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印紙税法ラボ【基礎編】|図で学ぶ5段の流れ・20種類の課税文書・記載金額・税率

印紙税法ラボ【基礎編】|図で学ぶ5段の流れ・20種類の課税文書・記載金額・税率

無料の学習ツール「印紙税法ラボ」の読み方ガイドです。ラボの全体像タブを中心に、作成者の立場・条文のタブも合わせて、先生と生徒の会話形式で見ていきます。登場する人物と設例の数値はすべて架空の例です。解説は公認会計士・税理士が監修しています。各行の図はラボの図そのものです(記事内の図は表示用で、ボタンやクリックの操作はできません。操作は各節の「ラボで開く」「ラボを開く」からラボ本体で試せます)。重要な節の最後には、ラボで30秒だけ手を動かす小さな実習を置いています。

今日の事例
設例A社(不動産会社。個人の買主に土地3,000万円・建物2,000万円を売却、消費税200万円。単位:円)
土地建物売買契約書に書かれた総額(土地+建物+消費税)52,000,000
うち消費税額(契約書に区分記載)2,000,000
記載金額(課税標準)50,000,000
第1号文書の税率(1,000万円超5,000万円以下・軽減税率)10,000
契約書は売主・買主で各1通=2通20,000
手付金500万円の受取書(第17号文書・300万円超500万円以下)1,000
納める印紙税の合計21,000
(軽減税率がなければ)41,000
(消費税額を区分記載しなければ、契約書は1通30,000円)61,000
はじめに

今日の題材 ── A社の売買契約書から印紙税法を引く

📍 ラボの場所:全体像タブ・設例・試算タブ(A社)
ハルカ
先生、印紙税って「契約書に200円の印紙を貼るもの」くらいの理解です。法律があることは知っていましたが、開いたことがありません。
先生
ほとんどの人がそうだよ。今日はどの文書に、いくらの印紙が要るのかを条文と別表で引けるようになるのが目標だよ。
ハルカ
表のA社は、同じ売買契約書なのに、消費税額を書き分けるかどうかで1通1万円と3万円に分かれています。書き方で3倍も違うんですか。
先生
そう。印紙税は文書に何がどう書いてあるかで決まる税なんだ。この会社の数字を手がかりに、ラボの全体像タブを順に読んでいこうか。
ラボの全体像タブを開きながら読むと分かりやすいですラボで開く ▶
🧭 全体像 ラボの画面
入口

このラボの引き方 ── 7つの切り口

📍 ラボの場所:全体像タブ 冒頭
ハルカ
タイルが7枚あります。条文から、作成者の立場から、経理処理から…。法人税法ラボや所得税法ラボと同じ並びですね。
先生
そう。ただ印紙税法は本則が24条しかないんだ。法人税法の160条超、所得税法の300条超と比べると、ずいぶん短いよ。
迷いポイント 印紙税法は本則24条だから、条文を読めば全部分かる?
ハルカ
24条なら、今日中に全部暗記できます。明日から印紙税の質問は全部私に回してください。
先生
意気込みは買うけれど、暗記しても答えは出ないんだ。どの文書に課税するかと税率は、本則ではなく別表第一の課税物件表に書いてあるよ。
ハルカ
本則24条は、骨組みだけなんですね。
先生
そう。第2条が「課税物件は別表第一」、第7条が「税率も別表第一」と言っていて、中身は表に任せているんだ。だから読み方は、本則と別表をセットで引くことだよ。
💡 そうだったのか!
印紙税法は本則24条+別表第一(課税物件表)の構成です。何に課税するか・いくらかは別表第一にあり(第2条・第7条)、本則は納税義務者・納付の方法・過怠税などの骨組みを定めます。
📗 全体像 1 ラボの図
本流:紙の課税文書を作成したとき ── 文書1通ごとに「作成の時」に納める① 誰が作成者共同作成第3条・第4条第5項② 何に課税文書(20号)非課税文書第2条・第5条③ いくら記載金額(課税標準)第7条・第4条第4項④ 税額別表第一の税率軽減税率第7条・措置法第91条⑤ どう納める印紙の貼付消印/申告納付/過怠税第8条・第11条誰が印紙税を納めるの?軽減税率(措置法第91条)不動産譲渡・建設工事請負の契約書非課税文書(第5条)国等・別表第二・別表第三電子文書(課税されない)PDF・電子契約は文書の作成でない枝(テーマタブ)
① 誰が:作成者・共同作成課税文書を作成した人(作成者)が納税義務者です。契約書を2通作って双方が1通ずつ持つなら、双方が連帯して納める義務を負います。国・地方公共団体や別表第二の法人が作る文書は非課税で、民間と共同で作った場合は国等が保存する分を民間が作成したものとみなします。
印紙税法第3条 印紙税法第4条第5項 印紙税法第5条 この段の図解へ ▶
全体像 1

