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別表十五ラボ【応用編】|先生と一緒に図で学ぶ処理早見表・隣接する費用との境界・1万円判定・判定フロー

別表十五ラボ【応用編】|先生と一緒に図で学ぶ処理早見表・隣接する費用との境界・1万円判定・判定フロー

無料の学習ツール「別表十五ラボ」の読み方ガイドです。ラボの応用タブから、実務で迷いやすい論点を選んで、先生と生徒の会話形式で見ていきます。基礎タブの内容は基礎編で扱っています。登場する会社と設例の数値はすべて架空の例です(単位:円)。解説は公認会計士・税理士が監修しています。各行の図はラボの図そのものです。重要な節の最後には「ラボで操作すると」の欄を置き、ラボのどのボタンを押すと図がどう変わるかを書いています。

📋 応用 A1 処理早見表(すべて)
支出の種類と別表十五での扱い(すべて 18項目)
支出の種類区分別表十五での扱い判断のポイント根拠
取引先との会食(1人1万円超)交際費等8欄(書類があれば9欄にも)超えた部分だけでなく全額が交際費等。帳簿書類に所定の事項があれば接待飲食費措置法第61条の4第6項
取引先との会食(1人1万円以下・書類あり)除かれる(7欄)7欄で除く年月日・参加者・人数・金額・店名を記載した書類の保存が条件措令37の5①
取引先との会食(1人1万円以下・書類なし)交際費等8欄(9欄には入らない)書類がなければ除外も接待飲食費もなし措置法第61条の4第8項
役員・従業員だけの会食交際費等8欄(9欄には入らない)社内飲食は1万円基準も接待飲食費も対象外。福利厚生費に当たる行事なら交際費等でない措置法第61条の4第6項
得意先への中元・歳暮・手土産交際費等8欄贈答は交際費等。飲食物の贈答も接待飲食費ではない措置法第61条の4第6項
得意先の慶弔・禍福の支出交際費等8欄事業に関係のある者への慶弔費は交際費等措通61の4(1)-15
得意先をゴルフ・旅行・観劇に招待交際費等8欄接待・供応・慰安。ゴルフ等と一体の飲食は接待飲食費に含めない措通61の4(1)-15
会議の茶菓・弁当(会議に通常要する程度)除かれる(7欄)7欄で除く(会議費)会議の実態があり通常要する程度まで。程度を超えれば交際費等措令37の5②二
社名入りカレンダー・手帳・うちわ交際費等でない6欄に書かない(広告宣伝費)不特定多数に配る広告宣伝のための少額物品措令37の5②一
一般消費者向けの試飲・試食・景品交際費等でない6欄に書かない(広告宣伝費)不特定多数の一般消費者向けは広告宣伝費措通61の4(1)-9
全従業員一律の社内行事(運動会・忘年会)交際費等でない6欄に書かない(福利厚生費)専ら従業員の慰安のために通常要する費用措置法第61条の4第6項第1号
従業員の慶弔見舞金(一定の基準)交際費等でない6欄に書かない(福利厚生費)社内規程などの一定の基準で支給するもの措通61の4(1)-10
社会事業団体・政治団体への拠金交際費等でない6欄に書かない(寄附金)対価性のない金銭の交付は寄附金(別表十四(二))措通61の4(1)-2
売上高に比例して得意先に渡す金銭・事業用資産・少額物品交際費等でない6欄に書かない(売上割戻し)一定の基準で交付するもの。物品は得意先の事業用資産か少額物品(おおむね3,000円以下)に限る。それ以外の物品や旅行・観劇への招待は交際費等措通61の4(1)-3・-4
使途が明らかでない渡切交際費交際費等でない6欄に書かない(給与)役員・従業員に渡し切りで業務に使ったことが明らかでないものは給与措通61の4(1)-12
出版・放送の取材費除かれる(7欄)7欄で除く取材のために通常要する費用措令37の5②三
落成式の宴会費を建物の取得価額に含めた交際費等8欄(科目:建物)損金経理していなくても当期に支出した交際費等として集計別表十五 記載の仕方
交際費等に係る控除対象外消費税額等交際費等専用の行(6欄=8欄)税抜経理で控除できなかった消費税等のうち交際費等分タックスアンサー No.6917
見方:まず「交際費等か、除かれるか、そもそも交際費等でないか」を区分し、次に別表十五のどこに書くか(8欄・7欄・書かない)を確かめます。
はじめに

