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第18回 総合演習・卒業テスト|法人税入門講座

法人税 入門講座|第18回(v3)

総合演習・卒業テスト ── 当期純利益から納付額まで

この講座のしめくくりです。さくら食品の令和8年4月1日〜令和9年3月31日の事業年度について、損益計算書の当期純利益から、別表四の税務調整、所得金額、法人税額、税額控除と中間納付、確定申告で納める額までを、第1回の「計算の地図」に沿って通しで計算します。最後に12問の卒業テストで、苦手な回を見つけて復習しましょう。

所要 25分前提:第1〜17回条文:法人税法21条・22条・66条・68条・74条ほか(各回の参照条文)令和8年4月1日〜令和9年3月31日の事業年度で解説
第1章 全体像1234
第2章 益金567
第3章 損金8910111213
第4章 税額と申告141516
第5章 グループと総合演習1718
📘 用語表と、この講座の読み方(クリックで開く)
当期純利益損益計算書の最後の利益。別表四のスタート
所得金額益金の額から損金の額を引いた金額。別表四で、当期純利益に加算・減算をして求める
基準法人税額所得税額控除などを差し引く前の法人税額。地方法人税・防衛特別法人税のもと
納付税額差引法人税額などから中間納付額を引いた、確定申告で納める税額
利益積立金額別表四の留保が積み上がった、税法上の純資産(別表五(一))
法令と数字この講座は令和8年4月1日〜令和9年3月31日の事業年度に適用される法令で解説しています。数字は改正で変わることがあり、改正のたびに差し替えます

はじめに:今日のゴール

🎯
今日のゴール
当期純利益 → 別表四の加算・減算 → 所得金額 → 算出法人税額(基準法人税額)→ 地方法人税・防衛特別法人税 → 所得税額控除 → 中間納付額の控除 → 納付額。さくら食品の1期分を、この順番で通して計算できるようになること。
さくら食品:当期純利益8,100,877円
→
所得金額13,270,773円
→
確定申告で納める1,504,700円
シンプルな例:X社の当期純利益4,007,300円
→
所得金額6,000,000円
→
納める税額992,700円

※ 住民税・事業税は、さくら食品の数字(計算済み)を参考に示すだけで、計算のしかたは扱いません。

ハルカ先生、とうとう最後の回ですね。
先生そうだよ。さくら食品の1期分を、当期純利益から納付額まで通しで計算するんだ。
ハルカ第1回の計算の地図を、全部たどるんですね。
先生当期純利益は8,100,877円、所得金額は13,270,773円、納める額は1,504,700円なんだ。
ハルカ最後に、卒業テストもあるんですね。
先生12問で、苦手な回を見つけようか。

図で見る:計算の地図に沿って、通しで計算する(6ステップ)

先生最初は「さくら食品(通し)」で、6つのステップを順に見てみよう。X社にも切り替えられるんだ。
ハルカ図の上の地図で、いまどこを計算しているかがわかりますね。
先生そうだよ。地図の駅を1つずつ進んでいこうか。
👆下のステップをクリックタップすると、図と会話が切り替わります← →キーでも移動できます
← 図は横にスクロールできます →
① 決算 ── 損益計算書の当期純利益から始める1 決算当期純利益2 税務調整加算・減算3 所得金額益金 − 損金4 法人税額所得 × 税率5 差引・控除税額控除・中間納付6 納付税額+地方法人税など収益(売上高・受取家賃・受取利息・受取配当など)87,970,000円費用(売上原価・給料・減価償却費・引当金の繰入など)△75,970,000円税引前当期純利益12,000,000円法人税、住民税及び事業税△3,899,123円・中間納付した法人税・地方法人税・住民税・事業税1,613,000・利子・配当から源泉徴収された所得税64,323・納税充当金(確定分の見積り)2,221,800当期純利益(別表四のスタート)8,100,877円会計の利益は「収益−費用」。税法の所得は「益金−損金」。このずれを、次のステップの別表四で直す(第3回)。
当期純利益 = 税引前当期純利益 12,000,000円 − 法人税等 3,899,123円 = 8,100,877円
ハルカいよいよ最後の回ですね。どこから計算を始めるんですか?
先生損益計算書の当期純利益からだよ。法人税等を引いた後の利益なんだ。
🤔 迷いポイント税金を引いた後の利益から始めて、大丈夫?
ハルカ税引前の利益から始めるほうが、自然だと思っていました。
先生別表四で法人税等を加算して戻すから、どちらから始めても所得金額は同じになるんだ。
ハルカさくら食品の当期純利益は、8,100,877円ですね。
先生そうだよ。ここが計算の地図の、1つ目の駅だね。
💡 そうだったのか!通し計算は、損益計算書の当期純利益から始める。
STEP1〜6の会話をまとめて読む(文字だけ)