このラボの背骨 ── 5段の流れ

📍 ラボの場所:全体像タブ 1
ハルカ
「誰が → 何に → いくら → 税額 → どう納める」。法人税法ラボでは③いくらに条文が集まり、消費税法ラボでは①②と④が多いと習いました。印紙税法はどこですか。
先生
よく覚えていたね。印紙税法の本則で条文が多いのは⑤どう納めるなんだ。第8条から第14条の納付の章と、第20条の過怠税だよ。②③④は別表第一が担っているんだ。
迷いポイント 印紙税も、法人税や所得税のように1年分をまとめて申告する?
ハルカ
収益認識ラボで、契約書が2枚でも実質が一体なら1つの契約と習いました。印紙税も、取引の実質で1年分をまとめて数えるんですよね。
先生
そこが大きく違うんだ。印紙税は文書1通ごとに課税して、納める時期は申告期限ではなくその文書を作成する時だよ(第3条・第8条)。会計は実質、印紙税は文書、と覚えておくといいよ。
ハルカ
同じ契約で契約書を2通作れば、2通分ですか。
先生
そう。売主用と買主用の2通なら、それぞれが課税文書なんだ。A社の契約書が「×2通」で2万円になっているのはそのためだよ。
💡 そうだったのか!
印紙税法も5段の流れで並びます。本則の条文は⑤納付と過怠税に集まり、②③④は別表第一。課税の単位は文書1通、納める時期は作成の時です(第3条・第8条)。
📗 全体像 2 ラボの図
物品の売買契約書と、工事の請負契約書。同じ「契約書」でも、印紙税のかかり方は同じ?
第1号不動産譲渡等第2号請負契約書第3号手形第4号株券等第5号合併契約書等第6号定款第7号取引基本契約書第8号預貯金証書第9号倉荷証券等第10号保険証券第11号信用状第12号信託契約書第13号保証契約書第14号寄託契約書第15号債権譲渡契約書第16号配当金領収証第17号受取書(領収書)第18号預貯金通帳第19号金銭受取通帳等第20号判取帳契約書手形・株券金融の証書受取書(領収書)通帳・判取帳20号のどれにも当たらなければ不課税
第17号文書:金銭・有価証券の受取書税率:売上代金の受取書は受取金額の区分ごとに200円〜20万円。売上代金以外の受取書は200円。
非課税物件:受取金額5万円未満のもの、営業に関しないもの、有価証券等に追記したもの
例:領収書・レシート・手付金の受取書・借入金の受取書(売上代金以外)
全体像 2

② 何に ── 別表第一の20種類の課税文書

📍 ラボの場所:全体像タブ 2
ハルカ
第1号から第20号まで、20個の箱が並んでいます。契約書、手形、領収書、通帳…。
先生
印紙税がかかるのは、この20種類の文書だけなんだ(第2条・別表第一)。箱のどれにも当たらない文書は、印紙税法の外、つまり不課税だよ。
迷いポイント 「契約書」と名前が付いていれば、何でも印紙が要る?
ハルカ
契約書なら全部課税だと思っていました。逆に「覚書」は覚えるための書類ですから、契約書ではないですよね。
先生
名前では決まらないんだ。覚書でも念書でも、契約の成立や変更を証する中身なら契約書だよ(通則5)。逆に「売買契約書」という名前でも、物品の売買は20号のどれにも当たらないから課税されないんだ。
ハルカ
物品の売買契約書は不課税で、工事の請負契約書は第2号で課税。同じ「契約書」なのに分かれるんですね。
先生
そう。実務で出てくる課税文書の大半は第1号・第2号・第7号・第17号の4つだから、まずこの4つの定義を押さえようか。
💡 そうだったのか!
課税文書は別表第一の20種類だけ(第2条)。判定は名称でなく記載内容で、「契約書」とは契約の成立・変更などを証する文書です(通則5)。実務の大半は第1号・第2号・第7号・第17号です。
⏱ 30秒だけラボで試す
  1. 全体像タブの「20種類の課税文書」の図で、「第7号」の箱を押す