今日の題材 ── 支出の種類ごとに「交際費等か・除かれるか・どこに書くか」

📍 ラボの場所:応用タブ A1
ハルカ
基礎編で、交際費等は科目名ではなく目的と相手方で決まると分かりました。でも実際の領収書を前にすると、広告宣伝費なのか福利厚生費なのか、毎回迷います。
先生
今日はその迷いどころを、応用タブの早見表から順に見ていこうか。区分が決まれば、別表十五のどこに書くかは自動的に決まるんだ。
迷いポイント 「交際費等でない」支出と「7欄で除く」支出は、同じこと?
ハルカ
どちらも別表十五に残らないので、同じ扱いだと思っていました。
先生
8欄が同じになる点では同じだよ。ただ、交際費等の候補が混ざる科目は6欄に全額を書いて7欄で除き、福利厚生費勘定のように科目全体が交際費等でないものは6欄に書かないんだ。
💡 そうだったのか!
早見表は区分 → 別表十五の書く場所の順に読みます。「7欄で除く」は6欄に書いてから引く、「交際費等でない」は6欄に書きません。
ラボの応用タブを開きながら読むと分かりやすいですラボで開く ▶
📙 応用 A2 ラボの図(会議費との境界)
交際費等事業に関係のある者等への接待・供応・慰安・贈答広告宣伝費不特定多数の一般消費者に向けた支出か福利厚生費従業員におおむね一律で、通常要する程度か寄附金対価性がなく、事業との関係が薄いか会議費会議の実態があり、茶菓・弁当程度か給与渡し切りで使途が明らかでないか売上割戻し一定の基準で、売上に応じて交付するか
会議費との境界:決め手は「会議の実態があり、茶菓・弁当程度か」。会議に関連して通常要する飲食は交際費等から除く。会議の名目でも、料亭や飲酒を伴うなど程度を超えれば交際費等(措令37の5②二)。
応用 A2

隣接する費用との境界 ── 広告宣伝費・福利厚生費・寄附金・会議費・給与・売上割戻し

📍 ラボの場所:応用タブ A2
ハルカ
交際費等の周りに、広告宣伝費・福利厚生費・寄附金・会議費・給与・売上割戻しが並んでいます。それぞれに「決め手になる問い」があるんですね。
先生
会議費なら「会議の実態があり、茶菓・弁当程度か」。広告宣伝費なら「不特定多数の一般消費者に向けた支出か」。福利厚生費なら「従業員におおむね一律で、通常要する程度か」なんだ。
迷いポイント 得意先の担当者を温泉旅行に招待した費用は、広告宣伝費?
ハルカ
会社の宣伝になるので、広告宣伝費だと思っていました。
先生
今回のような、特定の取引先への慰安旅行は、慰安のための支出として交際費等なんだ。広告宣伝費になるのは、不特定多数の一般消費者を旅行に招待するような場合だよ。
ハルカ
隣の費用との境界線…。私の部屋とクローゼットの境界も、妹のプリンが越えてきています。
先生
それは福利厚生費にも交際費等にもならないから、安心していいよ。判例・裁決タブに、この境界で争われた事例を集めてあるんだ。
💡 そうだったのか!
隣の費用との境界は、それぞれ決め手になる問いで切ります。今回のような特定の取引先への慰安旅行は、宣伝効果があっても交際費等です。
🖱 ラボで操作すると
  1. 応用A2の「売上割戻し」をクリックする

👀 決め手は「一定の基準で、売上に応じて交付するか」。物品は事業用資産・少額物品に限られ、基準なく渡す金品や旅行・観劇への招待は交際費等、と説明が出ます。

ラボを開く ▶
📙 応用 A3 ラボの図(共同接待)

