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外国税額控除ラボ【基礎編】|先生と一緒に図で学ぶ控除限度額・3年繰越・外国子会社配当

外国税額控除ラボ【基礎編】|先生と一緒に図で学ぶ控除限度額・3年繰越・外国子会社配当

無料の学習ツール「外国税額控除ラボ」の読み方ガイドです。ラボの基礎タブを上から順に、先生と生徒の会話形式で見ていきます。各行の図はラボの図そのものです。重要な節の最後には、ラボで30秒だけ手を動かす小さな実習を置いています。

今日の事例
事例A X社(単位:千円)
所得金額(欠損金の控除前)100,000
国外所得(支店 20,000+使用料 5,000)25,000
法人税額(学習用に税率23.2%と仮定)23,200
外国支店の法人税(税率は仮定)4,000
外国から受ける使用料の源泉税(仮定)500
はじめに

今日の題材 ── 海外に支店を持つX社

📍 ラボの場所:基礎タブ全体
ハルカ
先生、海外支店の担当になりました。現地で払った税金は、日本で全部戻ってくるんですよね。
先生
全部とは限らないんだ。最初は事例AのX社で考えようか。現地で払った税は支店の 4,000 と使用料の源泉税 500、合わせて 4,500 だよ。法人税率は学習用に 23.2% と仮定して、端数処理も簡単にしてあるんだ。表を手元に置いて、ラボの「基礎」タブを上から順に読んでいこうか。
ハルカ
4,500 がそのまま法人税から引けたら、話は早いんですけど。
先生
事例Aはきれいに引ける例なんだ。今日の最後には、どこまで引けて、引けない分がどこへ行くのか分かるようになるよ。
ラボの基礎タブを開きながら読むと分かりやすいですラボで開く ▶
📗 基礎 ① ラボの図
日本の親会社全世界の所得に課税① 海外支店現地の法人税② 海外の取引先利子・使用料の源泉税③ 外国子会社(25%以上)配当の源泉税外国税額控除払った税を日本の税から引く(限度額まで・3年繰越)配当の95%を益金不算入源泉税は控除も損金も×
基礎 ①

二重課税と2つの調整 ── 引く(控除)か、課税しない(益金不算入)か

📍 ラボの場所:基礎タブ ①
ハルカ
海外で税金を払ったのに、日本でもまた税金がかかるんですか。
先生
日本の会社は、国外の所得も含めた全世界の所得に課税されるんだ。図のとおり、二重課税の調整には2本の道があるよ。①支店の税と②使用料などの源泉税は外国税額控除で日本の税から引く。利子の源泉税も控除の対象だけれど、利子等には別の制限もあるんだ。③外国子会社からの配当は95%を益金不算入にして、そもそも課税しないよ。
迷いポイント 配当の源泉税も、外国税額控除で戻る?
ハルカ
配当は95%が非課税で、その源泉税も控除できるなら、いちばんお得ですね。
先生
それが、そうではないのだよ。益金不算入の配当に課された源泉税は、控除も損金算入もできないんだ。同じ配当で両方の道は使えないよ。
💡 そうだったのか!
道は所得の種類で決まります。支店や使用料の税は控除(利子等には別途の制限あり)、外国子会社の配当は95%益金不算入で、その源泉税は戻りません。
📗 基礎 ② ラボの図
当期の所得金額 100,000(うち調整国外所得 25,000 = 25%)国内の所得国外法人税額 23,200(全世界の所得に対する税)5,800控除限度額 = 法人税額 × 調整国外所得金額 ÷ 所得金額 = 23,200 × 25% = 5,800「日本の法人税のうち、国外所得に対応する部分」までしか外国税を引けない
控除限度額の計算(別表六(二)のイメージ・抜粋) 単位:千円
項目金額メモ
当期の所得金額(欠損金の控除前)100,000
国外所得金額25,000
 うち外国法人税が課されない国外源泉所得(非課税国外所得)0
調整国外所得金額(所得金額の90% 90,000 が上限)25,000
按分割合(調整国外所得 ÷ 所得金額)25%
法人税額(外国税額控除前)23,200所得×23.2%
法人税の控除限度額(法人税額 × 按分割合)5,800法69①
地方法人税額 → 地方法人税の控除限度額2,389 → 597地方法人税法12条
道府県民税の控除限度額(法人税の限度額 × 1%)58標準税率
市町村民税の控除限度額(法人税の限度額 × 6%)348標準税率
控除限度額の合計(器の大きさ)6,803
基礎 ②