👀 下の説明が「第7号文書:継続的取引の基本となる契約書」に変わり、税率は一通につき4,000円(契約期間3か月以内で更新の定めがないものを除く)、例として特約店契約書・代理店契約書・業務委託契約書・銀行取引約定書が表示されます。

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📗 全体像 3 ラボの図
契約書に書かれた総額5,200万円土地3,000万+建物2,000万+消費税200万消費税額を除く(区分記載あり)▲200万円「うち消費税額200万円」と書いてある記載金額(課税標準)5,000万円1,000万円超5,000万円以下の区分税額(1通)10,000円軽減税率(措置法第91条第1項)消費税額を区分記載すると記載金額は5,000万円。税額は1通1万円
消費税額が区分記載されていれば、その額は記載金額に含めない契約書に「契約金額5,200万円(うち消費税額200万円)」のように消費税額が明らかなら、記載金額は税抜の5,000万円です(国税庁の取扱い。消費税の区分記載に関する個別通達・タックスアンサーNo.7124)。5,000万円はちょうど「1,000万円超5,000万円以下」の区分の上限なので、軽減税率で1万円です。
全体像 3

③ いくら ── 記載金額の決め方

📍 ラボの場所:全体像タブ 3
ハルカ
A社の契約書は総額5,200万円。そこから消費税額200万円を除いて、記載金額は5,000万円。税額は1通1万円です。
先生
税額を決める課税標準は、文書に書かれた記載金額なんだ(第7条・通則4)。消費税額が区分して記載されていれば、その額は記載金額に含めないよ。
迷いポイント 税込5,200万円とだけ書いても、税抜の5,000万円で判定してもらえる?
ハルカ
消費税法ラボで、税込経理と税抜経理では帳簿の形が違うと習いました。うちは税抜経理なので、帳簿が税抜なら記載金額も税抜ですよね。
先生
経理方式では決まらないんだ。決めるのは契約書の書き方だよ。「5,200万円(うち消費税額200万円)」のように消費税額が分かれて書いてあれば5,000万円、「5,200万円(税込)」だけなら5,200万円が記載金額なんだ。
ハルカ
5,200万円だと、5,000万円超1億円以下の区分に上がって、税額は1通3万円になります。
先生
そう。同じ取引・同じ経理方式でも、契約書の一行で3倍変わるんだ。契約書のひな形に「うち消費税額」の欄を入れておくのが実務の知恵だよ。
ハルカ
ラボの設例のC店のような個人の飲食店でも、領収書に消費税額を分けて書けば同じように下がりますか。
先生
その店が消費税の課税事業者ならね。免税事業者には課される消費税がないから、区分して書いても記載金額に含めるんだ(タックスアンサーNo.7124)。
💡 そうだったのか!
課税標準は文書の記載金額(第7条・通則4)。課税事業者が作成する第1号・第2号・第17号文書で消費税額が区分記載されていれば含めません。免税事業者は区分記載しても含めます。経理方式ではなく文書の書き方で決まります。
⏱ 30秒だけラボで試す
  1. 全体像タブの「記載金額の決め方」の図で、「税込総額だけの契約書」を押す

👀 2つ目の箱が「消費税額は除けない(区分記載なし)▲0円」になり、記載金額が5,200万円、区分が「5,000万円超1億円以下」に上がって、税額(1通)が10,000円から30,000円に変わります。

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📗 全体像 4 ラボの図
〜10万〜50万〜100万〜500万〜1,000万〜5,000万20,00010,000〜1億〜5億〜10億〜50億50億超記載金額 3,000万円(1,000万円超5,000万円以下)→ 本則 20,000円/軽減 10,000円(1通)紺=本則(別表第一)、黄=軽減(措置法第91条、令和9年3月31日まで)。記載金額に対する負担率は 0.033%
第1号文書(不動産譲渡契約書):記載金額 3,000万円 → 10,000円(軽減)税率は所得税のような「金額×率」ではなく、記載金額がどの区分に入るかで決まる定額です。区分の境目(10万・50万・100万・500万・1,000万・5,000万・1億…)を1円でも超えると税額が段階的に上がります。軽減税率は本則のおおむね半額です(措置法第91条第1項)。
全体像 4

