このラボには、先生と生徒の会話形式の解説記事があります別表十五ラボの図をそのまま使って、交際費等の区分と別表十五の書き方を会話で読み解きます。30秒でできるラボ実習つき。
要点:別表十五(交際費等の損金算入に関する明細書)とは
別表十五は、法人が支出した交際費等のうち損金にならない金額(交際費等の損金不算入額)を計算する明細書です。下段の明細で科目ごとに「支出額(6欄)-交際費等から除かれる費用(7欄)=差引交際費等の額(8欄)」と「うち接待飲食費(9欄)」を出し、上段の1〜5欄で損金不算入額を計算して、別表四の8欄「交際費等の損金不算入額」に加算(社外流出)します。
交際費等とは、交際費・接待費・機密費その他の費用で、得意先・仕入先その他事業に関係のある者等に対する接待・供応・慰安・贈答その他これらに類する行為のために支出するものです(租税特別措置法第61条の4第6項)。勘定科目名ではなく、支出の目的と相手方で判断します。専ら従業員の慰安のための費用、1人当たり1万円以下の飲食費(社内飲食を除き、所定の書類の保存が条件)、カレンダー等の広告宣伝費、会議に通常要する茶菓・弁当代、取材費は交際費等から除かれます。
損金算入限度額(4欄)は、事業年度終了の日の資本金の額で3つに分かれます。
- 1億円以下(大法人の子会社等を除く中小法人等):「800万円×事業年度の月数÷12」の定額控除限度額(3欄)と「接待飲食費×50%」(2欄)のどちらか有利な方を選べます
- 1億円超〜100億円以下(大法人の子会社等を含む):接待飲食費×50%だけ
- 100億円超:限度額なし(全額が損金不算入。9欄は記載しない)
損金不算入額(5欄)=支出交際費等の額(1欄)-損金算入限度額(4欄)。現行の制度は令和9年3月31日までに開始する事業年度に適用されます。
目的別の使い方
- 初めて学ぶ:「基礎」タブ → 「設例・基礎」の設例1 → 「シミュレーション」
- 実務で調べる:「応用」タブの処理早見表 → 隣接する費用との境界・1万円判定の細目 → 該当する設例
- 数字を検証する:「シミュレーション」で資本金・月数・科目別の金額を入れる → 別表十五 → 別表四の8欄と検算
このラボでできること
- 交際費等かどうかの仕分け … 取引先との会食・社内の飲み会・贈答・カレンダー・会議の弁当など12件の支出をクリックして、交際費等(8欄に残る)か、除かれるか(7欄・6欄に書かない)かに分けられます。決め手は「誰に・何のために」と、飲食費なら「1人1万円以下か・書類があるか・社内だけか」です。
- 接待飲食費の要件 … 帳簿書類に記載する5つの事項(年月日・参加者の氏名と関係・人数・金額と店名・その他)と、社内飲食が除かれる理由を図で確かめられます(措置法規則第21条の18の4)。
- 法人の区分と2つの限度額 … 資本金1億円・100億円の階段図と、大法人の子会社等の判定フロー。中小法人等では定額控除限度額(800万円×月数/12)と接待飲食費×50%を天秤にかけて大きい方を選びます。
- 別表十五を1欄ずつ埋める … 設例1〜8で、6欄→7欄→8欄(→1欄)→9欄(→2欄)→3欄→4欄→5欄→別表四8欄の順に、様式の形のまま進めます。設例6は11件の支出の仕分けから始め、設例7は税抜経理の控除対象外消費税額等、設例8は大法人の子会社等を扱います。
- 消費税の経理方式の違い … 税込経理・税抜経理で交際費等の額と1人1万円の判定がどう変わるか、控除対象外消費税額等を専用の行に書く理由がわかります(タックスアンサー No.6917)。
- 別表四への転記 … 5欄を別表四の8欄に加算・社外流出で書き、別表五(一)には書かない理由(永久差異)と、様式のチェックポイントを確かめられます。
使い方(3ステップ)
- 「基礎」タブで考え方をつかむ
流れの図(明細6〜9欄 → 1〜3欄 → 4欄 → 5欄 → 別表四8欄)を覚えます。どのタブでも同じ図を使います。 - 「設例」タブで1ステップずつ追う
設例1(中小法人等の基本)から別表十五を1欄ずつ埋め、別表四への転記と検算まで進みます。応用の設例では支出の仕分け、税抜経理、大法人の子会社等を扱います。 - 「シミュレーション」タブで数字を変える
設例の数字から始めて、資本金・月数・科目別の支出額・接待飲食費を1か所だけ変え、区分と限度額、損金不算入額がどう動くかを確かめます。
よくあるつまずき
- 1人1万円を超えた飲食費を超えた部分だけ交際費等にする(超えたら全額が交際費等。9欄に書いて50%基準で救います)
- 会議費・福利厚生費の科目にあるものを別表十五に書かない(科目名は関係なく、各科目の中の交際費等をその科目の行に集計します)
- 役員だけの会食を1万円以下だからと7欄で除く(社内飲食は1万円基準の対象外です)
- 資本金1億円以下なら必ず定額控除限度額を使えると思う(大法人の子会社等は使えません。6か月決算なら400万円です)
- 税抜経理で控除対象外消費税額等を集計しない(課税売上割合95%未満などの年は、交際費等に係る分を専用の行に書きます)
- 交際費等の損金不算入額を別表五(一)に書く(永久差異なので別表四の社外流出③だけです)
学習用に、法人の区分は「1億円以下(大法人の子会社等を除く)」「1億円超〜100億円以下」「100億円超」の3つに限り、通算法人(別表十五付表)、投資法人・特定目的会社、資本を有しない法人等の判定、原価に算入した交際費等の調整は扱っていません。支出が交際費等に当たるかどうかの判定は、設例で与えた前提に従っています。実際の申告では、国税庁の様式・記載の仕方と、顧問税理士の確認にしたがってください。
根拠にした法令・資料
- 租税特別措置法第61条の4(交際費等の損金不算入)、同施行令第37条の4・第37条の5、同施行規則第21条の18の4
- 租税特別措置法関係通達61の4(1)-1〜-24(交際費等の範囲、寄附金・売上割戻し・広告宣伝費・福利厚生費・給与との区分、支出の時期)
- 法人税法第66条第5項(大法人の子会社等)
- 国税庁「別表十五」の様式・記載の仕方(令和8年4月1日以後終了事業年度分)、申告書作成上の留意点、タックスアンサー No.5265・No.6917、法人税法講本(令和8年度版)第6章第2節
法令・様式の確認日は2026年10月20日です。ラボの中の数値はすべて独自の設例(単位:円)で、実在の会社のものではありません。
あわせて読む・調べる
- 会話形式の解説:別表十五ラボ【基礎編】/【応用編】
- 転記先の別表:別表四・別表五(一)ラボ(所得の計算と利益積立金) ── 8欄(加算・社外流出)の位置と、別表五(一)に書かない理由
- 交際費等の実務記事:交際費の記事一覧
- 申告書の別表を探す:法人税申告書(別表から探す)/別表二ラボ/別表五(二)ラボ
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