控除限度額 ── 引けるのは「器」の大きさまで

📍 ラボの場所:基礎タブ ②
ハルカ
事例Aの外国税 4,500 は、全部引けるんですか。
先生
引けるのは「控除限度額」までなんだ。図のとおり、法人税額 23,200 のうち、国外所得に対応する部分だけが器になる。所得 100,000 のうち国外が 25,000 だから、23,200 × 25% = 5,800 だよ。
迷いポイント 外国でたくさん払うほど、日本でたくさん戻る?
ハルカ
外国でたくさん払ったら、その分たくさん戻るんですよね。
先生
戻るのは器の大きさまでだよ。器は日本の法人税で決まるから、外国の税率が日本より高いと、器からあふれるんだ。事例Aは 4,500 が 5,800 に収まっているよ。
ハルカ
私のモンステラ用の棚と同じですね。棚板に乗らない鉢は、床に置くしかないです。
先生
床に置いた鉢も、3年は取っておけるよ。それが基礎⑥の繰越なんだ。
💡 そうだったのか!
控除できるのは法人税額 × 調整国外所得 ÷ 所得(事例A:5,800)まで。外国の税率が高いほど、器からあふれやすくなります。
⏱ 30秒だけラボで試す
  1. リンクからシミュレーションを開く(事例Aが入っています)
  2. 「支店の外国法人税」を 4,000 → 7,000 に変える

👀 控除対象は 4,500 → 7,500 に増えますが、当期の控除は器の合計 6,803 で止まり、あふれた 697 が翌期へ繰り越されます。

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📗 基礎 ③ ラボの図
所得金額 50,00090%=45,000国外所得 60,000 - 非課税国外所得 5,000 = 55,000切捨て調整国外所得金額 = 45,000(90%で頭打ち)
控除限度額の計算(別表六(二)のイメージ・抜粋) 単位:千円
項目金額メモ
当期の所得金額(欠損金の控除前)50,000
国外所得金額60,000
 うち外国法人税が課されない国外源泉所得(非課税国外所得)△5,000
調整国外所得金額(所得金額の90% 45,000 が上限)45,00090%で頭打ち
按分割合(調整国外所得 ÷ 所得金額)90%
法人税額(外国税額控除前)11,600所得×23.2%
法人税の控除限度額(法人税額 × 按分割合)10,440法69①
地方法人税額 → 地方法人税の控除限度額1,194 → 1,074地方法人税法12条
道府県民税の控除限度額(法人税の限度額 × 1%)104標準税率
市町村民税の控除限度額(法人税の限度額 × 6%)626標準税率
控除限度額の合計(器の大きさ)12,244
基礎 ③

調整国外所得金額 ── 非課税の国外所得を除き、90%で頭打ち

📍 ラボの場所:基礎タブ ③
ハルカ
国内が赤字で、国外だけで稼いでいる会社なら、法人税の全部が器になりますか。
先生
按分に使うのは「調整国外所得金額」なんだ。図の事例Fでは、国外所得 60,000 から外国で非課税の 5,000 を除いて 55,000。それが所得 50,000 の90%、つまり 45,000 で頭打ちになるよ。
迷いポイント 国外所得が所得を超えたら、割合は100%を超える?
ハルカ
国外が 60,000 で所得が 50,000 なら、120%で器も大きくなりそうです。
先生
90%の上限があるから、割合は最大でも90%なんだ。事例Fの法人税の限度額は、11,600 × 90% = 10,440 だよ。
💡 そうだったのか!
按分には、非課税国外所得を除き、所得の90%で頭打ちにした金額を使います。
⏱ 30秒だけラボで試す
  1. シミュレーションを開く(事例Fが入っています)
  2. 「国外所得金額」を 60,000 → 40,000 に変える

