法人税のしくみを、18回でひととおり学ぶ入門講座です。
架空の中小企業「さくら食品株式会社」の1期分を例に、決算の当期純利益から税務調整、益金と損金、所得金額、法人税額、別表四と別表五(一)、確定申告で納める額まで、順番に進みます。各回は先生とハルカの会話・図・試算・ミニテストで、最後はさくら食品の1期分を通しで計算する総合演習と卒業テストです。
- 全18回・5章
- 前提知識:簿記3級程度(なくても読めます)
- 令和8年4月1日〜令和9年3月31日の事業年度で解説
- 対象:中小法人(内国普通法人)
講座の目次(全18回)
第1章 全体像
第1回法人税ってどんな税?会社の決算から、法人税をいくら納めるかまでを「6つの箱」の地図でつかむ回です。この地図は、全18回を通して使います。⏱ 所要 15分第2回誰に、いつ、どこで課税する?法人税を納めるのは誰か、どの期間の所得に、どこへ、いつまでに申告するのか。中間申告と青色申告まで、申告のカレンダーをつかむ回です。⏱ 所要 15分第3回会計の利益と税法の所得「所得の金額=益金の額−損金の額」。益金と損金に何が入り、何が入らないのかを、法人税法22条の5つの項で読み解く回です。⏱ 所要 15分第4回税務調整のしくみ会計の利益を税法の所得に直す「税務調整」。4つのずれ、損金経理、申告調整、留保と社外流出をつかみ、さくら食品の別表四の1行目を書く回です。⏱ 所要 15分
第2章 益金
第5回売上はいつ益金になる?商品を売ったとき、その収益は「いつ」「いくらで」益金になるのか。法人税法22条の2の「引渡しの日」を、出荷・検収などの基準で判定し、さくら食品の別表四に2行目を書く回です。⏱ 所要 15分第6回ただであげた・もらったら?お金を受け取っていないのに、なぜ益金になるのか。資産を無償・低額で譲渡したとき、無償・低額で譲り受けたときの扱いを、「時価で売って、代金を渡した」という2段階の見方で整理する回です。⏱ 所要 15分第7回受取配当と評価益・還付金会計では収益なのに、税法では益金にしないものがあります。受取配当等の益金不算入(4つの区分と割合)を中心に、資産の評価益・法人税等の還付金を整理し、さくら食品の別表四に3行目を書く回です。⏱ 所要 15分
第3章 損金
第8回棚卸資産と売上原価売上原価は「期首+仕入−期末」。期末の棚卸資産をいくらと評価するかで、売上原価も所得も変わります。取得価額・評価方法(原価法・低価法)・届出と、届け出なかったときの法定評価方法を学ぶ回です。⏱ 所要 15分第9回減価償却と繰延資産建物や機械などは、買った年に全額を損金にせず、使う期間に分けて費用にします。損金になるのは、会社が損金経理した減価償却費のうち「償却限度額」まで。定額法・定率法、期中取得の月数、少額の資産、修繕費と資本的支出、繰延資産を整理し、さくら食品の別表四に4行目を書く回です。⏱ 所要 15分第10回役員給与は損金になる?会社が役員に払う給与は、決まった型に当てはまるものだけが損金になります。定期同額給与・事前確定届出給与・業績連動給与の3つの型と、改定できる時期、使用人兼務役員、過大な役員給与を整理し、さくら食品の別表四に5行目を書く回です。⏱ 所要 15分第11回交際費・寄附金・租税公課会計では費用なのに、税法では損金にならない(または一部しかならない)支出があります。交際費等の損金不算入、寄附金の区分と限度額、損金にならない税金を整理します。第4回で「税引後の当期純利益から始めた」理由も、ここで回収します。さくら食品の別表四に5行を書く回です。⏱ 所要 18分第12回貸倒損失と貸倒引当金取引先が倒産しても、売掛金をすぐに損金にできるとは限りません。貸倒損失の3つの型(法律上・事実上・形式上)と、まだ貸倒れとは言えない債権に使う貸倒引当金(個別評価・一括評価)を整理し、さくら食品の別表四に貸倒引当金の行を書く回です。⏱ 所要 15分第13回引当金会計では、将来の支出に備えて引当金を計上します。しかし税法では、まだ債務が確定していない見積りの費用は、原則として損金になりません。賞与引当金の「当期は加算、翌期は減算」の往復と、要件を満たす未払使用人賞与との違いを整理し、評価損と圧縮記帳も紹介します。さくら食品の別表四に2行を書く回です。⏱ 所要 15分
第4章 税額と申告
