試験研究費ラボ【設例・一般型と中小編】|先生と一緒に図で学ぶ設例1〜4 控除割合・上限・別表六(九)(十)の記載
無料の学習ツール「試験研究費ラボ」の読み方ガイドです。ラボの設例と別表記載・基礎タブから、一般型と中小の設例(設例1〜4)を1つずつ、先生と生徒の会話形式で見ていきます。各行の図はラボの図そのものです。重要な節の最後には、ラボで30秒だけ手を動かす小さな実習を置いています。
今日の設例
設例1〜4の条件(単位:千円)
| 設例1 大企業・増加(プリセットA) | 試験研究費 100,000/前3年平均 85,000 |
| 設例2 経産省の計算例と同じ条件(B) | 106,000/100,000、試験研究費割合 12% |
| 設例3 中小企業者等(D) | 30,000/25,000、法人税額 10,000 |
| 設例4 減少した年(C) | 90,000/100,000 |
| 法人税額(設例1・2・4) | 30,000 |
はじめに
今日の題材 ── 一般型と中小の4つの設例
📍 ラボの場所:設例と別表記載・基礎タブ 設例1〜4
ハルカ
先生、計算の考え方は分かりました。でも別表六(九)を開くと欄が30以上あって、どこに何を書くのか迷います。
先生
今日はラボの「設例と別表記載・基礎」タブの設例1〜4を、別表の欄と一緒に追っていくんだ。各ステップで、書く欄が黄色で示されるよ。全ステップではなく、迷いやすいステップだけを選んで見ていこうか。
ハルカ
4つとも法人税額は同じくらいなのに、控除額は全部違うんですよね。
先生
そう、違いを生むのは増減割合・試験研究費割合・会社の区分なんだ。数字の動き方に注目して読んでいこうか。
ラボの設例タブ(設例1)を開きながら読むと分かりやすいですラボで開く ▶
📘 設例1 ステップ4
ステップ4 別表六(九):税額控除割合を決める(12〜17欄)
割増前 (14) = (9)>12%:11.5%+((9)−12%)×0.375 = 13.62%
割増率 (13) = 試験研究費割合が10%以下なので割増なし
税額控除割合 (17) = 割増前+割増前×(13) → 小数点3位未満切捨て = 13.6%(上限14%)
別表六(九) 一般試験研究費の額に係る法人税額の特別控除
| 欄 | 項目 | 算式 | 金額(千円)/割合 |
|---|
| 1 | 試験研究費の額 | | 100,000 |
| 2 | 同上のうち特別試験研究費以外の額 | (1)−OI型に使う額 | 100,000 |
| 3 | 一般型の対象とする特別試験研究費の額 | (このラボでは0:OI型は全額六(十二)へ) | 0 |
| 4 | 控除対象試験研究費基準額 | (2)+(3) | 100,000 |
| 5 | (4)のうち国外委託試験研究に係る額 | | 0 |
| 6 | 控除対象試験研究費の額 | (4)−(5)+(5)×70/100 | 100,000 |
| 7 | 比較試験研究費の額 | 別表六(十一)「5」 | 85,000 |
| 8 | 増減試験研究費の額 | (1)−(7) | 15,000 |
| 9 | 増減試験研究費割合 | (8)÷(7) | 17.65% |
| 10 | 平均売上金額 | 別表六(十一)「10」 | 1,000,000 |
| 11 | 試験研究費割合 | (1)÷(10) | 10.00% |
| 14 | 割増前の税額控除割合 | (9)>12%:11.5%+((9)−12%)×0.375 | 13.62% |
| 13 | (11)>10%の場合の控除割増率 | ((11)−10%)×0.5(最大0.1) | — |
| 17 | 税額控除割合 | 割増前+割増前×(13)、小数点3位未満切捨て、最大14% | 13.6% |
| 22 | 税額控除限度額 | (6)×(17) | 13,600 |
| 23 | 調整前法人税額 | 別表一「2」 | 30,000 |
| 24 | (11)>10%の場合の特例加算割合 | ((11)−10%)×2(最大0.1) | — |
| 25 | (9)>4%の場合 | ((9)−4%)×0.625(最大0.05) | 5.0% |
| 26 | (9)<−4%の場合((11)>10%を除く) | ((9)+4%)×0.625(最小−0.05) | — |
| 27 | 当期税額基準額 | (23)×(25%+5.0%=30.0%) | 9,000 |
| 31 | 当期税額控除可能額 | (22)と(27)の少ない金額 | 9,000 |
| 32 | 調整前法人税額超過構成額 | 別表六(六)「8の①」 | 0 |
| 33 | 法人税額の特別控除額 | (31)−(32) | 9,000 |
設例1
一般型の基本 ── 控除割合を12〜17欄で決める
📍 ラボの場所:設例と別表記載・基礎タブ 設例1 ステップ4
ハルカ
設例1は基礎編の事例Aと同じ数字ですね。別表六(九)では、控除率はどの欄に書くんですか。
先生
ステップ4の表を見てごらん。増減割合が+12%を超えているから、割増前の税額控除割合は14欄に書くんだ。11.5% + (17.65% − 12%) × 0.375 = 13.62%。試験研究費割合は 10.00% ちょうどで、10%を超えていないから13欄の割増は「—」だよ。17欄は小数点3位未満を切り捨てて 13.6% になるんだ。
迷いポイント 割増前の割合は、どの欄でも同じ欄に書く?
