無料の学習ツール「印紙税法ラボ」の読み方ガイドです。ラボの「作成者の立場から」「経理処理から」「様式から」「手続・期限から」「テーマから」「設例・試算」の各タブから、実務で迷いやすい論点を選んで、先生と生徒の会話形式で見ていきます。全体像タブの内容は基礎編で扱っています。登場する人物と設例の数値はすべて架空の例です。解説は公認会計士・税理士が監修しています。各行の図はラボの図そのものです(記事内の図は表示用で、ボタンやクリックの操作はできません。操作は各節の「ラボで開く」「ラボを開く」からラボ本体で試せます)。重要な節の最後には、ラボで30秒だけ手を動かす小さな実習を置いています。
| 工事請負契約書(記載金額3,000万円・第2号・軽減税率)1通10,000円×2通 | 20,000 |
| 増額の変更契約書(増加額200万円が記載金額・軽減税率)1通200円×2通 | 400 |
| B社が交付した修繕工事の注文請書(記載金額50万円・第2号)1通200円×30通 | 6,000 |
| 納める印紙税の合計 | 26,400 |
| (軽減税率がなければ) | 46,800 |
| 注文請書30通の貼り忘れが税務調査で見つかった場合の過怠税(3倍) | 18,000 |
| 調査前に自主的に申し出た場合の過怠税(1.1倍) | 6,600 |
今日の題材 ── B社の工事請負契約書と注文請書30通
不動産業・建設業・小売・金融機関… 立場ごとの早見表
- 作成者の立場からタブの「立場を選ぶ」で、「国等・非課税法人」を押す
👀 国・地方公共団体・別表第二の法人が作成した文書は非課税(第5条第2号)と、民間と共同で作る契約書は国等が保存する分を民間が作成したものとみなす(第4条第5項)の2つのカードが残り、ほかは灰色になります。
ラボを開く ▶論点ごとの「経理/印紙税法/法人税・消費税」
過怠税の3パターン ── 3倍・1.1倍・消印なし
- 経理処理からタブのA1の図で、「自主的に申出(第20条第2項)」の棒を押す
👀 下の説明が「過怠税 6,600円(本税 6,000+10% 600)」に変わり、調査を受ける前に印紙税不納付事実申出書(施行令第19条)を提出すれば本税の1.1倍で済むこと、早く申し出るほど負担が小さいことが表示されます。
ラボを開く ▶印紙の購入から損金まで
- 経理処理からタブのA2で、「買ったが、期末に未使用」を押す
👀 「期末に未使用 貯蔵品に残す」の箱だけが点灯し、買っただけの印紙は費用にできないこと、購入時に全額を租税公課にしていた場合は期末に貯蔵品へ振り替えること、振り替え忘れは別表四で加算(留保)になることが表示されます。
ラボを開く ▶様式・手続書類から条文へ
貼付・申告・還付の期限と、1年のカレンダー
所属の決定 ── 1つの文書が2つ以上の号に当たるとき
- テーマからタブの「所属の決定」の図で、2つ目の「取引基本契約書に契約金額の記載なし」を押す
👀 「→ 第7号文書」の説明に変わり、第2号と第7号の両方に当たり契約金額の記載がなければ第7号(通則3イただし書)で一通4,000円、契約期間3か月以内で更新の定めがなければ第7号から外れて第2号の記載金額のない文書(200円)になることが表示されます。
ラボを開く ▶記載金額の計算 ── 合計・区分・変更契約書
電子契約・電子文書 ── 課税されない理由と、印刷したときの扱い
貼りすぎ・使わなかった契約書 ── 過誤納の還付
- 設例・試算タブのプルダウンで「試算:自由入力」を選び、プリセット「貼り忘れ30通(調査で発覚)」を押す
- 「貼り忘れ(過怠税)」を「調査前に自主申出(1.1倍)」に変える
👀 記載金額 500,000・1通の税額 200・合計 6,000(30通)に対し、過怠税が 18,000 から 6,600 に変わります。「貼ったが消印なし(額面相当)」にすると 6,000 です。
ラボを開く ▶今日のまとめ ── 迷いポイント早見表
| 迷いポイント | 答え | ラボ |
|---|---|---|
| 注文書と注文請書、どちらにも印紙が要る? | 原則は注文請書だけ(請負なら第2号)。注文書で契約が成立する記載があれば注文書も課税文書(基本通達第21条)。売買の注文請書は不課税 | 作成者の立場 |
| 収入印紙を買ったときに租税公課で費用にしてよい? | 未使用分は貯蔵品。貼付時に租税公課(損金)。過怠税だけ損金不算入(法人税法第55条第4項第1号)。金券ショップでの購入は課税仕入れ | 経理処理 |
| 貼り忘れに気づいたら、後から貼っておけばよい? | 後から貼っても納付したことにならない。調査前に不納付事実申出書を出せば1.1倍(第20条第2項)。調査で発覚は3倍 | 経理処理A1 |
| 期末の未使用印紙も費用のままでよい? | 貯蔵品に残す。費用にしたままなら別表四で加算(留保)。個人事業者の印紙代は必要経費、過怠税は必要経費にならない(所得税法第45条第1項第3号) | 経理処理A2 |
| 印紙税は申告書を書かなくてよい、やさしい税? | 文書を作るたびに貼る方式。特例(書式表示など)では毎月の納税申告書、還付・自主申出では申請書・申出書が要る | 様式 |
| 印紙税にも3月15日のような納期限がある? | 一般の会社は作成の時。書式表示は翌月末日(第11条)、一括納付は4月の1か月以内(第12条)、還付請求は5年(国税通則法第74条) | 手続・期限 |
| 取引基本契約書はいつでも4,000円の第7号? | 契約金額の記載がなければ第7号、あれば第1号・第2号(通則3イただし書) | テーマ1 |
| 減額の変更契約書は、減った後の金額で計算? | 変更前の契約書が明らかで、変更の金額だけを書いたときは、増額は増加額だけ、減額は記載金額なしで200円(通則4ニ)。変更後の総額だけを書くと総額が記載金額 | テーマ2 |
| 電子契約を印刷して保管したら印紙が要る? | 自社の控えや単なる写しの印刷は原則不課税。署名・押印し、契約の成立を証明する文書として相手方に交付した紙は課税文書 | テーマ3 |
| 貼りすぎた印紙は剥がして使い回せる? | 使い回せない。過誤納確認申請書で確認を受けて還付(第14条)。5年以内 | 設例・試算 |
今日のふりかえり
参考資料
印紙税法(昭和42年法律第23号。e-Gov法令検索、令和8年10月1日施行の版)本則と別表第一(課税物件表)・別表第二・別表第三、印紙税法施行令、租税特別措置法第91条、国税通則法、法人税法第55条、所得税法第45条、印紙税法基本通達、国税庁タックスアンサー(No.7124 消費税及び地方消費税の額が区分記載された契約書等の記載金額 ほか)・質疑応答事例。法令の確認日:2026年10月17日。ラボと記事の設例の会社・金額はすべて架空です(単位:円)。条番号・条見出しは、ラボ本体で e-Gov 法令検索の原文と照合しています(基本通達は国税庁サイトで確認)。
シリーズ:基礎編/応用編 / 関連:法人税法ラボ【応用編】(会計との違い・別表・手続の期限・グループと国際)/消費税法ラボ【応用編】(事業者の種類・取引の区分・インボイス・手続)/所得税法ラボ【応用編】(納税者の種類・帳簿との違い・損益通算・青色申告と手続)/別表五(二)ラボ【応用編】(修正申告・附帯税・源泉所得税)