👀 調整国外所得は 35,000(70%)になり、器の合計は 12,244 → 9,523。控除対象 11,000 が収まらず、1,477 が限度超過額になります。

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📗 基礎 ④ ラボの図
支店所在国の課税所得 20,000 に対する外国法人税 8,000(税率40%)控除対象になりうる 7,000(=20,000×35%)1,00035%のライン高率負担部分35%を超える部分は「控除対象外国法人税」から外れる → 税額控除できない代わりに損金になる
外国で払った税の区分(別表六(二の二)・六(四)のイメージ・抜粋) 単位:千円
外国税払った額高率負担部分(35%超・対象外)益金不算入配当の源泉税(対象外)控除対象外国法人税
支店等の外国法人税8,0001,000-7,000
利子・使用料などの源泉税500--500
計8,5001,000-7,500=控除対象
基礎 ④

控除対象外国法人税 ── 払った税が全部対象になるわけではない

📍 ラボの場所:基礎タブ ④
ハルカ
事例Bの支店は、現地で 8,000 も払っています。全部が控除の対象ですか。
先生
課税標準 20,000 の35%、つまり 7,000 を超える 1,000 は「高率負担部分」で、控除の対象から外れるんだ。図の灰色の部分だよ。使用料の源泉税 500 を足して、控除対象は 7,500 になるよ。
迷いポイント 高率負担部分は、捨てるしかない?
ハルカ
対象から外れた 1,000 は、どこにも行き場がないんですか。
先生
税額控除はできないけれど、損金にはなるんだ。控除対象外国法人税ではないから、別表四で加算もしないよ。租税条約の限度税率を超えて取られた部分も、同じように控除の対象から外れるんだ。
ハルカ
頑張りすぎた分が報われないなんて…。部活で張り切りすぎて、翌日に筋肉痛で休んだ私みたいです。
先生
報われないのは税額控除だけだよ。損金として所得は減らしてくれるから、安心していいよ。
💡 そうだったのか!
課税標準の35%を超える部分は控除対象外で、損金になります。
⏱ 30秒だけラボで試す
  1. シミュレーションを開く(事例Bが入っています)
  2. 「支店の外国法人税」を 8,000 → 9,000 に変える

👀 高率負担部分は 1,000 → 2,000 に増えますが、控除対象は 7,500、当期の控除は 6,803 のまま。払った税が増えても、控除は増えません。

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📗 基礎 ⑤ ラボの図
控除限度額(器)合計 6,803法人税 5,800外国で払った税合計 8,500当期に控除 6,803器のふち器からあふれた 697 は「控除限度超過額」として3年繰り越します
当期の控除の順序(控除対象外国法人税 7,500 を上から順に充てる) 単位:千円
税目充てる前の残り控除限度額控除する額残り
① 法人税7,5005,8005,8001,700
② 地方法人税1,7005975971,103
③ 道府県民税(法人税割)1,10358581,045
④ 市町村民税(法人税割)1,045348348697
当期の控除の計 / 控除しきれない額(控除限度超過額)6,8036,803697→ 繰越へ
基礎 ⑤

