このラボには、先生と生徒の会話形式の解説記事があります貸倒損失・貸倒引当金ラボの図をそのまま使って、貸倒損失の3つの型、個別評価と一括評価、別表の加算と翌期の減算、会計・消費税との違いを会話で読み解きます。30秒でできるラボ実習つき。
要点:貸倒損失と貸倒引当金とは
貸倒損失は、売掛金・貸付金などの金銭債権が回収できなくなったことによる損失です。法人税では、法的に切り捨てられた(法律上)、全額が回収できないことが明らか(事実上)、取引停止後1年以上・取立費用に満たない少額の売掛債権(形式上)の3つの型で判断します(法人税基本通達9-6-1〜9-6-3)。
貸倒引当金は、まだ回収できなくなってはいない債権について見込みの損失を積むものです。法人税で損金にできるのは中小法人・銀行などに限られ、申立てなどがあった債務者の債権は個別評価、それ以外は一括評価で繰入限度額を計算します(法人税法第52条、法人税法施行令第96条)。
🎧 動画で聞く貸倒損失・貸倒引当金ラボの音声解説(10分)
ラボの図と、会話解説記事の先生とハルカの会話で、債権の4つの段から、貸倒損失の3つの型、個別評価と一括評価の繰入限度額、別表の加算と減算までを解説します。クリックすると再生が始まります(YouTubeで開く)
🎧 もう1本:貸倒損失・貸倒引当金【応用編】破産と保証債務・寄附金との境目・実質的に債権とみられない額・明細と書類を図で(YouTube・9分)
破産と保証債務、債権放棄と寄附金の境目、引当金の対象の範囲、別表十一の明細と書類を解説します
このラボでできること
- 債権の4つの段を見る…ふつうの債権(一括評価)→危ない債権(個別評価)→取れない債権(貸倒損失)→戻ったお金(益金)を1枚の図で切り替えられます。
- 貸倒損失の3つの型を比べる…対象の債権・金額・損金経理・時期を列で比べ、民事再生の認可決定や形式上の貸倒れの起算点を動く図で確かめられます。
- 引当金を使える法人を判定する…資本金1億円以下でも大法人の100%子会社は使えない、などの道筋を図でたどれます。
- 繰入限度額を計算する…個別評価の4つの型(申立てなら50%など)と、一括評価の貸倒実績率・法定繰入率を数字で比べられます。
- 別表四・別表五(一)を確かめる…繰入限度超過額の加算と翌期の認容、民事再生の2年間の会計と損金の差を設例でたどれます。
- 応用の論点を引く…処理早見表(起きたこと×損失か引当金か)、破産・保証債務・寄附金との境目、実質的に債権とみられない額、明細と書類の保存、組織再編を確かめられます。
- 判定と限度額を試す…シミュレーションの判定ナビで貸倒損失か引当金かを判定し、繰入限度額と別表四の加算を数字を変えて計算できます。
- 会計との違い(別表と税効果)を確かめる…民事再生の設例を3年間で、会計の費用と損金、別表四・別表五(一)、繰延税金の参考額を年度ごとに比べられます(2026年10月改正の予想信用損失モデルとの関係も)。
- 消費税の貸倒れの控除を確かめる…貸倒れに係る消費税額(110分の7.8)の計算、引当金では控除できないこと、回収した場合の扱いを確かめられます。
- 関連記事を引く…関連記事タブで、別表・税効果・寄附金の記事を区分と言葉で検索できます。
使い方(3ステップ)
- 基礎タブの①で債権の4つの段をつかみ、③で貸倒損失の3つの型を比べます。
- 設例・基礎で、民事再生(申立て→認可→弁済)などを1ステップずつ追います。
- シミュレーションで自社の数字を入れて限度額と別表四を確かめ、会計との違いタブで別表五(一)と税効果まで確認します。
よくあるつまずき
- 形式上の貸倒れ(取引停止後1年以上・取立費用に満たない少額)は売掛債権だけが対象で、貸付金には使えません。
- 事実上の貸倒れは全額が回収できない場合だけ。担保があれば処分した後です。
- 個別評価の50%は法人税の計算の基準で、会計の回収不能見込額が50%になるという意味ではありません。
- 大法人(大法人の100%子会社・大通算法人を含む)は貸倒引当金を損金にできず、会計の繰入額を全額加算します。貸倒損失はすべての法人が使えます。
- 完全支配関係がある他の法人に対する債権は、引当金の対象になりません。また、引当金は損金経理で繰り入れた額だけが損金になります。
このラボは学習用の簡易判定です。貸倒れに当たるかは事実関係で決まります。実務の判断は、個別の事実関係と最新の法令で確認してください。
根拠にした法令・資料
- 法人税法 第22条・第52条、法人税法施行令 第96条(e-Gov法令検索)
- 法人税基本通達 9-6-1〜9-6-3(貸倒損失)・11-2(貸倒引当金)(国税庁)
- 租税特別措置法 第57条の9、同施行令 第33条の7(中小法人などの法定繰入率)
- 消費税法 第39条、消費税法基本通達 14-2、国税庁 タックスアンサー No.6367(消費税)
- 企業会計基準第10号「金融商品に関する会計基準」(2026年10月16日改正)(会計との違いの説明)
- 国税庁 タックスアンサー No.5501、法人税申告書 別表十一(一)・(一の二)の記載要領、税務大学校 講本「法人税法(基礎編)」令和8年度版
確認日:2026年11月1日
あわせて読む・調べる
- 別表四・別表五(一)ラボ(加算・留保と翌期の認容)
- 税効果会計ラボ(引当金の繰入超過額と将来減算一時差異)
- 貸倒引当金(会計)ラボ(会計の見積り:改正前の3区分と予想信用損失。同じB社の民事再生を会計側から追える)
- 貸倒引当金のKAM事例141社を分析(会計側の見積りの実例)
- 法人税法ラボ
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