グループ通算制度 会計・税効果ラボ【応用編】|先生と一緒に図で学ぶ投資簿価修正・加入と離脱・未実現損益・住民税と事業税
無料の学習ツール「グループ通算制度 会計・税効果ラボ」の読み方ガイドです。ラボの応用タブから、実務で迷いやすい論点を選んで、先生と生徒の会話形式で見ていきます。基礎タブの内容は基礎編で扱っています。登場する会社と設例の数値はすべて架空の例です。解説は公認会計士・税理士が監修しています。各行の図はラボの図そのものです(記事内の図は表示用で、ボタンやクリックの操作はできません。操作は各節の「ラボで開く」「ラボを開く」からラボ本体で試せます)。重要な節の最後には、ラボで30秒だけ手を動かす小さな実習を置いています。
📙 処理早見表 ラボの図
| 論点 | 原則 | 例外・条件 | 根拠 |
|---|
| 通算税効果額の表示 | 必ずそうなる 法人税等に含める(受取も) | 要件を満たす場合の例外 株主資本等に計上する場合は純資産の内訳から控除 | 第42号第25項 |
| 授受しない場合 | しない・認められない 第42号は取り扱っていない | 企業会計基準第24号第4-3項の「定めが明らかでない場合」に当たると考えられる | 第42号第3項・第38項 |
| 投資簿価修正(増額) | しない・認められない 繰延税金資産を計上しない | 条件を満たせば 売却等の意思決定+回収可能性があれば計上 | 第42号第19項(1) |
| 投資簿価修正(減額) | 必ずそうなる 繰延税金負債を計上 | 要件を満たす場合の例外 自社で決められ、売却の意思がなければ計上しない | 第42号第19項(2) |
| 適用時 | 必ずそうなる 承認(みなし承認)の日の前日を含む期間から | 条件を満たせば 適用が明らかで合理的なら、早めに適用できる | 第42号第21項 |
| 加入(連結外の会社) | 必ずそうなる 通算子会社となった時から | 要件を満たす場合の例外 欠損金の引継制限等は可能性が高い時点から回収可能性なし | 第42号第22項 |
| 連結の相殺表示 | 必ずそうなる 通算グループ全体で相殺 | 住民税・事業税に係る分は対象外(各社ごとに相殺) | 第42号第27項 |
| 連帯納付義務 | しない・認められない 偶発債務として注記しない | — | 第42号第30項 |
「条件を満たせば」は条件を満たすときの扱い(「できる」扱いを含む)、「要件を満たす場合の例外」は原則に対する例外です。
はじめに
今日の題材 ── 処理早見表
📍 ラボの場所:応用タブ 処理早見表
ハルカ
応用タブの最初は表ですね。「必ずそうなる」「条件を満たせば」「要件を満たす場合の例外」「しない・認められない」に色分けされています。
先生
第42号の主な取扱いを、原則と例外に分けて並べた表なんだ。応用編では、この表の行を、応用タブの節で1つずつ確かめていくよ。
ハルカ
一番上の「通算税効果額の表示」は基礎編でやりました。受け取る側も法人税等、でした。
先生
そう、基礎編の内容もこの表に収まっているんだ。今日は投資簿価修正、加入・離脱、未実現損益、住民税・事業税の順に読んでいこうか。
⚠ 適用時期:このラボと記事は2026年7月改正後の第42号・法人税等会計基準によります。原則は2028年4月1日以後に開始する事業年度の期首から適用し、2026年7月7日以後に開始する事業年度の期首から早期適用できます(第42号第33-2項・第36-2項)。
📙 A1 ラボの図
P社が持つS3社株式は帳簿価額300。S3社の税務上の簿価純資産価額が380なら?220なら?
簿価純資産価額が帳簿価額を上回る(増額修正):2つの条件を満たすときだけ繰延税金資産を計上(第42号第19項(1))① 予測可能な将来の期間に、売却等(投資簿価修正が行われる場合に限る)を行う意思決定または実施計画がある。
② 回収可能性適用指針に従って、回収可能性があると判断される。
💡 両方を満たすので、増額修正される80に係る繰延税金資産を計上する。
A1
投資簿価修正(個別) ── 増額なら資産は条件付き、減額なら負債が原則
📍 ラボの場所:応用タブ A1
ハルカ
P社が持つS3社株式の帳簿価額が300。S3社の税務上の簿価純資産価額が380なら増額、220なら減額ですね。
先生
投資簿価修正は、他の通算会社が通算会社でなくなる時に、その株式の税務上の帳簿価額を簿価純資産価額に修正する制度なんだ(第42号第5項(12))。税務のラボの開始・加入・離脱で見たよね。
ハルカ
はい、離脱のときに子法人株式の帳簿価額を簿価純資産価額に直す、でした。会計にも関係するんですね。
先生
修正額は修正した年の課税所得を増減させるから、期末の差額を一時差異と同様に扱うんだ(第19項)。
迷いポイント 増額でも減額でも、差額があれば税効果を計上する?