共同で接待したとき

  1. 複数の法人で共同で接待したときは、飲食費の総額 ÷ 参加者の総数で判定する(自社の負担額ではない)
  2. 例:総額 60,000円(うち自社負担 30,000円)÷ 参加者 4人 = 15,000円
  3. 自社負担 30,000円 ÷ 4人 = 7,500円 として除外することはできない
判定
1人当たり 15,000円
↓
1万円超
全額が交際費等(8欄)
共同で接待したとき:共同で行った接待では、自社が負担した金額ではなく、その飲食費の総額を参加者の総数で割って1人当たりの額を判定します(措通61の4(1)-23の注)。自社負担分だけで割ると1万円以下に見えても除外できません。総額の通知がない場合などの例外的な扱いは、このラボでは扱いません。
応用 A3

1人1万円の判定の細目 ── 人数の数え方・1次会と2次会・共同接待・差入れ

📍 ラボの場所:応用タブ A3
ハルカ
2社で共同で接待したとき、自社の負担が30,000円で参加者4人なら、7,500円で1万円以下…と思ったら、15,000円で超えています。
先生
共同接待は、自社の負担額ではなく飲食費の総額を参加者の総数で割るんだ。総額60,000円÷4人=15,000円で、1万円超なんだよ。
迷いポイント 参加者の数に、接待する側の自社の社員も入れてよい?
ハルカ
接待される側の人数で割るのだと思っていました。
先生
飲食に参加した者の数なので、自社の役員・従業員も含めるんだ。共同接待なら他社の参加者も分母に入るよ。
ハルカ
割り勘のときは自分の払った分で考えるのに、ここでは総額なんですね。私、友だちとの会計はいつも自分の分しか見ていません。
先生
別表十五では、店に払われた総額を4人で割るんだよ。自分の財布だけ見ていると、1万円以下に見えてしまうんだ。
💡 そうだったのか!
1人当たりの判定は総額÷参加者の総数。自社の社員も分母に入り、共同接待でも自社負担額ではなく総額で割ります。
🖱 ラボで操作すると
  1. 応用A3で「1次会と2次会」を押す
  2. 続けて「差入れ・テイクアウト」を押す

👀 1次会と2次会は「それぞれが単独の飲食行為か」で判定、差入れの弁当は 48,000円÷8人=6,000円で1万円以下、と判定の箱が変わります。

ラボを開く ▶
📙 応用 A4 ラボの図(行為があった期)
X1期(3月決算)X2期3/31 期末3/28 接待(会食)未払・仮払で経理参加者4名・60,000円4/20 支払請求書を精算60,000円X1期の別表十五に書く✔ 正しい:行為があった事業年度X2期の別表十五に書く
行為があった期に書く → 正しい:仮払・未払などの経理のしかたにかかわらず、接待・贈答などの行為があった事業年度の交際費等になります(措通61の4(1)-24)。期末近くの接待は、未払計上とあわせて別表十五への集計漏れに注意します。
応用 A4