④ 税額 ── 記載金額の区分で決まる階級定額税率

📍 ラボの場所:全体像タブ 4
ハルカ
階段の図です。記載金額3,000万円なら本則2万円、軽減1万円。棒の高さが区分ごとに上がっています。
先生
印紙税の税率は、所得税のような「金額×率」ではないんだ。記載金額がどの区分に入るかで決まる定額だよ。これを階級定額税率と呼ぶんだ。
迷いポイント 記載金額が大きくなるほど、税額も比例して増える?
ハルカ
5,000万円と5,000万1円では、同じ区分の中にいると思っていました。1円で税額が3倍になるなんて…1円の重みに震えます。
先生
震える前に、消費税額を区分記載しておけばいいんだ。区分の境目は「以下」で切られているから、1円でも超えると次の段に上がるよ。
ハルカ
黄色の棒が軽減税率ですね。不動産譲渡と建設工事の請負だけが対象、と書いてあります。
先生
そう。措置法第91条で、不動産譲渡契約書は記載金額10万円超、建設工事請負契約書は100万円超のものが、令和9年3月31日まで本則のおおむね半額なんだ。土地の賃貸借や金銭消費貸借は第1号でも対象外だよ。
💡 そうだったのか!
税率は記載金額の区分ごとの定額(階級定額税率)。区分の境目を1円でも超えると次の段です。軽減税率(措置法第91条)は不動産譲渡契約書と建設工事請負契約書だけで、令和9年3月31日までの作成分です。
⏱ 30秒だけラボで試す
  1. 全体像タブの「階級定額税率」の図で、「第2号 建設工事請負契約書」を押し、続けて「5,000万円+1円」を押す

👀 「記載金額 5,000万円+1円(5,000万円超1億円以下)→ 本則 60,000円/軽減 30,000円(1通)」と表示され、3,000万円のときの本則20,000円・軽減10,000円から、1円で3倍に上がることが確かめられます。

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📗 全体像 5 ラボの図
作成の時まで相当印紙を貼る第8条第1項貼ったら印章・署名で消印第8条第2項・施行令第5条相手方へ交付(契約書は各通)第3条第2項貼り忘れ過怠税 3倍第20条第1項
印紙の貼付と消印(原則)課税文書の作成者は、その文書を作成する時までに、税額に相当する収入印紙を貼り付けて納付します(印紙税法第8条第1項)。貼った印紙は、自分や従業員の印章か署名で、文書と印紙の彩紋にかけて判明に消さなければなりません(第8条第2項・施行令第5条)。消印は印紙の再使用を防ぐためで、消印を忘れると印紙の額面相当の過怠税がかかります(第20条第3項)。
全体像 5

⑤ どう納める ── 印紙の貼付・消印と、その代わりの方法

📍 ラボの場所:全体像タブ 5
ハルカ
作成の時までに印紙を貼る、印章か署名で消印、相手方へ交付。申告書を出す流れがどこにもありません。
先生
印紙税の原則は申告ではなく貼付なんだ。課税文書の作成の時までに相当額の印紙を貼り(第8条第1項)、文書と印紙の彩紋にかけて消印する(第8条第2項)。これで納付が終わるよ。
迷いポイント 収入印紙を郵便局で買った時に、印紙税を納めたことになる?
ハルカ
買った時に納付済みだと思っていました。消印って、郵便の消印と同じですか。印紙も郵便局で買いますし。
先生
目的は同じで、使い回しを防ぐためなんだ。ただ押すのは郵便局ではなく、自分や従業員の印章か署名だよ(施行令第5条)。そして納付は買った時ではなく、文書に貼って消印した時なんだ。
ハルカ
貼り忘れると、どうなりますか。
先生
本来の税額の3倍の過怠税だよ(第20条第1項)。調査の前に自分から申し出れば1.1倍で済むんだ(第20条第2項)。応用編で詳しく見ようか。
💡 そうだったのか!
納付は作成の時までに印紙を貼り、消印することで完了します(第8条)。買った時ではありません。貼り忘れは3倍、調査前の自主申出なら1.1倍の過怠税です(第20条)。
👤 作成者の立場 1 ラボの図
はいいいえはいいいえはい(国等)はい(非課税物件)紙に書いて相手に交付した?(電子データのままでない)別表第一の20号のどれかに当たる?(名称でなく記載内容で判定)非課税文書?(非課税物件・国等の作成・別表第三)非課税(国等が作成)課税文書記載金額で税額非課税(非課税物件)不課税(文書の作成でない)国等が保存する分は民間が作成とみなす5万円未満の受取書1万円未満の契約書など
紙の注文請書(工事50万円)を相手に渡す課税文書(第2号文書)。注文請書は請負契約の成立を証する文書なので「契約書」に当たります(別表第一 通則5)。記載金額50万円なので200円の印紙を貼ります。
全体像 6

