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利子控除制限ラボ【基礎編】|先生と一緒に図で学ぶ過少資本税制・過大支払利子税制

利子控除制限ラボ【基礎編】|先生と一緒に図で学ぶ過少資本税制・過大支払利子税制

無料の学習ツール「利子控除制限ラボ」の読み方ガイドです。ラボの基礎タブを上から順に、先生と生徒の会話形式で見ていきます。各行の図はラボの図そのものです。重要な節の最後には、ラボで30秒だけ手を動かす小さな実習を置いています。

今日の事例
事例C Y社(単位:百万円)
海外の親会社(持分100%)からの借入(平均残高)9,000
海外の銀行からの借入(平均残高)4,000
利率(どちらも)4%
自己資本の額2,500
所得金額 / 減価償却費1,200 / 600
はじめに

今日の題材 ── 親会社から借りているY社

📍 ラボの場所:基礎タブ全体
ハルカ
先生、外資系の子会社の担当になりました。親会社からの借入の利子は、普通に損金でいいんですよね。
先生
普通は損金なんだけれど、借入が多すぎたり、利子が利益に比べて重すぎたりすると、一部が損金にならないんだ。最初は事例CのY社で考えようか。親会社から 9,000、海外の銀行から 4,000 を借りていて、利率はどちらも 4% だよ。数字は学習用で、単位は百万円なんだ。
ハルカ
利子は 9,000 × 4% = 360 と、4,000 × 4% = 160 で、合わせて 520 ですね。
先生
そのとおりだよ。表を手元に置いて、ラボの「基礎」タブを上から順に読んでいこうか。最後には、520 のうちいくらが損金にならないか、なぜそうなるのかが分かるようになるよ。
ラボの基礎タブを開きながら読むと分かりやすいですラボで開く ▶
📗 基礎 ① ラボの図
出資で資金を入れる借入で資金を入れる海外の親会社日本の子会社出資配当で返す配当は損金にならない日本の課税所得は減らない海外の親会社日本の子会社貸付利子で返す利子は損金になる日本の課税所得が減る
基礎 ①

なぜ利子を制限するのか ── 出資の代わりに借入

📍 ラボの場所:基礎タブ ①
ハルカ
そもそも、なぜ利子が損金にならないことがあるんですか。
先生
図を見比べてごらん。親会社が子会社にお金を入れる方法は2つあるんだ。出資なら配当で返すから、日本の子会社の損金にはならない。貸付なら利子で返すから、損金になるよ。
迷いポイント 同じお金でも、貸付にすると日本の税が減る?
ハルカ
同じお金なのに、出資を貸付に変えるだけで日本の税金が減るんですか。
先生
そうなんだ。利子の分だけ日本の課税所得が減るよ。受け取る国の税率が低ければ、グループ全体の税も減るんだ。
ハルカ
同じお金に「配当」と「利子」の2つの名札を付け替えるだけ…。手品の種明かしを見た気分です。
先生
種が知られているから、物差しが2本用意されているんだよ。次の節で、その2本を並べて見ようか。
💡 そうだったのか!
出資なら配当(損金にならない)、貸付なら利子(損金になる)。借入に頼りすぎた分の利子を止めるのが、過少資本税制と過大支払利子税制です。
📗 基礎 ② ラボの図
物差し① 過少資本税制借入の量 を 資本持分 と比べる資本持分×37,500超過 1,500親会社等からの借入9,000否認(計算上)60物差し② 過大支払利子税制利子の量 を 利益(調整所得)と比べる調整所得×20%464超過 56対象純支払利子等520否認(計算上)56→ 大きい方の 過少資本税制 60 を損金不算入
基礎 ②