控除の順序 ── 法人税 → 地方法人税 → 住民税 → 繰越へ

📍 ラボの場所:基礎タブ ⑤
ハルカ
事例Bの 7,500 は、法人税の器 5,800 を超えています。残りは諦めるんですか。
先生
次の器に順に入れていくんだ。図のとおり、法人税 5,800 → 地方法人税 597 → 道府県民税 58 → 市町村民税 348。合わせて 6,803 まで当期に控除できるよ。
迷いポイント 事業税からも引ける?
ハルカ
地方税なら、事業税からも引けるんですよね。
先生
事業税からは引かないんだ。国外のPE(恒久的施設)を通じて行う事業に帰属する所得は、そもそも事業税の課税標準から除くからだよ。
ハルカ
7,500 - 6,803 = 697 が、あふれた分ですね。
先生
そう、それが「控除限度超過額」なんだ。次の節で、この 697 の行き先を見ようか。
💡 そうだったのか!
控除は法人税 → 地方法人税 → 住民税の順。事業税からは引きません。
📗 基礎 ⑥ ラボの図
X1期(事例B)控除対象 7,500 > 限度額合計 6,803→ 限度超過額 697 を繰越(法人税から引けなかった外国税)X2期(外国税が少ない年)法人税の限度額 4,640 > 控除対象 2,000→ 国税の余裕 2,640 が生じる余裕のうち 697 で前期の超過を控除超過 697余裕額・限度超過額はどちらも3年間繰り越せる。古い年度のものから順に充てる。
繰越控除余裕額・繰越控除限度超過額の計算(別表六(三)のイメージ・抜粋) 単位:千円
年度国税の余裕前期から当期使用残り地方税の余裕前期から当期使用残り限度超過額前期から当期使用残り
前3期---------
前2期---------
前1期------697697-
当期2,6406971,943324-324---

「当期」の行の「残り」が、翌期に「前1期」として繰り越されます。同じ年度の余裕額は国税の分から先に充てています(学習用の整理)。

基礎 ⑥

余裕額と限度超過額 ── どちらも3年繰り越せる

📍 ラボの場所:基礎タブ ⑥
ハルカ
あふれた 697 は、そのまま消えるんですか。
先生
3年間繰り越せるんだ。図の事例Dでは、X1期の超過 697 を、X2期に生じた国税の余裕 2,640 で吸収して、法人税から控除しているよ。逆に、余った年の余裕額も3年繰り越して、別の年の超過を受け止められるんだ。
迷いポイント 余裕額は、まとめて1つの箱で管理する?
ハルカ
余裕は余裕なので、まとめて1つの箱でいいですよね。
先生
余裕額は「国税の余裕」と「地方税の余裕」に分けて管理するんだ。国税の余裕で吸収した分は法人税から、地方税の余裕で吸収した分は住民税から控除するよ。地方法人税には余裕額の繰越はないんだ。
ハルカ
期限が3年なんて、パン屋のポイントカードみたいです。毎回15分迷っているうちに、有効期限が切れそうです。
先生
こちらは古い年度から順に使う決まりがあるから、迷う時間はないよ。
💡 そうだったのか!
余裕額・限度超過額は3年繰越。余裕額は国税と地方税に分けて、古い年度から順に充てます。
⏱ 30秒だけラボで試す
  1. シミュレーションを開く(事例Eが入っています。前3期・前2期に余裕額があります)
  2. 前2期の「国税の余裕」を 500 → 0 に変える

👀 前3期の 400・60 と前2期の地方税の余裕 40 だけで吸収するので、当期の控除は 7,500 → 7,303。吸収しきれない 197 が繰り越されます。

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📗 基礎 ⑦ ラボの図
控除対象外国法人税 4,500事例A・会計では費用配当の益金不算入 28,500事例C・別表八(二)配当の源泉税 3,000益金不算入の配当分加算(社外流出)減算(※社外流出)加算(社外流出)税額控除の対象となる外国法人税の額法人税法41条:控除するなら損金にしない外国子会社配当等の益金不算入額法人税法23条の2外国源泉税等の損金不算入額法人税法39条の2
別表四(関係する行だけを抜粋・欄番号は原典確認後に付す) 単位:千円
区分総額留保社外流出
加算
税額控除の対象となる外国法人税の額控除対象外国法人税の額の全額(控除しきれず繰り越す分を含む)= 法人税法41条4,500-4,500
所得への影響(加算 - 減算)4,500-4,500

