AI・クラウド活用ガイドラインラボ【設例・困ったとき編】|図で学ぶ9つのケース インシデント対応の5段階
無料の学習ツール「AI・クラウド活用ガイドラインラボ」の読み方ガイドです。ラボの「困ったとき」タブから、誤入力・漏えいの疑いが生じた9つのケースを1つずつ、先生と生徒の会話形式で5段階で追います。各行の図はラボの図そのものです。重要な節の最後には、ラボで30秒だけ手を動かす小さな実習を置いています。
今日の事例
困ったとき:文書A第7章の相談例3つ+場面別の事故例6つ
| ケース1〜3 | 無料版に機密メール/議事録の誤共有/承認リストにないツール(第7章) |
| ケース4・5 | 公開リンク/同意なき録音 |
| ケース6・7 | 勝手に入れた拡張機能/私物スマホの個人向けアプリ |
| ケース8・9 | マイナンバー書類をOCRへ/エージェントの誤送信 |
| 共通の5段階 | 止める → 記録する → 報告する(電話・対面) → 対応する → 再発防止(様式5) |
はじめに
今日の題材 ── うまくいかなかった9つのケース
📍 ラボの場所:困ったときタブ
ハルカ
先生、今日は「困ったとき」のタブですね。見出しを読むだけで胃が痛くなります。無料版に機密メール、議事録の誤共有…。
先生
胃が痛くなるうちに読んでおく回なんだ。ガイドライン第7章は、誤入力や漏えいの疑いが生じたときの5段階を定めている。止める、記録する、報告する、対応する、再発防止。9つのケースを、全部この同じ5段階で歩いていくよ。
ハルカ
同じ型で歩くなら、1つ覚えれば応用が利きますね。
先生
そのとおり。そしてもう1つ、各ケースの最後に「どこで防げたか」を見る。事故の多くは、鉄則1〜3のどれかが欠けたところで起きているんだ。
ラボの「困ったとき」タブを開きながら読むと分かりやすいですラボで開く ▶
📕 ケース1 ラボの画面
第5段階 再発防止
様式5にまとめ、全所員に周知。「個人向け・無料版に区分Aの情報は入れない」を再教育し、承認済みツールの一覧を再周知する。
- 何が起きた
- 区分Aの情報を、鉄則1・2を満たさないツールに入力(規程第12条第2号イ)
- 顧問先対応
- 管理責任者が報告要否を判断。個人情報を含めば個情委への報告も検討
- ✔承認済みツールだけが使える状態(様式1の台帳)になっていたか
- ✔無料版を業務PCで開けない運用・教育があったか
- ✖「ちょっと試すだけ」を許す雰囲気があった
削除依頼はできても完全削除の保証はありません。だからこそ入力前の判定が重要です。
ケース1
無料版の生成AIに顧問先の機密メールを入力してしまった
📍 ラボの場所:困ったときタブ ケース1
ハルカ
第7章の相談例そのままですね。顧問先の機密情報が入ったメールを、無料版の生成AIに入力してしまった。
先生
第1段階は、その場で使うのをやめて追加の入力をしないこと。同じツールを使っている所員にも一時停止を伝える。第2段階で入力した文面・日時・ツール名・アカウント・利用者名をメモし、画面を保存する。第3段階は電話か対面で管理責任者へ第一報だよ。
迷いポイント サポートに削除を依頼すれば、入力した情報はなかったことになる?
ハルカ
サポート窓口に「削除してください」と頼めば消してもらえますよね。消えれば、漏えいもなかったことになります。
先生
削除は依頼できても、完全削除が保証されるわけではないんだ。第7章の回答にそう書いてある。だから第4段階で管理責任者が顧問先への報告要否を判断し、第5段階で様式5に記録して全所員に周知する。防げた場所は、台帳に載ったツールだけが使える状態になっていたか、だよ。
💡 そうだったのか!
