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収益認識ラボ⑤【設例・金額編】|先生と一緒に図で学ぶ設例 基礎2〜4・応用2・応用6 変動対価・返品・金融要素

収益認識ラボ⑤【設例・金額編】|先生と一緒に図で学ぶ設例 基礎2〜4・応用2・応用6 変動対価・返品・金融要素

無料の学習ツール「収益認識ラボ⑤」の読み方ガイドです。ラボの設例タブから、収益の「金額」の設例(基礎3・応用2・基礎4・基礎2・応用6)を1つずつ、先生と生徒の会話形式で見ていきます。各行の図はラボの図そのものです。重要な節の最後には、ラボで30秒だけ手を動かす小さな実習を置いています。

📘 設例・基礎3 ラボの画面
会計:変動対価を見積って取引価格に反映(第50〜54項)法人税:3要件のすべてを満たすときに限り反映(1) 明示値引き等の内容と金額(算定基準)が、契約・取引慣行・公表した方針で相手方に明らか、または期末に内部決定(2) 継続的な見積り過去の実績を基礎とする等の合理的な方法を継続して適用し、その見積りで収益を減額・増額(3) 書類の保存(1)を明らかにする書類と、(2)の算定の根拠となる書類を保存返品の可能性と貸倒れの可能性は、変動対価であっても法人税では反映しない(法22条の2⑤)。返品権付き販売の返金負債は加算。要件を満たさない見積りは「過度に保守的・恣意的な見積り」として、公平な所得計算の観点から認めない(趣旨説明)。

前提条件(独自の数値・設定)

  • A社はB社と商品Zの2年契約を結んだ。単価は購入数量で段階的に下がる:100個まで 500、100個超〜200個 400、200個超 300(超えた部分の単価が下がる)。
  • A社は2年間の販売数量を 200個と予想。X1年度に 100個、X2年度に 100個を販売。消費税率10%。
  • 法人税:変動対価の3要件(基通2-1-1の11)を満たしている。
📎 実務で確認する資料
  • 取引基本契約書・リベート条件(数量区分と単価の表)
  • 予想販売数量の見積り根拠(過去の実績・予算)と見直しの記録
  • 変動対価3要件(内容の明示・合理的な見積り方法の継続適用・書類保存)の確認表
  • 請求書の金額(消費税の課税標準は請求額)
はじめに

設例・基礎3/応用2/基礎4/基礎2/応用6 ── 「いくら」が三層で違う5つの設例

📍 ラボの場所:設例・基礎タブ 基礎3 ステップ1
ハルカ
先生、今日は「金額」の設例ですね。割戻し、返品、金融要素。②編で会計の計算は習いました。
先生
そうだよ。会計の取引価格は権利を得ると見込む額だったね。法人税の益金は引渡し時の価額、消費税の課税標準は収受すべき対価の額。同じ取引でも、3つの「いくら」が別々に決まるんだ。
ハルカ
前提に「3要件を満たしている」とあります。満たさない場合は応用2ですね。
先生
そのとおり。基礎3で変動対価の原則、応用2で要件を欠く場合、基礎4で返品、最後に基礎2と応用6で金融要素を見ていこうか。
設例・基礎タブの基礎3を開きながら読むと分かりやすいですラボで開く ▶
📘 設例・基礎3 ラボの画面
年度ごとの「会計の収益」「法人税の益金」「消費税:返還等控除後の税抜相当額」45,00045,00050,000X1年度45,00045,00040,000X2年度会計の収益法人税の益金消費税(返還等控除後の税抜額)法人税:会計と同じ消費税:X1年度 +5,000、X2年度 ▲5,000
予想数量 200個の対価 = 90,000 → 1個あたり 450
売上高 = 450 × 100 = 45,000 請求 50,000 返金負債 5,000
会計
X1年度:100個の販売(請求 50,000、見込み単価 450)
借方金額貸方金額
現金55,000売上高45,000
仮受消費税等5,000
返金負債5,000
法人税