ハルカ
一時差異と同様なら、増額80には繰延税金資産、減額80には繰延税金負債を、いつも計上するのだと思いました。
先生
向きで原則が違うんだ。増額は、売却等の意思決定か実施計画があり、回収可能性もあるときだけ資産を計上するよ(第19項(1))。減額は、自社で売却を決められて売る意思もない場合を除き、負債を計上するんだ(第19項(2))。
ハルカ
増額は「条件を満たせば計上」、減額は「条件を満たせば計上しない」。鏡に映したみたいに逆ですね。
先生
鏡のたとえで覚えておくといいよ。増額は回収可能性、減額は自社で売却を決められるかも、あわせて確かめるんだ。
💡 そうだったのか!
増額修正は
条件を満たせば繰延税金資産、減額修正は
条件を満たせば繰延税金負債を計上しない。原則の向きが逆です。
⏱ 30秒だけラボで試す
- 応用 A1 の図の上のボタンで「増額・予定なし」を押す
- 続けて「減額・保有を続ける」を押す
👀 「増額・予定なし」は「売る予定がなければ、税務上の帳簿価額が増える効果は実現しないので計上しない」、「減額・保有を続ける」は「両方を満たすので、繰延税金負債は計上しない」と出ます。
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📙 A2 ラボの図
S2社株式:評価損計上前200、評価損120(税務上は否認)、簿価純資産価額150。一時差異はいくつ?
評価損を計上した子会社株式:一時差異 70 は「評価損の否認 120」と「投資簿価修正相当 ▲50」でできている(第42号第19項(3)・設例6)a 評価損の否認120b 投資簿価修正相当▲50= 一時差異 70
💡 評価損に係る繰延税金資産を計上するなら、評価損計上前の帳簿価額と簿価純資産価額の差額(▲50)の税効果もあわせて認識する。
A2
評価損を計上した子会社株式 ── 評価損の否認と投資簿価修正相当に分ける
📍 ラボの場所:応用タブ A2
ハルカ
S2社株式は、評価損計上前200、評価損120で帳簿価額80。簿価純資産価額は150です。
先生
一時差異は150−80の70なんだ。中身は、評価損の否認120と、投資簿価修正相当▲50(150−200)の2つでできているよ。
迷いポイント 評価損の繰延税金資産を計上しないときも、▲50の繰延税金負債は計上する?
ハルカ
A1では、減額は原則として負債でした。だから評価損の資産を計上しなくても、▲50の負債は計上すると思いました。
先生
それが、そうではないのだよ。評価損の資産を計上しないなら、評価損の範囲内の▲50の負債は認識しないんだ(第19項(3))。資産を計上するときは、▲50の税効果もあわせて認識するよ。
ハルカ
資産を載せないのに、裏側の負債だけ載せるのは変ですね。片方の靴下だけ干している感じです。
先生
片方だけにしない、というのが第19項(3)の考え方なんだ。資産を計上しないときは、評価損の範囲内の負債も認識しないよ。
💡 そうだったのか!
評価損を計上した株式の一時差異は
評価損の否認+投資簿価修正相当。評価損の資産を計上しないなら、評価損の範囲内の負債も認識しません。
📙 A3 ラボの図
A3
連結での投資簿価修正 ── 個別の税効果を取り崩し、連結の価額で考える
📍 ラボの場所:応用タブ A3
ハルカ
数字が3つ並んでいます。個別の帳簿価額300、連結上の投資の価額420、税務上の簿価純資産価額380。
先生
連結では、個別で第19項により計上した繰延税金資産・負債をいったん取り崩すんだ(第42号第20項)。そのうえで、連結上の投資の価額と簿価純資産価額の差額を考え直すよ。
迷いポイント 連結でも、個別の帳簿価額300との差額で考える?
ハルカ
個別で計算した80の差額を、連結でもそのまま使うのかと思っていました。
先生
連結では投資の価額が420になっているんだ。420と380の差額40を、連結財務諸表固有の一時差異と同様に扱うよ(第20項)。処理は子会社に対する投資の一時差異の定めに従うんだ。
💡 そうだったのか!
