MENU

子会社管理ラボ【応用編】|先生と一緒に図で学ぶ決算日変更・5項目の修正・持分変動・回復可能性・評価範囲・簿価減額

子会社管理ラボ【応用編】|先生と一緒に図で学ぶ決算日変更・5項目の修正・持分変動・回復可能性・評価範囲・簿価減額

無料の学習ツール「子会社管理ラボ」の読み方ガイドです。ラボの応用タブから、実務で迷いやすい論点を選んで、先生と生徒の会話形式で見ていきます。基礎タブの内容は基礎編で扱っています。登場する会社と設例の数値はすべて架空の例です。解説は公認会計士・税理士が監修しています。各行の図はラボの図そのものです(記事内の図は表示用で、ボタンやクリックの操作はできません。操作は各節の「ラボで開く」「ラボを開く」からラボ本体で試せます)。重要な節の最後には、ラボで30秒だけ手を動かす小さな実習を置いています。

📙 早見表 ラボの図
状況やること根拠
子会社の決算日が連結決算日と違う(3か月以内)正規の決算を基礎にできる。重要な不一致を整理連結会計基準 注4
同・3か月超連結決算日に仮決算(正規の決算に準ずる手続)、または決算日変更連結会計基準 第16項
在外子会社がIFRS/米国基準で決算そのまま利用可。5項目(のれん償却など)を修正実務対応報告第18号
国内子会社の会計方針が親会社と違う同一環境下の同一の性質の取引は原則統一連結会計基準 第17項
在外子会社の純資産に為替換算差額為替換算調整勘定(純資産)。非支配株主持分に按分外貨建基準 三 4、移管指針第2号 第41項
在外子会社を一部売却(支配継続)為替換算調整勘定の減少割合相当は資本剰余金へ(連結B/Sの調整勘定は非支配株主持分へ振替)移管指針第2号 第42-3項
子会社株式の実質価額が取得原価の50%程度以上低下個別で減損。回復可能性が十分なら減額しないことも可金融商品会計基準 第21項、移管指針第9号 第92項
個別で減損した子会社にのれんが残っている減損後簿価が親会社持分+のれんを下回る額を、のれん未償却額まで償却移管指針第4号 第32項
子会社の売上高がグループの2/3累計に入るJ-SOX の重要な事業拠点(業務プロセス評価)。機械的適用は不可実施基準 Ⅱ 2(2)
子会社の売上高が全体の5%未満で95%累計に入らない全社的な内部統制の評価から僅少として除外できる例示実施基準 Ⅱ 2(2) 注1
子会社が売上高・仕入高10%/純資産30%/資本金10%以上特定子会社。異動決定で臨時報告書開示府令 第19条第2項第3号・第10項
連結売上高の10%超の子会社有報に主要な損益情報等を記載第二号様式 記載上の注意(28)h
完全子法人からの配当が株式簿価の10%超益金不算入は全額。ただし簿価減額特例(適用除外あり)法人税法23条、施行令119条の3第10項
100%グループ内で固定資産(簿価1,000万円以上)を売却譲渡損益を繰延(グループ法人税制)法人税法61条の11
外国子会社(25%以上・6か月)から配当95%益金不算入。現地で損金算入される配当は対象外法人税法23条の2
はじめに

今日の題材 ── 子会社で起きたこと → やることの早見表

📍 ラボの場所:応用タブ 早見表
ハルカ
応用タブの最初は「子会社で起きたこと → やることの早見表」ですね。状況、やること、根拠の3列です。
先生
子会社に何かが起きたときに、どの規定を確かめるかを引く表なんだ。応用編では、この表の中から実務で迷いやすい論点を選んで、応用タブの節で見ていくよ。
ハルカ
決算日、5項目、為替、減損、J-SOX、配当…。基礎編で習った層が、全部「起きたこと」の形で並んでいます。
先生
基礎編は「何をするか」、応用編は「何が起きたらどうするか」なんだ。早見表を手元に置いて、順に読んでいこうか。
ラボの応用タブを開きながら読むと分かりやすいですラボで開く ▶
📙 応用 1 ラボの図
親会社4月5月6月7月8月9月10月11月12月1月2月3月連結決算日 3月末子会社4月5月6月7月8月9月10月11月12月1月2月3月子会社の決算日 12月末差異 3か月(3か月以内)
応用 1