ハルカ
割増前の割合は、毎年同じ12欄に書けばいいですよね。
先生
増減割合の大きさで欄が分かれるんだ。令和8年度なら、12%超は14欄、0%〜12%は15欄、マイナスは16欄。令和9年度以降は18〜21欄を使うよ。どの欄を使うかで、計算式が変わるんだ。
💡 そうだったのか!
割増前の控除割合は
増減割合の区分ごとに欄が違います(令和8年度は14・15・16欄)。設例1は14欄の 13.62% → 17欄 13.6%。
📘 設例1 ステップ8
ステップ8 別表六(六)に集約して法人税額から控除する
別表六(六) 法人税の額から控除される特別控除額
| 欄 | 項目 | 算式 | 金額(千円) |
|---|
| 1 | 当期税額控除可能額 | 7欄の合計(研究開発税制以外の特別控除はない前提) | 9,000 |
| 2 | 調整前法人税額 | 別表一「2」 | 30,000 |
| 4 | 当期税額基準額 | ((2)−(3))×90/100 | 27,000 |
| 5 | 法人税額の特別控除額 | (1)と(4)の少ない金額+(3) | 9,000 |
| 6 | 調整前法人税額超過額 | (1)−(5)−(3) | 0 |
明細(7欄:当期税額控除可能額 / 9欄:法人税額の特別控除額)
| 制度 | 7欄の転記元 | 7欄 当期税額控除可能額 | 9欄の転記元 | 9欄 法人税額の特別控除額 |
|---|
| ① 一般試験研究費 | 六(九)「31」 | 9,000 | 六(九)「33」 | 9,000 |
| ④ 特別試験研究費 | 六(十二)「9」 | 0 | 六(十二)「11」 | 0 |
| 合計 | | 9,000 | | 9,000 |
8欄「調整前法人税額超過構成額」(90%超過額の各制度への配分)は本ラボでは計算しないため、7欄=9欄になります。
各別表の「当期税額控除可能額」を別表六(六)の7欄に集め、合計が調整前法人税額の90%以内であることを確認して、法人税額の特別控除額(5欄)を別表一に転記します。
会計の仕訳:当期に使用した税額控除は当期の法人税を直接減額する(研究開発費の処理とは別。繰越可能な控除の税効果は会計との違いタブ C5)| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|
| 法人税、住民税及び事業税(法人税分) | 21,000 | 未払法人税等 | 21,000 |
設例1
別表六(六)に集めて別表一へ
📍 ラボの場所:設例と別表記載・基礎タブ 設例1 ステップ8
ハルカ
六(九)33欄の 9,000 まで出ました。ここで終わりではないんですよね。
先生
ステップ8のとおり、六(九)の当期税額控除可能額を別表六(六)の該当欄に集めるんだ。調整前法人税額 30,000 の90%は 27,000 で、9,000 はその範囲内。だから法人税額の特別控除額は 9,000 で、別表一に転記するよ。
迷いポイント 90%の制限は、研究開発税制だけの話?
