相続税法ラボ【基礎編】|図で学ぶ5段の流れ・みなし財産・基礎控除・相続税の総額
無料の学習ツール「相続税法ラボ」の読み方ガイドです。ラボの全体像タブを中心に、取得者の種類・条文・申告書のタブも合わせて、先生と生徒の会話形式で見ていきます。登場する人物と設例の数値はすべて架空の例です。解説は公認会計士・税理士が監修しています。各行の図はラボの図そのものです(記事内の図は表示用で、ボタンやクリックの操作はできません。操作は各節の「ラボで開く」「ラボを開く」からラボ本体で試せます)。重要な節の最後には、ラボで30秒だけ手を動かす小さな実習を置いています。
今日の事例
設例A家(令和8年中に父が死亡。相続人は母・長男・長女の3人。単位:円)
| 自宅の土地(路線価で評価・250㎡) | 60,000,000 |
| 小規模宅地等の特例(母が相続・80%減額) | ▲48,000,000 |
| 建物・預貯金・上場株式 | 90,000,000 |
| 死亡保険金 3,000万円のうち課税される分(非課税 500万円×3人) | 15,000,000 |
| 債務・葬式費用 | ▲3,500,000 |
| 3年以内の贈与(長男・長女に150万円ずつ) | 3,000,000 |
| 課税価格の合計 | 116,500,000 |
| 遺産に係る基礎控除(3,000万円+600万円×3人) | ▲48,000,000 |
| 課税遺産総額 | 68,500,000 |
| 相続税の総額 | 8,987,500 |
| 納付税額の合計(母 0・長男 2,264,700・長女 2,264,700) | 4,529,400 |
はじめに
今日の題材 ── A家の相続税を相続税法で引く
📍 ラボの場所:全体像タブ・設例・試算タブ(A家)
ハルカ
先生、相続税はお金持ちの家の税金だと思っていました。条文を開いたことは一度もありません。
先生
無理もないよ。ただ今は、亡くなった人の1割ほどに相続税がかかっていて、自宅と預金があれば十分あり得るんだ。今日の目標は、どの条文に何が書いてあるかを引けることだよ。
ハルカ
表のA家は、遺産の評価額が1億8,000万円もあるのに、納める相続税は合計 4,529,400円です。思ったより少ないですね。
先生
自宅の土地の特例と、配偶者の税額軽減が効いているからなんだ。この家族の数字を手がかりに、ラボの全体像タブを順に読んでいこうか。
🧭 全体像 ラボの画面
入口
このラボの引き方 ── 7つの切り口
📍 ラボの場所:全体像タブ 冒頭
ハルカ
タイルが7枚あります。条文から、取得者の種類から、財産の評価から…。所得税法ラボと同じ並びですが、名前が少し違いますね。
先生
相続税は「誰がどの財産をもらったか」で決まるから、納税者の種類の代わりに取得者の種類、会計との違いの代わりに財産の評価にしてあるんだ。
迷いポイント 相続税法を読めば、相続税の計算は全部分かる?
ハルカ
相続税法は本則71条と短いと書いてあります。それなら一晩で全部読めそうです。
先生
条文は短いけれど、土地や株の評価は財産評価基本通達、自宅の土地の特例は租税特別措置法、誰が相続人かは民法にあるんだ。相続税法だけでは計算が終わらないよ。
先生
だからラボでは、相続税法を軸にして、必要なところだけ措置法・民法・通達へ渡れるようにしてあるんだ。
💡 そうだったのか!
相続税法は
本則71条と短い法律ですが、
評価は通達、特例は措置法、相続人の範囲は民法にあります。同じ規定を、条文・取得者・財産の評価・申告書・手続・テーマ・設例の7方向から探せます。
📗 全体像 1 ラボの図
① 誰が:相続人・受遺者・納税義務者相続や遺贈で財産を取得した人が納めます。取得した時に国内に住所がある人はすべての財産に、国外に住む人は日本国籍や過去10年の住所などで課税される範囲が変わります。法定相続人の数は、基礎控除・非課税枠・法定相続分を決めます。
相続税法第1条の3 相続税法第2条 相続税法第15条 この段の図解へ ▶
全体像 1
このラボの背骨 ── 5段の流れ
📍 ラボの場所:全体像タブ 1
ハルカ
「誰が → 何に → いくら → 税額 → どう納める」。所得税法ラボでも、この5段で読みました。
先生
よく覚えていたね。相続税で違うのは③で相続人の数から基礎控除を決めることと、④で「法定相続分で分けたと仮定した税額」を合計してから配ることなんだ。
迷いポイント 相続税は、遺産をもらった人がそれぞれ自分の分だけ計算する?