同左(会計の仕訳のとおり益金・損金)

消費税
消費税の計算(▲は返還等・課税仕入れ)
区分課税標準税額
課税売上げの対価(収受すべき額=この設例では請求額)50,0005,000

法人税:値引き等の内容が契約で明らか・合理的な見積りを継続適用・書類保存の3要件を満たすので、会計の変動対価の処理を認める(基通2-1-1の11)。

会計:変動対価を見積り、著しい減額が生じない可能性が高い部分を取引価格に含める(基準第50〜54項)。

法人税:3要件を満たすので、会計で減額した額を引渡し時の価額に反映する(基通2-1-1の11)。

消費税:課税標準は対価として収受すべき額で、この設例では請求額 50,000。返金負債は関係ない。

設例・基礎3

X1年度 ── 会計は見込み単価 450 で 45,000、消費税は請求額 50,000

📍 ラボの場所:設例・基礎タブ 基礎3 ステップ2
ハルカ
②編の数量値引きと同じ考え方ですね。2年間で 200個売ると見込むので、1個 450 の見込み単価で売上 45,000、請求 50,000 との差 5,000 が返金負債です。
先生
よく覚えていたね。法人税の列は「同左」だよ。基通2-1-1の11により、値引き等の内容が契約で明らか、合理的な見積りを継続適用、書類を保存、の3要件を満たすので、会計の変動対価の処理をそのまま認めるんだ。
迷いポイント 消費税の課税標準も、見込み単価の 45,000?
ハルカ
会計も法人税も 45,000 なら、消費税も 45,000 ですよね。
先生
消費税は 50,000 なんだ。課税標準は対価として収受すべき額で、この設例では請求額。返金負債 5,000 は関係ないよ。X2年度は減額後の単価で 40,000 を請求するので、課税標準も 40,000。対価の返還等は生じないんだ。
ハルカ
返金負債は、会計と法人税には仲間として認めてもらえたのに、消費税の部屋には入れてもらえないんですね。
先生
消費税の部屋に入れるのは、請求書に書いた金額だけなんだよ。
💡 そうだったのか!
3要件を満たせば、法人税も会計の見込み単価 45,000 を認める。消費税は請求額 50,000・40,000 が課税標準で、2年間の合計 90,000 は三層とも同じです。
📘 設例・応用2 ラボの画面
年度ごとの「会計の収益」「法人税の益金」「消費税:返還等控除後の税抜相当額」45,00050,00050,000X1年度45,00040,00040,000X2年度会計の収益法人税の益金消費税(返還等控除後の税抜額)法人税:X1年度 +5,000、X2年度 ▲5,000消費税:X1年度 +5,000、X2年度 ▲5,000
会計:売上高 45,000・返金負債 5,000
法人税:益金 50,000(請求額) → 返金負債 5,000 を加算(留保)
会計
X1年度:100個の販売(請求 50,000、見込み単価 450)
借方金額貸方金額
現金55,000売上高45,000
仮受消費税等5,000
返金負債5,000
法人税
X1年度:法人税で経理したとみなす仕訳
借方金額貸方金額
現金55,000売上高50,000
仮受消費税等5,000
別表四(留保)
項目加算減算
返金負債(変動対価の要件を満たさない)5,000
消費税
消費税の計算(▲は返還等・課税仕入れ)
区分課税標準税額
課税売上げの対価(収受すべき額=この設例では請求額)50,0005,000

法人税:3要件を満たさないので、請求額 50,000 が益金。返金負債は加算(留保)し、割戻しを通知・支払(この設例では減額後の単価で請求)した事業年度に減額(基通2-1-1の12)。