決算日差異の「重要な不一致」と決算日変更

📍 ラボの場所:応用タブ「決算日差異の「重要な不一致」と決算日変更」
ハルカ
基礎編と同じ年表ですが、今度は「決算日変更」が出てきます。差をなくすために、子会社の決算日を3月に変えるんですね。
先生
3か月を超える差があると、連結決算日に仮決算をすることになって、子会社の負担が大きいんだ。そこで、決算日を親会社に合わせる会社が多いよ。
迷いポイント 決算日を変えた年は、子会社の損益を12か月分だけ取り込めばよい?
ハルカ
12月決算を3月決算に変えても、連結に入れるのは1年分なので、12か月分の損益だけ使えばいいと思っていました。
先生
変えた年は、子会社の会計期間が12か月と違う長さになるんだ。12か月を超える期間の損益を利益剰余金で調整するか、損益計算書を通すかを決めて、注記で示す実務があるよ。
ハルカ
子会社だけ1年が15か月になるなんて、時差ぼけならぬ決算ぼけになりそうです。
先生
ぼけないように、移行の年の扱いを先に決めておくんだ。定款の変更や税務署への異動届のように、会計以外の手続も一緒に準備するよ。
💡 そうだったのか!
決算日を親会社に合わせると差はなくなる。変えた年は12か月と違う期間の損益の扱いを決め、注記で示します。
📙 応用 2 ラボの図
在外子会社:IFRS/米国基準の財務諸表そのまま連結に使ってよい(当面の取扱い)ただしこの5項目は日本基準に修正(修正額に重要性が乏しい場合を除く)① のれんの償却② 退職給付の数理計算上の差異の費用処理③ 研究開発費の支出時費用処理④ 投資不動産の時価評価・固定資産の再評価⑤ 資本性金融商品の公正価値変動(OCI選択)の組替え国内子会社:同一環境下の同一の性質の取引等は、原則として親会社と統一(連結会計基準 第17項)ただし、指定国際会計基準・修正国際基準で連結財務諸表を作成し有報で開示している国内子会社は、上の当面の取扱いの対象
応用 2

実務対応報告第18号の5項目を確かめる

📍 ラボの場所:応用タブ「実務対応報告第18号の5項目を確かめる」
ハルカ
5項目が並んでいます。のれんの償却、数理計算上の差異、研究開発費、投資不動産・再評価、資本性金融商品のOCI選択。
先生
どれも、費用の配分や、当期純利益と株主資本のつながりという日本基準の考え方から見て、差の大きい項目なんだ。重要性が乏しい場合を除いて、連結上で修正するよ。
迷いポイント IFRSの子会社ののれんは、取得時までさかのぼって全部償却し直す?
ハルカ
IFRSはのれんを償却しないので、日本基準に合わせるなら、取得の年までさかのぼって全部償却し直すのかと思っていました。
先生
修正は、計上後20年以内の効果の及ぶ期間で規則的に償却する形なんだ。ただ、減損した後の帳簿価額が、償却した場合の金額を下回るなら修正は要らないよ。その後は減損後の帳簿価額をもとに償却するんだ。
ハルカ
修正しなかった年も、何か記録を残すんですか。
先生
子会社ごとに5項目の「該当・金額・重要性の判断」を毎期更新しておくんだ。修正しなかった判断も、監査で説明できるように残すよ。
💡 そうだったのか!
5項目は重要性が乏しい場合を除き連結上で修正する。のれんは20年以内で償却し直し、修正しない判断も記録に残します。
⏱ 30秒だけラボで試す
  1. 「設例・在外調整」タブで「① のれんの償却(設例1)」を開く
  2. ステップ1のグラフで、子会社のB/Sと連結上ののれんを比べる