① ② 課税文書かどうかの判定フロー

📍 ラボの場所:作成者の立場からタブ 1
ハルカ
判定フローの最初の問いは「紙に書いて相手に交付した?」です。別表第一の号に当たるかより前に、紙かどうかを聞くんですね。
先生
印紙税は紙の文書を作成したときの税なんだ(第2条・第3条)。電子契約やPDFの注文請書は文書の作成に当たらないから、最初の問いで不課税に抜けるよ。
迷いポイント 紙に印刷して相手に渡さなければ、どんな契約書も印紙は要らない?
ハルカ
そういえば私のアパートの賃貸借契約書は、紙で2通作ったのに印紙は貼ってありませんでした。リース会計ラボで普通借家の話をしたときの、あの契約書です。
先生
よく思い出したね。建物の賃貸借契約書は、20号のどれにも当たらないから不課税なんだ。第1号にあるのは「地上権・土地の賃借権」で、建物の賃借権は入っていないよ。
ハルカ
土地を借りる契約書なら第1号で、建物を借りる契約書なら不課税。紙かどうかの次に、号に当たるかの問いがあるんですね。
先生
そう。そして最後に非課税文書かどうかだよ。市役所と結ぶ工事請負契約書は、民間が保存する1通は市が作成したものとみなされて非課税、市が保存する1通に民間が貼るんだ(第4条第5項・第5条第2号)。
💡 そうだったのか!
判定は紙の文書か → 20号に当たるか → 非課税文書かの順です。電子契約は不課税、建物の賃貸借契約書は20号に当たらず不課税、国等との共同作成は国等が保存する分に民間が貼ります(第4条第5項)。
⏱ 30秒だけラボで試す
  1. 作成者の立場からタブの判定フローで、「市役所との工事請負契約書」を押す

👀 「国等が保存する分は民間が作成とみなす」の箱を通って「非課税(国等が作成)」と「課税文書」の両方が点灯し、民間企業が保存する1通は非課税、市が保存する1通は課税(印紙税法第4条第5項・第5条第2号)と表示されます。

ラボを開く ▶
🗺 条文から ラボの図
第一章第1条〜第6条第二章第7条第三章第8条〜第14条第四章第15条〜第20条第五章第21条〜第24条本則 24条(削除を含む)+別表第一(課税物件表)・別表第二(非課税法人)・別表第三(非課税文書)
第二章 課税標準及び税率(第7条)課税標準と税率は別表第一による、の1条だけ。中身は別表第一(③④) ツリーで開く ▶
条文から

5章の地図と、本則のツリー

📍 ラボの場所:条文からタブ
ハルカ
帯が5つで、第三章「納付、申告及び還付等」がいちばん太いですね。第8条から第14条です。
先生
第二章「課税標準及び税率」は第7条の1条だけで、中身は別表第一に任せている。だから本則で読むべきは第三章の納付の方法と、第四章の第20条の過怠税なんだ。
迷いポイント 印紙税の税率は、本則の第7条に書いてある?
ハルカ
第7条は「課税標準及び税率」という見出しなので、税率表はここにあると思っていました。
先生
第7条は「別表第一の課税標準及び税率の欄に定めるところによる」と言うだけなんだ。税率を知りたいときは、条文からタブの下にある課税物件表の早見表を引くよ。
ハルカ
別表第一を引くと、第17号の領収書は5万円未満が非課税、と出てきます。5万円ちょうどは課税ですね。
先生
そう。非課税物件の欄は「5万円未満」だから、5万円は200円の印紙が要るんだ。「以下」と「未満」の違いを、別表で確かめる習慣をつけようか。
💡 そうだったのか!
印紙税法は5章・本則24条。第7条は別表第一への入口で、税率は課税物件表にあります。ツリーで第20条(過怠税)、早見表で各号の税率と非課税物件(「未満」「以下」の境目)を引けます。
⏱ 30秒だけラボで試す
  1. 条文からタブの検索欄に「過怠税」と入れる

👀 「第四章 雑則」の下に、第20条「印紙納付に係る不納税額があつた場合の過怠税の徴収」の1件が⑤の札付きで表示されます。条番号を押すと、原文の書き出しと、全体像・経理処理などこの条文が出てくる場所の一覧が開きます。

ラボを開く ▶

今日の内容を、ラボで確かめてみませんか?

