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グループ法人税制ラボ【応用編】|先生と一緒に図で学ぶ法人の立場・会計との違い・寄附修正・判定と試算

グループ法人税制ラボ【応用編】|先生と一緒に図で学ぶ法人の立場・会計との違い・寄附修正・判定と試算

無料の学習ツール「グループ法人税制ラボ」の読み方ガイドです。ラボの「法人の立場から」「会計との違いから」「手続・期限から」「テーマから」「設例・試算」の各タブから、実務で迷いやすい論点を選んで、先生と生徒の会話形式で見ていきます。全体像タブの内容は基礎編で扱っています。登場する人物と設例の数値はすべて架空の例です。解説は公認会計士・税理士が監修しています。各行の図はラボの図そのものです(記事内の図は表示用で、ボタンやクリックの操作はできません。操作は各節の「ラボで開く」「ラボを開く」からラボ本体で試せます)。重要な節の最後には、ラボで30秒だけ手を動かす小さな実習を置いています。

👤 法人の立場から ラボの画面
赤字=損金不算入・適用なし・不利になる結論緑字=繰延べ・益金不算入・適用あり太字=制度・手続の名前(小さい文字)=根拠灰色のマス=その立場には関係がない
法人の立場譲渡損益の繰延べ寄附金・受贈益受取配当・自己株式現物分配中小特例・その他
親会社(内国法人)100%子会社・孫会社を持つ内国法人
  • 子会社との譲渡損益調整資産の譲渡は繰延べ(第61条の11第1項)
  • 子会社からの通知で戻入れの年度を決める(施行令第122条の12第19項)
  • 子会社への寄附金は全額損金不算入(第37条第2項)
  • 子会社間の寄附があれば寄附修正で子会社株式の帳簿価額を修正(施行令第9条第1項第7号)
  • 子会社からの配当は完全子法人株式等として全額益金不算入(第23条第1項・第5項)
  • 子会社株式を子会社に自己株式として譲渡しても譲渡損益は計上しない(第61条の2第17項)
  • 子会社からの現物分配は適格現物分配
  • 帳簿価額で受け入れ、収益は益金不算入(第62条の5第4項)
  • 子会社の残余財産が確定したときは、その欠損金を引き継ぐ(第57条第2項)
  • 申告書に出資関係図を添付
100%子会社内国法人の親会社に100%保有される内国法人
  • 親会社・兄弟会社との譲渡は繰延べ
  • 譲り受けたときは取得価額は時価、通知を受けたら回答(施行令第122条の12第18項)
  • 親会社・兄弟会社からの受贈益は全額益金不算入(第25条の2)
  • 支出した寄附金は全額損金不算入(第37条第2項)
  • 親会社への配当は親会社で益金不算入
  • 自己株式を親会社から取得しても親会社に譲渡損益は生じない(第61条の2第17項)
  • 親会社への現物分配は適格現物分配
  • 帳簿価額で譲渡したものとされる(第62条の5第3項)
親会社の資本金が5億円以上なら、資本金1億円以下でも軽減税率は使えない(第66条第5項第2号)
兄弟会社(法人支配)同じ内国法人の親会社に100%保有される2社
  • 兄弟会社間の譲渡損益調整資産の譲渡は繰延べ(第61条の11第1項)
  • 再譲渡は戻入事由
  • 兄弟会社間の寄附は全額損金不算入・益金不算入(第37条第2項・第25条の2)
  • 親会社が寄附修正
兄弟会社が互いの株式を持っていなければ生じない(持ち合いの場合は判定シミュレーションで)兄弟会社が互いの株式を持っていなければ生じない(持ち合いの場合は判定シミュレーションで)親会社が大法人なら2社とも軽減税率は使えない(第66条第5項第2号)
兄弟会社(個人支配)オーナー個人(と親族)が100%保有する2社個人による完全支配関係でも譲渡損益の繰延べは適用あり(第61条の11第1項)
  • 法人による完全支配関係ではないので適用なし
  • 寄附金は限度額まで損金(第37条第1項)、受贈益は益金算入(第22条第2項)
兄弟会社が互いの株式を持っていなければ生じない(持ち合いの場合は判定シミュレーションで)兄弟会社が互いの株式を持っていなければ生じない(持ち合いの場合は判定シミュレーションで)個人オーナーは大法人ではないので、中小特例の不適用(第66条第5項)は関係がない
外国親会社の子会社外国法人に100%保有される内国法人(兄弟会社あり)
  • 内国法人の兄弟会社との譲渡は繰延べ
  • 外国親会社への譲渡は相手が内国法人でないので対象外(第61条の11第1項)
  • 兄弟会社(内国法人)間の寄附は、外国法人による完全支配関係=法人による完全支配関係なので全額損金不算入・益金不算入
  • 外国親会社への寄附は対象外(質疑応答事例 問5)
外国親会社が受ける配当は、恒久的施設がある外国法人に限り完全子法人株式等の規定の適用がある(第23条・第141条)内国法人の兄弟会社への現物分配は、完全支配関係が外国法人によるものでも適格現物分配(質疑応答事例 問14)外国親会社の資本金が5億円以上なら軽減税率は使えない(第66条第5項第2号)
持株会がある子会社親会社98%・従業員持株会2%持株会が民法上の組合(証券会社方式)で5%未満なら完全支配関係あり → 繰延べの対象(施行令第4条の2第2項第1号)同じく完全支配関係あり → 親会社との寄附は全額損金不算入・益金不算入配当の計算期間を通じて完全支配関係があれば完全子法人株式等(第23条第5項)完全支配関係があれば適格現物分配信託銀行方式(人格のない社団等)の持株会なら、5%未満でも完全支配関係なし(質疑応答事例 問3)
大法人の子会社資本金5億円以上の法人に100%保有される資本金1億円以下の法人親会社・兄弟会社との譲渡は繰延べ親会社・兄弟会社との寄附は全額損金不算入・益金不算入親会社への配当は親会社で全額益金不算入親会社への現物分配は適格現物分配
  • 資本金1億円以下でも中小法人の軽減税率は使えない(第66条第5項第2号)
  • 複数の大法人に分けて100%保有される場合も同じ(第66条第5項第3号)
通算法人グループ通算制度の承認を受けた法人
  • 通算法人間の譲渡も繰延べの対象
  • 通算制度の開始・加入・離脱の時価評価事業年度に、繰り延べた損益を戻す場合がある(第61条の11第4項)
  • 通算完全支配関係がある法人間の寄附は全額損金不算入・益金不算入
  • 寄附修正は通算完全支配関係を除く(施行令第9条第1項第7号)
通算法人間の配当は完全子法人株式等適格現物分配
  • 損益通算・欠損金の通算は通算制度の規定による(第64条の5〜第64条の8)
  • グループ法人税制とは別の制度
はじめに

