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外国子会社合算税制ラボ【基礎編】|先生と一緒に図で学ぶCFC税制・租税負担割合・部分合算

外国子会社合算税制ラボ【基礎編】

無料の学習ツール「外国子会社合算税制ラボ」の読み方ガイドです。ラボの基礎タブを上から順に、先生と生徒の会話形式で見ていきます。各行の図はラボの図そのものです。重要な節の最後には、ラボで30秒だけ手を動かす小さな実習を置いています。

今日の事例
事例A Z社の子会社(単位:百万円)
所在地法定税率10%の低税率国
自社の保有割合100%
事務所・従業員なし(管理は日本の親会社)
所得(税引前)/外国法人所得税500 / 50
受け取っているもの子会社の配当・利子
はじめに

今日の題材 ── 低税率国の持株会社

📍 ラボの場所:基礎タブ全体
ハルカ
先生、海外子会社の管理を任されました。海外の子会社の利益は、配当されるまで日本では関係ないんですよね。
先生
原則はそうなんだけれど、税負担の軽い国の子会社には、配当しなくても利益を親会社に足して課税する制度があるんだ。外国子会社合算税制、CFC税制と呼ばれるよ。最初は事例AのZ社の子会社で考えようか。数字は学習用で、単位は百万円なんだ。
ハルカ
事務所も従業員もない会社なんですね。配当や利子を受け取るだけ、と。
先生
そういう会社がいちばん合算されやすいんだ。表を手元に置いて、ラボの「基礎」タブを上から順に読んでいこうか。
ラボの基礎タブを開きながら読むと分かりやすいですラボで開く ▶
📗 基礎 ① ラボの図
① 抜け道:低税率国に利益を溜める② 歯止め:日本で合算して課税日本の親会社税率 約30%低税率国の子会社税率 10%利益を移す配当しなければ日本で課税されない日本の親会社所得に足す低税率国の子会社所得 1,000合算配当しなくても日本の税率で課税現地で払った税は外国税額控除で調整グループ全体の税が下がる
基礎 ①

なぜこの制度があるのか ── 低税率国に利益を溜めさせない

📍 ラボの場所:基礎タブ ①
ハルカ
そもそも、なぜ海外子会社の所得を日本で課税するんですか。
先生
図の左を見てごらん。日本の税率は約30%。税率10%の国の子会社に利益を移して溜めておけば、配当しない限り日本では課税されないよね。それではグループ全体の税が下がってしまうんだ。
迷いポイント 配当しなければ、ずっと日本の税はかからない?
ハルカ
配当しなければ、ずっと安全ということですよね。
先生
それが、そうではないのだよ。図の右のとおり、条件に当たる子会社の所得は、配当されたかどうかに関係なく親会社の所得に合算して日本で課税するんだ。現地で払った税は、外国税額控除で差し引くよ。
ハルカ
子会社に利益を溜めておく作戦、私の「冷蔵庫の奥にプリンを隠しておく作戦」と同じ発想ですね。
先生
CFC税制は、その冷蔵庫を毎年開けて中身を数える制度なんだよ。
💡 そうだったのか!
税負担の軽い子会社の所得は、配当しなくても親会社に合算して日本で課税。現地の税は外国税額控除で調整します。
📗 基礎 ② ラボの図
① 外国関係会社?日本側50%超② 納税義務者?自社10%以上③ ペーパー等?特定外国関係会社④ 租税負担割合20%/27%の線⑤ 経済活動基準4つのテスト⑥ 合算の方法全部/部分/なしどの会社も同じ順番。①②で外れれば終わり、③④⑤で「会社単位で合算/部分合算/合算なし」に分かれる
租税負担割合の物差し(法定税率ではない)20%未満:合算の検討20〜27%27%以上:免除0%10%20%27%35%この会社 10%▶ 特定外国関係会社(ペーパー等)27%未満なら 会社単位で合算対象外国関係会社(経済活動基準×)20%未満なら 会社単位で合算部分対象外国関係会社(経済活動基準○)20%未満なら 受動的所得だけ部分合算→ 会社単位で合算:450
判定の順番 単位:百万円
ステップ見るもの結果
① 外国関係会社か日本側の保有割合 100%当たる(50%超)
② 自社は納税義務者か自社の保有割合 100%当たる(10%以上)
③ ペーパーカンパニー等かペーパー 該当/キャッシュボックス 非該当/ブラックリスト 非該当特定外国関係会社
④ 租税負担割合税 50 ÷(所得 500 + 非課税 0)10%(線は 27%)
⑤ 経済活動基準事業基準×・実体基準×・管理支配基準×・非関連者基準○(特定なので判定しない)
⑥ 合算の方法特定外国関係会社(ペーパーカンパニー等)会社単位の合算
基礎 ②