ハルカ
所得税は一人ひとり計算しました。相続税も、もらった人ごとに計算すると思います。
先生
最後は一人ずつ納めるけれど、計算は家族全体の総額を先に出すんだ(第16条)。その総額を、実際にもらった割合で配る(第17条)よ。
ハルカ
家族全体で一度計算して、あとで分けるんですね。
先生
そう。だから課税価格の合計が同じなら、分け方を変えても総額は変わらないんだ。それに相続税は、亡くなった日の時価で計算するよ(第22条)。
💡 そうだったのか!
相続税法も
5段の流れで並びます。所得税と違うのは、
③基礎控除が相続人の数で決まること、
④家族全体の総額を計算してから各人に配ることです(第15条・第16条・第17条)。
📗 全体像 2 ラボの図
父の死亡保険金3,000万円は、受取人の母・長男・長女のもの。相続税の対象になる?
死亡保険金:みなし相続財産(非課税枠あり)亡くなった人が保険料を負担していた死亡保険金は、相続財産とみなされます(相続税法第3条第1項第1号)。相続人が受け取った保険金は、500万円×法定相続人の数まで非課税です(第12条第1項第6号)。相続税法第3条 例:生命保険金(受取人が相続人)
全体像 2
② 何に ── 本来の財産・みなし財産・非課税
📍 ラボの場所:全体像タブ 2
ハルカ
図の上に「父の死亡保険金3,000万円は、受取人の母・長男・長女のもの。相続税の対象になる?」と書いてあります。
先生
相続税がかかるのは、民法上の遺産だけではないんだ。死亡保険金や死亡退職金は相続財産とみなす財産になるよ(第3条第1項第1号・第2号)。
迷いポイント 死亡保険金は受取人のものだから、相続税とは関係ない?
ハルカ
保険金は3人の口座に1,000万円ずつ振り込まれました。遺産分割の話し合いにも出てこないので、相続税の外だと思います。
先生
遺産分割の対象外という点は合っているよ。ただ、亡くなった人が保険料を払っていた保険金は、相続税では相続で取得したものとみなすんだ。
ハルカ
それなら3,000万円が全部、課税価格に入るんですか。
先生
相続人が受け取った分は、500万円×法定相続人の数まで非課税なんだ(第12条第1項第6号)。A家は3人だから1,500万円が非課税で、残り1,500万円が入るよ。
💡 そうだったのか!
死亡保険金・死亡退職金は
みなし相続財産(第3条)。相続人が受け取った分は
500万円×法定相続人の数まで非課税です(第12条第1項第6号・第7号)。墓所や仏壇も非課税財産です。
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- 全体像タブの「② 何に」の図で、「非課税財産」の箱を押す
👀 下の説明が「非課税財産:課税価格に算入しない財産」に変わり、墓所・霊びょう・祭具や公益事業に使う財産などは課税されないこと(相続税法第12条第1項)、生前に買った墓の未払代金は債務控除できないことが表示されます。
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📗 全体像 3 ラボの図
③ 課税遺産総額基礎控除は3,000万円+600万円×3人=4,800万円(相続税法第15条)。課税価格の合計 11,650万円から引いた 6,850万円に、④で税率を掛けます。
全体像 3
③ いくら ── 遺産総額 → 課税価格 → 課税遺産総額
📍 ラボの場所:全体像タブ 3
ハルカ
1億8,000万円から特例の減額と非課税で6,300万円、債務・葬式費用で350万円を引いて、贈与の300万円を足します。課税価格の合計は1億1,650万円です。
先生
そこから基礎控除の4,800万円を引いた6,850万円が課税遺産総額。税率を掛けるのは、この金額を分けたものなんだ。
ハルカ
所得税法ラボで、税率を掛けるのは収入ではなく課税所得だと習いました。相続税も、引くものを引いてからなんですね。
先生
よく覚えていたね。基礎控除は3,000万円+600万円×法定相続人の数(第15条第1項)。A家は母・長男・長女の3人だから4,800万円だよ。
迷いポイント 相続を放棄した人は、基礎控除の人数から外れる?
ハルカ
長女が相続を放棄したら、相続人は2人になります。基礎控除は4,200万円に下がって、税金が増えそうです。
先生
相続を放棄しても、放棄がなかったものとした人数で数えるんだ(第15条第2項)。だから基礎控除は4,800万円のままだよ。
💡 そうだったのか!