今日の題材 ── 立場が変わると、効く規定が変わる

📍 ラボの場所:法人の立場からタブ 早見表
ハルカ
先生、基礎編で「寄附金・受贈益の特例は法人による完全支配関係に限る」と習いました。この早見表は、その話を立場ごとに広げたものですか。
先生
そう。親会社・100%子会社・兄弟会社・個人オーナーの会社・外国親会社の子会社・持株会のある子会社・大法人の子会社・通算法人の8つの立場で、効く規定と落とし穴を横に並べたんだ。緑が適用あり、赤が適用なしや不利な結論だよ。
ハルカ
「兄弟会社(個人支配)」の行だけ、寄附金のマスが赤いです。基礎編の話がそのまま表になっています。
先生
そのとおり。応用編では、この表を入口に、判定のフロー、会計との違いと別表四、帳簿価額で売ったときの申告調整、寄附修正、1年のカレンダー、テーマ別の6場面、判定と試算のシミュレーションを見ていこうか。
ラボの「法人の立場から」タブを開きながら読むと分かりやすいですラボで開く ▶
👤 法人の立場から ラボの図
はいいいえはい法人によるいいえ一の者は誰?(法人か個人か)法人(内国・外国)個人(親族を含む)直接・間接で100%か(5%ルールを含む)取引相手は内国法人か完全支配関係なし→ 通常の課税譲渡損益の繰延べ受取配当・現物分配・自己株式寄附金・受贈益(法人による関係のみ)相手が個人・外国法人→ 譲渡の繰延べは対象外
法人による完全支配関係・内国法人間 → 全部適用P社(内国法人)がX社の100%を保有。X社がY社(P社の100%子会社)に土地を売れば譲渡損益を繰り延べ、寄附をすれば全額損金不算入・益金不算入です。
法人税法第61条の11第1項 法人税法第37条第2項 法人税法第25条の2
法人の立場 1