3要件のいずれかを欠くと、変動対価の見積りは税務上認められず、引渡し時の価額は請求額になる。

消費税は基礎3と同じ。請求額が課税標準なので、もともと返金負債は関係ない。

設例・応用2

X1年度 ── 書類を保存していないと、請求額 50,000 が益金

📍 ラボの場所:設例・応用タブ 応用2 ステップ2
ハルカ
応用2は、見積りの根拠書類を保存していない場合ですね。3要件の(3)が欠けています。
先生
そうだよ。会計の仕訳は基礎3と同じで、法人税の列だけが変わる。3要件のいずれかを欠くと、変動対価の見積りは税務上認められず、引渡し時の価額は請求額 50,000。会計の売上高 45,000 との差、つまり返金負債 5,000 を加算(留保)するんだ。
迷いポイント 加算した 5,000 は、いつ戻ってくる?
ハルカ
X2年度に請求額が 40,000 に減ったら、そのときに減算ですか。
先生
そのとおりだよ。減額後の単価で請求するX2年度が、割戻しを通知・精算した事業年度に当たるんだ(基通2-1-1の12)。X2年度は請求額 40,000 が益金で、会計の売上高 45,000 との差 5,000 を減算する。2年間の合計は三層とも 90,000 で、年度の所得が 5,000 動くだけなんだ。見積りの根拠書類の保存は、税務上の要件そのものだよ。
💡 そうだったのか!
3要件を欠くと、法人税は請求額が益金。返金負債 5,000 を X1年度に加算し、X2年度に減算。書類の保存は税務上の要件そのものです。
⏱ 30秒だけラボで試す
  1. リンクから「金額」のシミュレーションを開き、プリセット「応用2の数字(変動対価・要件を満たさない)」を選ぶ
  2. 右の「法人税:変動対価の3要件」を 「満たす」 に戻す

👀 X1年度の加算 5,000 が消え、法人税の益金が 50,000 → 45,000 に戻ります。消費税の課税標準は 50,000・40,000 のままで、2年間の合計 90,000 はどちらでも同じです。

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📝 ②編【設例・変動対価と制限編】(会計の見積り)記事を読む ▶
📘 設例・基礎4 ラボの画面
年度ごとの「会計の収益」「法人税の益金」「消費税:返還等控除後の税抜相当額」14,40015,00015,000X1年度0▲600▲600X2年度会計の収益法人税の益金消費税(返還等控除後の税抜額)法人税:X1年度 +600、X2年度 ▲600消費税:X1年度 +600、X2年度 ▲600
会計:売上高 = 300 × (50 − 2) = 14,400 返金負債 600 返品資産 360
法人税:売上高 15,000・売上原価 9,000 → 加算 600・減算 360
会計
X1年度:50個の販売(返品見込み 2個)
借方金額貸方金額
現金16,500売上高14,400
返金負債600
仮受消費税等1,500
X1年度:売上原価と返品資産
借方金額貸方金額
売上原価8,640商品9,000
返品資産360
法人税
X1年度:法人税で経理したとみなす仕訳
借方金額貸方金額
現金16,500売上高15,000
仮受消費税等1,500
X1年度:売上原価(法人税)
借方金額貸方金額
売上原価9,000商品9,000
別表四(留保)
項目加算減算
返金負債(返品の可能性は収益の額に反映しない:法22条の2⑤)600
返品資産(返品見込み分の原価)360
消費税
消費税の計算(▲は返還等・課税仕入れ)
区分課税標準税額
課税売上げの対価(販売額の全額)15,0001,500

法人税:引渡し時の価額は貸倒れや買戻し(返品)の可能性を織り込まない(法22条の2⑤)。返金負債は加算・返品資産は減算(いずれも留保)。

会計:返品が見込まれる分は収益にせず返金負債に。返品される商品の原価は返品資産(適用指針第84〜89項)。

法人税:引渡し時の価額は買戻し(返品)の可能性を織り込まない(法22条の2⑤)。返金負債 600 を加算、返品資産 360 を減算。所得は会計の利益より 240 多い。