2本の物差し ── 測るものが違う

📍 ラボの場所:基礎タブ ②
ハルカ
2本の物差しは、何を測っているんですか。
先生
図の左が過少資本税制。親会社からの借入 9,000 を、資本持分 2,500 の3倍、7,500 と比べるんだ。右が過大支払利子税制。純支払利子 520 を、調整所得 2,320 の20%、464 と比べるよ。
迷いポイント 片方の物差しをクリアすれば安心?
ハルカ
借入を3倍以内に収めれば、もう心配はないですよね。
先生
それが、そうではないのだよ。左は「借入の量」を資本と、右は「利子の量」を利益と比べるから、片方をクリアしても他方で引っかかることがあるんだ。事例Cは左で 60、右で 56 の否認が計算されるよ。
💡 そうだったのか!
過少資本税制は借入の量 ÷ 資本持分、過大支払利子税制は利子の量 ÷ 調整所得。測るものが違う2本の物差しです。
📗 基礎 ③ ラボの図
資本持分×31,500 × 3 = 4,500親会社等の借入超過 1,5006,000否認する利子 = 利子等 180 × 超過 1,500 ÷ 借入 6,000 = 45借入のうち「3倍を超えた部分」に対応する利子だけを否認する
過少資本税制の計算(別表十七(一)のイメージ・抜粋) 単位:百万円
項目金額メモ
国外支配株主等及び資金供与者等に対する負債の平均残高 ①6,000
自己資本の額 × 国外支配株主等の持分割合(100%)= 資本持分 ②1,500
② × 倍率(3倍)③4,500原則3倍
判定1:① > ③ か(①÷② = 4倍)超える
総負債の平均残高 ④ / 自己資本の額 × 倍率 ⑤6,500 / 4,500ただし書
判定2:④ > ⑤ か(④÷自己資本 = 4.3倍)超える
平均負債残高超過額(① − ③)1,500
国外支配株主等及び資金供与者等に支払う負債の利子等 ⑥180
損金不算入額(計算上)= ⑥ × 超過額 ÷ ①45180 × 1,500 ÷ 6,000
基礎 ③

過少資本税制 ── 資本持分の3倍を超える借入

📍 ラボの場所:基礎タブ ③
ハルカ
過少資本税制は、親会社からの借入が多い事例Aの話ですね。
先生
事例Aは、親会社(持分100%)から 6,000 を借りていて、自己資本は 1,500 だよ。資本持分は 1,500 × 100% = 1,500、その3倍が 4,500。図のとおり、借入はそれを 1,500 超えているんだ。
迷いポイント 3倍を超えたら、利子が全部否認される?
ハルカ
3倍を超えたら、利子 180 が全部ダメになるんですか。
先生
否認されるのは、超えた部分に対応する利子だけだよ。180 × 1,500 ÷ 6,000 = 45 なんだ。会社全体の総負債 6,500 も自己資本の3倍 4,500 を超えているから、適用になるよ。
ハルカ
パン屋で、トレーの3倍の量を積もうとしていた私のことを言われている気がします。
先生
トレーからはみ出た分だけが問題になる、というところまで同じだよ。残高は期中の平均残高で見るから、期末だけ返しても効かないんだ。
💡 そうだったのか!
否認額は利子等 × 超過額 ÷ 借入(事例A:45)。3倍を超えた部分に対応する利子だけが損金になりません。
⏱ 30秒だけラボで試す
  1. リンクからシミュレーションを開く(事例Aが入っています)
  2. 「自己資本の額」を 1,500 → 2,000 に変える

👀 資本持分の3倍が 6,000 になり、借入 6,000 とちょうど同じ。「超える」に当たらないので、過少資本税制の否認は 45 → 0 になります。

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📗 基礎 ④ ラボの図
調整所得金額2,160所得金額 900純支払利子 560償却費等 70020% = 432対象純支払利子等560損金OK 432超過 128純支払利子が調整所得の20%を超えた 128 が損金不算入(適用免除に当たらなければ)所得に利子と償却費を足し戻す=EBITDAに近い「利子を払う力」
過大支払利子税制の計算(別表十七(二の二)のイメージ・抜粋) 単位:百万円
項目金額メモ
支払利子等の額の合計700
 うち対象外支払利子等(受け手で日本の課税所得に含まれる利子など)△100
対象支払利子等合計額 ①600付表1
控除対象受取利子等合計額 ②△40付表2
対象純支払利子等の額 ③(① − ②)560
所得金額(本制度・過少資本・欠損金などを適用する前)900
+ 対象純支払利子等 + 減価償却費・貸倒損失等560 + 700
調整所得金額 ④(0未満は0)2,160
④ × 20% ⑤432
超える部分の金額(③ − ⑤)128
適用免除①:③ ≦ 2,000万円(20百万円)非該当
適用免除②:国内グループで(純支払 − 純受取)≦(調整所得 − 調整損失)×20%非該当(または未確認)入力で選択
損金不算入額(計算上)128
基礎 ④