① ② 完全支配関係と制度の適用を判定する ── フロー

📍 ラボの場所:法人の立場からタブ 1
ハルカ
フローの問いは3つです。「一の者は誰?」「直接・間接で100%か」「取引相手は内国法人か」。この3つで、6つの制度のどれが効くかが決まるんですね。
先生
そう。一の者が法人なら寄附金・受贈益まで全部、個人なら寄附金・受贈益を除いた制度が適用されるんだ。そして取引相手が内国法人でないと、譲渡損益の繰延べはそもそも対象外だよ(第61条の11第1項)。
迷いポイント X社が、100%株主のオーナー個人に土地を売っても繰り延べる?
ハルカ
オーナー個人とX社の間には完全支配関係があります。だからX社がオーナーに土地を売っても、譲渡益は繰り延べられると思います。
先生
そこは対象外なんだ。繰延べは内国法人から内国法人への譲渡に限られるから、相手が個人や外国法人なら通常どおり課税されるよ。時価との差額があれば、役員給与や寄附金の問題になるんだ。
ハルカ
完全支配関係があっても、相手が誰かで結論が変わるんですね。
先生
そう。「一の者が誰か」と「取引相手が誰か」は別の問いなんだ。フローで言えば、2つ目と3つ目の箱を別々に通ることだよ。
💡 そうだったのか!
適用は一の者が法人か個人か、100%か、取引相手が内国法人かで決まります。完全支配関係があっても、内国法人から個人・外国法人への譲渡は繰延べの対象外です(第61条の11第1項)。
⏱ 30秒だけラボで試す
  1. 法人の立場からタブのフローで、「X社→オーナー個人へ譲渡」を押す

👀 フローの結論が「相手が個人 → 譲渡の繰延べは対象外」に変わり、「X社がオーナー個人に土地を売る場合、相手が内国法人でないので譲渡損益の繰延べは適用されません。時価との差額は役員給与・寄附金などの問題になります」と表示されます。