👀 子会社のB/Sではのれん 900 のまま、連結上は修正を始めた第4期末に 600、第5期末に 525 になります(単位:千USD)。

ラボを開く ▶
📙 応用 3 ラボの図
支配継続の一部売却減少割合相当の為替換算調整勘定資本剰余金へ・残高は非支配へ(第42-3項)支配喪失(全部・大部分の売却)減少割合相当の為替換算調整勘定株式売却損益を構成(第42-2項)追加取得非支配株主持分に含まれていた調整勘定相当額投資と自動的に相殺(第41項(1))
応用 3

持分が変わったときの為替換算調整勘定

📍 ラボの場所:応用タブ「持分が変わったときの為替換算調整勘定」
ハルカ
持分が変わったときの3つの箱ですね。支配が続く一部売却、支配を失う売却、追加取得。行き先が全部違います。
先生
為替換算調整勘定のうち、持分の減少割合に当たる額をどこへ動かすかが決まっているんだ。支配を失うなら、株式売却損益を構成して連結の損益に出るよ(移管指針第2号 第42-2項)。
迷いポイント 子会社の株式を一部売ったら、為替換算調整勘定はいつも損益に振り替わる?
ハルカ
基礎編で「売るまでは純資産に溜める」と確かめました。だから、一部でも売ったら、その分は損益になると思っていました。
先生
支配が続く一部売却では、減少割合相当額を資本剰余金に含めて、損益にはしないんだ(第42-3項)。連結の範囲の中で持分が動くだけなら、親会社株主と非支配株主の間の取引として資本の中で処理するよ。
ハルカ
在外子会社換算ラボの応用編で「支配が続くなら資本剰余金」と出てきたのを、いま思い出しました。
先生
よく思い出したね。追加取得のときは、非支配株主持分に含まれていた為替換算調整勘定の相当額が、親会社の投資と自動的に相殺されるんだ(第41項(1))。
ハルカ
せっかく円安で溜まった分を手放しても、利益として喜べないんですね。
先生
喜べるかどうかは、支配を失うかどうか次第なんだ。だから、子会社ごとに為替換算調整勘定の残高と持分の内訳を台帳で持っておくといいよ。
💡 そうだったのか!
為替換算調整勘定は、支配を失う売却なら損益へ、支配が続く一部売却なら資本剰余金へ。追加取得では投資と自動的に相殺されます。
📙 応用 4 ラボの図
取得原価1,380実質価額720純資産600×70% + 超過収益力等 300取得原価の50%(690)低下率 47.8% → 著しい低下に当たらない減損なし(取得原価のまま)
応用 4

減損の判断:超過収益力と回復可能性

📍 ラボの場所:応用タブ「減損の判断:超過収益力と回復可能性」
ハルカ
事例Eの図では、純資産600×70%に超過収益力等300を足して、実質価額720。低下率47.8%で「著しい低下に当たらない」です。
先生
取得時の事業計画どおりに超過収益力が保たれていれば、それを実質価額に反映できるんだ(移管指針第9号 第92項)。事業計画が崩れて超過収益力が失われていれば、加えることはできないよ。
迷いポイント 50%以上下がったら、必ず減損する?
ハルカ
事例Cは低下率69.6%だったので、50%を超えたら例外なく減損するものだと思っていました。
先生
50%程度以上の低下は「著しい低下」の目安なんだ。ただ、回復可能性が十分な証拠で裏付けられるなら、減額しないことも認められているよ(第92項)。
ハルカ
その「十分な証拠」は、どう示すんですか。
先生
事業計画が実行可能で合理的か、取締役会の承認、過去の計画の達成状況、回復までの期間を確かめて、記録に残すんだ。意気込みだけでは足りないよ。
ハルカ
「来年こそジムに通います」という私の決意も、過去の達成状況を見られたら証拠として弱そうです。
先生
達成状況まで見られると、確かに厳しいね。減損の判断は監査でもよく問われるところなので、根拠の記録を毎期そろえておこうか。
💡 そうだったのか!
実質価額には保たれている超過収益力を反映できる。50%以上下がっても、回復可能性が十分な証拠で裏付けられれば減額しないことも認められます。
⏱ 30秒だけラボで試す
  1. シミュレーションの「子会社株式の減損」で「事例C 純資産600・のれん264」を押す
  2. 「事例C・回復可能性あり」に切り替える