いつの事業年度の交際費等か ── 支払った年ではなく、行為があった年

📍 ラボの場所:応用タブ A4
ハルカ
3月28日に接待して、請求書を4月20日に払った。X1期(3月決算)の別表十五に書くんですね。
先生
交際費等は、接待などの行為があった事業年度のものなんだ。仮払・未払の経理のしかたは関係ないよ。
迷いポイント 期末に未払計上を忘れた接待費は、翌期に費用にした期の交際費等?
ハルカ
費用に計上した期の別表十五に書けばよい、と思っていました。
先生
計上し忘れても、行為があった期の交際費等なんだ。翌期に費用計上しても、別表十五はX1期で集計するんだよ。期末前後の領収書の日付と未払計上の有無を突き合わせるのはそのためだね。
ハルカ
3月の会食代を4月にカード決済しても、会食があったのは3月、ということですね。
先生
そのとおり。会食の日が行為の日で、カードの引落日は支払日だね。別表十五が見ているのは会食の日の方なんだ。
💡 そうだったのか!
交際費等は行為があった事業年度に集計します。支払日や費用計上の期ではありません。
📙 応用 A5 ラボの表(接待飲食費になるか)
接待飲食費(9欄)になるか
支出9欄理由
飲食店で得意先と会食○接待飲食費の典型。書類の記載が条件
得意先の会議室に弁当・飲み物を差し入れ○得意先の業務の際の差入れは飲食等に含まれる
自社の会議室で得意先と弁当を食べながら打合せ条件付き通常の会議費に当たるものは交際費等から除外(7欄)。それ以外の飲食費は、1人1万円以下の除外・接待飲食費の要件を別に判定する
得意先にお中元のお酒を贈る✖飲食物でも「贈答」。飲食等ではない
ゴルフ接待の際の昼食・懇親会✖ゴルフ等の行事と一体の飲食は、接待飲食費に含めない
旅行・観劇に招待した際の食事✖旅行等と一体の飲食は含めない。旅行と切り離して別に行った会食なら○
役員だけの会食(取引先なし)✖社内飲食は接待飲食費の定義から除外
取引先との会食のあとのタクシー代(相手を送る)✖飲食等のために要する費用ではない。交際費等のまま8欄
応用 A5

飲食等の範囲 ── 差入れは○、贈答・ゴルフと一体の食事は✖

📍 ラボの場所:応用タブ A5
ハルカ
得意先の会議室に弁当を差し入れるのは○、お中元のお酒を贈るのは✖。同じ飲食物でも違うんですね。
先生
接待飲食費になるのは「飲食その他これに類する行為のために要する費用」だけなんだ。相手に贈る飲食物は贈答で、飲食等ではないんだよ。
迷いポイント ゴルフ接待のときの昼食代は、接待飲食費として9欄に書ける?
ハルカ
飲食店で食べたので、接待飲食費だと思っていました。
先生
ゴルフや旅行と一体の飲食は、接待飲食費に含めないんだ。交際費等のまま8欄に残って、50%基準には乗らないんだよ。会食の前後のタクシー代も同じだね。
💡 そうだったのか!
9欄に入るのは飲食そのものの費用。贈答の飲食物、ゴルフ・旅行と一体の飲食、送迎のタクシー代は交際費等のまま8欄に残ります。
📙 応用 A6 ラボの図(集計の流れ)
会計:建物の取得価額工事代金 50,000,000+ 落成式の宴会費 1,200,000集計別表十五 下段科目「建物」の行6欄 1,200,000(損金経理なし)1欄に含めて計算損金不算入額(5欄)→ 別表四で加算
なぜ費用にしていないのに集計するのか:交際費等の損金不算入は「支出した」交際費等が対象です。取得価額に入れて将来の減価償却で費用になるものも、当期に支出した交際費等として集計します(別表十五の記載の仕方・申告書作成上の留意点)。損金経理していなくても、当期に支出した交際費等は科目ごとの行に書きます。損金不算入額のうち取得価額に算入された分の調整(資産の帳簿価額からの減額など、措置法関係通達の「原価に算入した交際費等の調整」)は、このラボでは扱いません。
応用 A6