削除依頼は
取り消しではない。だから5段階の報告と再発防止まで行い、入力前の判定が重要になります。
⏱ 30秒だけラボで試す
- 「困ったとき」タブでケース1を開き、第1段階から「次へ ▶」で進める
👀 第3段階で「直ちに電話または対面で管理責任者に第一報。メールだけの報告は不可。」、第4段階で「完全削除は保証されない」と出ます。
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📕 ケース2・4 ラボの画面
第5段階 再発防止
様式5に記録。共有リンクの既定値を「制限付き」に、共有設定の四半期確認(様式6)を徹底。
- 何が起きた
- 区分Aデータが外部から閲覧可能な状態に
- 防ぐ仕組み
- 共有設定の定期確認・退職者権限の即日削除
- ✔共有リンクの既定が「制限付き」だったか
- ✔四半期ごとの共有設定確認を記録していたか
- ✖退職者のアカウント・権限が残っていた
クラウド自体は堅牢でも、共有設定とパスワード管理は利用者の責任です(6-2 よくある疑問点)。
ケース2・4
議事録の誤共有と公開リンク
📍 ラボの場所:困ったときタブ ケース2・ケース4
ハルカ
ケース2は録音した面談を別の顧問先に共有、ケース4は共有リンクが「リンクを知っている全員」になっていた。どちらもクラウドの共有ミスですね。
先生
6-2の「共有設定の誤りは情報漏えいに直結する」が現実になったケースなんだ。第1段階はすぐに共有を解除し、公開範囲を特定の人だけに戻す。第2段階で共有履歴やアクセスログを保存して、外部からの閲覧・ダウンロードがなかったかを確かめるんだ。
迷いポイント 共有を解除してアクセスログに閲覧がなければ、報告は要らない?
ハルカ
ログを見て誰も開いていなければ、実害ゼロです。管理責任者に報告するほどのことではないですよね。自分で直して終わりにします。
先生
報告の要否を決めるのは管理責任者で、本人ではないんだ。閲覧がなかったことは第4段階で顧問先への報告要否を判断する材料になる。ただし個人データの漏えい等が法定の報告対象事態に当たるなら、管理責任者の判断ではなく、個人情報保護委員会への報告(速報は概ね3〜5日以内、確報は原則30日以内)と本人通知の義務に従うんだ。そして防げた場所は2つ。顧問先ごとのフォルダと権限、共有リンクの既定値を「制限付き」にしておくこと。ケース2なら、録音データを目的達成後に削除していれば誤共有そのものが起きなかったんだよ。
ハルカ
消しておけば起きなかった事故…。私のスマホの写真フォルダにも、同じ理屈の爆弾がたくさんあります。
先生
それは爆弾ではなく思い出だから、そのままでいいよ。顧問先の録音は違うんだ。
💡 そうだったのか!
共有ミスは
解除→ログ保存→管理責任者が報告要否を判断(法定の報告対象事態なら報告・通知の義務に従う)。防ぐ鍵は権限設計と「目的達成後の削除」です。
⏱ 30秒だけラボで試す
- 「困ったとき」タブでケース4を開き、第5段階をクリックする
👀 「共有リンクの既定値を『制限付き』に、共有設定の四半期確認(様式6)を徹底」と出ます。ケース2では「録音データを目的達成後も残していた」が✖に入ります。
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📕 ケース3 ラボの画面
第5段階 再発防止
承認後も定期確認(様式6)の対象に。やむを得ない事情があるときは様式3の例外申請。
- 何が起きた
- Shadow ITの手前。正しい流れに乗れば問題なし
- ポイント
- 承認までの間は業務に使わない(規程第7条第3項)
- ✔申請の窓口(管理責任者)が決まっていたか
- ✔7項目チェックリストが所内に周知されていたか
- ✖承認待ちの間に「試しに」使っていた
個人的に便利なツールを見つけたら、まず申請。第2段階「試す」は区分Bの情報だけで。
ケース3
使いたいAIツールが承認済みリストにない
📍 ラボの場所:困ったときタブ ケース3
ハルカ
ケース3は事故ではないんですね。使いたいツールが承認済みリストにない、というだけ。
先生
ここで止まれるかどうかが分かれ目なんだ。業務での利用を始めない。使いたい理由・業務・入れる情報の区分・7項目を整理して、様式2で申請する。管理責任者が審査して、承認なら様式1の台帳に登録。承認を得るまでの間は業務に使えないよ。
迷いポイント 承認待ちの間、区分Bの情報でなら使い始めてよい?
ハルカ
申請は出しました。承認が下りるまで、固有名詞なしの調べものだけなら使っても問題ないですよね。区分Bですし。
先生
区分Bであっても、事務所が承認したツールを使うのが原則なんだ(規程第11条)。承認されていないツールへの入力は、誤入力の入口になる。試すなら、第5章の第2段階のとおり、日税連のサンプルデータで試す。業務の情報は承認後だよ。
💡 そうだったのか!