ハルカ
90%の制限は、研究開発税制の上限30%と同じものですか。
先生
別物なんだ。30%は研究開発税制の中の上限で、90%はすべての特別控除を合計したときの制限だよ。賃上げ税制なども使う会社は、ここで合計を確かめるんだ。
ハルカ
上限の上に、さらに上限があるんですね。上限のマトリョーシカです。
先生
開けるのは2段までだから、安心していいよ。仕訳も図の下にあるとおり、法人税等が 21,000 になるだけなんだ。
💡 そうだったのか!
控除額は
別表六(六)で合計90%以内を確認してから別表一へ。設例1は 9,000、控除後の法人税額は 21,000 です。
⏱ 30秒だけラボで試す
- シミュレーションを開く(設例1と同じプリセットAが入っています)
- 「調整前法人税額」を 30,000 → 100,000 に変える
👀 上限は 30,000 になり、控除額は限度額の 13,600。別表六(六)の90%(90,000)にも十分収まります。
ラボを開く ▶
📘 設例2 ステップ4・6
ステップ4 別表六(九):税額控除割合を決める(12〜17欄)
割増前 (15) = 0≦(9)≦12%:11.5%−(12%−(9))×0.25 = 10.00%
割増率 (13) = ((11) 12.0% − 10%)×0.5 = 1.00%
税額控除割合 (17) = 割増前+割増前×(13) → 小数点3位未満切捨て = 10.1%(上限14%)
別表六(九) 一般試験研究費の額に係る法人税額の特別控除
| 欄 | 項目 | 算式 | 金額(千円)/割合 |
|---|
| 1 | 試験研究費の額 | | 106,000 |
| 2 | 同上のうち特別試験研究費以外の額 | (1)−OI型に使う額 | 106,000 |
| 3 | 一般型の対象とする特別試験研究費の額 | (このラボでは0:OI型は全額六(十二)へ) | 0 |
| 4 | 控除対象試験研究費基準額 | (2)+(3) | 106,000 |
| 5 | (4)のうち国外委託試験研究に係る額 | | 0 |
| 6 | 控除対象試験研究費の額 | (4)−(5)+(5)×70/100 | 106,000 |
| 7 | 比較試験研究費の額 | 別表六(十一)「5」 | 100,000 |
| 8 | 増減試験研究費の額 | (1)−(7) | 6,000 |
| 9 | 増減試験研究費割合 | (8)÷(7) | 6.00% |
| 10 | 平均売上金額 | 別表六(十一)「10」 | 883,333 |
| 11 | 試験研究費割合 | (1)÷(10) | 12.00% |
| 15 | 割増前の税額控除割合 | 0≦(9)≦12%:11.5%−(12%−(9))×0.25 | 10.00% |
| 13 | (11)>10%の場合の控除割増率 | ((11)−10%)×0.5(最大0.1) | 1.00% |
| 17 | 税額控除割合 | 割増前+割増前×(13)、小数点3位未満切捨て、最大14% | 10.1% |
| 22 | 税額控除限度額 | (6)×(17) | 10,706 |
| 23 | 調整前法人税額 | 別表一「2」 | 30,000 |
| 24 | (11)>10%の場合の特例加算割合 | ((11)−10%)×2(最大0.1) | 4.0% |
| 25 | (9)>4%の場合 | ((9)−4%)×0.625(最大0.05) | 1.2% |
| 26 | (9)<−4%の場合((11)>10%を除く) | ((9)+4%)×0.625(最小−0.05) | — |
| 27 | 当期税額基準額 | (23)×(25%+4.0%=29.0%) | 8,700 |
| 31 | 当期税額控除可能額 | (22)と(27)の少ない金額 | 8,700 |
| 32 | 調整前法人税額超過構成額 | 別表六(六)「8の①」 | 0 |