取得価額に含めた交際費等 ── 損金経理していなくても集計する

📍 ラボの場所:応用タブ A6
ハルカ
落成式の宴会費 1,200,000 を建物の取得価額に含めました。費用にしていないのに、別表十五に書くんですか。
先生
損金不算入の制度は「支出した交際費等」に上限を付けるものだから、費用計上のタイミングとは切り離されているんだ。科目「建物」の行を作って、6欄に書くんだよ。
迷いポイント 取得価額に入れた交際費等は、減価償却で費用になるときに別表十五に書く?
ハルカ
償却費として費用になった年に、少しずつ集計するのだと思っていました。
先生
支出した当期にまとめて集計するんだ。損金不算入額のうち取得価額に算入された分の調整は別の論点で、このラボでは扱っていないから、実務では顧問税理士に確かめてね。
💡 そうだったのか!
取得価額に含めた交際費等も支出した期に6欄へ集計します。損金経理の有無は関係ありません。
📙 応用 A7 ラボの図(③ 大法人の子会社等?)
① 期末の資本金は100億円超?事業年度終了の日で判定はい全額が損金不算入4欄=0、9欄は書かないいいえ② 期末の資本金は1億円超?1億円ちょうどは「いいえ」はい接待飲食費×50%だけ3欄=0、4欄=2欄いいえ③ 大法人の子会社等?資本金5億円以上の法人等の100%子会社などはい接待飲食費×50%だけ中小法人等から除かれるいいえ中小法人等:2欄と3欄を選択800万円×月数/12 が使える通算法人通算グループ内に100億円超の法人があれば全額不算入。定額控除限度額はグループ全体で800万円を配分(別表十五付表)。このラボでは扱わない
③大法人の子会社等:資本金5億円以上の法人(大法人)に発行済株式の全部を直接・間接に保有されている法人や、完全支配関係がある複数の大法人に発行済株式の全部を保有されている法人などは、資本金1億円以下でも中小法人等から除かれます(法人税法第66条第5項第2号・第3号に掲げる法人)。株主構成を確認してから3欄を使います。
応用 A7

法人の区分の判定フロー ── 100億円超・1億円超・大法人の子会社等の順に見る

📍 ラボの場所:応用タブ A7
ハルカ
100億円超?→1億円超?→大法人の子会社等?の順に見て、どれにも当たらなければ中小法人等。3つの問いで決まるんですね。
先生
順番がだいじなんだ。1億円ちょうどは「1億円超」ではないので③へ進むよ。
迷いポイント 資本金5,000万円の会社が、資本金10億円の親会社の100%子会社だったら?
ハルカ
1億円以下なので中小法人等で、800万円の定額控除限度額が使えると思いました。
先生
大法人の子会社等なので中小法人等から除かれて、3欄は0なんだ。親会社1社の100%子会社だけでなく、完全支配関係がある複数の大法人に発行済株式の全部を持たれている会社も同じだよ。設例8では、それで損金不算入額が500万円変わるんだよ。
ハルカ
親が大きいと、子どものおこづかいの枠が消えるんですね。少しかわいそうです。
先生
かわいそうに見えるかもしれないけれど、グループ全体の資本力で見る、という考え方なんだ。株主構成の確認を忘れないことだね。
💡 そうだったのか!
区分は100億円超 → 1億円超 → 大法人の子会社等の順に判定。資本金1億円以下でも、大法人の100%子会社や、完全支配関係がある複数の大法人に全株式を持たれている会社は定額控除限度額が使えません。
🖱 ラボで操作すると
  1. シミュレーションで「設例8 大法人の子会社等」を押す
  2. 「大法人の子会社等である」のチェックを外す

👀 5欄の損金不算入額が 5,000,000 → 0 に変わります(3欄に 6,500,000 が入るため)。

ラボを開く ▶
📙 応用 A8 よくある誤り(10項目)
✖ 1人1万円を超えた飲食費は、超えた部分だけ交際費等にする
✔ 1万円を超えたら、その飲食費の全額が交際費等。9欄に書いて50%基準で救う
✖ 会議費・福利厚生費の勘定科目にあるものは別表十五に書かない
✔ 科目名は関係ない。各科目の中の交際費等をその科目の行に集計する
✖ 役員だけの会食も1人1万円以下なら7欄で除く
✔ 社内飲食は1万円基準の対象外。交際費等のまま8欄に残る
✖ 書類はなくても1万円以下なら除外できる
✔ 年月日・参加者・人数・金額・店名を記載した書類の保存が条件
✖ 資本金1億円以下なら必ず定額控除限度額を使う
✔ 大法人の子会社等は使えない。3欄は(1)との少ない方で、2欄との選択
✖ 6か月決算でも定額控除限度額は800万円
✔ 800万円×6/12=400万円。1月未満の端数は切り上げ
✖ 税抜経理なら消費税は一切関係ない
✔ 控除対象外消費税額等がある年は、交際費等に係る分を加えて計算する
✖ 交際費等の損金不算入額を別表五(一)に書く
✔ 永久差異なので別表四の社外流出③だけ。別表五(一)には書かない
✖ 支払った期の交際費等として集計する
✔ 接待などの行為があった期の交際費等。未払・仮払でも行為の年
✖ 落成式の宴会費は建物の取得価額に入れたので別表十五に関係ない
✔ 損金経理していなくても、当期に支出した交際費等として6欄に書く
応用 A8