承認待ちは
業務に使わない。試すならサンプルデータで。ここで止まれる事務所は、ケース1が起きません。
⏱ 30秒だけラボで試す
- 「困ったとき」タブでケース3を開き、第4段階をクリックする
👀 「管理責任者が7項目と区分を審査し、承認(区分A/区分B限定)か却下を決める。承認なら様式1の台帳に登録。」と出ます。
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📕 ケース5 ラボの画面
第5段階 再発防止
様式5に記録。「本日の面談は記録のため録音いたしますがよろしいでしょうか」を定型文として全所員に徹底。
- 何が起きた
- 同意なき録音(規程第12条第4号の禁止事項)
- 特に注意
- 税務調査での録音・録画は行わない(オンライン調査も禁止)
- ✔録音前に同意を取る定型文があったか
- ✔承認済みの企業版(DPA・学習オフ)を使っていたか
- ✖録音データを目的達成後に削除する運用がなかった
区分Aの会話に当たるため、ツール側も3つの鉄則を満たしている必要があります。
ケース5
同意を取らずに顧問先との電話を録音・文字起こししていた
📍 ラボの場所:困ったときタブ ケース5
ハルカ
同意を取らずに顧問先との電話を録音して文字起こししていたケース。✖に「録音データを目的達成後に削除する運用があったか」。
先生
同意なき録音は規程の禁止事項(第12条第4号)なんだ。第1段階で録音を止め、文字起こしの処理を進めない。第4段階では顧問先に説明して、録音データを削除するか、同意のうえで利用するかを確認するんだよ。
迷いポイント 電話は対面と違うから、録音の同意は要らない?
ハルカ
対面なら「録音します」と言いますが、電話は相手の顔も見えないので、わざわざ断らなくてもいいかと思っていました。
先生
電話越しでも同じなんだ。6-4に「電話越しに録音する場合も同様」とある。再発防止は、「本日の面談は記録のため録音いたしますがよろしいでしょうか」を定型文にして全所員に徹底すること。言葉を決めておけば、言い忘れが減るんだよ。
💡 そうだったのか!
録音の同意は
電話も対面も同じ。定型文を決めておくのが再発防止です。
⏱ 30秒だけラボで試す
- 「困ったとき」タブでケース5を開き、第5段階をクリックする
👀 定型文「本日の面談は記録のため録音いたしますがよろしいでしょうか」が再発防止策として出ます。
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📕 ケース6・7 ラボの画面
第5段階 再発防止
様式5に記録。業務用端末の貸与・管理(遠隔ロック・消去)と、3つの鉄則を満たすアプリへの限定を検討。
- 何が起きた
- 鉄則1を満たさない個人向けアプリに区分Aを入力
- 推奨
- 事務所が契約・管理するスマホで、企業版のアプリだけを使う
- ✔業務用スマホを事務所が貸与・管理していたか
- ✔スマホのアプリも承認制の対象にしていたか
- ✖よく似た別アプリをインストールしていた
「事務所のパソコンを職員の私物で済ませている例はない」のと同じ考え方です。
ケース6・7
勝手に入れた拡張機能と私物スマホ
📍 ラボの場所:困ったときタブ ケース6・ケース7
ハルカ
ケース6は職員が便利そうなブラウザ拡張機能を業務PCに入れていた、ケース7は私物スマホの個人向けAIアプリで顧問先資料を撮影して質問した。図はケース7です。
先生
どちらも「個人の判断でインストールしてしまいやすい」という同じ性質なんだ。拡張機能は画面の情報や入力中の情報を外部に送るものがある。スマホは電話ではなく通信機能を備えた小型のパソコン。だから業務用の端末は事務所が貸与・管理し、3つの鉄則を満たすアプリに限るんだよ。
迷いポイント 公式ストアにある拡張機能・アプリなら、安全が保証されている?
ハルカ
公式ストアの審査を通っているなら安全ですよね。評価も星4つでしたし、勝手に入れたとしても事故にはなりません。
先生
公式ストアにあることは安全の保証にならない、と6-6と6-7の両方に書いてあるんだ。提供元の情報を確認し、ダウンロード数や評価数が少ないものは避ける。そして公的機関・契約ベンダーの公式ツール以外は承認申請が要る。星の数で決めないんだよ。
ハルカ
では私の星4つの評価も、安全の保証にならないと。パン屋の評価は信じているのに。
先生
パンは外部送信しないからね。拡張機能は画面の中身を送ることがあるんだ。
💡 そうだったのか!