STEP 1 決算

ハルカいよいよ最後の回ですね。どこから計算を始めるんですか?
先生損益計算書の当期純利益からだよ。法人税等を引いた後の利益なんだ。
🤔 迷いポイント税金を引いた後の利益から始めて、大丈夫?
ハルカ税引前の利益から始めるほうが、自然だと思っていました。
先生別表四で法人税等を加算して戻すから、どちらから始めても所得金額は同じになるんだ。
ハルカさくら食品の当期純利益は、8,100,877円ですね。
先生そうだよ。ここが計算の地図の、1つ目の駅だね。
💡 そうだったのか!通し計算は、損益計算書の当期純利益から始める。

当期純利益 = 税引前当期純利益 12,000,000円 − 法人税等 3,899,123円 = 8,100,877円

STEP 2 税務調整

ハルカ次は、別表四ですね。
先生第4回から書いてきた行を、全部使うんだ。加算と減算を合計するよ。
🤔 迷いポイント加算と減算は、たくさんあると間違えそう?
ハルカ行が多いと、どれを足すのか迷いそうです。
先生1行ずつ、どの回で学んだかを確かめるといいんだ。理由がわかれば、加算か減算かは迷わないよ。
ハルカ加算の合計は6,739,896円、減算の合計は1,570,000円ですね。
先生そのとおりだよ。これで所得金額が出るんだ。
💡 そうだったのか!別表四:当期純利益+加算−減算=所得金額。各行の理由は、それぞれの回で学んだ。

所得金額 = 8,100,877円 + 加算 6,739,896円 − 減算 1,570,000円 = 13,270,773円

STEP 3 所得金額

ハルカ所得金額は、13,270,773円になりました。
先生益金から損金を引いても、同じ額になるんだ。第3回で見たとおりだよ。
🤔 迷いポイント所得金額と当期純利益は、だいたい同じ?
ハルカ少しの違いだと思っていました。
先生さくら食品は、5,169,896円も違うんだ。法人税等の加算が大きいからだよ。
ハルカ欠損金があれば、ここで差し引くんですね。
先生そうだよ。さくら食品には繰越欠損金がないから、そのままなんだ。
💡 そうだったのか!所得金額=益金−損金。別表四の結果と一致する。欠損金があれば、ここで控除する。

益金 88,410,000円 − 損金 75,139,227円 = 13,270,773円

STEP 4 法人税額

ハルカ所得金額に、税率を掛けるんですね。
先生千円未満を切り捨ててから、年800万円以下の部分は15%、超える部分は23.2%を掛けるんだ。
🤔 迷いポイント地方法人税は、所得税額控除を引いてから計算する?
ハルカ引けるものを先に引くと、思っていました。
先生地方法人税も防衛特別法人税も、控除の前の基準法人税額で計算するんだ。
ハルカ算出法人税額は2,422,640円、地方法人税は249,400円ですね。
先生そうだよ。防衛特別法人税は0円だけど、申告は必要なんだ。
💡 そうだったのか!算出法人税額=所得(千円未満切捨て)×税率。地方法人税・防衛特別法人税は基準法人税額から。

算出法人税額 2,422,640円 地方法人税 249,400円 防衛特別法人税 0円

STEP 5 差引・控除

ハルカ次は、差し引くものですね。
先生源泉徴収された所得税を控除して、中間納付額を差し引くんだ。
🤔 迷いポイント中間納付をしたら、確定申告で納める額はほとんどない?
ハルカ半分くらいは、もう納めたと思っていました。
先生中間納付は前期の税額をもとにしているから、当期の利益が増えると、残りが多くなるんだ。
ハルカ納める法人税は1,358,300円、地方法人税は146,400円ですね。
先生そうだよ。差引法人税額は、百円未満を切り捨てているんだ。
💡 そうだったのか!所得税額控除→差引法人税額→中間納付額を差し引いて、納める額が決まる。

納める法人税 1,358,300円 納める地方法人税 146,400円 防衛特別法人税 0円

STEP 6 納付税額

ハルカ確定申告で納める額が出ました。
先生法人税、地方法人税、防衛特別法人税の合計で、1,504,700円なんだ。
🤔 迷いポイントこれで、法人税の計算は全部終わり?
ハルカ納める額が出たら、終わりだと思っていました。
先生別表五(一)で利益積立金額を確かめて、期限までに申告と納付をするんだ。
ハルカ期限は2027年5月31日(月)ですね。
先生そのとおりだよ。全18回、よくがんばったね。
💡 そうだったのか!当期純利益→別表四→所得→税額→控除・中間納付→納付額。これが法人税の1期分の計算。