ラボを開く ▶
🔁 会計との違いから ラボの図
加算所得が増える(別表四で足す)減算所得が減る赤字=損金不算入・益金算入緑字=繰延べ・益金不算入・損金になる社外流出/留保=別表四の区分(小さい文字)=根拠
論点📒 会計(帳簿)🧾 法人税法📝 別表四での書き方
土地の譲渡益(親→子)譲渡売却時に固定資産売却益を計上する
  • 譲渡損益調整資産の譲渡利益額は損金の額に算入して繰り延べる(第61条の11第1項)
  • 譲受法人がその土地を譲渡したときに益金に戻し入れる(第61条の11第2項)
譲渡した年度は譲渡損益調整勘定繰入額として減算留保。別表五(一)に譲渡損益調整勘定△。戻入れの年度は加算留保して別表五(一)の△を消す。
土地の譲渡損(親→子)譲渡固定資産売却損を計上する
  • 譲渡損失額は益金の額に算入して繰り延べる(第61条の11第1項)
  • 戻入れのときに損金に算入する
譲渡した年度は加算留保。別表五(一)に譲渡損益調整勘定+。戻入れの年度は減算留保。
機械の譲渡益(譲受法人が償却)譲渡
  • 固定資産売却益を計上
  • 譲受法人は取得価額で減価償却する
  • 譲渡利益額を繰り延べ、譲受法人の償却費の損金算入に合わせて戻し入れる
  • 原則法は償却費の割合、簡便法は耐用年数の月割り(施行令第122条の12第4項第3号・第6項)
譲渡年度は減算留保。以後毎年、戻入額を加算留保。簡便法は譲渡年度の別表十四(六)に明細を記載。
帳簿価額で譲渡(低廉譲渡)譲渡帳簿価額で売却し、売却損益はゼロ
  • 税務上は時価で譲渡したものとする
  • 時価との差額は譲渡利益額として繰り延べ、同額を寄附金として認容した上で全額損金不算入(第37条第2項・第8項・第61条の11第1項)
譲渡益計上もれ 加算留保、譲渡損益調整勘定繰入額 減算留保、寄附金認容 減算留保、寄附金の損金不算入額 加算社外流出。所得はゼロ。
寄附金(法人による完全支配関係)寄附寄附金(販売費及び一般管理費など)として費用計上する完全支配関係(法人による完全支配関係に限る)がある他の内国法人への寄附金は全額損金不算入(第37条第2項)
寄附金の損金不算入額として加算社外流出。別表十四(二)の「完全支配関係がある法人に対する寄附金額」(6)に記載。
寄附金(個人による完全支配関係)寄附寄附金として費用計上する
  • 特例の適用なし
  • 一般の寄附金として、損金算入限度額(資本金等×2.5/1000×月数/12+所得×2.5/100)×1/4 を超える部分が損金不算入(第37条第1項・施行令第73条第1項)
限度額を超える部分を加算社外流出。
受贈益(法人による完全支配関係)寄附受贈益(特別利益など)として収益計上する
  • 法人による完全支配関係がある他の内国法人から受けた受贈益は全額益金不算入(第25条の2第1項)
  • 寄附側で損金不算入になる寄附金に対応するものに限る
受贈益の益金不算入額として減算社外流出。別表五(一)には出ない。
寄附修正(親会社)寄附何も処理しない(子会社株式の帳簿価額は変わらない)子法人が益金不算入の受贈益を受け、または損金不算入の寄附金を支出したときは、受贈益×持分割合−寄附金×持分割合を利益積立金額と子法人株式の帳簿価額に加算する(施行令第9条第1項第7号・第119条の3第9項)
別表四は通さない。別表五(一)に子法人株式(寄附修正)の増・減を記載する。
受取配当(完全子法人株式等)株式受取配当金として収益計上する
  • 配当の計算期間を通じて完全支配関係があった他の内国法人の株式の配当は、負債利子を控除せず全額益金不算入(第23条第1項・第5項)
  • 確定申告書に明細の添付が要件(第23条第7項)
受取配当等の益金不算入額として減算社外流出※。別表八(一)に完全子法人株式等として記載。
自己株式の取得に応じた(みなし配当)株式子会社株式の売却として売却損益を計上する
  • 完全支配関係がある発行法人に株式を譲渡した場合、譲渡対価は帳簿価額とみなして譲渡損益を計上しない(第61条の2第17項)
  • みなし配当(第24条第1項第5号)は完全子法人株式等の配当として益金不算入
会計の売却損益を加算または減算留保し、みなし配当を減算社外流出※。譲渡損益の不計上分は資本金等の額の調整。
適格現物分配(受ける側)株式受け取った資産を時価で計上し、受取配当金などを計上する
  • 適格現物分配により資産の移転を受けたことによる収益は益金不算入(第62条の5第4項)
  • 資産は現物分配法人の帳簿価額で受け入れる
会計の収益を減算(留保または社外流出)し、資産の帳簿価額を別表五(一)で調整する。
適格現物分配(分配する側)株式資産を時価で分配し、分配差益(差損)を計上することがある
  • 適格現物分配により資産を移転したときは帳簿価額で譲渡したものとして所得を計算する(第62条の5第3項)
  • 譲渡損益は生じない
会計で計上した差益を減算、差損を加算留保。利益積立金額の減少は帳簿価額(施行令第9条第1項第8号)。
会計との違い