| 33 | 法人税額の特別控除額 | (31)−(32) | 8,700 |
ステップ6 控除上限(当期税額基準額)を計算する(23〜27欄)
上限割合 = 25% + 4.0%(採用欄:24)= 29.0%
当期税額基準額 (27) = 調整前法人税額 30,000 × 29.0% = 8,700
別表六(九) 一般試験研究費の額に係る法人税額の特別控除
| 欄 | 項目 | 算式 | 金額(千円)/割合 |
|---|
| 1 | 試験研究費の額 | | 106,000 |
| 2 | 同上のうち特別試験研究費以外の額 | (1)−OI型に使う額 | 106,000 |
| 3 | 一般型の対象とする特別試験研究費の額 | (このラボでは0:OI型は全額六(十二)へ) | 0 |
| 4 | 控除対象試験研究費基準額 | (2)+(3) | 106,000 |
| 5 | (4)のうち国外委託試験研究に係る額 | | 0 |
| 6 | 控除対象試験研究費の額 | (4)−(5)+(5)×70/100 | 106,000 |
| 7 | 比較試験研究費の額 | 別表六(十一)「5」 | 100,000 |
| 8 | 増減試験研究費の額 | (1)−(7) | 6,000 |
| 9 | 増減試験研究費割合 | (8)÷(7) | 6.00% |
| 10 | 平均売上金額 | 別表六(十一)「10」 | 883,333 |
| 11 | 試験研究費割合 | (1)÷(10) | 12.00% |
| 15 | 割増前の税額控除割合 | 0≦(9)≦12%:11.5%−(12%−(9))×0.25 | 10.00% |
| 13 | (11)>10%の場合の控除割増率 | ((11)−10%)×0.5(最大0.1) | 1.00% |
| 17 | 税額控除割合 | 割増前+割増前×(13)、小数点3位未満切捨て、最大14% | 10.1% |
| 22 | 税額控除限度額 | (6)×(17) | 10,706 |
| 23 | 調整前法人税額 | 別表一「2」 | 30,000 |
| 24 | (11)>10%の場合の特例加算割合 | ((11)−10%)×2(最大0.1) | 4.0% |
| 25 | (9)>4%の場合 | ((9)−4%)×0.625(最大0.05) | 1.2% |
| 26 | (9)<−4%の場合((11)>10%を除く) | ((9)+4%)×0.625(最小−0.05) | — |
| 27 | 当期税額基準額 | (23)×(25%+4.0%=29.0%) | 8,700 |
| 31 | 当期税額控除可能額 | (22)と(27)の少ない金額 | 8,700 |
| 32 | 調整前法人税額超過構成額 | 別表六(六)「8の①」 | 0 |
| 33 | 法人税額の特別控除額 | (31)−(32) | 8,700 |
設例2
経産省の計算例と同じ条件 ── 割増と上限の「高い方」
📍 ラボの場所:設例と別表記載・基礎タブ 設例2 ステップ4・6
ハルカ
設例2は増減が+6%だけなのに、控除率が 10.1% もありますね。
先生
ステップ4のとおり、割増前は15欄で 11.5% − (12% − 6%) × 0.25 = 10.00%。そこに試験研究費割合 12.0% の割増が付くんだ。(12% − 10%) × 0.5 = 1.00% だから、10.00% × 1.01 で 10.1% になるよ。
迷いポイント 上限は、増減割合だけで決まる?
ハルカ
増減が+6%なら、上限は 25% + (6% − 4%) × 0.625 = 26.25% ですね。
先生
その計算は25欄の方で、切り捨てると+1.2%なんだ。試験研究費割合が10%を超えているから、24欄の 25% + (12% − 10%) × 2 = 29% も計算できる。ステップ6のとおり、高い方の24欄を使って上限は 29%、30,000 × 29% = 8,700 だよ。
💡 そうだったのか!