※ は益金不算入の「社外流出※」(課税外収入)です。外国税額控除の対象になる外国法人税の加算も社外流出です。

別表四(関係する行だけを抜粋・欄番号は原典確認後に付す) 単位:千円
区分総額留保社外流出
加算
外国子会社から受ける剰余金の配当等に係る外国源泉税等の損金不算入額法人税法39条の23,000-3,000
減算
外国子会社から受ける剰余金の配当等の益金不算入額配当 30,000 × 95%(別表八(二)から)28,500-※ 28,500
所得への影響(加算 - 減算)△25,500-△25,500

※ は益金不算入の「社外流出※」(課税外収入)です。外国税額控除の対象になる外国法人税の加算も社外流出です。

基礎 ⑦

別表四との連動 ── 控除するなら損金にしない

📍 ラボの場所:基礎タブ ⑦
ハルカ
外国税は、会計では費用にしています。控除を受けたら、損金はそのままでいいですか。
先生
控除を受けるなら、控除対象外国法人税は損金にならないんだ(法人税法41条)。図のとおり、別表四で加算するよ。配当の益金不算入は減算、益金不算入の配当の源泉税は加算。どれも社外流出だよ。
迷いポイント 繰り越す 697 は、今年の損金にできる?
ハルカ
事例Bで控除できなかった 697 くらいは、今年の損金にしてもいいですよね。
先生
それが、そうではないのだよ。控除を選んだら、繰り越す分も含めて 7,500 の全額を加算するんだ。697 は翌期以降の控除を待つよ。
💡 そうだったのか!
控除を選んだら、控除対象外国法人税は全額が損金不算入。高率負担部分は加算しません。
📗 基礎 ⑧ ラボの図
外国子会社からの配当 30,000(源泉税 3,000 を引かれて 27,000 を受取り)95% = 28,500 益金不算入(課税しない)5%=1,500 は課税源泉税 3,000:外国税額控除の対象外(控除×)、損金にもならない(別表四で加算)「配当はほぼ課税しない代わりに、現地で引かれた源泉税は戻らない」がセット
外国子会社から受ける配当等の益金不算入(別表八(二)のイメージ・抜粋) 単位:千円
項目金額・判定
外国子会社の要件:持株割合 40%(要件 25%以上)✔
保有期間 12か月(支払義務確定日以前6か月以上)✔
子会社の所在国で損金算入される配当ではない✔
剰余金の配当等の額30,000
費用相当額(配当 × 5%)1,500
益金不算入額(配当 × 95%)28,500
配当に課された外国源泉税3,000(損金不算入・控除対象外)
別表四(関係する行だけを抜粋・欄番号は原典確認後に付す) 単位:千円
区分総額留保社外流出
加算
外国子会社から受ける剰余金の配当等に係る外国源泉税等の損金不算入額法人税法39条の23,000-3,000
減算
外国子会社から受ける剰余金の配当等の益金不算入額配当 30,000 × 95%(別表八(二)から)28,500-※ 28,500
所得への影響(加算 - 減算)△25,500-△25,500