論点ごとの「会計/法人税法/別表四」

📍 ラボの場所:会計との違いからタブ
ハルカ
左から会計、法人税法、別表四での書き方。土地の譲渡益は「減算 留保」、寄附金は「加算 社外流出」、受贈益は「減算 社外流出」。同じグループ内の取引なのに、留保と社外流出が混ざっています。
先生
そう。譲渡益の繰延べは後で戻すから留保で、別表五(一)に譲渡損益調整勘定が残るんだ。寄附金の損金不算入と受贈益の益金不算入は二度と戻らないから社外流出だよ。
迷いポイント 寄附金の損金不算入は、後で戻る調整?
ハルカ
別表四・別表五(一)ラボで、留保か社外流出かの決め手は「利益積立金額に反映するか」だと習いました。寄附金は会社のお金が出ていくから利益積立金が減って、留保なのかと思ったのですが。
先生
よく覚えていたね。ただ会計でも寄附金は費用で利益を減らしているから、税務の利益積立金額はそれ以上に動かさないんだ。所得だけ足し戻す調整なので社外流出だよ。受贈益の減算も同じ理屈だね。
ハルカ
譲渡益だけが留保で、寄附金と受贈益は社外流出。同じ表に並ぶと、グループ法人税制は「戻る調整」と「戻らない調整」の見本市みたいです。
先生
見本市なら、値札をよく見ないといけないね。留保の行は別表五(一)の残高になるから、戻すまで管理が続くんだ。
💡 そうだったのか!
譲渡益の繰延べは後で戻すので減算・留保(別表五(一)に譲渡損益調整勘定)。寄附金の損金不算入・受贈益の益金不算入は戻らないので社外流出。同じグループ内取引でも区分が違います。
🔁 会計との違い A1 ラボの図
① 譲渡益の計上時価1億円で譲渡したものとして、譲渡益2,000万円を計上(加算・留保)第22条第2項② 繰延べ譲渡損益調整勘定繰入額2,000万円を損金算入(減算・留保)第61条の11第1項③ 寄附金の認容時価との差額2,000万円を寄附金として認容(減算・留保)第37条第8項④ 損金不算入完全支配関係がある法人への寄附金 → 全額損金不算入(加算・社外流出)第37条第2項
時価1億円の土地を簿価8,000万円で譲渡4つの調整の結果、別表四の所得への影響はゼロです。別表五(一)には未収入金(+2,000万円)と譲渡損益調整勘定(△2,000万円)が残り、未収入金は寄附金の認容で消え、譲渡損益調整勘定は戻入れのときに消えます(質疑応答事例 問10)。
法人税法第22条 法人税法第37条第2項 法人税法第37条第8項 法人税法第61条の11第1項
会計との違い A1

帳簿価額で譲渡したら ── 6つの申告調整

📍 ラボの場所:会計との違いからタブ A1
ハルカ
時価1億円の土地を帳簿価額8,000万円で子会社に売った例です。譲渡法人に4ステップ、譲受法人に2ステップ。帳簿価額で売れば売却損益はゼロなのに、こんなに調整があるんですか。
先生
会計ではゼロでも、法人税法は時価で譲渡したものとするんだ。①時価との差額2,000万円を譲渡益として加算(留保)、②同額を繰延べで減算(留保)、③差額を寄附金として認容し減算(留保)、④その寄附金を損金不算入で加算(社外流出)、の4つだよ。
迷いポイント 帳簿価額で売れば譲渡益はゼロだから、申告調整はいらない?
ハルカ
売却損益がゼロなら、別表四には何も書かずに済むと思っていました。4つ足したり引いたりして、結局所得への影響はゼロなんですよね。
先生
そう、所得への影響はゼロなんだ。でも別表五(一)には未収入金+2,000万円と譲渡損益調整勘定△2,000万円が残るし、寄附金は別表十四(二)に書く。何も書かないのとは違うんだよ。
ハルカ
結果はゼロなのに、別表四に4行…。ゼロを書くために4行も使うなんて、所得計算の壮大な回り道ですね。
先生
回り道に見えるけれど、途中の4つはそれぞれ別の条文の結論なんだ。どれか1つを落とすと、ゼロにならないよ。
💡 そうだったのか!
帳簿価額で譲渡しても税務は時価で考えます。譲渡法人は①譲渡益の計上 ②繰延べ ③寄附金の認容 ④損金不算入、譲受法人は⑤受贈益の計上 ⑥益金不算入。所得への影響はゼロでも、別表五(一)と別表十四(二)に記載が残ります。
⏱ 30秒だけラボで試す
  1. 会計との違いからタブのA1で、「個人支配なら」を押す