確定申告で納める額 1,504,700円

さくら食品の通し計算 ── 完成した別表四と、納付額まで

※ 別表四の各行は、第4回から第15回までの各回で書いたものです。行の理由を忘れたら、「書く回」の列の回に戻って確かめましょう。

先生これが、完成した別表四と、納付額までの通し計算だよ。
ハルカ第4回で当期純利益の1行から始めた表が、こんなに大きくなりました。
先生1行ごとに、学んだ回が書いてあるんだ。
ハルカ忘れた行は、その回に戻って確かめます。
先生それがいちばんの復習だね。

やってみよう:卒業テスト(12問)

第2〜17回のうち12の回から、1問ずつ出題します。間違えた問題は、最後に「復習する回」としてまとめて表示します。

ハルカ卒業テストに挑戦します。
先生12問のうち、間違えた問題の回を、最後にまとめて表示するんだ。
ハルカ全問正解を目指します。
先生間違えても大丈夫だよ。復習する回がわかるのが大事なんだ。

よくある間違い(通しで計算するとき)

① 当期純利益に、そのまま税率を掛ける

税率を掛けるのは、別表四で加算・減算をした所得金額(千円未満切捨て)です。

② 納税充当金の額が変わると、所得金額も変わる

損金経理をした納税充当金は全額を加算するので、その額が変わっても所得金額は変わりません(第4回・第11回)。

③ 地方法人税を、所得税額控除や中間納付を引いた後の額に掛ける

地方法人税・防衛特別法人税は、基準法人税額(控除の前)で計算します。中間納付額は、最後に差し引きます(第15回)。
ハルカ①は、当期純利益に税率を掛けてしまう間違いですね。
先生そうだね。税率を掛けるのは、別表四で直した所得金額なんだ。
ハルカ②の納税充当金は、額が変わっても所得金額は変わらないんですね。
先生そのとおりだよ。全額を加算するからなんだ。

ミニテスト(3問)

Q1. 通し計算で、地方法人税を計算するもとになる額は?
Q2. 損金経理をした納税充当金の額が10万円増えたら、所得金額は?
Q3. さくら食品が確定申告で納める法人税・地方法人税・防衛特別法人税の合計は?

おわりに ── 講座のふりかえり

1分まとめ
  1. 決算:損益計算書の当期純利益 8,100,877円(法人税等 3,899,123円 を引いた後)。
  2. 税務調整:別表四で加算・減算。益金(第5〜7回)と損金(第8〜13回)の調整が、1行ずつ積み上がった。
  3. 所得金額:13,270,773円(益金−損金)。欠損金があれば、ここで控除する(第14回)。
  4. 法人税額:算出法人税額 2,422,640円、地方法人税 249,400円、防衛特別法人税は0円でも申告(第15回)。
  5. 納付:所得税額控除と中間納付額を差し引いて、確定申告で 1,504,700円。別表五(一)の利益積立金額は 35,519,227円(第16回)。
  6. 全18回、おつかれさまでした。卒業テストで間違えた回を、もう一度ひらいてみましょう。
先生講座のまとめだよ。法人税は、当期純利益から始めて、別表四で所得金額を出すんだ。
ハルカ所得に税率を掛けて、地方法人税と防衛特別法人税、所得税額控除、中間納付……ですね。
先生そのとおりだよ。最後は別表五(一)と、申告の期限まで確かめるんだ。
ハルカ全18回、ありがとうございました。
先生よくがんばったね。卒業おめでとう。わからなくなったら、いつでも各回に戻ってくるといいよ。

参照条文・出典

参照条文:法人税法21条(課税標準)・22条(各事業年度の所得の金額の計算)・57条(欠損金の繰越し)・66条(税率)・68条(所得税額の控除)・71条(中間申告)・74条(確定申告)、地方法人税法、防衛特別法人税に関する法律、ほか第1〜17回の参照条文

参考資料:税務大学校『法人税法(基礎編)令和8年度版』全章(国税庁ホームページ「税務大学校講本」で公開)

本教材は、上記講本を参考に、TaxJudgeが独自に構成・解説したものです。講本の基準日は令和8年1月1日で、その後の令和8年度税制改正(少額減価償却資産の特例の見直しなど)と防衛特別法人税(令和8年4月1日以後に開始する事業年度から)は国税庁の資料で反映しています。

本教材は国税庁による監修・保証を受けたものではありません。令和8年4月1日から令和9年3月31日までの事業年度を共通事例とし、各制度の適用時期に応じた法令に基づく学習用の解説・試算です。個別の判断は税理士等にご確認ください。さくら食品などの数字は学習用に設定した仮定の数値です。

ハルカ条文で確かめたいときは、どこを見ればいいですか?
先生所得の計算は法人税法22条、税率は66条なんだ。法人税法ラボ ↗で条文から引けるよ。
ハルカ各回の論点の条文は、どこに書いてありますか?
先生各回の「参照条文・出典」にまとめてあるんだ。この教材の図は、講本を参考にTaxJudgeが独自に作っているよ。
法人税 入門講座 第18回|taxjudge.com
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