第14回赤字は翌年に繰り越せる?所得がマイナスになった年(欠損金額が出た年)は、法人税がかかりません。その赤字は、青色申告なら翌期以後10年にわたって所得から差し引けます(繰越控除)。中小法人等は前期に払った法人税を取り戻すこともできます(繰戻し還付)。控除の限度、使う順番、要件を整理し、さくら食品に「もしも欠損金があったら」を当てはめる回です。⏱ 所要 15分第15回法人税額はいくらになる?別表四で求めた所得金額に税率を掛けると、法人税額が出ます。そこから地方法人税と防衛特別法人税を計算し、源泉徴収された所得税を差し引き、中間納付額を引いて、納める税額が決まります。計算の順番を間違えないことが大切です。さくら食品の別表四に最後の1行を書き、所得金額が完成する回です。⏱ 所要 15分第16回申告書のしくみ別表四は「その年の所得」を計算する表、別表五(一)は「税法上の純資産」が期首から期末へどう動いたかを示す表です。別表四で「留保」とした金額は別表五(一)に積み上がり、翌期以後に認容されると消えていきます。さくら食品の完成した別表四を、別表五(一)につなげる回です。申告と納付の手続も、ここでまとめます。⏱ 所要 15分
第5章 グループと総合演習
第17回同族会社とグループの税務株主の上位3グループで発行済株式などの過半数を持つ会社を「同族会社」といい、役員の範囲などに特別な扱いがあります。また、親会社と100%子会社のように「完全支配関係」がある会社の間では、資産を譲渡したときの損益を繰り延べたり、寄附金を全額損金不算入(受け取った側は全額益金不算入)にしたりします(寄附金・受贈益の扱いは、親会社が法人である完全支配関係のときだけ)。さくら食品の同族会社判定と、親子2社の簡単な設例で、位置づけを押さえる回です。⏱ 所要 15分第18回総合演習・卒業テストこの講座のしめくくりです。さくら食品の令和8年4月1日〜令和9年3月31日の事業年度について、損益計算書の当期純利益から、別表四の税務調整、所得金額、法人税額、税額控除と中間納付、確定申告で納める額までを、第1回の「計算の地図」に沿って通しで計算します。最後に12問の卒業テストで、苦手な回を見つけて復習しましょう。⏱ 所要 25分
この講座の進め方
- 第1回で「計算の地図」をつかむ
決算の当期純利益 → 税務調整 → 所得金額 → 法人税額 → 差引・控除 → 納付税額、の6つの箱です。以後の回は、この地図のどこを学んでいるかを示しながら進みます。 - 各回は「図と会話 → さくら食品 → 自分で数字を変える」の順
仕組みを図と会話で見てから、共通事例のさくら食品で確かめ、試算で条件を変えて試せます。税務調整は回ごとに「育つ別表四」に積み上がります。最後にミニテストで確認します。 - 第18回の総合演習と卒業テストで仕上げ
さくら食品の1期分を、当期純利益から所得金額・法人税額・確定申告で納める額まで通して計算し、12問の卒業テストに挑戦します。間違えた問題は、復習する回へ直接移れます。
講座の共通事例:さくら食品株式会社
- 主役はさくら食品株式会社(架空の会社)。資本金1,000万円の中小法人で、3月決算・青色申告。食品の店頭販売・テイクアウト・ネット販売、イートイン・ケータリング、ビル上階の住宅の貸付けをしています
- 代表取締役の桜井 誠さん(持株60%)、取締役の桜井 佳代さん、使用人兼務役員の佐藤 真理さんが登場します。上位3株主グループで50%を超えるので同族会社です
- 消費税入門講座と同じ会社です。消費税講座で計算した取引を、法人税では税抜経理の決算書として扱います
- 数字は学習用の仮定です。令和8年4月1日〜令和9年3月31日の事業年度を前提に、その時期に適用される法令で計算しています
あわせて使う
- 法人税法ラボ … 条文・法人の種類・会計との違い・別表から引ける図解ダッシュボード
- 法人税申告書(別表)から探す … 別表ごとにツール・記事を引ける目次ナビ
- グループ法人税制ラボ・グループ通算制度ラボ … 第17回の先を学ぶ図解ダッシュボード
- 貸倒損失・貸倒引当金ラボ … 第12回の先を学ぶ図解ダッシュボード
- 税法ラボ一覧 … 条文から引く税法ラボの一覧
- 消費税入門講座 … 同じさくら食品で学ぶ全15回の講座
- 所得税入門講座 … 健太さん一家(青山家)で学ぶ全15回の講座
この講座は、国税庁税務大学校の講本などの公表資料をもとに、TaxJudgeが学習用に作成したものです。実際の申告では、最新の法令と国税庁の資料で確認してください。