👀 低下率は 69.6%のままですが「著しい低下だが減額しない(回復可能性)」と表示され、減損額(個別)と追加ののれん償却額(第32項)がどちらも 0 になります(のれんには、これとは別に固定資産の減損会計基準による判定があります)。

ラボを開く ▶
📙 応用 5 ラボの要点
  • 関連当事者の範囲親会社、子会社、同一の親会社をもつ会社、関連会社、主要株主、役員、親会社の役員、重要な子会社の役員とその近親者など第5項(3)。
  • 開示対象外連結で相殺消去した連結会社間取引第6項。一般競争入札、預金利息・配当の受取りなど条件が一般と同じことが明白な取引、役員報酬第9項。
  • ⚠ 注意子会社の非支配株主・役員子会社の主要株主であるだけでは、連結財務諸表上の関連当事者にならない。親会社の主要株主か、「重要な子会社」の役員かなど、第5項(3)の関係に当たるかを確かめる。
  • ⚠ 注意個別財務諸表連結財務諸表で関連当事者の開示をしていれば、個別での開示は要しない第4項。会社法の個別注記表(関連当事者との取引)は別の制度として確かめる。
応用 5

関連当事者と非支配株主との取引

📍 ラボの場所:応用タブ「関連当事者と非支配株主との取引」(図のない節)
ハルカ
この節は図がなくて、カードだけですね。関連当事者の範囲、開示対象外の取引、子会社の非支配株主・役員、個別財務諸表。
先生
基礎編で、連結で消去した取引は開示の対象外だと見たね。応用では、子会社の周りにいる人や会社との取引を考えるんだ。
迷いポイント 子会社の非支配株主は、それだけで関連当事者になる?
ハルカ
子会社に30%出資している会社は、子会社にとって大株主なので、連結財務諸表の関連当事者になると思っていました。
先生
子会社の主要株主であるだけでは、連結財務諸表の関連当事者にならないんだ。親会社の主要株主に当たるか、重要な子会社の役員に当たるかなど、第5項(3)の関係があるかを確かめるよ。
ハルカ
親会社の個別財務諸表では、子会社との取引を開示するんですよね。
先生
子会社も関連当事者だけど、連結財務諸表で関連当事者の開示をしていれば、個別での開示は要しないんだ(関連当事者基準 第4項)。会社法の個別注記表は、別の制度として確かめるよ。
💡 そうだったのか!
子会社の非支配株主はそれだけでは関連当事者にならない。連結財務諸表で開示していれば、個別財務諸表での開示は要しません。
📙 応用 6 ラボの図
① 全社的な内部統制原則すべての事業拠点。売上高で95%に入らない子会社は僅少として除外できる(例示)② 重要な事業拠点連結売上高等のおおむね2/3程度(例示)。前年度有効・変更なし・中核会社でないなら対象外にでき、2/3を相当程度下回ることもある③ 業務プロセスの識別事業目的に大きく関わる勘定科目(例:売上・売掛金・棚卸資産)に至る業務プロセス。合計しても売上の5%程度以下で、主要な事業との関連が低く影響も軽微なら除外できる(例示)④ 個別に追加リスクの高い取引・見積り・非定型取引、財務報告への影響が大きい業務プロセスを追加2023年改訂(2024年4月1日以後開始事業年度):比率を機械的に適用しない範囲外で開示すべき重要な不備が識別されたら、その時点を含む期の評価範囲に加える/監査人と計画段階で協議
応用 6