課税遺産総額=課税価格の合計−
基礎控除(3,000万円+600万円×法定相続人の数)。法定相続人の数は、
相続の放棄がなかったものとして数えます(第15条)。
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- 全体像タブの「③ いくら」の図で、「② 課税価格の合計」を押す
👀 図の下の帯が「② 課税価格の合計:遺産総額 18,000万 → 課税価格の合計 11,650万」に変わり、特例の減額 4,800万円・保険金の非課税 1,500万円・債務と葬式費用 350万円を引き、3年以内の贈与 300万円を加えることが表示されます。
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📗 全体像 4 ラボの図
税率は「各人が実際にもらった額」ではなく「法定相続分で分けたと仮定した額」に掛ける5,000万円のうち、1,000万円までは10%、1,000万円超3,000万円までは15%…と区分ごとに税率が上がります。各法定相続人の税額を合計したものが相続税の総額で、課税価格の合計が同じなら、遺産の分け方を変えても総額は変わりません(相続税法第16条・第17条)。ただし小規模宅地等の特例の適用状況などが変わると、課税価格の合計とともに総額も変わります。
全体像 4
④ 税額 ── 法定相続分で分けたと仮定して税率を掛ける
📍 ラボの場所:全体像タブ 4
ハルカ
10%から55%まで8段の階段です。法定相続分に応ずる取得金額が5,000万円なら、税額は800万円と出ています。
先生
所得税と同じ超過累進で、区分ごとに税率を掛けて合計するんだ(第16条)。違うのは、税率を掛ける相手だよ。
迷いポイント 相続税の税率は、実際にもらった金額に掛ける?
ハルカ
長男がたくさんもらえば長男の税率が上がって、少ない長女は低い税率で済む、という仕組みですよね。
先生
そこが相続税の独特なところなんだ。税率は、課税遺産総額を法定相続分で分けたと仮定した金額に掛けるんだよ。A家なら母1/2、長男・長女1/4ずつで、6,850万円を分けるんだ。
ハルカ
母が3,425万円、長男と長女が1,712.5万円ずつ。それぞれ税率を掛けて合計すると、8,987,500円ですね。
先生
それが相続税の総額。課税価格の合計が同じなら、分け方で総額は変わらないんだ。ただ自宅の特例を誰が受けるかで、合計そのものが動くことはあるよ。
💡 そうだったのか!
税率(10%〜55%の8段階)は、課税遺産総額を
法定相続分で分けたと仮定した金額に掛けます。その合計が
相続税の総額で、課税価格の合計が同じなら
遺産の分け方では変わりません(第16条)。特例の適用が変われば総額も動きます。
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- 全体像タブの「④ 税額」の図で、「1億円」を押す
👀 「法定相続分に応ずる取得金額 10,000万円 → 税額 23,000,000円(実効 23.0%)」と、速算表の「10,000万円×30%−7,000,000円」が表示されます。
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📗 全体像 5 ラボの図
特例を使って税額が0特例を使う前の課税価格の合計が基礎控除を超えるときは、小規模宅地等の特例や配偶者の税額軽減で税額が0になっても、特例を受けるために申告書の提出が必要です(措置法第69条の4第7項・相続税法第19条の2第3項)。
全体像 5
⑤ どう納める ── 10か月以内の申告と納付
📍 ラボの場所:全体像タブ 5
ハルカ
相続の開始を知った日の翌日から10か月以内に申告して、同じ日までに納付。所得税の3月15日とは、期限の数え方がまるで違いますね。
先生
相続はいつ起きるか分からないから、知った日から数えるんだ(第27条第1項・第33条)。原則は金銭で一括、難しければ延納・物納があるよ。
迷いポイント 特例で税額が0になれば、申告しなくてよい?
ハルカ
設例のC家は、自宅の土地の特例で税額が0です。払う税金がないなら、税務署には年賀状くらいで十分ですよね。
先生
年賀状では特例は受けられないね。C家は特例を使う前の課税価格が4,350万円で、基礎控除4,200万円を超えているんだ。小規模宅地等の特例は申告書を出すことが要件だよ(措置法第69条の4第7項)。
ハルカ
特例のおかげで0円なのに、その特例を受けるために申告が要るんですね。
先生
そう。配偶者の税額軽減も同じで、申告書に書いて初めて受けられるんだ(第19条の2第3項)。「0円だから何もしない」が、いちばん危ないよ。
💡 そうだったのか!