試験研究費割合が10%を超えると、
控除率に割増、上限は24欄と25欄の高い方。設例2は 10.1%・29%・8,700 です。
⏱ 30秒だけラボで試す
- シミュレーションを開く(設例2と同じプリセットBが入っています)
- 「事業年度の開始日」を R9.4.1〜R10.3.31 に変える
👀 控除率は 10.1% → 9.3%、限度額は 10,706 → 9,858 に下がりますが、上限 29% の 8,700 は変わらず、控除額も 8,700 のままです。
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📘 設例3 ステップ5・6
ステップ5 税額控除限度額と控除上限を比べる(15〜20欄)
限度額 (15) = (6) 30,000 × 15.1% = 4,530
控除上限 (19) = 法人税額 10,000 × 35.0%(増減割合>12%なので35%)= 3,500
当期税額控除可能額 (20) = 少ない方 = 3,500
別表六(十) 中小企業者等の試験研究費の額に係る法人税額の特別控除
| 欄 | 項目 | 算式 | 金額(千円)/割合 |
|---|
| 1 | 試験研究費の額 | | 30,000 |
| 2 | 同上のうち特別試験研究費以外の額 | | 30,000 |
| 4 | 控除対象試験研究費基準額 | (2)+(3) | 30,000 |
| 5 | (4)のうち国外委託試験研究に係る額 | | 0 |
| 6 | 控除対象試験研究費の額 | (4)−(5)+(5)×70/100 | 30,000 |
| 7 | 比較試験研究費の額 | 別表六(十一)「5」 | 25,000 |
| 8 | 増減試験研究費の額 | (1)−(7) | 5,000 |
| 9 | 増減試験研究費割合 | (8)÷(7) | 20.00% |
| 10 | 平均売上金額 | 別表六(十一)「10」 | 250,000 |
| 11 | 試験研究費割合 | (1)÷(10) | 12.00% |
| 12 | 割増前税額控除割合 | 12%+((9)−12%)×0.375 | 15.00% |
| 13 | (11)>10%の場合の控除割増率 | ((11)−10%)×0.5(最大0.1) | 1.00% |
| 14 | 税額控除割合 | (12)+(12)×(13)、切捨て、最大17% | 15.1% |
| 15 | 中小企業者等税額控除限度額 | (6)×(14) | 4,530 |
| 16 | 調整前法人税額 | 別表一「2」 | 10,000 |
| 17 | (9)>12%の場合 | 0.35 | 35.0% |
| 18 | (11)>10%の場合の特例加算割合 | ((11)−10%)×2(最大0.1) | 4.0% |
| 19 | 当期税額基準額 | (16)×(35.0%) | 3,500 |
| 20 | 当期税額控除可能額 | (15)と(19)の少ない金額 | 3,500 |
| 21 | 調整前法人税額超過構成額 | 別表六(六)「8の③」 | 0 |
| 22 | 当期税額控除額 | (20)−(21) | 3,500 |
| 23 | 差引当期税額基準額残額 | (19)−(20) | 0 |
| 24 | 繰越税額控除限度超過額 | 前期以前3年の繰越(29の計) | 0 |
| 25 | 同上のうち当期繰越税額控除可能額 | (23)と(24)の少ない金額((1)≦(7)又は(7)=0なら0) | 0 |
| 27 | 当期繰越税額控除額 | (25)−(26) | 0 |
| 28 | 法人税額の特別控除額 | (22)+(27) | 3,500 |
| 翌期繰越 | 翌期繰越税額控除限度超過額 | (15)−(20)+使わなかった繰越額(簡便) | 1,030 |
ステップ6 繰越控除の欄(23〜28欄)を確認する
当期の上限の残り (23) = (19)−(20) = 0
前期以前からの繰越 (24) = 0 → 使える額 (25) = 0
法人税額の特別控除額 (28) = (22) 3,500 + (27) 0 = 3,500
翌期に繰り越す超過額 = (15)−(20) 1,030 = 1,030
別表六(十) 中小企業者等の試験研究費の額に係る法人税額の特別控除
| 欄 | 項目 | 算式 | 金額(千円)/割合 |
|---|
| 1 | 試験研究費の額 | | 30,000 |
| 2 | 同上のうち特別試験研究費以外の額 | | 30,000 |
| 4 | 控除対象試験研究費基準額 | (2)+(3) | 30,000 |
| 5 | (4)のうち国外委託試験研究に係る額 | | 0 |
| 6 | 控除対象試験研究費の額 | (4)−(5)+(5)×70/100 | 30,000 |
| 7 | 比較試験研究費の額 | 別表六(十一)「5」 | 25,000 |
| 8 | 増減試験研究費の額 | (1)−(7) | 5,000 |
| 9 | 増減試験研究費割合 | (8)÷(7) | 20.00% |