👀 3つの箱が「譲渡益の繰延べ:個人による完全支配関係でも適用 → 2,000万円を繰延べ」「寄附金:法人による関係ではない → 一般の寄附金」「受贈益:益金不算入の規定なし → 2,000万円が全額益金算入」に変わり、譲受法人に2,000万円の課税所得が生じると表示されます。

ラボを開く ▶
🔁 会計との違い A2 ラボの図
S1(寄附側)寄附金1,000万円 → 全額損金不算入(加算・社外流出)第37条第2項S2(受取側)受贈益1,000万円 → 全額益金不算入(減算・社外流出)第25条の2P社(株主)S1株式 △1,000万円、S2株式 +1,000万円(寄附修正)施行令第9条第1項第7号
P社の100%子会社S1がS2に1,000万円を寄附寄附修正をしないと、P社がS1株式(価値が下がった寄附側)を売ったときに譲渡損が過大(または譲渡益が過小)に、S2株式(価値が上がった受贈側)を売ったときに譲渡益が過大(または譲渡損が過小)になります。寄附の段階で帳簿価額を直しておく仕組みです(質疑応答事例 問7)。
法人税法第37条第2項 法人税法第25条の2 法人税法施行令第9条第1項第7号
会計との違い A2

寄附修正 ── 親会社の子会社株式の帳簿価額を直す

📍 ラボの場所:会計との違いからタブ A2
ハルカ
子会社S1が兄弟会社S2に1,000万円を寄附すると、親会社PがS1株式を1,000万円減らしてS2株式を1,000万円増やす。P社は寄附していないのに、処理が出てくるんですね。
先生
そう。寄附でS1の価値は下がりS2の価値は上がるから、株主のP社が利益積立金額と子会社株式の帳簿価額を直すんだ。これが寄附修正という処理で、根拠は施行令第9条第1項第7号だよ。
ハルカ
直さないままにしておくと、何か困ることがあるんですか。
先生
P社が株式を売ったときに困るんだ。S1株式を売れば譲渡損が過大に、S2株式なら譲渡益が過大になってしまうよ。
迷いポイント 寄附修正は、P社の別表四を通して所得を動かす?
ハルカ
別表五(一)の利益積立金額が動くなら、別表四に加算か減算があるはずです。P社の所得も1,000万円ずつ動くんですよね。
先生
そこが特徴で、別表四は通さないんだ。P社の所得は動かず、別表五(一)だけでS1株式△1,000万円とS2株式+1,000万円を両建てで書くんだよ。増減の合計はゼロだね。
ハルカ
別表四を通さずに別表五(一)だけが動く…。別表四・別表五(一)ラボで、損益を通らない調整は別表五(一)に+と△を両建てで書く、とやりました。でも別表四を通らないなら、検算式は合わなくなりませんか。
先生
いいところに気づいたね。この設例はP社1社でS1株式△1,000万円とS2株式+1,000万円が同額だから、合計増減はゼロで、検算式には響かないんだ(質疑応答事例 問7の(1))。
ハルカ
では、検算式が合わなくなるのは、どんなときですか。
先生
修正額が複数の株主に分かれるときや、親会社自身が子会社に寄附したときのように、増減が相殺されない場合だよ。そのときは不符合になると、問7に注意書きがあるんだ。
💡 そうだったのか!
寄附修正は、子会社の寄附・受贈益に持分割合を乗じた額で、株主の利益積立金額と子会社株式の帳簿価額を直す処理。別表四は通さず別表五(一)で調整します。同じ親会社で減算・加算が同額なら合計増減はゼロ、修正額が複数の株主に分かれるなど相殺されない場合は検算式と不符合になります。
⏱ 30秒だけラボで試す
  1. 会計との違いからタブのA2で、「P社の別表五(一)」を押す

👀 箱が「利益積立金額の減算 S1株式 △1,000万円」「利益積立金額の加算 S2株式 +1,000万円」「帳簿価額の修正(施行令第119条の3第9項)」に変わり、「別表四を通さず、別表五(一)だけを動かす」と、「S1株式の減とS2株式の増が同額なので、寄附修正による利益積立金額の合計増減はゼロです」と表示されます。