過大支払利子税制 ── 調整所得金額の20%

📍 ラボの場所:基礎タブ ④
ハルカ
事例Bの会社には、海外の親会社がいません。それでも利子が否認されるんですか。
先生
過大支払利子税制は、相手が親会社かどうかを問わないんだ。事例Bの調整所得は、所得 900 + 純支払利子 560 + 減価償却費 700 = 2,160。その20%は 432 だよ。図のとおり、純支払利子 560 はそれを 128 超えているんだ。
迷いポイント 調整所得は、ふつうの所得金額と同じ?
ハルカ
調整所得って、所得金額 900 のことですよね。
先生
所得金額に、利子と減価償却費などを足し戻した額なんだ。利子を払う前・償却の前の「利子を払う力」を見るから、EBITDA に近いよ。ただ、会計の EBITDA とは一致しないんだ。
💡 そうだったのか!
対象純支払利子等 > 調整所得金額 × 20% なら、超えた部分(事例B:128)が損金不算入。相手が第三者でもかかります。
⏱ 30秒だけラボで試す
  1. シミュレーションを開く(事例Bが入っています)
  2. 「所得金額」を 900 → 1,500 に変える

👀 調整所得は 2,760、20%は 552 になり、過大支払利子税制の否認は 128 → 8 に減ります。利益が増えると枠が広がります。

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📗 基礎 ⑤ ラボの図
支払利子等負債の利子・保証料など対象外支払利子等受け手で日本の課税所得に含まれる例:国内の銀行・国内の会社への利子対象支払利子等(国外の銀行・親会社・社債など)-受取利子等対象純支払利子等20%の物差しで測る平成31年度(令和元年)改正で、関連者以外(第三者)への利子も対象になったただし受け手の側で日本の課税所得に含まれる利子は対象外(二重に課税しないため)
基礎 ⑤

対象になる利子・ならない利子

📍 ラボの場所:基礎タブ ⑤
ハルカ
過大支払利子税制は、どの利子でも対象になるんですか。国内の銀行への利子もですか。
先生
受け手の側で日本の課税所得に含まれる利子は「対象外支払利子等」として外れるんだ。国内の銀行への利子は、ふつうここで外れるよ。事例Bでは、支払利子 700 のうち国内の銀行への 100 が外れるんだ。
迷いポイント 第三者への利子は対象外?
ハルカ
親会社でも関連会社でもない、海外の銀行への利子なら対象外ですよね。
先生
それが、そうではないのだよ。令和元年の改正で、第三者への利子も対象になったんだ。海外の銀行や社債の利子も入るよ。受取利子を引いて、事例Bは 600 − 40 = 560 が対象純支払利子等なんだ。
💡 そうだったのか!
対象は日本で課税されない相手への利子。第三者でも入り、国内の銀行への利子はふつう外れます。
📗 基礎 ⑥ ラボの図
対象純支払利子等を計算① 2,000万円以下?(20百万円以下)はい適用しないいいえ② 国内グループで(純支払−純受取)≦(調整所得−調整損失)×20%?はい適用しないいいえ20%を超える部分を損金不算入※ ②は持株50%超の国内の法人(事業年度が同じもの)を合算して判定
基礎 ⑥

適用免除 ── 2,000万円以下/国内グループの20%基準

📍 ラボの場所:基礎タブ ⑥
ハルカ
小さな会社でも、20%を超えたら否認されるんですか。
先生
適用免除が2つあるんだ。図のとおり、①対象純支払利子等が2,000万円以下、②国内グループの20%基準。どちらかに当たれば適用しないよ。事例Eは純支払利子が 18(1,800万円)だから、計算上の否認 8.4 があっても適用なしなんだ。②は、持株50%超の関係にある国内の法人(事業年度が同じもの)を合算して、純支払利子から純受取利子を引いた額が、調整所得から調整損失を引いた額の20%以下かを見るよ。
迷いポイント 2,000万円以下なら、過少資本税制も免除?
ハルカ
2,000万円以下なら、過少資本税制の方も免除ですよね。
先生
免除があるのは過大支払利子税制だけだよ。過少資本税制には金額の基準がないんだ。
ハルカ
2,000万円で「少額」…。私の知っている少額と、桁が3つくらい違います。
先生
会社の利子の世界では、そこが少額の線なんだよ。免除を受けるには、申告書に書面と明細書を付ける必要もあるんだ。
💡 そうだったのか!
免除は2,000万円以下か国内グループの20%基準(受取利子が多い法人・赤字の法人も差し引いて判定)。過大支払利子税制だけの制度です。
⏱ 30秒だけラボで試す
  1. シミュレーションを開く(事例Eが入っています)
  2. 「支払利子等の合計」を 30 → 40 に変える