消費税:課税標準は販売額の全額 15,000。

設例・基礎4

返品 X1年度 ── 会計 14,400、法人税 15,000、消費税 15,000

📍 ラボの場所:設例・基礎タブ 基礎4 ステップ2
ハルカ
返品権付き販売ですね。②編で、返品見込み分は返金負債、戻ってくる商品の原価は返品資産にすると習いました。
先生
ちゃんと覚えていたね。会計は売上高 14,400・返金負債 600・返品資産 360。法人税は、引渡し時の価額に買戻し(返品)の可能性を織り込まない(法22条の2⑤)。だから売上高 15,000・売上原価 9,000 で、返金負債 600 を加算、返品資産 360 を減算するよ。
迷いポイント 返品の見込みは、変動対価の3要件を満たせば法人税でも認められる?
ハルカ
返品率をきちんと見積って書類も保存していれば、割戻しと同じように認めてもらえますよね。
先生
返品は認められないんだ。割戻しは「引渡し時の価額をより正確に反映する調整」として要件つきで認めるけれど、返品と貸倒れの可能性は、要件にかかわらず反映しない。法22条の2⑤で決まっているんだよ。消費税の課税標準は販売額の全額 15,000 だね。
💡 そうだったのか!
返品の可能性は、3要件とは関係なく法人税では織り込まない。返金負債 600 は加算、返品資産 360 は減算し、所得は会計の利益より 240 多くなります。
📘 設例・基礎4 ラボの画面
年度ごとの「会計の収益」「法人税の益金」「消費税:返還等控除後の税抜相当額」14,40015,00015,000X1年度0▲600▲600X2年度会計の収益法人税の益金消費税(返還等控除後の税抜額)法人税:X1年度 +600、X2年度 ▲600消費税:X1年度 +600、X2年度 ▲600
会計:返金負債 600 と返品資産 360 を取り崩す(損益なし)
法人税:売上の減少 600・原価の減少 360 → 減算 600・加算 360
消費税:対価の返還等 600
会計
X2年度:2個の返品(見込みどおり)
借方金額貸方金額
返金負債600現金660
仮受消費税等60
X2年度:返品商品の受入れ
借方金額貸方金額
商品360返品資産360
法人税
X2年度:法人税で経理したとみなす仕訳
借方金額貸方金額
売上高(返品)600現金660
仮受消費税等60
X2年度:返品商品の受入れ(法人税)
借方金額貸方金額
商品360売上原価360
別表四(留保)
項目加算減算
返金負債の取崩し(返品の売上減)600
返品資産の取崩し(返品商品の原価)360
消費税
消費税の計算(▲は返還等・課税仕入れ)
区分課税標準税額
売上げに係る対価の返還等(返品)▲600▲60

消費税:返品は「売上げに係る対価の返還等」として、返品した期の課税売上げから控除する。返品額が税込1万円未満(660)なので返還インボイスの交付義務は免除される。

会計:見込みどおりなら損益は出ない。

法人税:返品した期に売上・原価が減るので、X1年度の加算・減算を取り崩す。別表五(一)の残高はゼロに。

消費税:返品は「売上げに係る対価の返還等」。返品した課税期間の消費税額から控除する。返還インボイスの交付が必要だが、税込1万円未満の返還等は交付義務が免除される(この設例の返品額は税込 660 なので免除)。