ラボを開く ▶
⏱ 手続・期限から ラボの図
4月5月6月7月8月9月10月11月12月1月2月3月翌4月翌5月翌6月7月 譲渡:譲渡益を会計で計上遅滞なく:譲受法人に通知(譲渡損益調整資産である旨)3月 決算:譲渡益2,000万円が利益に含まれる5月 申告:別表十四(六)に繰延べ、別表四で減算(留保)翌期以後:譲受法人からの通知を待って戻入れ
7月に100%子会社へ土地を譲渡譲渡法人の処理は、譲渡した事業年度の申告で「繰り延べる」ことと、その後毎年、別表十四(六)で残高を管理することです。
法人税法第61条の11第1項 法人税法施行令第122条の12第17項
手続・期限

1年のカレンダー ── 譲渡法人・譲受法人・親会社

📍 ラボの場所:手続・期限からタブ 1
ハルカ
3月決算の譲渡法人の1年です。7月に譲渡、遅滞なく通知、3月に決算、5月に申告で別表十四(六)。そのあと「翌期以後:譲受法人からの通知を待って戻入れ」とあります。
先生
そう。譲渡法人がやることは、譲渡した年度の申告で繰り延べることと、その後毎年別表十四(六)で残高を管理することなんだ。戻す年は、譲受法人の通知で決まるよ。
迷いポイント 譲受法人が12月決算だったら、譲渡法人の戻入れはいつの事業年度?
ハルカ
B社が12月決算で、X3年の8月に土地を売ったとします。A社は3月決算なので、X3年8月を含むX4年3月期に戻すのだと思います。事由が起きた日で見ればいいですよね。
先生
惜しいけれど、基準は事由の日ではないんだ。事由が生じた日の属する譲受法人の事業年度終了の日が属する譲渡法人の事業年度だよ(施行令第122条の12第4項)。B社の12月期末はX3年12月で、それを含むA社の事業年度はX4年3月期だね。
ハルカ
今回は同じ答えでしたが、B社が1月に売っていたら、1年近くずれるんですね。通知が届くまで、A社はずっと郵便受けの前で待っている気分です。
先生
待つだけではなく、こちらから聞いてもいいんだよ。事由の日ではなく相手の期末で決まる、と覚えておけば、どの決算期の組み合わせでも迷わないんだ。
💡 そうだったのか!
譲渡法人は譲渡年度に繰り延べ、以後毎年別表十四(六)で残高を管理します。戻入れの事業年度は譲受法人の事業年度終了の日を含む譲渡法人の事業年度(施行令第122条の12第4項)。相手の決算期が違うときは注意。
🧩 テーマから ラボの図
親会社が100%子会社へ土地(簿価3,000万円)を売却▼繰延べ あり個人オーナーの2社間で土地を売却▼繰延べ あり個人オーナーの2社間で1,000万円の寄附▼特例 なし親会社98%・持株会(民法上の組合)2%の子会社▼完全支配関係 あり外国親会社の内国子会社X社→Y社に寄附▼不算入 あり100%子会社へ機械(簿価800万円)を売却▼繰延べ なし
親会社が100%子会社へ土地(簿価3,000万円)を売却 → 繰延べ あり法人による完全支配関係がある内国法人間の譲渡損益調整資産の譲渡です。譲渡益は繰り延べ、別表十四(六)に書きます。
法人税法第61条の11第1項
テーマ