判定の6ステップ ── いつも同じ順番で

📍 ラボの場所:基礎タブ ②
ハルカ
どの子会社が合算されるのか、見分け方が難しそうです。
先生
順番はいつも同じなんだ。図のとおり、①外国関係会社か、②自社は納税義務者か、③ペーパーカンパニー等か、④租税負担割合、⑤経済活動基準、⑥合算の方法。この6ステップで「会社単位で合算」「部分合算」「合算なし」のどれかに決まるよ。
迷いポイント 免除の線は、どの会社も同じ?
ハルカ
税負担が20%以上なら、どの会社も免除ですよね。
先生
ペーパーカンパニーなどの「特定外国関係会社」だけは27%が線なんだ。事例Aは租税負担割合10%のペーパーカンパニーだから、会社単位で 450 を合算するよ。
💡 そうだったのか!
判定は6ステップの順。免除の線は、特定外国関係会社が27%、それ以外は20%です。
📗 基礎 ③ ラボの図
事例A(外国関係会社)自社 100%事例G(合弁)日本側 45%現地企業 55%S2(持分8%)他の日本企業 52%現地 40%50%自社8%① 日本側(居住者・内国法人等)の合計が50%超 → 外国関係会社② そのうえで自社が10%以上(または実質支配) → 自社が合算の納税義務者
基礎 ③

外国関係会社と納税義務者 ── 50%超と10%以上

📍 ラボの場所:基礎タブ ③
ハルカ
自社が少しでも出資している海外の会社は、全部対象になるんですか。
先生
2段階で見るんだ。図のとおり、まず日本側(居住者・内国法人など)の合計で50%超を持つ外国法人が「外国関係会社」。そのうえで自社が10%以上を持っていれば、自社が合算の納税義務者になるよ。
迷いポイント 自社が10%以上なら、必ず対象?
ハルカ
事例Gの合弁会社は自社が45%持っているので、対象ですよね。
先生
日本側の合計が45%で50%以下だから、そもそも外国関係会社に当たらないんだ。税率が低くても合算はないよ。逆に日本側60%でも自社が8%なら、自社は納税義務者に当たらないんだ。
💡 そうだったのか!
まず日本側の合計50%超(外国関係会社)、次に自社10%以上(納税義務者)。実質支配があれば持分にかかわらず対象です。
📗 基礎 ④ ラボの図
分母課税所得 600非課税所得 400分子外国法人所得税 150租税負担割合 = 150 ÷(600 + 400)= 15%法定税率 25% でも、非課税所得を分母に足すので 15% まで下がる
租税負担割合の計算(別表十七(三)付表2のイメージ・簡略) 単位:百万円
項目金額・割合メモ
本店所在地国の法令による所得 ①600
+ 非課税所得(配当等を除く)②400分母に足す
分母(① + ②)1,000
外国法人所得税 ③150
租税負担割合(③ ÷ 分母)15%法定税率は 25%
免除の線20%それ以外は20%
判定線未満 → 合算の検討へ
基礎 ④