| 10 | 平均売上金額 | 別表六(十一)「10」 | 250,000 |
| 11 | 試験研究費割合 | (1)÷(10) | 12.00% |
| 12 | 割増前税額控除割合 | 12%+((9)−12%)×0.375 | 15.00% |
| 13 | (11)>10%の場合の控除割増率 | ((11)−10%)×0.5(最大0.1) | 1.00% |
| 14 | 税額控除割合 | (12)+(12)×(13)、切捨て、最大17% | 15.1% |
| 15 | 中小企業者等税額控除限度額 | (6)×(14) | 4,530 |
| 16 | 調整前法人税額 | 別表一「2」 | 10,000 |
| 17 | (9)>12%の場合 | 0.35 | 35.0% |
| 18 | (11)>10%の場合の特例加算割合 | ((11)−10%)×2(最大0.1) | 4.0% |
| 19 | 当期税額基準額 | (16)×(35.0%) | 3,500 |
| 20 | 当期税額控除可能額 | (15)と(19)の少ない金額 | 3,500 |
| 21 | 調整前法人税額超過構成額 | 別表六(六)「8の③」 | 0 |
| 22 | 当期税額控除額 | (20)−(21) | 3,500 |
| 23 | 差引当期税額基準額残額 | (19)−(20) | 0 |
| 24 | 繰越税額控除限度超過額 | 前期以前3年の繰越(29の計) | 0 |
| 25 | 同上のうち当期繰越税額控除可能額 | (23)と(24)の少ない金額((1)≦(7)又は(7)=0なら0) | 0 |
| 27 | 当期繰越税額控除額 | (25)−(26) | 0 |
| 28 | 法人税額の特別控除額 | (22)+(27) | 3,500 |
| 翌期繰越 | 翌期繰越税額控除限度超過額 | (15)−(20)+使わなかった繰越額(簡便) | 1,030 |
設例3
中小企業技術基盤強化税制 ── 上限35%と繰越 1,030
📍 ラボの場所:設例と別表記載・基礎タブ 設例3 ステップ5・6
ハルカ
設例3は中小企業者等なので、別表六(十)ですね。
先生
そうなんだ。ステップ5のとおり、増減+20%で控除割合は 15.1%、限度額は 30,000 × 15.1% = 4,530。増減が12%を超えているから上限は35%で、10,000 × 35% = 3,500。控除できるのは 3,500 だよ。
迷いポイント 控除しきれない 1,030 は、一般型と同じく切り捨て?
ハルカ
4,530 − 3,500 = 1,030 は、もったいないけれど諦めるんですよね。
先生
中小の制度は、令和8年度改正で3年間の繰越ができたんだ。ステップ6のとおり、1,030 は別表六(十)下段の31欄「翌期繰越額」になるよ。翌期以降、試験研究費が比較試験研究費を超える年に、上限の残りまで使えるんだ。
ハルカ
一般型を選んでいたら、1,030 は消えていたんですね。選択ひとつで、千円単位の運命が分かれます。
先生
一般型だと、そもそも控除額も 3,000 に下がるんだ。中小企業者等は、毎年両方を比べて選ぶといいよ。
💡 そうだったのか!
中小は
上限35%(増減+12%超)で 3,500 を控除し、残り
1,030 を3年繰越(六(十)下段31欄)。一般型なら 3,000 で繰越なしです。
⏱ 30秒だけラボで試す
- シミュレーションを開く(設例3と同じプリセットDが入っています)
- 「調整前法人税額」を 10,000 → 14,000 に変える
👀 上限は 3,500 → 4,900 に広がり、限度額 4,530 を全額控除できます。翌期への繰越は 0 になります。
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📘 設例4 ステップ4・6
ステップ4 別表六(九):税額控除割合を決める(12〜17欄)
割増前 (16) = (9)<0(令和8年4月1日以後開始):8.5%+(9)×8.5/30(マイナスは0) = 5.67%
割増率 (13) = 試験研究費割合が10%以下なので割増なし
税額控除割合 (17) = 割増前+割増前×(13) → 小数点3位未満切捨て = 5.6%(上限14%)
別表六(九) 一般試験研究費の額に係る法人税額の特別控除
| 欄 | 項目 | 算式 | 金額(千円)/割合 |
|---|
| 1 | 試験研究費の額 | | 90,000 |
| 2 | 同上のうち特別試験研究費以外の額 | (1)−OI型に使う額 | 90,000 |
| 3 | 一般型の対象とする特別試験研究費の額 | (このラボでは0:OI型は全額六(十二)へ) | 0 |
| 4 | 控除対象試験研究費基準額 | (2)+(3) | 90,000 |
| 5 | (4)のうち国外委託試験研究に係る額 | | 0 |
| 6 | 控除対象試験研究費の額 | (4)−(5)+(5)×70/100 | 90,000 |
| 7 | 比較試験研究費の額 | 別表六(十一)「5」 | 100,000 |