設例・基礎4

返品 X2年度 ── 差が解消し、消費税は対価の返還等 600

📍 ラボの場所:設例・基礎タブ 基礎4 ステップ3
ハルカ
X2年度に見込みどおり2個が返品されました。会計は返金負債と返品資産を取り崩すだけで、損益は出ないんですね。
先生
そう。法人税は返品した期に売上が 600、原価が 360 減るので、X1年度の加算・減算を取り崩す。減算 600・加算 360 で、別表五(一)の残高はゼロに戻るよ。消費税は、返品を売上げに係る対価の返還等として、X2年度の消費税額から 60 を控除するんだ。
迷いポイント 返品のたびに、返還インボイスを出す?
ハルカ
2個の返品でも、返還インボイスを作って渡さないといけませんか。
先生
原則は交付するんだけれど、この設例の返品額は税込 660 で、税込1万円未満の返還等は交付義務が免除されるんだ。金額を見てから判断するといいよ。
ハルカ
正直に言うと、「返品は会計で相殺して終わり」と、仕訳1本で片づけるつもりでした。
先生
会計は1本でも、法人税は加算と減算、消費税は返還等、と3か所で動くんだよ。
💡 そうだったのか!
返品した期に、法人税は減算 600・加算 360 で差が解消。消費税は対価の返還等 ▲600(税額 ▲60)で、税込1万円未満なら返還インボイスの交付は免除されます。
⏱ 30秒だけラボで試す
  1. リンクから「金額」のシミュレーションを開く(基礎4の数字)
  2. 右の「返品の見込み(個)」を 2 から 5 に変える

👀 会計の売上高は 14,400 → 13,500、返金負債 1,500・返品資産 900。法人税の益金は 15,000 のままで、加算 1,500・減算 900、別表五(一)の残高は 600。X2年度の対価の返還等は ▲1,500 になります。

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📝 ④編【設例・契約資産と債権編】(返金負債と消費税等の表示)記事を読む ▶
📘 設例・基礎2 ラボの画面
年度ごとの「会計の収益」「法人税の益金」「消費税:返還等控除後の税抜相当額」2,8722,8723,000X1年度63630X2年度65650X3年度会計の収益法人税の益金消費税(返還等控除後の税抜額)法人税:会計と同じ消費税:X1年度 +128、X2年度 ▲63、X3年度 ▲65
売掛金(現在価値) = 3,300 ÷ (1 + 2%)2 = 3,172
売上高 = 3,172 − 仮受消費税等 300 = 2,872
会計
X1年度:商品の引渡し(対価は 2年後に受取)
借方金額貸方金額
売掛金(現在価値)3,172売上高2,872
仮受消費税等300
法人税

同左(会計の仕訳のとおり益金・損金)

消費税
消費税の計算(▲は返還等・課税仕入れ)
区分課税標準税額
課税売上げの対価(利息相当部分を含む)3,000300

法人税:金銭の貸付けに準じた取引が含まれるので、利息相当部分を収益の額に含めないことができる(基通2-1-1の8)。

会計:重要な金融要素を含むので、約束した対価を現金販売価格(現在価値)に調整する(基準第56〜58項)。差額は受取利息。

法人税:金銭の貸付けに準じた取引が含まれると認められるので、利息相当部分を収益の額に含めないことができる(基通2-1-1の8)。

消費税:課税標準は対価の額 3,000。利息相当部分を含めた請求額で課税される。

設例・基礎2

金融要素 X1年度 ── 売上 2,872、消費税の課税標準は 3,000

📍 ラボの場所:設例・基礎タブ 基礎2 ステップ2
ハルカ
2年後払いの重要な金融要素ですね。②編で、現金販売価格で売上を立てて差額は利息、と習いました。税込 3,300 を 2% で2年割り引くと 3,172 ですね。
先生
よく覚えていたね。売掛金 3,172 から仮受消費税等 300 を引いた 2,872 が売上高だよ。法人税は、金銭の貸付けに準じた取引が含まれるので、利息相当部分を収益に含めないことができる(基通2-1-1の8)。この設例はその扱いを選んでいるので「同左」だね。
迷いポイント 消費税の課税標準は、現在価値の 2,872?
ハルカ
売上が 2,872 なら、消費税もそれに 10% ですよね。
先生
課税標準は対価の額 3,000 なんだ。利息相当部分を含めた請求額で課税される。この利息相当額 128 は、契約上の利子ではなく会計上分離した金額だから、独立した非課税売上げにもならず、X2・X3年度の利息計上時に消費税の処理はないよ。
ハルカ
利息のようで利息ではない 128 は、消費税の世界では名前のない数字なんですね。
先生
名前はなくても、3,000 の中にちゃんと含まれているんだよ。
💡 そうだったのか!
金融要素があっても、消費税の課税標準は対価の全額 3,000。会計上分離した利息相当額 128 は非課税売上げにはならず、利息計上時に消費税の処理はありません。
⏱ 30秒だけラボで試す
  1. リンクから「金額」のシミュレーションを開く(基礎2の数字)
  2. 右の「支払までの年数」を 2 から 1 に変える