租税負担割合 ── 法定税率ではない

📍 ラボの場所:基礎タブ ④
ハルカ
事例Bの販売会社は法定税率25%の国にあります。20%以上だから、合算はないですよね。
先生
判定に使うのは法定税率ではなく租税負担割合なんだ。図のとおり、税 150 を、課税所得 600 に非課税所得 400 を足した 1,000 で割るよ。150 ÷ 1,000 = 15%。20%を下回るんだ。
迷いポイント 法定税率25%なのに、なぜ15%になる?
ハルカ
税率25%の国で、どうして15%になるんですか。
先生
優遇税制で所得の一部が非課税になっているからだよ。非課税所得を分母に足すから、実際の負担割合は法定税率より低くなるんだ。
ハルカ
法定税率と実際の負担が違うなんて。値札と、閉店前のタイムセールの値段くらい違います。
先生
値札(法定税率)ではなく、レジで実際に払った額(租税負担割合)で判定する、ということだね。
💡 そうだったのか!
判定は租税負担割合(税 ÷(所得 + 非課税所得))。法定税率が20%超でも下回ることがあります。
⏱ 30秒だけラボで試す
  1. リンクからシミュレーションを開く(事例Bが入っています)
  2. 「非課税所得」を 400 → 100 に変える

👀 租税負担割合は 15% → 21.4% に上がり、20%以上なので適用免除。合算額は 48 → 0 になります。

ラボを開く ▶
📗 基礎 ⑤ ラボの図
租税負担割合の物差し(法定税率ではない)20%未満:合算の検討20〜27%27%以上:免除0%10%20%27%35%この会社 22%▶ 特定外国関係会社(ペーパー等)27%未満なら 会社単位で合算対象外国関係会社(経済活動基準×)20%未満なら 会社単位で合算部分対象外国関係会社(経済活動基準○)20%未満なら 受動的所得だけ部分合算→ 会社単位で合算:312
経済活動基準と特定外国関係会社の判定
テスト結果内容
事業基準×株式保有・IP提供・船舶等の貸付が主たる事業でない
実体基準×本店所在地国に事務所等の固定施設
管理支配基準×本店所在地国で自ら管理・支配・運営
非関連者基準/所在地国基準○業種により、非関連者との取引が主か/所在地国で事業
ペーパーカンパニー(実体基準も管理支配基準も×)該当持株会社などの例外は考えない
キャッシュボックス(判定用の特定所得÷総資産 16.7%・有価証券等の資産÷総資産 93.3%)非該当30%超 かつ 50%超で該当(保険会社の類型は別要件・考えない)
基礎 ⑤

ペーパーカンパニー等 ── 免除の線は27%

📍 ラボの場所:基礎タブ ⑤
ハルカ
「特定外国関係会社」は、どんな会社ですか。
先生
ペーパーカンパニー、事実上のキャッシュボックス、ブラックリスト国の会社の3つだよ。ペーパーカンパニーは、現地に事務所もなく(実体基準×)、現地で経営判断もしていない(管理支配基準×)会社なんだ。この3つは免除の線が27%になるよ。
迷いポイント 租税負担割合が22%なら免除?
ハルカ
事例Dは租税負担割合22%なので、20%以上で免除ですよね。
先生
事例Dはペーパーカンパニーだから、線は27%なんだ。図のとおり、22%は27%未満で、会社単位で 312 を合算するよ。事例Dで実体基準・管理支配基準を満たせば、ペーパーカンパニーに当たらず、キャッシュボックスなどほかの特定外国関係会社の要件にも当たらないから、線は20%。22%なら免除になるんだ。実体があってもキャッシュボックスなどに当たれば、線は27%のままだよ。
ハルカ
ペーパーカンパニーって、紙でできた小さな会社を想像して、ちょっと可愛いと思っていました。
先生
可愛くても、27%未満なら合算されるんだよ。
💡 そうだったのか!
ペーパーカンパニー等(特定外国関係会社)は27%未満で会社単位の合算。20%の線は使えません。
⏱ 30秒だけラボで試す
  1. シミュレーションを開く(事例Dが入っています)
  2. 「実体基準」を ×満たさない → ○満たす に変える