申告と納付は
10か月以内(第27条第1項・第33条)。小規模宅地等の特例と配偶者の税額軽減は、
税額が0になっても申告書の提出が要件です(措置法第69条の4第7項・第19条の2第3項)。
⏱ 30秒だけラボで試す
- 設例・試算タブの試算で、プリセットの「C家」を押す
👀 納付税額の合計が0円になり、「納付税額は0ですが、…小規模宅地等の特例や配偶者の税額軽減を受けるため」申告が必要という注意が表示されます。
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👤 取得者の種類から 1 ラボの図
海外赴任5年目の日本人の子非居住無制限納税義務者。国内に住所はありませんが、日本国籍があり相続開始前10年以内に国内に住所があったので、国外の財産も含めすべてに課税されます(相続税法第1条の3第1項第2号イ)。
全体像 6
① 誰が ── 国外に住む人の納税義務
📍 ラボの場所:取得者の種類からタブ 1
ハルカ
判定フローの最初の問いは「財産を取得した時、国内に住所がある?」です。図は、海外赴任5年目の子の場合ですね。
先生
国内に住所があればすべての財産に、なければ日本国籍や過去10年の住所などで範囲が変わるんだ(第1条の3・第2条)。最初の分かれ道がここだよ。
迷いポイント 海外に住んでいる子は、日本の相続税と関係ない?
ハルカ
兄はシンガポールに赴任して5年になります。兄が遺産をもらっても、住んでいるのは海外なので、日本の相続税はかからないですよね。
先生
残念ながら、お兄さんも対象なんだ。日本国籍があって、相続開始前10年以内に国内に住所があれば、国外の財産も含めてすべてに課税されるよ(第1条の3第1項第2号イ)。
ハルカ
国外に住んでいても、日本の相続税からは簡単に抜けられないんですね。
先生
そう。外国籍で被相続人も国外に長い場合などに、国内の財産だけになるんだ。判定は亡くなった人の状況も見るよ。
💡 そうだったのか!
「誰が・どの範囲で」は、
取得した時の住所・日本国籍・相続開始前10年以内の住所と、
被相続人の状況で決まります(第1条の3・第2条)。海外赴任中の日本人の子は、国外の財産も課税されます。
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- 取得者の種類からタブの判定フローで、「海外の外国籍の孫」を押す
👀 「非居住制限納税義務者 国内にある財産だけ」に着き、「海外に住む外国籍の孫(祖父も20年海外)」は日本国籍がなく、被相続人も非居住被相続人なので、国内にある財産だけに課税されること(相続税法第1条の3第1項第4号・第2条第2項)が表示されます。
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🗺 条文から ラボの図
第二章 課税価格、税率及び控除(第11条〜第21条の18)相続税(第一節:③④の本流)、贈与税(第二節)、相続時精算課税(第三節) ツリーで開く ▶
条文から
8章の地図と、本則のツリー
📍 ラボの場所:条文からタブ
ハルカ
帯が8本あって、第二章がいちばん太いですね。第11条から第21条の18までです。
先生
第二章「課税価格、税率及び控除」が本流で、相続税・贈与税・相続時精算課税の計算がここにまとまっているんだ。
迷いポイント 贈与税は、相続税とは別の法律に書いてある?
ハルカ
贈与税の申告は毎年3月15日までで、相続税とは時期も違います。だから「贈与税法」があると思っていました。
先生
贈与税法という法律はないんだ。贈与税は相続税法の第二章第二節にあるよ。生前に財産を移して相続税を逃れるのを防ぐ、相続税の補完だからなんだ。
ハルカ
同じ法律の中にあるのは、二つがつながっているからなんですね。
先生
そう。だから相続のときに、生前の贈与を加算する規定(第19条)も同じ法律で書けるんだ。条文の検索で「贈与税」と入れると、まとめて出てくるよ。
💡 そうだったのか!