J-SOX の評価範囲を決める(95%・2/3・3勘定・5%)

📍 ラボの場所:応用タブ「J-SOX の評価範囲を決める」
ハルカ
①全社的な内部統制、②重要な事業拠点、③業務プロセス、④個別に追加。4段で範囲を絞っていくんですね。
先生
全社的な内部統制は原則すべての拠点で、売上高で95%に入らない子会社は僅少として除外できる例示があるんだ。重要な事業拠点は、連結売上高等のおおむね3分の2程度が例示だよ。
迷いポイント 売上の小さい子会社は、評価範囲から外してよい?
ハルカ
売上が小さければ3分の2にも入らないし、95%の外なら全社的な統制も見なくていいので、評価範囲から外せると思っていました。
先生
比率は例示で、2023年改訂で機械的に当てはめないことがはっきりしたんだ。業務プロセスの5%も、合計して5%程度以下で、主要な事業との関連が低く影響が軽微な場合の例示だよ。
ハルカ
J-SOXラボで、範囲を決めた事由を3項目それぞれに書く、と習いました。
先生
そう、つながっているね。小さくてもリスクの高い取引や見積りがある子会社は、個別に評価の対象に加えるんだ。
ハルカ
評価範囲の外で問題が見つかったら、どうなるんですか。
先生
評価範囲の外で開示すべき重要な不備が識別された場合は、少なくともその不備が識別された時点を含む会計期間の評価範囲に加えることが適切なんだ。
💡 そうだったのか!
95%・3分の2・5%はどれも例示。小さな子会社でもリスクや質的な重要性があれば評価範囲に加えます。
⏱ 30秒だけラボで試す
  1. シミュレーションの「J-SOX 評価範囲」で「事例F 6拠点」を押す
  2. 「1社で7割」に切り替える

👀 事例Fは重要な事業拠点 3拠点(カバー率 80%)。「1社で7割」にすると、1拠点で 70%に届くので、重要な事業拠点は 1拠点になります。

ラボを開く ▶
📙 応用 7 ラボの図
完全子法人株式等100%関連法人株式等100%-負債利子その他の株式等50%非支配目的株式等20%配当等の額30,000益金不算入額30,000益金に算入0簿価減額特例:適用 → 帳簿価額 240,000 - 30,000 = 210,000配当等の合計が帳簿価額の10%超で、入力した適用除外(第1〜4号)に当たらない
応用 7

受取配当と簿価減額特例

📍 ラボの場所:応用タブ「受取配当と簿価減額特例」
ハルカ
配当30,000千円で、益金不算入も30,000千円。その下で、帳簿価額が240,000から210,000に下がっています。
先生
完全子法人株式等の配当は全額が益金不算入で、配当が帳簿価額の10%を超えているから、簿価減額特例で益金不算入相当額を帳簿価額から減らしているんだ。
迷いポイント 同じ年度に2回配当を受けたら、10%の判定も減額も、それぞれの直前の簿価で行う?
ハルカ
2回目の配当なら、1回目の減額後の210,000を基準に10%を判定して、そこから減らすのかと思っていました。
先生
判定と減額で、使う簿価が違うんだ。10%の判定は、各基準時の直前の帳簿価額のうち最も大きい金額で行い、減額は今回の配当の直前の実際の簿価から行うよ。
ハルカ
判定には一番大きかったころの写真を使って、減らすのは今の姿から、ということですね。
先生
たとえとしては分かりやすいね。適用除外には、内国株主割合90%以上、特定支配日から10年超、配当の合計2,000万円以下などがあるので、先に確かめるんだ。
ハルカ
関連法人株式等の「3分の1超」は、自社の持株だけで判定するんですか。
先生
完全支配関係のある法人の持株も合わせた、グループ全体の割合で判定するんだ。自社20%・100%子会社20%なら、合計40%で関連法人株式等になるよ。
💡 そうだったのか!
10%の判定は各基準時の直前の簿価のうち最も大きい額、減額は今回の配当の直前の実際の簿価から。株式の区分はグループ全体の持株で判定します。
⏱ 30秒だけラボで試す
  1. シミュレーションの「受取配当の税務」で「事例G 完全子法人・配当30,000千円」を押す
  2. 「同じ年度の2回目の配当」に切り替える
  3. 「自社20%+100%子会社20%」に切り替える

