無料の学習ツール「所得税法ラボ」の読み方ガイドです。ラボの「納税者の種類から」「会計との違いから」「テーマから」「手続・期限から」「設例・試算」の各タブから、実務で迷いやすい論点を選んで、先生と生徒の会話形式で見ていきます。全体像タブの内容は基礎編で扱っています。登場する人物と設例の数値はすべて架空の例です。解説は公認会計士・税理士が監修しています。各行の図はラボの図そのものです(記事内の図は表示用で、ボタンやクリックの操作はできません。操作は各節の「ラボで開く」「ラボを開く」からラボ本体で試せます)。重要な節の最後には、ラボで30秒だけ手を動かす小さな実習を置いています。
今日の題材 ── 3人を並べると見えること
会社員・個人事業者・不動産オーナー・年金受給者 ── 6列の違い
帳簿/所得税法/決算書・申告書
帳簿の利益700万円が事業所得635万円になるまで
- 設例・試算タブで「設例:Bさん(個人事業者・青色申告)」を選ぶ
- 「青色申告特別控除」を「10万円(簡易簿記など)」に切り替える
👀 課税総所得金額が 4,300,000円から 4,900,000円に増え、確定申告で納める税金が 91,500円から 214,100円に変わります。
ラボを開く ▶損益通算 ── 不動産の赤字を給与所得から引く
純損失の繰越控除 ── 3年間の年表
- 設例・試算タブで「純損失を3年間で使う(青色)」を選び、「次へ」を押していく
👀 1年目の純損失 300万円が、繰越残 200万円、50万円、0(使い切り)と減っていき、最後に繰戻し還付(第140条・第142条)の説明が出ます。
ラボを開く ▶総合課税と分離課税 ── 株の損は給与と通算できない
源泉徴収と年末調整 ── 支払う側の義務
青色申告の特典と要件
⑤ どう納める ── 1年のカレンダー
- 手続・期限からタブの「1年のカレンダー」で、「源泉徴収義務者(納期の特例)」を押す
👀 7月10日に「1〜6月分の源泉所得税を納付(第216条)」、翌1月20日に「7〜12月分を納付」、翌1月31日に「源泉徴収票・支払調書を提出(第226条・第225条)」が並びます。
ラボを開く ▶届出・申告・納付の一覧(時期順)
- 手続・期限からタブの時期ボタンで、「開業時」を押す
👀 開業等の届出・青色申告承認申請・青色事業専従者給与に関する届出・給与支払事務所等の開設届出・源泉所得税の納期の特例の承認申請の5行に絞られ、それぞれの期限と条文が表示されます。
ラボを開く ▶今日のまとめ ── 迷いポイント早見表
| 迷いポイント | 答え | ラボ |
|---|---|---|
| 副業の売上が20万円を超えたら確定申告? | 判定は売上ではなく所得(第121条第1項)。住民税の申告は別に必要なことがある | 納税者の種類 |
| 自分の所得税は租税公課で必要経費になる? | 所得税・住民税は必要経費にならない(第45条第1項)。事業税・事業用の固定資産税はなる。減価償却は強制償却(法人税は任意償却) | 会計との違い |
| 家事に関係する支出も必要経費になる? | 業務に必要な部分を明らかに区分できる場合だけ(第45条第1項第1号)。青色申告特別控除で帳簿の利益700万円→事業所得635万円 | 会計との違い A1 |
| どの所得の赤字でも給与と通算できる? | 不動産・事業・山林・譲渡の4つだけ(第69条第1項)。雑所得の赤字、土地取得の借入利子分は不可 | 会計との違い A2 |
| 個人の純損失も10年繰り越せる? | 青色申告なら3年(第70条第1項)。50%の制限はない。前年への繰戻し還付もある(第140条) | テーマ1 |
| 株の損は給与と相殺できる? | 分離課税の赤字は総合課税と通算できない(措置法第37条の10第1項)。上場株式等は申告分離課税の配当等と通算・3年繰越 | テーマ2 |
| 源泉徴収を忘れたら困るのは外注先? | 支払者から徴収される(第221条)。不納付加算税・延滞税も支払者に。報酬の10.21%・20.42%は代表例で、計算方法が違う報酬もある | テーマ3 |
| 青色申告の承認申請は確定申告と一緒でよい? | その年の3月15日まで。1月16日以後の開業は2か月以内(第144条) | テーマ4 |
| 予定納税は確定申告と別の税金? | 同じ年分の前払い(第104条)。源泉所得税は翌月10日、納期の特例なら7月10日・翌年1月20日(第216条。給与・退職手当と税理士等の報酬の分だけ) | 手続・期限1 |
| 開業届は1か月以内? | 令和8年1月1日以後の開業は確定申告期限まで(第229条)。給与支払事務所等の開設届出は1か月以内(第230条) | 手続・期限2 |
今日のふりかえり
参考資料
所得税法(昭和40年法律第33号。e-Gov法令検索、令和8年10月1日施行の版)、租税特別措置法、所得税法施行令、国税通則法、復興財源確保法、令和8年度税制改正(令和8年12月1日施行・令和8年分以後に適用:基礎控除の引上げ、給与所得控除の最低保障額、扶養親族等の所得要件、令和9年分以後の防衛特別所得税・青色申告特別控除の見直し)、国税庁「令和8年分 年末調整のしかた」「令和8年度税制改正(個人所得課税)」「防衛特別所得税及び復興特別所得税に関するQ&A」。法令の確認日:2026年10月14日(改正後の金額は2026年10月15日に国税庁資料で確認)。ラボと記事の設例の人物・金額はすべて架空です(単位:円、令和8年分)。条番号・条見出しは、ラボ本体で e-Gov 法令検索の原文と照合しています(通達を除く)。
シリーズ:基礎編/応用編 / 関連:法人税法ラボ【応用編】(会計との違い・別表・手続の期限・グループと国際)/年末調整ラボ【応用編】(対象者・確定申告・実務スケジュール)/別表五(二)ラボ【応用編】(修正申告・附帯税・源泉所得税)
