててから差し引きます。卒業テスト(12問)
おわりに ── 講座全体のふりかえり
- 消費税は消費者が負担し、事業者が納める税。各段階で「預かった税 − 支払った税」を納めるので、税が重ならない(第1回)。
- 取引は課税の対象か → 非課税か → 免税かで4区分に分け、課税の売上げを税率ごとに集計する(第2・3・6回)。
- 納めるのは課税事業者。基準期間・特定期間で判定し、登録・選択・新設法人でも課税事業者になる(第4・5回)。
- 売上げの税 − 控除する仕入れの税。控除は課税仕入れ・インボイス・課税売上割合・方式で決まり、簡易課税や2割・3割特例もある(第7〜13回)。
- 差引税額に地方消費税(×22/78)を足して年税額。中間納付を引いて、期限までに確定申告で納める(第14・15回)。
参照条文・出典
参照条文:消費税法28条・29条・30条・32条・37条・38条・39条・42条・45条・49条、地方税法72条の77〜72条の88(地方消費税)、所得税法等の一部を改正する法律(平成28年法律第15号)附則51条の2・51条の3・52条・53条
参考資料:税務大学校『消費税法(基礎編)令和8年度版』参考2「納付すべき税額の計算の流れ(図式)」(p.79)・参考6「地方消費税の概要」(p.104)ほか全体(国税庁ホームページ「税務大学校講本」で公開)
本教材は、上記講本を参考に、TaxJudgeが独自に構成・解説したものです。講本の基準日は令和8年1月1日で、その後の令和8年度税制改正(インボイス制度の経過措置の延長・3割特例など)は国税庁の資料で反映しています。卒業テストの答えは、典型的な場合の目安です。
本教材は国税庁による監修・保証を受けたものではありません。令和8年度改正後の法令に基づく学習用の解説・試算であり、個別の判断は税理士等にご確認ください。さくら食品・青山家の数字は学習用に設定した仮定の数値です。