👀 ペーパーカンパニーではなくなり(事業基準・管理支配基準は×のまま)、線が20%に。22%は20%以上なので、合算額は 312 → 0 になります。

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📗 基礎 ⑥ ラボの図
事業基準何を主たる事業にしているか○ 満たす実体基準現地に事務所・店舗・工場○ 満たす管理支配基準現地で自ら経営判断○ 満たす非関連者/所在地国基準取引の相手・事業の場所× 満たさない4つすべて○ → 部分対象外国関係会社(受動的所得だけ部分合算)1つでも× → 対象外国関係会社(租税負担割合20%未満なら会社単位で合算)
経済活動基準と特定外国関係会社の判定
テスト結果内容
事業基準○株式保有・IP提供・船舶等の貸付が主たる事業でない
実体基準○本店所在地国に事務所等の固定施設
管理支配基準○本店所在地国で自ら管理・支配・運営
非関連者基準/所在地国基準×業種により、非関連者との取引が主か/所在地国で事業
ペーパーカンパニー(実体基準も管理支配基準も×)非該当持株会社などの例外は考えない
キャッシュボックス(判定用の特定所得÷総資産 0.5%・有価証券等の資産÷総資産 10%)非該当30%超 かつ 50%超で該当(保険会社の類型は別要件・考えない)
会社単位の合算の金額(別表十七(三の二)のイメージ・簡略) 単位:百万円
項目金額メモ
決算に基づく所得(税引前)300
− 差し引く配当等(持株25%以上の子会社配当など)0
= 基準所得金額(簡略)300
− 前7年内の欠損金0
− 外国法人所得税△36
適用対象金額(下限0)264
× 自社の保有割合(請求権勘案)100%
課税対象金額264親会社の益金に算入
基礎 ⑥

経済活動基準 ── 4つのテスト

📍 ラボの場所:基礎タブ ⑥
ハルカ
事務所も従業員もある事例Cの卸売会社なら、合算はないですよね。
先生
経済活動基準の4つのテストを全部見るんだ。図のとおり、事例Cは事業・実体・管理支配は○だけれど、売上のほとんどが日本の親会社向けで、仕入れもほとんどが関連者から。卸売業は販売・仕入のどちらかで非関連者との取引が50%超なら満たせるけれど、事例Cはどちらも50%以下だから非関連者基準が×なんだよ。
迷いポイント 1つだけ×でも、会社単位で合算?
ハルカ
4つのうち3つ○なら、ほぼ合格ですよね。
先生
1つでも×なら「対象外国関係会社」で、租税負担割合が20%未満なら会社単位の合算なんだ。事例Cは12%だから、所得 300 から税 36 を引いた 264 を合算するよ。
💡 そうだったのか!
経済活動基準は4つとも○で部分対象。1つでも×なら、実体があっても会社単位の合算です。
⏱ 30秒だけラボで試す
  1. シミュレーションを開く(事例Cが入っています)
  2. 「非関連者/所在地国」を ×満たさない → ○満たす に変える

👀 4つとも○で部分対象外国関係会社に。受動的所得 10 は2,000万円以下なので少額免除で、合算額は 264 → 0 になります。

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📗 基礎 ⑦ ラボの図
税引前所得事業の所得(能動的)940受動的所得 60合算するのは受動的所得だけ配当・利子・使用料・有価証券の譲渡益など60 × 合算割合 80% = 48少額免除(どちらか)① 2,000万円(20百万円)以下② 税引前所得の5%以下(50)
部分合算の金額(別表十七(三の三)のイメージ・簡略) 単位:百万円
項目金額メモ
部分適用対象金額(受動的所得の合計)60
少額免除①:2,000万円(20百万円)以下非該当
少額免除②:税引前所得 1,000 の5%(50)以下非該当
× 自社の保有割合(請求権勘案)80%
部分課税対象金額48親会社の益金に算入
基礎 ⑦

部分合算 ── 実体があっても受動的所得は合算

📍 ラボの場所:基礎タブ ⑦
ハルカ
事例Bは経済活動基準を全部満たしています。それなら合算はないですよね。
先生
会社単位の合算はないけれど、租税負担割合が20%未満なら、配当・利子・使用料などの受動的所得だけを合算するんだ。部分合算と呼ぶよ。図のとおり、受動的所得 60 × 持分80% = 48 だよ。
迷いポイント 受動的所得が少なくても合算?
ハルカ
受動的所得が少しでもあれば、必ず合算されるんですか。
先生
少額免除があるんだ。2,000万円(20百万円)以下か、税引前所得の5%以下なら合算しないよ。事例Bは税引前所得 1,000 の5%が 50 で、60 はそれを超えているんだ。
ハルカ
実体がある会社なら安心だと思って、この節は飛ばそうとしていました。
先生
飛ばしていたら、48 の合算を見落とすところだったね。
💡 そうだったのか!
実体があっても、租税負担割合20%未満なら受動的所得だけ部分合算。2,000万円以下・5%以下なら免除です。
⏱ 30秒だけラボで試す
  1. シミュレーションを開く(事例Bが入っています)
  2. 「受動的所得」を 60 → 45 に変える