👀 2回目の配当では、直前の簿価 210,000千円から減額して 180,000千円になります。自社20%+100%子会社20%では、グループ全体 40%で関連法人株式等になり、益金不算入は 28,800千円です。

ラボを開く ▶
📙 応用 8 ラボの図
検討が必要0件要確認3件
  • ✔外国子会社からの配当(95%益金不算入) 要件内・適用免除配当を受ける法人の持株が原則25%以上(租税条約で軽減あり)・6か月以上の目安を満たす → 配当の95%が益金不算入の対象。現地で損金算入される配当は対象外。
  • ✔外国子会社合算税制(CFC) 要件内・適用免除経済活動基準を満たし、租税負担割合20%以上の目安 → 適用免除。
  • ?移転価格税制 要確認国外関連者との取引あり → 独立企業間価格の根拠を用意。取引額が一定以上(前期の取引50億円以上、または無形資産取引3億円以上)ならローカルファイルを申告期限までに作成。
  • ?グローバル・ミニマム課税 要確認規模要件(年間総収入金額7.5億ユーロ以上が直前4対象会計年度のうち2以上)に当たる前提。GloBE実効税率が未計算 → 要確認。CFCの租税負担割合とは計算方法が違うので、会計の数字から国別に計算してから判定する。セーフハーバーの適用と情報申告も確認。
  • ?配当の源泉税(現地)と租税条約 要確認所在地国の法令・租税条約により、配当に源泉税が課される場合がある。租税条約の軽減税率は届出などの手続が要る国が多い。95%益金不算入の配当にかかった源泉税は、外国税額控除の対象外で損金にもならない。
応用 8

海外子会社の税務(配当・CFC・移転価格)

📍 ラボの場所:応用タブ「海外子会社の税務」・海外子会社管理タブ 6 のチェッカー
ハルカ
海外子会社管理タブのチェッカーで、5つの制度に「要件内・適用免除」「要確認」の印が付いています。標準の製造子会社だと、要確認が3件ですね。
先生
外国子会社からの配当、外国子会社合算税制、移転価格税制、グローバル・ミニマム課税、配当の源泉税の5つなんだ。入口の目安だけを示して、詳しい要件は各ラボで確かめる作りだよ。
迷いポイント 外国子会社の配当の25%も、日本のグループ全体の持株で判定する?
ハルカ
CFC税制ラボで、日本側の合計で50%超かどうかが先だと習いました。だから外国子会社の配当の25%も、グループ合計で判定すると思っていました。
先生
CFCの50%超はグループ全体で見る、という覚え方は正しいね。でも外国子会社配当益金不算入の25%(租税条約で下がることもある)は、配当を受ける法人自身の保有割合で判定するんだ(法人税法 第23条の2)。
ハルカ
同じ子会社なのに、制度ごとにものさしが違うんですね。
先生
だからチェッカーも、2つの持株割合を分けているんだ。グローバル・ミニマム課税なら、まず年間総収入金額7.5億ユーロ以上という規模要件を確かめて、GloBE実効税率はCFCの租税負担割合とは別に計算するよ。
💡 そうだったのか!
外国子会社配当の25%は配当を受ける法人の保有割合、CFCの50%超は日本側の合計で判定。税負担もCFCとGloBEで別の数字を使います。
⏱ 30秒だけラボで試す
  1. 「海外子会社管理」タブの「税務:海外子会社にかかる5つの制度」を開く
  2. 「低税率国の販売子会社(税負担12%と仮定)」を押す

👀 「検討が必要 1件」になり、グローバル・ミニマム課税が「規模要件に当たる前提で、GloBE実効税率 12%(15%未満)→ 上乗せ課税を検討」、CFCは「部分合算を検討」の要確認に変わります。

ラボを開く ▶

今日の内容を、ラボで確かめてみませんか?