相続税法は
8章・本則71条。本流は
第二章(第11条〜第21条の18)で、相続税(第一節)・
贈与税(第二節)・相続時精算課税(第三節)が並びます。贈与税は相続税の補完です。
⏱ 30秒だけラボで試す
- 条文からタブの検索欄に「21の9」と入れる
👀 「第二章 › 第三節 相続時精算課税」の下に、第21条の9「相続時精算課税の選択」の1件が「枝」の札付きで表示されます。
ラボを開く ▶
🧾 申告書の様式から ラボの図
第1表相続税の申告書
財産を取得した人ごとに、課税価格・算出税額・加算額・税額控除・納付税額を1枚にまとめた表です。全員が1通の申告書に連名で記載できます。第2表〜第15表の結果が集まります。
もとになる条文:相続税法第27条第1項(申告書の提出)・第11条の2(課税価格)・第17条(各人の相続税額)・第33条(納付)
5段の流れ:⑤ どう納める
申告書
申告書の様式から条文へ
📍 ラボの場所:申告書の様式からタブ
ハルカ
第1表から第15表まで並んでいます。第11表は、合計表と財産の種類ごとの付表1〜4に分かれているんですね。
先生
よく見ているね。第1表が申告書の本体、第2表が相続税の総額の計算書で、全体像タブの④がそのまま様式になっているんだ。
迷いポイント 相続人は、一人ずつ別々に申告書を出す?
ハルカ
A家なら、母・長男・長女がそれぞれ申告書を書いて、3人で税務署の窓口に並ぶと思います。
先生
家族で並ぶのも悪くないけれど、提出先の税務署が同じなら共同して1通で提出できるんだ(第27条第5項)。第1表に全員の欄があって、連名で書くことが多いよ。
先生
財産の明細の第9表〜第11表・第13表から書いて、第15表、第1表、第2表、加算・控除の第4表〜第6表、最後にまた第1表へ戻るんだ。
💡 そうだったのか!
申告書は
財産の明細(第9表〜第11表・第13表)→ 第1表 → 第2表(総額)→ 第4表〜第6表(加算・控除)→ 第1表(納付税額)の順に作ります。同じ税務署なら
共同で1通提出できます(第27条第5項)。
今日の内容を、ラボで確かめてみませんか?
この記事の図は、すべて相続税法ラボの画面そのものです。全体像タブを開けば、同じ図を見ながら読み返せます。
相続税法ラボを開く ▶📝 相続税法ラボ【応用編】(取得者の種類・財産の評価・小規模宅地等・生前贈与と手続)応用編を読む ▶ 今日のまとめ ── 迷いポイント早見表
おわりに
今日のふりかえり
先生
今日のまとめだよ。相続税法も5段の流れで並び、②でみなし財産を足し、③で人数から基礎控除を決め、④で家族全体の総額を出してから配る。⑤は10か月以内で、特例を使うなら0円でも申告なんだ。
ハルカ
前は、相続税はお金持ちの家の話で、遺産に税率を掛けるもの、と思っていました。今日は、A家の 4,529,400円がどの条文から出てくるか、順に追えるようになりました。
先生
金額から条文にたどれるようになったのは大きいね。法定相続分で一度分けてから合計する、という発想が分かれば、相続税の半分は読めたようなものだよ。
ハルカ
社長の家の相続の話が出たら、まず相続人の人数と、保険金の受取人を確かめます。基礎控除と非課税枠が、それで決まりますから。
先生
いい順番だね。次の応用編では、取得者の種類、財産の評価、小規模宅地等の特例、生前贈与の加算、分割がまとまらないときの手続を見ていこうか。
参考資料
相続税法(昭和25年法律第73号。e-Gov法令検索、令和8年4月1日施行の版=令和6年法律第8号による改正まで)、租税特別措置法(第69条の4・第70条の2の4・第70条の2の5・第70条の3の2ほか)、民法(第五編 相続)、所得税法(第124条・第125条)、国税庁タックスアンサー(No.4102・4103・4124・4152・4155・4158・4161・4408ほか)、国税庁「相続税の申告書等の様式一覧(令和8年分用)」「令和6年分 相続税の申告事績の概要」(課税割合10.4%)。法令の確認日:2026年10月17日。ラボと記事の設例の人物・家族・金額はすべて架空です(単位:円、令和8年中の相続)。条番号・条見出しは、ラボ本体で e-Gov 法令検索の原文と照合しています(通達・国税通則法を除く)。
シリーズ:基礎編/応用編 / 関連:所得税法ラボ【基礎編】(5段の流れ・10種類の所得・課税所得・源泉徴収)/法人税法ラボ【基礎編】(5段の流れ・第22条・別段の定め・税率)
この記事を書いた人
TaxJudge編集部|公認会計士・税理士(実務25年)による企画・監修。会計基準・税法・裁決・有価証券報告書などの一次情報をもとに、検索できるデータベースと計算・判定・文書作成ツールを制作しています。