👀 売掛金の現在価値が 3,235、売上高は 2,872 → 2,935、受取利息は X2年度に 65 だけ。消費税の課税標準は 3,000・税額 300 で変わりません。

ラボを開く ▶
📘 設例・応用6 ラボの画面
年度ごとの「会計の収益」「法人税の益金」「消費税:返還等控除後の税抜相当額」2,8723,0003,000X1年度6300X2年度6500X3年度会計の収益法人税の益金消費税(返還等控除後の税抜額)法人税:X1年度 +128、X2年度 ▲63、X3年度 ▲65消費税:X1年度 +128、X2年度 ▲63、X3年度 ▲65
法人税:益金 3,000 会計の売上高 2,872 → 加算 128(留保)
会計
X1年度:商品の引渡し(対価は 2年後に受取)
借方金額貸方金額
売掛金(現在価値)3,172売上高2,872
仮受消費税等300
法人税
X1年度:法人税で経理したとみなす仕訳
借方金額貸方金額
売掛金3,300売上高3,000
仮受消費税等300
別表四(留保)
項目加算減算
利息相当部分の益金算入(販売時の時価 3,000 で計上)128
消費税
消費税の計算(▲は返還等・課税仕入れ)
区分課税標準税額
課税売上げの対価(利息相当部分を含む)3,000300

法人税:利息相当部分を含めない扱いを選ばず、引渡し時の価額 3,000 を益金にする。差額は加算(留保)、以後の受取利息は減算。

含めない扱いは「できる」規定。選ばなければ、引渡し時の価額 3,000 が益金になる。

消費税は基礎2と同じ 3,000。

設例・応用6

含めない扱いを選ばない ── 引渡し時の価額 3,000 が益金、128 を加算

📍 ラボの場所:設例・応用タブ 応用6 ステップ2
ハルカ
応用6は、利息相当部分を含めない扱いを選ばない場合ですね。「できる」規定だから、選ばないこともできる、と。
先生
そうだよ。選ばなければ、引渡し時の価額 3,000 が益金になる。会計の売上高 2,872 との差 128 を加算(留保)し、X2・X3年度の受取利息 63・65 は、X1年度に益金にした額の一部なので減算するんだ。合計 128 で加算と一致するよ。
迷いポイント 含めない扱いを選ぶかどうかで、消費税は変わる?
ハルカ
法人税で 3,000 を益金にするなら、消費税も何か変わりそうです。
先生
消費税は変わらないんだ。どちらの場合も課税標準は 3,000・税額 300。変わるのは法人税の年度配分だけで、含めない扱いを選べば会計と一致し、選ばなければ所得が前倒しになるんだよ。
💡 そうだったのか!
含めない扱いは「できる」規定。選ばなければ所得が 128 前倒しになり、受取利息を減算して解消。消費税の課税標準はどちらでも 3,000 です。
⏱ 30秒だけラボで試す
  1. リンクから「金額」のシミュレーションを開き、プリセット「応用6の数字(金融要素・含めない扱いを選ばない)」を選ぶ
  2. 右の「法人税:利息相当部分」を 「収益の額に含めない」 に戻す

👀 X1年度の加算 128 と X2・X3年度の減算 63・65 が消え、法人税の益金は 3,000 → 2,872。申告調整なしになり、消費税は 3,000 のままです。

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📝 ②編【設例・顧客への支払と金融要素編】(会計の割引計算)記事を読む ▶

今日の内容を、ラボで確かめてみませんか?