| 8 | 増減試験研究費の額 | (1)−(7) | ▲10,000 |
| 9 | 増減試験研究費割合 | (8)÷(7) | -10.00% |
| 10 | 平均売上金額 | 別表六(十一)「10」 | 1,000,000 |
| 11 | 試験研究費割合 | (1)÷(10) | 9.00% |
| 16 | 割増前の税額控除割合 | (9)<0(令和8年4月1日以後開始):8.5%+(9)×8.5/30(マイナスは0) | 5.67% |
| 13 | (11)>10%の場合の控除割増率 | ((11)−10%)×0.5(最大0.1) | — |
| 17 | 税額控除割合 | 割増前+割増前×(13)、小数点3位未満切捨て、最大14% | 5.6% |
| 22 | 税額控除限度額 | (6)×(17) | 5,040 |
| 23 | 調整前法人税額 | 別表一「2」 | 30,000 |
| 24 | (11)>10%の場合の特例加算割合 | ((11)−10%)×2(最大0.1) | — |
| 25 | (9)>4%の場合 | ((9)−4%)×0.625(最大0.05) | — |
| 26 | (9)<−4%の場合((11)>10%を除く) | ((9)+4%)×0.625(最小−0.05) | -3.7% |
| 27 | 当期税額基準額 | (23)×(25%−3.7%=21.3%) | 6,390 |
| 31 | 当期税額控除可能額 | (22)と(27)の少ない金額 | 5,040 |
| 32 | 調整前法人税額超過構成額 | 別表六(六)「8の①」 | 0 |
| 33 | 法人税額の特別控除額 | (31)−(32) | 5,040 |
ステップ6 控除上限(当期税額基準額)を計算する(23〜27欄)
上限割合 = 25% − 3.7%(採用欄:26)= 21.3%
当期税額基準額 (27) = 調整前法人税額 30,000 × 21.3% = 6,390
別表六(九) 一般試験研究費の額に係る法人税額の特別控除
| 欄 | 項目 | 算式 | 金額(千円)/割合 |
|---|
| 1 | 試験研究費の額 | | 90,000 |
| 2 | 同上のうち特別試験研究費以外の額 | (1)−OI型に使う額 | 90,000 |
| 3 | 一般型の対象とする特別試験研究費の額 | (このラボでは0:OI型は全額六(十二)へ) | 0 |
| 4 | 控除対象試験研究費基準額 | (2)+(3) | 90,000 |
| 5 | (4)のうち国外委託試験研究に係る額 | | 0 |
| 6 | 控除対象試験研究費の額 | (4)−(5)+(5)×70/100 | 90,000 |
| 7 | 比較試験研究費の額 | 別表六(十一)「5」 | 100,000 |
| 8 | 増減試験研究費の額 | (1)−(7) | ▲10,000 |
| 9 | 増減試験研究費割合 | (8)÷(7) | -10.00% |
| 10 | 平均売上金額 | 別表六(十一)「10」 | 1,000,000 |
| 11 | 試験研究費割合 | (1)÷(10) | 9.00% |
| 16 | 割増前の税額控除割合 | (9)<0(令和8年4月1日以後開始):8.5%+(9)×8.5/30(マイナスは0) | 5.67% |
| 13 | (11)>10%の場合の控除割増率 | ((11)−10%)×0.5(最大0.1) | — |
| 17 | 税額控除割合 | 割増前+割増前×(13)、小数点3位未満切捨て、最大14% | 5.6% |
| 22 | 税額控除限度額 | (6)×(17) | 5,040 |
| 23 | 調整前法人税額 | 別表一「2」 | 30,000 |
| 24 | (11)>10%の場合の特例加算割合 | ((11)−10%)×2(最大0.1) | — |
| 25 | (9)>4%の場合 | ((9)−4%)×0.625(最大0.05) | — |
| 26 | (9)<−4%の場合((11)>10%を除く) | ((9)+4%)×0.625(最小−0.05) | -3.7% |
| 27 | 当期税額基準額 | (23)×(25%−3.7%=21.3%) | 6,390 |
| 31 | 当期税額控除可能額 | (22)と(27)の少ない金額 | 5,040 |
| 32 | 調整前法人税額超過構成額 | 別表六(六)「8の①」 | 0 |
| 33 | 法人税額の特別控除額 | (31)−(32) | 5,040 |
設例4
試験研究費が減った年 ── 令和8年度の16欄と26欄
📍 ラボの場所:設例と別表記載・基礎タブ 設例4 ステップ4・6
ハルカ
設例4は前3年平均より10%減らした年ですね。減らしたら、控除はもらえないんですか。
先生
令和8年度なら、まだもらえるんだ。ステップ4のとおり、マイナスのときは16欄で 8.5% + (▲10%) × 8.5 ÷ 30 = 5.67%、切り捨てて 5.6% だよ。▲30%で 0% になるカーブなんだ。
迷いポイント 上限は、減らしても25%のまま?