👀 45 は税引前所得 1,000 の5%(50)以下なので少額免除。合算額は 48 → 0 になります。

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📗 基礎 ⑧ ラボの図
税引前所得500−外国法人所得税50=適用対象金額450×持分 100%= 450子会社の決算X1年12月末4か月を経過する日X2年4月末親会社で合算X3年3月期令和7年度改正で「2か月」→「4か月」。子会社の決算を集計する時間が延びた
会社単位の合算の金額(別表十七(三の二)のイメージ・簡略) 単位:百万円
項目金額メモ
決算に基づく所得(税引前)500
− 差し引く配当等(持株25%以上の子会社配当など)0
= 基準所得金額(簡略)500
− 前7年内の欠損金0
− 外国法人所得税△50
適用対象金額(下限0)450
× 自社の保有割合(請求権勘案)100%
課税対象金額450親会社の益金に算入
子会社の事業年度終了X1年12月末
翌日から4か月を経過する日X2年4月末
それを含む親会社の事業年度X3年3月期

令和7年度改正で「2か月」から「4か月」に延びました(内国法人の令和7年4月1日以後開始事業年度から。経過措置あり)。

基礎 ⑧

合算額と合算の時期 ── 4か月後を含む親会社の年度

📍 ラボの場所:基礎タブ ⑧
ハルカ
会社単位の合算額は、子会社の利益そのままですか。
先生
図のとおり、税引前所得 500 から外国法人所得税 50 を引いた適用対象金額 450 に、自社の持分を掛けるんだ。事例Aは100%だから 450 だよ。欠損金があれば、それも差し引くんだ。
迷いポイント 子会社の決算年度に合算?
ハルカ
子会社の12月決算の利益は、親会社のその年度に足すんですよね。
先生
子会社の決算日の翌日から4か月を経過する日を含む親会社の年度なんだ。12月決算なら4月末を含むから、3月決算の親会社では翌年度になるよ。令和7年度改正で2か月から4か月に延びたんだ。
💡 そうだったのか!
合算額は適用対象金額 × 持分。時期は子会社の決算から4か月後を含む親会社の年度です。
⏱ 30秒だけラボで試す
  1. シミュレーションを開く(事例Aが入っています)
  2. 「子会社の決算月」を 12月 → 3月 に変える

👀 4か月を経過する日は 7月末になり、合算する親会社の年度は X3年3月期 → X2年3月期 に早まります。

ラボを開く ▶
📗 基礎 ⑨ ラボの図
X2期:合算課税対象金額 450外国税額控除みなし納付 50(益金にも算入)X3期:配当を受取同じ利益から益金不算入特定課税対象金額の範囲二重課税を防ぐ① 現地の税→ 外国税額控除② 後の配当→ 合算済みの分は益金に入れない
二重課税の調整と日本での追加負担(概算) 単位:百万円
項目金額メモ
課税対象金額(益金に算入)①450
みなし納付外国法人税(外国法人所得税 × 課税対象金額 ÷ 適用対象金額)②50措法66条の7①
+ ② の益金算入(外国税額控除を受ける場合)50措法66条の7②
所得の増加(① + ②)500
日本の税(所得の増加 × 実効税率 30%)150概算
外国税額控除(② と日本の税の小さい方)50控除限度額の計算は省略
日本での追加負担(概算)100

外国税額控除を受けるときは、控除対象外国法人税の額とみなされた金額(②)も益金に算入します(措法66条の7②)。外国税額控除を受けない場合は②の益金算入はありません。この表は学習用の概算で、申告額の計算には使えません。申告では、別表十七(三の五)などで控除対象外国法人税額を計算し、法人税の外国税額控除の控除限度額の計算も行います。