この記事の図は、すべて収益認識ラボ⑤の画面そのものです。設例タブを開けば、同じ図を見ながら、ステップを1つずつ読み返せます。

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今日のまとめ ── 設例ごとの結論

設例迷いポイント答え
基礎3消費税の課税標準も見込み単価の 45,000?請求額 50,000(X2年度は 40,000)。収受すべき対価の額で、返金負債は関係ない(消費税法28条)
応用2加算した 5,000 はいつ戻る?X2年度に請求額 40,000 が益金になり、差 5,000 を減算。書類保存は税務上の要件(基通2-1-1の11)
基礎4返品の見込みは3要件を満たせば認められる?認められない。返品・貸倒れの可能性は要件にかかわらず織り込まない(法22条の2⑤)
基礎4返品のたびに返還インボイスを出す?原則は交付。税込1万円未満(この設例は 660)は交付義務が免除
基礎2消費税の課税標準は現在価値の 2,872?対価の全額 3,000。会計上分離した利息相当額は非課税売上げにならない
応用6含めない扱いの選択で消費税は変わる?変わらない。法人税の年度配分だけが動く(基通2-1-1の8)
おわりに

今日のふりかえり

先生
今日のまとめだよ。会計の取引価格、法人税の引渡し時の価額、消費税の収受すべき対価の額は、同じ取引でも別々に決まる。割戻しは3要件で法人税が会計に合わせ、返品は要件に関係なく織り込まない。金融要素は法人税が選択制で、消費税はどの設例でも請求額のまま。「いくら」を3回、別々に決める癖を持ち帰ってほしいんだ。
ハルカ
週末に実家に帰ったら、こむぎが私の膝の上で寝たまま動かなくて、2時間立てませんでした。その間ずっと今日の返品の設例を頭の中で回していたんですが、「会計は 14,400、法人税は 15,000、消費税も 15,000」と3回唱えると、こむぎが尻尾だけ動かすんです。
先生
猫の尻尾は別として、3回唱えるのはいい練習だよ。差の 600 がどこへ行くかまで言えれば完璧だね。
ハルカ
「返金負債は加算、返品資産は減算、消費税は請求額」まで唱えたら、こむぎは膝から降りてしまいました。長すぎたようです。
先生
猫には長くても、申告書にはちょうどいい長さだよ。設例編はこれで3本とも終わりだね。基礎編から読み返すと、3×3の表の色の意味がきっと違って見えるよ。

参考資料

法人税法第22条の2(第4項・第5項)、法人税法施行令第18条の2、法人税基本通達2-1-1の8(金銭の貸付けに準じた取引)・2-1-1の10(引渡し時の価額)・2-1-1の11(変動対価)、消費税法第28条・第38条、インボイスQ&A(返還インボイスの交付免除)、国税庁「収益認識基準による場合の取扱いの例」ケース2(金融要素)・ケース3(変動対価)・ケース4(返品)、企業会計基準第29号(第47〜58項)・適用指針第30号(第84〜89項)。ラボの設例は国税庁のケース2〜4と同じパターンを独自の数値(消費税率10%)で組み立てたものです。基準確認日:2026年10月7日。
サイト内の関連:【早見表】収益認識基準・適用指針/収益認識ラボ②【設例・変動対価と制限編】/収益認識ラボ②【設例・顧客への支払と金融要素編】
このシリーズの記事:基礎編/応用編/設例・単位編(ポイント・消化仕入)/設例・時期編(商品券・入会金・工事)

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この記事を書いた人

TaxJudge編集部|公認会計士・税理士(実務25年)による企画・監修。会計基準・税法・裁決・有価証券報告書などの一次情報をもとに、検索できるデータベースと計算・判定・文書作成ツールを制作しています。