※ は益金不算入の「社外流出※」(課税外収入)です。外国税額控除の対象になる外国法人税の加算も社外流出です。

基礎 ⑧

外国子会社配当の益金不算入 ── 95%非課税、源泉税は戻らない

📍 ラボの場所:基礎タブ ⑧
ハルカ
事例Cは、外国子会社からの配当 30,000 ですね。源泉税率は10%と仮定しているんですよね。
先生
持株40%・保有12か月だから、外国子会社の要件(原則25%以上・6か月以上)を満たすよ。図のとおり、95%の 28,500 は益金不算入。残り5%の 1,500 だけが課税されるんだ。源泉税 3,000 は控除できず、損金にもならないよ。
迷いポイント 持株25%未満の配当なら、必ず損をする?
ハルカ
持株が20%なら、全部課税されて損ばかりですよね。
先生
益金不算入の対象でなければ全部が益金になる代わりに、源泉税は原則として外国税額控除の対象になり得るんだ。どちらが重いかは「🔭 選択の比較」タブで比べられるよ。配当にかかる税の合計は、事例Cが 3,408、持株20%の事例Gが 8,164 になるよ。
ハルカ
「益金不算入」って、もらったのに、もらっていないことにするんですね。お年玉を親に預けた、あの感じです。
先生
預けたお年玉と違って、95%は本当に課税されないよ。戻らないのは源泉税の方なんだ。
💡 そうだったのか!
外国子会社(原則25%以上・6か月以上。条約による持株割合の引下げあり)の配当は95%益金不算入。その源泉税は、控除も損金算入もできません。

今日の内容を、ラボで確かめてみませんか?

この記事の図は、すべて外国税額控除ラボの画面そのものです。基礎タブを開けば、同じ図を見ながら読み返せます。

外国税額控除ラボを開く ▶

今日のまとめ ── 迷いポイント早見表

迷いポイント答えラボ
配当の源泉税も控除で戻る?戻らない。益金不算入の配当の源泉税は控除も損金算入も×①
外国でたくさん払えばたくさん戻る?器(控除限度額)まで。事例Aは 5,800②
国外所得が所得を超えたら100%超?非課税国外所得を除き、所得の90%で頭打ち③
高率負担部分は捨てるしかない?控除はできないが損金になる④
事業税からも引ける?引かない。法人税→地方法人税→住民税の順⑤
余裕額は1つの箱?国税と地方税に分けて3年繰越、古い年度から⑥
繰り越す分は今年の損金?控除を選んだら全額(7,500)を加算⑦
持株25%未満なら必ず損?源泉税は原則として控除対象になり得る。重さは比較タブで⑧
おわりに

今日のふりかえり

先生
今日のまとめだよ。外国税は器(控除限度額)までしか引けない。あふれた分も余った分も3年繰り越せる。外国子会社の配当は95%益金不算入で、その源泉税は戻らないんだ。
ハルカ
実家の猫のこむぎに、妹とお金を出し合っておやつを買っているんです。私が出しすぎた月は、翌月の妹の分から引いてもらっています。これも繰越ですね。
先生
個人の家計に会計基準も税法も要らないけれど、考え方の練習にはちょうどいいね。ただ、控除できるのは器の大きさまでだよ。
ハルカ
こむぎのおやつの器は、いつもあふれています。限度超過額が、毎月3年分たまっていきます。
先生
繰り越す前に、こむぎと食べる量を相談した方がいいね。次の応用編では、控除の対象から外れる税や、控除と損金算入の選び方を見ていこうか。

参考資料

法人税法23条の2・39条の2・41条・69条/法人税法施行令22条の4・141条〜145条/地方法人税法12条/地方税法施行令9条の7・48条の13/国税庁 別表六(二)・六(二の二)・六(三)・六(四)・六(五)・八(二)。法人税率は学習用に23.2%と仮定し、端数処理も簡便化しています。ラボの数値はすべて独自の学習用です(法令確認日:2026年9月28日)。
このシリーズの記事:応用編
サイト内の関連:外国税額控除とは?わかりやすく|限度額の計算式・90%上限・3年繰越/国際税務 全体像ナビ/CFC(外国子会社合算税制)

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この記事を書いた人

TaxJudge編集部|公認会計士・税理士(実務25年)による企画・監修。会計基準・税法・裁決・有価証券報告書などの一次情報をもとに、検索できるデータベースと計算・判定・文書作成ツールを制作しています。