連結では個別の投資簿価修正の税効果を
取り崩し、
連結上の投資の価額と簿価純資産価額の差額で考え直します。
📙 B1 ラボの図
3月決算のP社グループが、X3年4月1日から通算制度を使う。税効果会計はいつから通算を前提にする?
適用時:承認があった日(みなされた日)の前日を含む年度から、翌年度に通算制度を適用するものとして税効果会計を適用(第42号第21項)3月決算の会社がX3年4月1日から適用し、みなし承認なら、承認の日は4月1日、前日は3月31日。X3年3月期の決算から通算制度を前提にする(承認申請は開始の日の3月前の日まで。法人税法第64条の9第2項)。
💡 図の「X3/4」が適用開始。その前日を含むX3年3月期(第4四半期を含む)の財務諸表から影響を考慮する。
B1
適用時 ── 承認の日の前日を含む期間から、翌年度の通算を前提に
📍 ラボの場所:応用タブ B1
ハルカ
3月決算のP社グループが、X3年4月1日から通算制度を使う。図ではX3年3月期の決算から色が付いています。
先生
承認があった日、またはみなされた日の前日を含む年度から、翌年度に通算制度を適用するものとして税効果会計を適用するんだ(第42号第21項)。みなし承認なら承認の日は4月1日、前日は3月31日だよ。
迷いポイント 通算制度が始まるX3年4月以後の決算から、通算を前提にする?
ハルカ
制度が始まるのは4月1日なので、X4年3月期の決算から通算を前提にすると思っていました。
先生
X3年3月期の決算で、もう翌年度の通算を前提にするんだ。繰延税金資産は将来の回収を見るから、始まる前の決算から影響が出るよ。条件を満たせば、承認前から早めることもできるんだ(第21項ただし書き)。
ハルカ
スタートは4月1日なのに、3月の決算で先に走り出している。フライングかと思いました。
先生
フライングではなく、ルールどおりの準備なんだ。翌年度に回収できるかを、前の期末に判断するよ。
💡 そうだったのか!
税効果会計は、承認の日の
前日を含む年度から通算を前提にします。始まる前の決算から影響が出ます。
📙 B2・B3 ラボの図
S4社が加入する。税効果会計で加入の影響を考えるのは、いつから?
すでに連結子会社の会社が加入:意思決定がされ、実行の可能性が高いと認められた時点を含む期間から(第42号第22項(1))連結財務諸表も個別財務諸表も、その時点を含む期間(期中会計期間を含む)から影響を考慮する。
💡 例:持株比率80%の連結子会社の残り20%を買って加入する場合。
S3社の株式を売ることにした。離脱の影響を税効果会計に入れるのは、いつから?
離脱時:通算子会社でなくなることの意思決定がされ、実行の可能性が高いと認められる時点を含む期間から、影響を考慮(第42号第23項)連結財務諸表と個別財務諸表の両方。期中会計期間を含む。
💡 離脱する会社は、離脱後は損益通算・欠損金の通算を使えない。株式を持つ側は、投資簿価修正(応用A1)の売却等の意思決定がある状態になる。
B2・B3
加入時・離脱時 ── 意思決定の時点か、加入の時か
📍 ラボの場所:応用タブ B2・B3
ハルカ
加入の図はボタンが3つ、離脱の図は1つです。加入の方が複雑そうですね。
先生
もともと連結子会社が加入するなら、意思決定がされ実行の可能性が高いと認められた時点を含む期間から影響を考えるんだ(第42号第22項(1))。連結外の会社なら、通算子会社となった時からだよ(第22項(2))。
ハルカ
税務のラボで、加入する子会社の欠損金が切り捨てられることがある、と習いました。
先生
よく覚えていたね。その場合は、通算子会社となる可能性が高く事実が明らかな時点を含む事業年度から、損金算入が見込まれない分の回収可能性はないものとするんだ(第22項(2)ただし書き)。
迷いポイント 連結外の会社は、加入の日まで影響を考えなくてよい?
ハルカ
連結外の会社は加入の時から、と聞いたので、切り捨てられる欠損金も加入の日まで放っておいてよいと思いました。
先生
欠損金の制限がかかる会社は例外なんだ。加入の日を待たずに、その会社の個別財務諸表で見直すよ。離脱は、意思決定がされ実行の可能性が高い時点を含む期間からなんだ(第23項)。
💡 そうだったのか!