👀 対象純支払利子等が 28(2,800万円)になって免除から外れ、過大支払利子税制の否認が 0 → 16.4 になります。

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📗 基礎 ⑦ ラボの図
事例C(所得 1,200)60過少資本56過大支払利子適用:過少資本 60利益が落ちた年(所得 1,000)60過少資本96過大支払利子適用:過大支払利子 96
両制度の調整(大きい方だけを適用) 単位:百万円
過少資本税制過大支払利子税制適用
損金不算入額(計算上)6056過大支払利子 56 ≦ 過少資本 60(措法66条の5の2第6項)
適用される損金不算入額60-過少資本税制を適用(過大支払利子税制は適用しない)
両制度の調整(大きい方だけを適用) 単位:百万円
過少資本税制過大支払利子税制適用
損金不算入額(計算上)6096過少資本 60 < 過大支払利子 96(措法66条の5第4項)
適用される損金不算入額-96過大支払利子税制を適用(過少資本税制は適用しない)
基礎 ⑦

両方かかったら ── 大きい方だけを適用

📍 ラボの場所:基礎タブ ⑦
ハルカ
事例Cは、過少資本で 60、過大支払利子で 56 でした。両方かかったら、どうなるんですか。
先生
大きい方の制度だけを適用するんだ。事例Cは過少資本税制の 60 だよ。同額なら過少資本税制になるんだ。
迷いポイント 否認額は合計する?
ハルカ
両方で否認されたら、60 + 56 = 116 だと思って、電卓を2台用意していました。
先生
1台で足りるよ。大きい方だけだからね。
ハルカ
どちらが適用されるかは、ずっと同じですか。
先生
利益によって変わるんだ。図の右は、事例Cの利益が落ちて所得が 1,000 になった年だよ。過少資本は 60 のままだけれど、過大支払利子が 96 に増えて、こちらが適用されるんだ。
💡 そうだったのか!
両方を計算して大きい方だけを適用(同額なら過少資本)。利益が落ちると、適用が入れ替わることがあります。
⏱ 30秒だけラボで試す
  1. シミュレーションを開く(事例Cが入っています)
  2. 「所得金額」を 1,200 → 1,000 に変える

👀 図の右と同じ状態になります。過少資本は 60 のままですが、過大支払利子が 56 → 96 に増え、適用が過大支払利子税制の 96 に入れ替わります。

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📗 基礎 ⑧ ラボの図
X1期X2期X3期〜否認 128超過利子額が発生繰越損金算入 92余裕 92 の範囲残り繰越 36翌期以降へ発生から7年(令和4年4月〜7年3月開始年度分は10年)余裕 = 調整所得×20% − 対象純支払利子等。余裕がある年に、古い年度の超過利子額から損金に算入
超過利子額の繰越(別表十七(二の三)のイメージ・古い順) 単位:百万円
発生年度期間前期からの残高当期の損金算入翌期へ繰越状態
前1期7年1289236繰越
当期(当期に生じた超過利子額)7年----
計(当期の余裕 92)1289236

当期の余裕 = 調整所得金額 × 20% − 対象純支払利子等(552 − 460、下限0)。この範囲で、古い年度の超過利子額から損金に算入します。

基礎 ⑧

超過利子額の繰越 ── 余裕のある年に取り戻す

📍 ラボの場所:基礎タブ ⑧
ハルカ
否認された利子は、もう取り戻せないんですか。
先生
過大支払利子税制で否認された額は「超過利子額」として7年間繰り越せるんだ。事例Dでは、X1期に 128 が否認されて、X2期は所得が伸びたよ。図のとおり、20%の枠に 92 の余裕ができたから、その範囲で 92 を損金に算入するんだ。
迷いポイント 過少資本税制の否認も繰り越せる?
ハルカ
過少資本税制で否認された利子も、同じように繰り越せますよね。
先生
繰越があるのは過大支払利子税制の超過利子額だけだよ。残りの 36 は翌期以降へ持ち越して、古い年度の分から使うんだ。
💡 そうだったのか!
超過利子額は7年繰越(令和4年4月〜令和7年3月開始年度分は10年)。余裕のある年に、古い分から損金算入します。
⏱ 30秒だけラボで試す
  1. シミュレーションを開く(事例DのX2期が入っています)
  2. 「所得金額」を 1,600 → 1,900 に変える