公式ストアは
安全の保証ではない。拡張機能もスマホも承認制の対象にし、業務用端末は事務所が管理します。
⏱ 30秒だけラボで試す
- 「困ったとき」タブでケース6を開き、第2段階をクリックする
👀 「拡張機能名・提供元・権限・導入日・使っていた業務を記録。」と出ます。ケース7に切り替えると、第5段階に「業務用端末の貸与・管理(遠隔ロック・消去)」が出ます。
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📕 ケース8 ラボの画面
第5段階 再発防止
様式5に記録。マイナンバー記載書類は紙で隠してからスキャン、またはPDFの墨消しを徹底。番号対応の専用システムに切り替える。
- 何が起きた
- 【禁止】区分の情報を汎用ツールに入力(番号法第19条・第20条)
- 例外になる条件
- 番号部分が復元できない状態にしてから(図形を重ねただけでは不可)
- ✔マイナンバー記載書類を見分けて別ルートにする手順があったか
- ✔墨消し後に文字列検索で確認していたか
- ✖「黒い四角を重ねれば大丈夫」と思っていた
本人が同意しても、法定の場合以外はマイナンバーを提供できません(個人情報保護法との大きな違い)。
ケース8
扶養控除等申告書(マイナンバー記載)をそのまま汎用AI-OCRに上げた
📍 ラボの場所:困ったときタブ ケース8
ハルカ
扶養控除等申告書をそのまま汎用のAI-OCRに上げたケース。「破れた鉄則:入力区分(禁止)の判定」とあります。
先生
鉄則の前の、入力区分の判定で止まれなかったケースなんだ。番号法の提供制限(第19条・第20条)に触れるから、第4段階では特定個人情報の漏えい等として個人情報保護委員会への報告要否を検討する。マスキングの失念は、委員会への報告を要する事態の例として挙げられているんだよ。
迷いポイント 黒い四角をマイナンバーに重ねたPDFなら、上げてよかった?
ハルカ
次からは、PDFの上に黒い四角を置いてからOCRにかけます。見えなければ提供したことにはなりませんよね。
先生
図形を重ねただけのPDFは、文字データが残るから提供したことになるんだ。基準は見た目ではなく「復元できないこと」。紙の状態で隠してからスキャンするか、PDFの墨消しでデータごと削除して、隠した文字列が検索で見つからないことを確認する。
AI・クラウド活用ガイドラインラボの再発防止にそのまま書いてあるよ。
💡 そうだったのか!
マイナンバーは
見えないではなく復元できないまで取り除く。黒い四角の重ね置きは不可です。
⏱ 30秒だけラボで試す
- 「困ったとき」タブでケース8を開き、第5段階をクリックする
- 続けて「法令・根拠」タブの3「マスキングの基準」を見る
👀 「紙で隠してからスキャン、またはPDFの墨消しを徹底。番号対応の専用システムに切り替える」と出て、法令タブでは「PDFに黒い図形を重ねただけ」が✖不可になっています。
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📕 ケース9 ラボの画面
第5段階 再発防止
様式5に記録。権限を読み取り専用に戻し、送信は人が最終確認する手順に。外部連携(MCP等)の提供元を見直す。
- 何が起きた
- 重要操作(送信)をAIに委ねていた
- 防ぐ仕組み
- 最小権限・段階的拡大・監査ログ・人の最終確認
- ✔送信権限を与える前に必要性を確認していたか
- ✔監査ログが残る設定になっていたか
- ✖読み取り専用から段階的に広げる運用になっていなかった
エージェント時代でも、税理士業務の確認は「税理士 in the loop」です。
ケース9
AIエージェントが知らない宛先にメールを送っていた
📍 ラボの場所:困ったときタブ ケース9
ハルカ
AIエージェントが知らない宛先にメールを送っていたケース。第2段階に「プロンプトインジェクションの痕跡も確認」とあります。
先生
応用編の権限の段階を思い出してほしいんだ。送信という重要操作をAIに委ねていたところで起きた事故。第1段階はエージェントを止めて権限を取り消す。第2段階で監査ログから、いつ・何を・どこへ送ったかを特定する。外部コンテンツに埋め込まれた指示に従っていなかったかも見るよ。
迷いポイント 監査ログは、事故が起きてから設定すれば間に合う?