ハルカ
上限は25%が軸なので、減らしても25%のままですよね。
先生
▲4%より減らすと、上限も下がるんだ。ステップ6のとおり26欄で (▲10% + 4%) × 0.625 = ▲3.75%、切り捨てて▲3.7%。上限は 21.3% で 6,390 だよ。控除額は限度額 90,000 × 5.6% = 5,040 の方なんだ。
ハルカ
研究費を減らしたら、控除率だけでなく上限まで一緒に下がるなんて…。財布のひもを締めたら、財布ごと小さくなった気分です。
先生
財布が小さくなるのは▲4%より減らしたときだけだよ。▲4%までなら上限は25%のままなんだ。
💡 そうだったのか!
減らした年は
控除率も上限も下がります。設例4(令和8年度)は 5.6%・21.3%で、控除額は 5,040 です。
⏱ 30秒だけラボで試す
- シミュレーションを開く(設例4と同じプリセットCが入っています)
- 「試験研究費の額(合計)」を 90,000 → 95,000 に変える(▲5%)
👀 控除率は 5.6% → 7.0%、上限は 21.3% → 24.4% になり、控除額は 5,040 → 6,650 に増えます。
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今日の内容を、ラボで確かめてみませんか?
この記事の図は、すべて試験研究費ラボの画面そのものです。設例タブを開けば、同じ表を見ながら、ステップを1つずつ読み返せます。
試験研究費ラボを開く ▶今日のまとめ ── 迷いポイント早見表
おわりに
今日のふりかえり
先生
今日のまとめだよ。控除割合は増減の区分ごとに欄が違い、試験研究費割合が10%を超えると割増と高い方の上限が使える。中小は35%の上限と3年繰越があり、減らした年は率も上限も下がる。最後は六(六)で合計90%を確かめるんだ。
ハルカ
週末のパン屋さんで、クロワッサンとメロンパンで毎回15分迷うんです。一般型か中小か、どちらか一方を選ぶのも同じ悩み方だなと思いました。
先生
個人の買い物に税法は要らないけれど、比べてから選ぶ練習にはなるね。ただ、研究開発税制は毎年の数字で比べ直すんだよ。
ハルカ
じゃあ私も、毎週比べ直してから選びます。…結局15分かかりそうです。
先生
その15分は、別表の欄を探す時間に回せるといいね。次の設例・改正とOI型編では、令和9年度のカーブとOI型・国外委託の設例を見ていこうか。
参考資料
租税特別措置法42条の4・42条の4の2、同施行令27条の4、同施行規則20条、租税特別措置法関係通達(法人税編)42の4(1)-1〜(2)-3・(1)-7/国税庁 別表六(六)・六(七)・六(九)・六(十)・六(十一)・六(十二)の様式と記載の仕方(令和8年4月1日以後終了事業年度分)、適用額明細書の記載の手引(令和8年)/経済産業省「研究開発税制を強化しました」(令和8年5月)、「研究開発税制の概要」(令和4年4月版 p.32〜35:令和3年度改正の損金経理した研究開発費の取扱い)、令和3年度与党税制改正大綱/企業会計審議会「研究開発費等に係る会計基準」、移管指針第8号・第11号。ラボの数値はすべて独自の学習用です(千円単位・千円未満切捨て、12か月の事業年度、単体申告)。法令・様式の確認日:2026年10月3日。
このシリーズの記事:基礎編/応用編/該当判定編/設例・改正とOI型編/設例・繰越と特殊ケース編
サイト内の関連:【2026年版】研究開発税制の計算方法|控除率・上限とシミュレーター/No.5441 研究開発税制について(概要)/法人税申告書(別表)から探す
この記事を書いた人
TaxJudge編集部|公認会計士・税理士(実務25年)による企画・監修。会計基準・税法・裁決・有価証券報告書などの一次情報をもとに、検索できるデータベースと計算・判定・文書作成ツールを制作しています。