よくある誤り ── 別表十五を作ったら確かめる10項目

📍 ラボの場所:応用タブ A8
ハルカ
10項目のうち、私は「会議費の科目にあるものは別表十五に書かない」と「6か月決算でも800万円」の2つを、今日まで信じていました。
先生
点検の順番を決めておくといいよ。6欄の科目の漏れ、7欄の除外の根拠、9欄の集計、法人の区分と月数、最後に別表四8欄との一致なんだ。
迷いポイント 別表十五を作り終えたら、何を最初に確かめる?
ハルカ
5欄の金額が去年と大きく違わないか、を最初に見ていました。
先生
前期比較もよいけれど、順番どおり6欄の漏れから見ていくんだ。区分と月数の段では、100億円超なのに9欄を計算していないか、大法人の子会社等なのに3欄を計算していないかを見るよ。
ハルカ
最後は何で締めるんですか。
先生
様式のチェックポイントにある「別表四の8欄と一致しているか」だよ。ここが合えば転記まで終わったことになるんだ。
💡 そうだったのか!
点検は6欄の漏れ → 7欄の根拠 → 9欄の集計 → 区分と月数 → 別表四8欄との一致の順。前期比較はその後です。
⚖ 判例・裁決 ラボの図(4つの判断ポイント)
① 相手方誰に対する支出か② 目的何のための支出か③ 態様何が行われたか④ 証拠裏づけはあるか交際費等かどうか = 相手方 × 目的 × 態様 を、証拠で裏づけて判断する勘定科目名や金額の大小では決まらない(萬有製薬事件・会議費事件・花輪の裁決)
相手方:得意先・仕入先・取引先の役員や従業員など「事業に関係のある者等」か。自社の従業員も含まれ得るが、専ら従業員の慰安のために通常要する費用など福利厚生費に当たるものは除かれる(一部の従業員だけの飲食は交際費等になり得る)。不特定多数の一般消費者向けなら広告宣伝費。 関連する事例:従業員慰労事件 ↗・オリエンタルランド事件 ↗・得意先の板前への手数料 ↗
判例・裁決

判例・裁決から読み取れる4つの判断ポイント

📍 ラボの場所:判例・裁決タブ 1
ハルカ
裁判例と裁決を通して見ると、交際費等かどうかは「相手方・目的・態様」を証拠で裏づけて判断されているんですね。
先生
萬有製薬事件では、取引先の医師への英文添削の費用負担が、学術支援の性質だとして交際費等にならなかったんだ。関係強化につながっても、行為の態様が接待・贈答に当たらなければ交際費等ではないんだよ。
迷いポイント 従業員だけの飲食なら、交際費等にはならない?
ハルカ
社内の飲食は全部福利厚生費だと思っていました。
先生
神戸地裁の事件では、一部の従業員だけの少人数の会合は、通常の福利厚生行事と性格が異なるとして交際費等とされたんだ。除かれるのは、従業員におおむね一律で通常要する費用など、福利厚生費に当たるものだけなんだよ。
ハルカ
令和5年の判決は、帳簿書類の記載が足りなくて50%損金算入が認められなかったんですね。基礎5の話が、そのまま裁判になっています。
先生
そのうえで定額控除の対象になる交際費等かどうかを支出ごとに見て、業務関連性が認められた一部だけが認められたんだ。証拠が判断を分けた例だね。
💡 そうだったのか!
判例・裁決の見方は相手方・目的・態様 × 証拠。古い事例は1万円(5,000円)基準の導入前なので、考え方を使い、現在の損金不算入額にはそのまま当てはめません。
11件の事例を論点で絞り込んで読めますラボで開く ▶

今日の内容を、ラボで確かめてみませんか?