加入は
連結子会社なら意思決定の時点、連結外なら加入の時から。ただし切り捨てられる欠損金は、
加入の日を待たずに見直します。
⏱ 30秒だけラボで試す
- 応用 B2 の図の上のボタンで「欠損金の制限がかかる会社」を押す
👀 「損金算入が見込まれない繰越欠損金と特定資産の将来減算一時差異について、回収可能性はないものとする」と出ます(第42号第22項(2)ただし書き)。
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📙 C1 ラボの図
P社がS1社に土地を売り、売却益300(連結で消去)。P社の課税所得は100、グループ全体は500。
連結:未実現利益の消去に係る一時差異の上限を、通算グループ全体の課税所得の合計に読み替える(第42号第18項)未実現利益300上限500→ 対象 300
💡 売却元のP社だけでは課税所得が100しかなくても、通算グループ全体の課税所得の合計500が上限になる。
C1
未実現損益 ── 上限は通算グループ全体の課税所得の合計
📍 ラボの場所:応用タブ C1
ハルカ
P社がS1社に土地を売って、売却益300を連結で消去。P社の課税所得は100、グループ全体は500です。
先生
未実現利益の消去に係る一時差異には、通常は売却元の売却年度の課税所得という上限があるんだ(税効果適用指針第35項)。P社だけなら100が上限だよ。
迷いポイント 通算グループでも、上限は売却元のP社の課税所得?
ハルカ
売ったのはP社なので、上限もP社の100のままだと思いました。
先生
通算の対象の税金に係る分は、上限をグループ全体の課税所得の合計に読み替えるんだ(第42号第18項)。上限500なので、300全部が対象になるよ。
ハルカ
P社の財布だけ見ていたら、グループの財布がありました。
先生
財布は分けたまま、損益通算で一緒に課税される、と言った方が正確だよ。住民税・事業税に係る分は、P社の100が上限のままなんだ。
💡 そうだったのか!
未実現利益の上限は、通算の対象の税金なら
グループ全体の課税所得の合計。住民税・事業税は売却元の課税所得のままです。
⏱ 30秒だけラボで試す
- 応用 C1 の図の上のボタンで「通常(売却元の課税所得)」を押す
- 続けて「通算グループ(全体の課税所得の合計)」を押す
👀 「上限100 → 対象 100」が「上限500 → 対象 300」に変わります。
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📙 C2 ラボの図
基本の4社のS3社。損益通算の益金算入見積額 50 で回収できるのは、どの税金の分?
S3社:通算の対象の税金と、住民税・事業税とで、回収できる額が違う(第42号第8項なお書き・第9項)法人税等150住民税100事業税100
住民税は通算の影響を控除して計算し、事業税は各社の所得で計算するので、自社の見積額だけで判断する(このラボの簡易計算)。
💡 回収できる額の違いの影響が重要なら、基礎4(税率)の「税金の種類で異なる」の方法で税率を直す。
C2
住民税・事業税の回収可能性 ── 損益通算の益金算入見積額は使えない
📍 ラボの場所:応用タブ C2
ハルカ
基本の4社のS3社です。法人税等は150を回収できるのに、住民税と事業税は100ずつ。
先生
法人税等は、自社の見積額100に損益通算の益金算入見積額50を足せるんだ。住民税・事業税は区別して扱う(第42号第8項なお書き)ので、ラボでは自社の見積額だけで判断しているよ。
ハルカ
税務のラボで、地方税は単体のまま、と習いました。だから損益通算の50が使えないんですね。
先生
そのつながりで合っているよ。事業税は各社の所得で計算し、住民税は通算の影響を控除して計算するんだ。
迷いポイント 税金の種類で回収額が違っても、税率は基礎4の25.55%などのまま?
ハルカ
計上対象がずれても、税率は全部回収できる場合と同じでよいと思いました。
先生
影響が重要なら、違いを反映した税率で計算するんだ(第9項また書き)。S3社なら、法人税等に使う事業税率を3.78%×100÷150で2.52%に直すよ。
💡 そうだったのか!