この記事の図は、すべて子会社管理ラボの画面そのものです。応用タブを開けば、同じ図を見ながら読み返せます。

子会社管理ラボを開く ▶

今日のまとめ ── 迷いポイント早見表

迷いポイント答えラボ
決算日を変えた年は、12か月分の損益だけ取り込めばよい?12か月と違う期間の損益の扱いを決めて注記する。定款・税務の手続も応用1
IFRSの子会社ののれんは、取得時までさかのぼって全部償却し直す?20年以内で規則的に償却する形に修正。減損後の簿価が下回れば修正不要応用2
一部売ったら、為替換算調整勘定はいつも損益に振り替わる?支配を失う売却は損益、支配が続く一部売却は資本剰余金応用3
50%以上下がったら、必ず減損する?回復可能性が十分な証拠で裏付けられれば減額しないことも認められる応用4
子会社の非支配株主は、それだけで関連当事者になる?ならない。第5項(3)の関係を確かめる。連結で開示すれば個別は不要応用5
売上の小さい子会社は、評価範囲から外してよい?比率は例示。リスクや質的な重要性があれば加える応用6
2回目の配当も、直前の簿価で10%を判定する?判定は最も大きい簿価、減額は今回の配当の直前の簿価から応用7
外国子会社の配当の25%も、グループ全体で判定する?配当を受ける法人の保有割合で判定。CFCの50%超は日本側の合計応用8
おわりに

今日のふりかえり

先生
今日のまとめだよ。決算日を変えた年は期間の扱いを決め、5項目は重要性を見て修正する。為替換算調整勘定は支配が続くかどうかで行き先が変わり、減損・評価範囲・配当の判定は根拠とセットで使うんだ。
ハルカ
前は「何%なら」という数字ばかり覚えようとしていました。今日は、その数字が目安なのか要件なのかを先に確かめることが大事だと分かりました。
先生
そこに気づけたのは大きいよ。1つだけ付け加えると、簿価減額特例の10%や受取配当の区分は、目安ではなく条文の要件なんだ。
ハルカ
目安と要件を色分けしたノートを作ります。赤が要件、青が目安。…ペンは3色あるので、緑は「まだ分からない」にします。
先生
緑が少しずつ減っていくのを楽しみにしているよ。基礎編から読み返すと、5つの層の図の見え方がきっと変わるはずなんだ。

参考資料

企業会計基準第22号「連結財務諸表に関する会計基準」(第16項・第17項・注4)、実務対応報告第18号「連結財務諸表作成における在外子会社等の会計処理に関する当面の取扱い」、外貨建取引等会計処理基準 三、移管指針第2号(外貨建取引等の会計処理に関する実務指針)第39項〜第42-3項、企業会計基準第10号「金融商品に関する会計基準」第21項、移管指針第9号(金融商品会計に関する実務指針)第92項、移管指針第4号(連結財務諸表における資本連結手続に関する実務指針)第32項、企業会計基準第11号「関連当事者の開示に関する会計基準」、財務報告に係る内部統制の評価及び監査の基準・実施基準(2023年改訂)、会社法第362条・会社法施行規則第100条・第118条、企業内容等の開示に関する内閣府令 第19条・第二号様式、監査基準報告書600、法人税法第23条・第23条の2、法人税法施行令第119条の3、租税特別措置法第66条の4・第66条の6。ラボの基準確認日:2026年9月20日。ラボと記事の数値は学習用の独自の設例です。公認会計士が監修しています。
このシリーズの記事:子会社管理ラボ【基礎編】

📓 ハルカの学習ノートで、この章を見る ▶

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

TaxJudge編集部|公認会計士・税理士(実務25年)による企画・監修。会計基準・税法・裁決・有価証券報告書などの一次情報をもとに、検索できるデータベースと計算・判定・文書作成ツールを制作しています。