ハルカ
ログは容量を食うので、普段は切っておいて、何かあったときにオンにすれば十分ですよね。
先生
事故の後にオンにしても、事故の記録は残っていないんだ。6-5は「AIが何を実行したか記録が残る設定にする」と最初から求めている。再発防止は、権限を読み取り専用に戻し、送信は人が最終確認する手順にし、外部連携の提供元を見直すことだよ。
💡 そうだったのか!
エージェントの事故は
ログがあって初めて追える。権限は読み取りに戻し、送信は人が最終確認します。
⏱ 30秒だけラボで試す
- 「困ったとき」タブでケース9を開き「全部表示」を押す
- 続けて9つのケースの地図で、鉄則3の列を見る
👀 地図では、鉄則3(管理運用)が欠けて起きたケースが最も多いことが分かります。
ラボを開く ▶
今日の内容を、ラボで確かめてみませんか?
この記事の図は、すべてAI・クラウド活用ガイドラインラボの画面そのものです。設例タブを開けば、同じ図を見ながら、ステップを1つずつ読み返せます。
AI・クラウド活用ガイドラインラボを開く ▶今日のまとめ ── 設例ごとの結論
おわりに
今日のふりかえり
先生
今日のまとめだよ。事故が起きたら止める・記録する・電話か対面で報告する。削除や顧問先対応は管理責任者の指示で、最後は様式5と再発防止。そして9つのケースを並べると、多くは鉄則3の管理運用が欠けたところで起きている。この2つを持ち帰ってほしいんだ。
ハルカ
基礎編から読み返すと、判定フローも3つの鉄則も、全部このタブの事故を起こさないためにあったんですね。順番が逆でも、こちらから読んだ方が身にしみるかもしれません。
先生
どちらから読んでもいいんだ。大事なのは、事故の前に5段階を知っていることだよ。
ハルカ
うちの部のルール案、最後のページに「緊急フロー」を入れて、第一報は電話か対面と太字で書きます。部長の内線番号つきで。
先生
内線番号は規程ではなく掲示物に書こうか。これでシリーズは一区切り。基礎編から読み返すと、7つのチェックポイントの図の見え方がきっと変わるよ。
参考資料
日本税理士会連合会 デジタル・システム委員会「税理士事務所のためのAI・クラウド活用ガイドライン」Ver1.0(令和8年9月25日公開)文書A 第7章「ミスしたとき・困ったとき」・6-2〜6-7、文書B 第3章、文書C 第12条・第16条・様式5・様式9。確認日:2026年10月14日。原典は日税連の会員専用ページに掲載(2026年9月30日付お知らせ「税理士事務所のためのAI・クラウド活用ガイドラインの策定について」)。ケース4〜9は原典の場面別ガイドの留意事項をもとにした独自の設例です。公認会計士が監修しています。
動画で聞く:その入力、どこへ行く?AI・クラウド活用ガイドラインを5つのステップで(YouTube・10分)
このシリーズの記事:AI・クラウド活用ガイドラインラボ【基礎編】/AI・クラウド活用ガイドラインラボ【応用編】/AI・クラウド活用ガイドラインラボ【設例・区分B編】/AI・クラウド活用ガイドラインラボ【設例・区分A編】
📓 ハルカの学習ノートで、この章を見る ▶
📖 この論点が、会社で起きると ── 経理財務部の物語
困ったときのケース1「無料版の生成AIに機密を入力してしまった」と同じことが、経理財務部で起きました。担当者が契約書を個人のAIサービスに入れてしまったところから、止めて報告し、記録を残し、部のルールを決め、AIで読んだ結果の誤りに向き合うまでを描いた連続ストーリーです(舞台は架空の上場会社の経理財務部)。
第1話(9月9日)|80件の契約書は、誰が読むのか ▶契約書20件を、個人で使っていたAIに入れていた。部長は「いったん止めよう」
第2話(9月28日)|調査票の空欄 ▶入力が学習に使われる設定だったと分かる。履歴を消し、経緯を記録する
第3話(10月5日)|決めたことと、聞くこと ▶部会で「外部のAIに入れない4つ」を決める。ルールは仮で、3か月後に見直す
第7話(10月15日)|二人で読む ▶AIで読んだ1件に、特約の見落とし。AIか人かより、間違いを見つける仕組み
この記事を書いた人
TaxJudge編集部|公認会計士・税理士(実務25年)による企画・監修。会計基準・税法・裁決・有価証券報告書などの一次情報をもとに、検索できるデータベースと計算・判定・文書作成ツールを制作しています。