👀 余裕が 92 → 152 に広がり、繰り越した 128 を全額損金算入。翌期へ繰り越す超過利子額は 36 → 0 になります。

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📗 基礎 ⑨ ラボの図
会計:通常どおり処理(この制度のために仕訳は変えない)別表四(申告書で調整)加算・流出過少資本の損金不算入額別表十七(一)加算・流出対象純支払利子等の損金不算入額別表十七(二の二)減算・※超過利子額の損金算入額別表十七(二の三)
別表四の抜粋 単位:百万円
区分項目金額処分明細書
加算国外支配株主等に係る負債の利子等の損金不算入額60流出別表十七(一)
所得への影響(加算 − 減算)60
別表四の抜粋 単位:百万円
区分項目金額処分明細書
減算超過利子額の損金算入額92※別表十七(二の三)
所得への影響(加算 − 減算)△92
基礎 ⑨

別表四との連動 ── 仕訳は変えず申告で調整

📍 ラボの場所:基礎タブ ⑨
ハルカ
否認された利子は、会計の仕訳も直すんですか。
先生
会計はこの制度のために直さないんだ。図のとおり、申告書の別表四で、損金不算入額を加算するよ。超過利子額を損金算入する年は減算するんだ。建物などの取得価額に入れた利子があると、その分には別の調整が入ることもあるよ。
迷いポイント 否認されたら、その分の税金が全部増える?
ハルカ
事例Cで 60 否認されたら、税金も 60 増えるんですか。
先生
増えるのは所得の方だよ。所得が 60 増えて、黒字の年なら当期の税はおよそ 60 × 実効税率、30% とすると約 18 増えるんだ。赤字の年は当期の税がそのまま増えるのではなく、欠損金が小さくなるよ。
💡 そうだったのか!
仕訳は変えず、別表四で加算(過少資本は十七(一)、過大支払利子は十七(二の二))。超過利子額の損金算入は減算(十七(二の三))。

今日の内容を、ラボで確かめてみませんか?

この記事の図は、すべて利子控除制限ラボの画面そのものです。基礎タブを開けば、同じ図を見ながら読み返せます。

利子控除制限ラボを開く ▶

今日のまとめ ── 迷いポイント早見表

迷いポイント答えラボ
貸付にすると日本の税が減る?利子は損金になるので減る。だから2本の物差しがある①
片方をクリアすれば安心?借入の量と利子の量は別。両方を測る②
3倍を超えたら利子は全部否認?超えた部分に対応する利子だけ(事例A:45)③
調整所得は所得金額と同じ?利子・償却費などを足し戻す(事例B:2,160)④
第三者への利子は対象外?対象。国内の銀行への利子はふつう外れる⑤
2,000万円以下なら過少資本も免除?免除は過大支払利子税制だけ⑥
否認額は合計する?大きい方だけ(事例C:60)⑦
過少資本の否認も繰り越せる?繰越は超過利子額だけ(7年・特例10年)⑧
否認額だけ税金が増える?増えるのは所得。黒字なら税はおよそ × 実効税率、赤字なら欠損金が減る⑨
おわりに

今日のふりかえり

先生
今日のまとめだよ。利子を止める物差しは2本あって、借入の量は資本の3倍、利子の量は調整所得の20%で測る。両方かかったら大きい方だけで、過大支払利子税制の否認分は7年繰り越せるんだ。
ハルカ
妹にプリン代を貸しているんです。利子はプリン1個で、返せない月は翌月に回しています。これも超過利子額の繰越ですね。
先生
個人の貸し借りに税法の利子の制限は関係ないけれど、考え方の練習にはちょうどいいね。ただ、この制度が見ているのは、利益に対して利子が重すぎないか、なんだ。
ハルカ
妹のおこづかいに対してプリン1個は、どう考えても20%を超えています。
先生
妹さんには、余裕のある月に返してもらおうか。次の応用編では、資金供与者等や調整所得の中身、赤字の年の動きを見ていこうか。

参考資料

租税特別措置法66条の5・66条の5の2・66条の5の3/同施行令39条の13・39条の13の2/国税庁 別表十七(一)・十七(二の二)・十七(二の三)。ラボの数値はすべて独自の学習用で、単位は百万円、端数処理は簡便化しています(法令確認日:2026年9月29日)。
このシリーズの記事:応用編
サイト内の関連:過大支払利子税制・過少資本税制とは?|3倍と20%の2つの物差し/国際税務 全体像ナビ/外国税額控除ラボ

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この記事を書いた人

TaxJudge編集部|公認会計士・税理士(実務25年)による企画・監修。会計基準・税法・裁決・有価証券報告書などの一次情報をもとに、検索できるデータベースと計算・判定・文書作成ツールを制作しています。