この記事の図は、すべて別表十五ラボの画面そのものです。応用タブを開けば、同じ図を見ながら読み返せます。

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📝 続けて読む:基礎編(交際費等の定義・1万円以下の飲食費・接待飲食費・2つの限度額)記事を読む ▶
📓 ハルカの学習ノートで、この章を見る学習ノートへ ▶

今日のまとめ ── 迷いポイント早見表

迷いポイント答えラボ
「交際費等でない」と「7欄で除く」は同じ?8欄は同じ。候補が混ざる科目は6欄に書いて7欄で除き、科目全体が交際費等でないものは6欄に書かない応用A1
得意先の担当者を温泉旅行に招待した費用は広告宣伝費?今回のような特定の取引先への慰安旅行は交際費等。広告宣伝費は不特定多数の一般消費者向け応用A2
参加者の数に自社の社員も入れる?入れる。共同接待は自社負担額ではなく総額÷参加者の総数応用A3
未払計上を忘れた接待費は翌期の交際費等?行為があった期の交際費等。支払日や費用計上の期ではない応用A4
ゴルフ接待の昼食は接待飲食費?ゴルフ・旅行と一体の飲食は9欄に入らず、交際費等のまま8欄応用A5
取得価額に入れた交際費等は償却のときに集計?支出した期に6欄へ。損金経理の有無は関係ない応用A6
資本金5,000万円の100%子会社は中小法人等?親が資本金5億円以上なら大法人の子会社等で、3欄は0応用A7
作り終えたら何を最初に確かめる?6欄の漏れ → 7欄の根拠 → 9欄の集計 → 区分と月数 → 別表四8欄との一致の順。前期比較はその後応用A8
従業員だけの飲食なら交際費等にならない?福利厚生費に当たるものだけが除かれる。一部の従業員だけの会合は交際費等になり得る判例・裁決
おわりに

今日のふりかえり

先生
今日のまとめだよ。隣の費用との境界は決め手になる問いで切る。1万円の判定は総額÷参加者の総数で、共同接待も同じ。区分は100億円超・1億円超・大法人の子会社等の順に見るんだ。
ハルカ
基礎編では計算の流れを追うのに精一杯でしたが、今日は「この領収書は誰に・何のためか」を先に考える癖がつきました。計算より判断の方が難しいんですね。
先生
そこに気づいたのは大きいよ。判断の根拠を証憑に残しておけば、計算はラボが教えてくれるからね。
ハルカ
次に取引先と会食するときは、店を出る前に参加者の名前と人数をメモします。2次会に行く前に。
先生
2次会は単独の飲食行為かどうかで判定するから、そのメモも別々にね。設例を自分で解きたくなったら、ラボの設例タブで設例1から8まで順に進めてみようか。基礎編から読み返すと、図の見え方がきっと変わるよ。

参考資料

租税特別措置法第61条の4(交際費等の損金不算入)・同施行令第37条の4・第37条の5・同施行規則第21条の18の4、租税特別措置法関係通達61の4(1)-1〜-24、国税庁「別表十五」の様式・記載の仕方(令和8年4月1日以後終了事業年度分)・申告書作成上の留意点、タックスアンサー No.5265・No.6917、法人税法講本(令和8年度版)第6章第2節。確認日:2026年10月20日。設例の数値は独自のもの(単位:円)で、実在の会社のものではありません。

判例・裁決の要旨は公表資料の要約です。判決・裁決の年月日と掲載誌は原典(裁判所・国税不服審判所の公表資料)で確認してください。

シリーズ:基礎編/応用編

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この記事を書いた人

TaxJudge編集部|公認会計士・税理士(実務25年)による企画・監修。会計基準・税法・裁決・有価証券報告書などの一次情報をもとに、検索できるデータベースと計算・判定・文書作成ツールを制作しています。