住民税・事業税は
損益通算の益金算入見積額を使えない。回収額の違いが重要なら、税率も直します。
⏱ 30秒だけラボで試す
- シミュレーションの「税金の種類ごとの税率」で「応用5のS3社」を押す
👀 「全部回収できる場合 47.28」に対して「税金の種類で異なる場合 44.76」、法人税等に使う事業税率 2.52% と出ます。
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📙 C3 ラボの要点
📌 ラボの要点
- 授受は任意授受を行った場合は、益金・損金に算入されない法人税法第26条第4項・第38条第3項、第42号第37項。
- 授受しない場合第42号は取り扱っていない。企業会計基準第24号第4-3項の「関連する会計基準等の定めが明らかでない場合」に当たると考えられる第42号第38項。
- ⚠ 注意連結納税制度からの移行会計方針の変更に当たるが、影響はないものとみなし、注記も要しない第42号第32項(1)。
- 単体納税制度への移行通算制度を適用しない旨の届出書を提出した日の属する会計期間から第42号第33項。
C3
授受しない場合・連結納税からの移行 ── 第42号が定めていないこと
📍 ラボの場所:応用タブ C3
ハルカ
C3は図がなくて、要点だけです。授受しない場合と、連結納税からの移行。
先生
第42号が定めていないことと、経過的な取扱いをまとめた節なんだ。授受を行った場合は、受け取る側の益金にも払う側の損金にも算入されないよ(法人税法第26条第4項・第38条第3項)。
迷いポイント 授受しない会社は、連結納税のときの処理を続ければよい?
ハルカ
連結納税のときの取扱いが残っているなら、それを使い続ければよいと思いました。
先生
第42号は授受しない場合を取り扱っていないんだ。「関連する会計基準等の定めが明らかでない場合」に当たると考えられるよ(第42号第38項)。何を採るかは、会社が方針として決めることになるんだ。
ハルカ
連結納税から通算制度に移ったときは、会計方針の変更になりますか。
先生
会計方針の変更に当たるけれど、影響はないものとみなし、注記も要しないんだ(第32項(1))。
💡 そうだったのか!
授受しない場合は
第42号の外。会社が会計方針を決めます。連結納税からの移行は、影響なし・注記不要とみなします。
今日のまとめ ── 迷いポイント早見表
おわりに
今日のふりかえり
先生
今日のまとめだよ。投資簿価修正は増額と減額で原則の向きが逆、加入・離脱はいつから影響を考えるかが場面で分かれる。未実現利益の上限と住民税・事業税は、通算の対象の税金かどうかで扱いが分かれるんだ。
ハルカ
税務のラボで「いつ離脱するか」を見ていたときは、離脱の日のことしか考えていませんでした。会計では、決めた時点から影響が出るんですね。
先生
そこに気づけたのは大きいよ。1点だけ足すと、連結外の会社の加入は、原則として通算子会社となった時からなんだ。
ハルカ
「いつ決めたか」と「いつ加入したか」を、別々にメモするようにします。
先生
2つの日付を分けて持てば十分だよ。次の設例・回収可能性編では、基礎5〜8の手順を設例で1ステップずつ追っていこうか。
参考資料
企業会計基準委員会 実務対応報告第42号「グループ通算制度を適用する場合の会計処理及び開示に関する取扱い」(2021年8月12日公表、2026年7月7日改正)、実務対応報告第48号「防衛特別法人税の会計処理及び開示に関する当面の取扱い」(2026年2月27日公表)、補足文書「我が国における課税対象利益を基礎とする税金及び税効果会計における税率に関する取扱いについて」(2026年7月7日)、企業会計基準第27号「法人税等に関する会計基準」(2026年7月7日改正)、企業会計基準適用指針第26号「繰延税金資産の回収可能性に関する適用指針」、企業会計基準適用指針第28号「税効果会計に係る会計基準の適用指針」(2026年7月7日改正)、法人税法(e-Gov法令検索 令和8年10月1日施行版)。確認日:2026年10月25日。改正後の第42号・法人税等会計基準は2028年4月1日以後に開始する事業年度の期首から適用(2026年7月7日以後に開始する事業年度の期首から早期適用可)。ラボと記事の数値は学習用の独自の設例で、基準の設例の数値は計算の確認にだけ使っています。将来減算一時差異は翌年にすべて解消し、損金算入限度額は課税所得の100%とする簡便化をしています。公認会計士が監修しています。
このシリーズの記事:グループ通算制度 会計・税効果ラボ【基礎編】/グループ通算制度 会計・税効果ラボ【設例・回収可能性編】/グループ通算制度 会計・税効果ラボ【設例・通算税効果額と税率編】/グループ通算制度 会計・税効果ラボ【設例・投資簿価修正と加入編】
📓 ハルカの学習ノートで、この章を見る ▶
この記事を書いた人
TaxJudge編集部|公認会計士・税理士(実務25年)による企画・監修。会計基準・税法・裁決・有価証券報告書などの一次情報をもとに、検索できるデータベースと計算・判定・文書作成ツールを制作しています。