合算した所得を後で配当として受け取ったときは、特定課税対象金額の範囲で配当を益金不算入にして二重課税を防ぎます(措法66条の8・別表十七(三の七))。

別表四の抜粋 単位:百万円
区分項目金額処分
加算外国関係会社に係る課税対象金額等の益金算入額450流出
加算課税対象金額等に係る外国法人税(みなし納付分)の益金算入額(措法66条の7②)50流出

会計の処理は変わりません(子会社の利益は親会社の損益計算書に出ていない)。合算は申告書だけで行います。

基礎 ⑨

二重課税の調整 ── 外国税額控除と配当の益金不算入

📍 ラボの場所:基礎タブ ⑨
ハルカ
合算されたら、現地の税と日本の税を二重に払うことになりませんか。
先生
2つの調整があるんだ。合算に対応する現地の税は、親会社が払ったものとみなして外国税額控除。後で同じ利益から配当を受けたときは、合算済みの分を益金に入れないんだよ。
迷いポイント 日本での追加の税は、合算額 × 税率?
ハルカ
事例Aの追加の税は、450 × 30% = 135 から、現地の税 50 を引いた 85 ですか。
先生
外国税額控除を受けるときは、控除の対象になる 50 も益金に足すんだ。だから(450 + 50)× 30% = 150 から 50 を引いて、学習用の概算で 100 なんだよ。申告では別表で控除対象外国法人税額や控除できる上限を計算するから、この数字は申告額には使えないよ。上限の考え方は外国税額控除ラボで確かめられるよ。
💡 そうだったのか!
二重課税は外国税額控除(現地の税)と配当の益金不算入(後の配当)で調整。控除を受ける現地の税は益金にも算入します。

今日の内容を、ラボで確かめてみませんか?

この記事の図は、すべて外国子会社合算税制ラボの画面そのものです。基礎タブを開けば、同じ図を見ながら読み返せます。

外国子会社合算税制ラボを開く ▶

今日のまとめ ── 迷いポイント早見表

迷いポイント答えラボ
配当しなければ日本の税はかからない?条件に当たれば配当しなくても合算①
免除の線はどの会社も20%?特定外国関係会社は27%②⑤
自社10%以上なら必ず対象?日本側の合計50%超が先(事例Gは対象外)③
法定税率25%なら免除?租税負担割合で判定(事例B:15%)④
22%なら免除?ペーパーカンパニーは27%未満で合算(事例D)⑤
経済活動基準1つだけ×なら?会社単位の合算(事例C:264)⑥
実体があれば合算なし?受動的所得は部分合算(事例B:48)⑦
子会社の決算年度に合算?決算から4か月後を含む親会社の年度⑧
現地と日本で二重課税?外国税額控除と配当の益金不算入で調整⑨
おわりに

今日のふりかえり

先生
今日のまとめだよ。判定は6ステップの順番。免除の線は租税負担割合で見て、ペーパーカンパニー等は27%、それ以外は20%。実体があっても受動的所得は部分合算されるんだ。
ハルカ
実家の猫のこむぎのおやつ代の貯金箱を、妹が自分の部屋で管理しているんです。妹の部屋にあっても、中身は家族みんなのお金です。
先生
個人の家計に税法は要らないけれど、考え方の練習にはちょうどいいね。置き場所が別でも、家族全体で中身を見る。CFCの発想に近いね。
ハルカ
では今年から、貯金箱の中身を毎年数えて、家族の申告に合算します。
先生
こむぎも驚くだろうね。次の応用編では、判定の細目や最近の改正、ほかの制度とのつながりを見ていこうか。

参考資料

租税特別措置法66条の6〜66条の9/同施行令39条の14〜39条の20/国税庁 別表十七(三)〜十七(三の七)/国税庁「令和7年度 法人税関係法令の改正の概要」。ラボの数値はすべて独自の学習用で、単位は百万円、計算は簡略化しています(法令確認日:2026年9月29日)。
このシリーズの記事:応用編
サイト内の関連:外国子会社合算税制(CFC税制)とは?|租税負担割合と判定6ステップ/外国税額控除ラボ/国際税務 全体像ナビ

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この記事を書いた人

TaxJudge編集部|公認会計士・税理士(実務25年)による企画・監修。会計基準・税法・裁決・有価証券報告書などの一次情報をもとに、検索できるデータベースと計算・判定・文書作成ツールを制作しています。