この記事の図は、すべて印紙税法ラボの画面そのものです。全体像タブを開けば、同じ図を見ながら読み返せます。

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📝 印紙税法ラボ【応用編】(作成者の立場・経理処理・所属の決定・過怠税と手続)応用編を読む ▶
📓 ハルカの学習ノートで、この章を見る学習ノートへ ▶

今日のまとめ ── 迷いポイント早見表

迷いポイント答えラボ
印紙税法は本則24条だから、条文を読めば全部分かる?何に課税するか・税率は別表第一の課税物件表にある(第2条・第7条)。本則と別表をセットで引く全体像 冒頭
印紙税も1年分をまとめて申告する?文書1通ごとに課税し、作成の時までに納める(第3条・第8条)。2通作れば2通分全体像1
「契約書」と名前が付いていれば何でも印紙が要る?課税文書は別表第一の20種類だけ。判定は名称でなく記載内容(通則5)。物品の売買契約書は不課税全体像2
税込5,200万円とだけ書いても税抜で判定してもらえる?記載金額は契約書の書き方で決まる。消費税額を区分記載すれば含めない。経理方式では決まらない全体像3
記載金額が大きくなるほど税額も比例して増える?区分ごとの定額(階級定額税率)。境目を1円でも超えると次の段。軽減税率は不動産譲渡・建設工事請負だけ(措置法第91条)全体像4
印紙を買った時に納めたことになる?文書に貼って消印した時が納付(第8条)。貼り忘れは3倍、自主申出なら1.1倍の過怠税(第20条)全体像5
紙に印刷して渡さなければ、どんな契約書も印紙は要らない?電子契約は不課税。紙でも建物の賃貸借契約書は20号に当たらず不課税。国等との共同作成は国等が保存する分に貼る(第4条第5項)作成者の立場1
税率は本則の第7条に書いてある?第7条は別表第一への入口。税率と非課税物件(5万円未満など)は課税物件表で引く条文から
おわりに

今日のふりかえり

先生
今日のまとめだよ。印紙税法は本則24条+別表第一で、課税の単位は文書1通、納める時期は作成の時。税額は記載金額の区分で決まる定額で、消費税額の区分記載が記載金額を左右するんだ。
ハルカ
前は「契約書に貼る200円」としか思っていませんでした。今日は、A社の契約書がなぜ1万円で、書き方を変えると3万円になるのか、別表の区分から説明できるようになりました。
先生
金額から別表にたどれるようになったのは大きいね。法人税や所得税と違って、1年分をまとめる発想がないことも押さえられたはずだよ。
ハルカ
はい。今日から契約書を見たら、金額より先に「うち消費税額」の一行を探します。見つからなかったら、ひな形を直しに行きます。
先生
経理らしい目の付けどころだね。次の応用編では、作成者の立場ごとの違い、印紙の経理処理と過怠税、所属の決定と記載金額の計算、電子契約や還付の手続を見ていこうか。

参考資料

印紙税法(昭和42年法律第23号。e-Gov法令検索、令和8年10月1日施行の版)本則と別表第一(課税物件表)・別表第二・別表第三、印紙税法施行令、租税特別措置法第91条、国税通則法、法人税法第55条、所得税法第45条、印紙税法基本通達、国税庁タックスアンサー(No.7124 消費税及び地方消費税の額が区分記載された契約書等の記載金額 ほか)・質疑応答事例。法令の確認日:2026年10月17日。ラボと記事の設例の会社・金額はすべて架空です(単位:円)。条番号・条見出しは、ラボ本体で e-Gov 法令検索の原文と照合しています(基本通達は国税庁サイトで確認)。

シリーズ:基礎編/応用編 / 関連:法人税法ラボ【基礎編】(5段の流れ・第22条・別段の定め・税率)/消費税法ラボ【基礎編】(5段の流れ・納税義務・4区分・仕入税額控除)/所得税法ラボ【基礎編】(5段の流れ・10種類の所得・課税所得・源泉徴収)

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この記事を書いた人

TaxJudge編集部|公認会計士・税理士(実務25年)による企画・監修。会計基準・税法・裁決・有価証券報告書などの一次情報をもとに、検索できるデータベースと計算・判定・文書作成ツールを制作しています。