総合演習・卒業テスト ── 当期純利益から納付額まで
この講座のしめくくりです。さくら食品の令和8年4月1日〜令和9年3月31日の事業年度について、損益計算書の当期純利益から、別表四の税務調整、所得金額、法人税額、税額控除と中間納付、確定申告で納める額までを、第1回の「計算の地図」に沿って通しで計算します。最後に12問の卒業テストで、苦手な回を見つけて復習しましょう。
📘 用語表と、この講座の読み方(クリックで開く)
| 当期純利益 | 損益計算書の最後の利益。別表四のスタート |
| 所得金額 | 益金の額から損金の額を引いた金額。別表四で、当期純利益に加算・減算をして求める |
| 基準法人税額 | 所得税額控除などを差し引く前の法人税額。地方法人税・防衛特別法人税のもと |
| 納付税額 | 差引法人税額などから中間納付額を引いた、確定申告で納める税額 |
| 利益積立金額 | 別表四の留保が積み上がった、税法上の純資産(別表五(一)) |
| 法令と数字 | この講座は令和8年4月1日〜令和9年3月31日の事業年度に適用される法令で解説しています。数字は改正で変わることがあり、改正のたびに差し替えます |
はじめに:今日のゴール
当期純利益 → 別表四の加算・減算 → 所得金額 → 算出法人税額(基準法人税額)→ 地方法人税・防衛特別法人税 → 所得税額控除 → 中間納付額の控除 → 納付額。さくら食品の1期分を、この順番で通して計算できるようになること。
※ 住民税・事業税は、さくら食品の数字(計算済み)を参考に示すだけで、計算のしかたは扱いません。
図で見る:計算の地図に沿って、通しで計算する(6ステップ)
STEP1〜6の会話をまとめて読む(文字だけ)
STEP 1 決算
当期純利益 = 税引前当期純利益 12,000,000円 − 法人税等 3,899,123円 = 8,100,877円
STEP 2 税務調整
所得金額 = 8,100,877円 + 加算 6,739,896円 − 減算 1,570,000円 = 13,270,773円
STEP 3 所得金額
益金 88,410,000円 − 損金 75,139,227円 = 13,270,773円
STEP 4 法人税額
算出法人税額 2,422,640円 地方法人税 249,400円 防衛特別法人税 0円
STEP 5 差引・控除
納める法人税 1,358,300円 納める地方法人税 146,400円 防衛特別法人税 0円
STEP 6 納付税額
確定申告で納める額 1,504,700円
さくら食品の通し計算 ── 完成した別表四と、納付額まで
※ 別表四の各行は、第4回から第15回までの各回で書いたものです。行の理由を忘れたら、「書く回」の列の回に戻って確かめましょう。
やってみよう:卒業テスト(12問)
第2〜17回のうち12の回から、1問ずつ出題します。間違えた問題は、最後に「復習する回」としてまとめて表示します。
よくある間違い(通しで計算するとき)
① 当期純利益に、そのまま税率を掛ける
税率を掛けるのは、別表四で加算・減算をした所得金額(千円未満切捨て)です。② 納税充当金の額が変わると、所得金額も変わる
損金経理をした納税充当金は全額を加算するので、その額が変わっても所得金額は変わりません(第4回・第11回)。③ 地方法人税を、所得税額控除や中間納付を引いた後の額に掛ける
地方法人税・防衛特別法人税は、基準法人税額(控除の前)で計算します。中間納付額は、最後に差し引きます(第15回)。ミニテスト(3問)
おわりに ── 講座のふりかえり
- 決算:損益計算書の当期純利益 8,100,877円(法人税等 3,899,123円 を引いた後)。
- 税務調整:別表四で加算・減算。益金(第5〜7回)と損金(第8〜13回)の調整が、1行ずつ積み上がった。
- 所得金額:13,270,773円(益金−損金)。欠損金があれば、ここで控除する(第14回)。
- 法人税額:算出法人税額 2,422,640円、地方法人税 249,400円、防衛特別法人税は0円でも申告(第15回)。
- 納付:所得税額控除と中間納付額を差し引いて、確定申告で 1,504,700円。別表五(一)の利益積立金額は 35,519,227円(第16回)。
- 全18回、おつかれさまでした。卒業テストで間違えた回を、もう一度ひらいてみましょう。
参照条文・出典
参照条文:法人税法21条(課税標準)・22条(各事業年度の所得の金額の計算)・57条(欠損金の繰越し)・66条(税率)・68条(所得税額の控除)・71条(中間申告)・74条(確定申告)、地方法人税法、防衛特別法人税に関する法律、ほか第1〜17回の参照条文
参考資料:税務大学校『法人税法(基礎編)令和8年度版』全章(国税庁ホームページ「税務大学校講本」で公開)
本教材は、上記講本を参考に、TaxJudgeが独自に構成・解説したものです。講本の基準日は令和8年1月1日で、その後の令和8年度税制改正(少額減価償却資産の特例の見直しなど)と防衛特別法人税(令和8年4月1日以後に開始する事業年度から)は国税庁の資料で反映しています。
本教材は国税庁による監修・保証を受けたものではありません。令和8年4月1日から令和9年3月31日までの事業年度を共通事例とし、各制度の適用時期に応じた法令に基づく学習用の解説・試算です。個別の判断は税理士等にご確認ください。さくら食品などの数字は学習用に設定した仮定の数値です。