適用あり?なし? ── 例で見る6つの場面

📍 ラボの場所:テーマからタブ「適用あり?なし?」
ハルカ
6つの場面がカードになっています。土地の売却は「繰延べ あり」、個人オーナーの2社間の寄附は「特例 なし」、外国親会社の内国子会社X社→Y社の寄附は「不算入 あり」。
先生
そう。外国親会社の例は迷いやすいところだよ。一の者が外国法人でも「法人による完全支配関係」には当たるから、内国法人X社からY社への寄附は全額損金不算入・益金不算入なんだ(第37条第2項)。
迷いポイント 外国の親会社が100%持つ日本の子会社どうしの寄附は、特例の対象外?
ハルカ
外国法人が一の者なら、日本の税法の外の話だと思っていました。だから寄附金は普通に限度額まで損金、受贈益は益金算入なのかと。
先生
条件は「一の者が法人か」と「寄附をする側と受ける側が内国法人か」なんだ。親会社が外国法人でも両方満たすから、特例が効くんだよ。逆に、内国法人X社から外国親会社への譲渡は、相手が内国法人でないから繰延べの対象外だね。
ハルカ
一の者は外国でもよくて、取引の当事者は日本に限る。登場人物によって、国境の扱いが違うんですね。
先生
そういうことだよ。「誰が一の者か」と「誰と誰の取引か」を分けて見る、応用編の最初の話がここでも効くんだ。
💡 そうだったのか!
一の者が外国法人でも「法人による完全支配関係」に当たり、内国法人どうしの寄附には特例が効きます。一方、内国法人から外国法人・個人への譲渡は繰延べの対象外。「一の者」と「取引の当事者」は別々に見ます。
🧮 判定 ラボの画面
学習用の簡易判定です。間接保有・みなし直接完全支配関係は「一の者が100%保有する法人を通じた保有」として扱い、持株会の5%ルールは株式の合計で判定しています(施行令第4条の2第2項)。配当・現物分配・自己株式の取引はX社がY社の株主であることが前提なので、「X社とY社の関係」(親子)か、兄弟会社で「残りの株主=兄弟会社Y社(持ち合い)」を選んだときに判定します。
親会社P(内国法人)法人による完全支配関係100%100%X社(内国法人)一の者による完全支配ありY社(内国法人)一の者による完全支配あり譲渡損益調整資産の譲渡(X→Y)主な要件を満たす
X社とY社の完全支配関係あり
関係の種類法人による
譲渡損益調整資産の譲渡(X→Y)主な要件を満たす
判定の理由関係:兄弟会社(どちらも一の者が保有)。
X社:一の者がX社の発行済株式の全部を直接保有(当事者間の完全支配の関係)。
Y:一の者がY社の発行済株式の全部を保有。
この取引:完全支配関係がある内国法人間の譲渡損益調整資産の譲渡。
法人税法第61条の11第1項 法人税法施行令第122条の12第1項
制度この関係図での適用理由
ⅰ 譲渡損益の繰延べ(X→Y)○ 主な要件を満たす完全支配関係がある内国法人間の譲渡損益調整資産の譲渡
法人税法第61条の11第1項 法人税法施行令第122条の12第1項
ⅱ 寄附金の損金不算入(X→Y)○ 主な要件を満たす法人による完全支配関係がある内国法人への寄附金
法人税法第37条第2項
ⅲ 受贈益の益金不算入(Y←X)○ 主な要件を満たす法人による完全支配関係がある内国法人からの受贈益
法人税法第25条の2第1項
ⅳ 適格現物分配(Y→X)× 適用なしこの関係図ではX社がY社株式を保有していない(兄弟会社で持ち合いなし)ので、Y社からX社への配当・現物分配や、X社によるY社株式の譲渡は生じない
法人税法第2条第12号の15 法人税法第62条の5第3項
ⅴ 受取配当の全額益金不算入(X←Y)× 適用なしこの関係図ではX社がY社株式を保有していない(兄弟会社で持ち合いなし)ので、Y社からX社への配当・現物分配や、X社によるY社株式の譲渡は生じない
法人税法第23条第1項 法人税法第23条第5項 法人税法施行令第22条の2
ⅵ 発行法人への株式の譲渡(X→Y、Y株式)× 適用なしこの関係図ではX社がY社株式を保有していない(兄弟会社で持ち合いなし)ので、Y社からX社への配当・現物分配や、X社によるY社株式の譲渡は生じない
法人税法第61条の2第17項 法人税法第24条第1項第5号
「主な要件を満たす」は、完全支配関係・相手の種類・株式の保有関係など、このラボで扱う主な要件についての判定です。各制度には、譲渡損益調整資産の範囲(売買目的有価証券の除外など)、受贈益と寄附金の対応関係、現物分配の相手がその直前の株主に限られることなどの要件があり、最終的な適用は条文と事実関係で確認してください。Y社の残りの株主は、持ち合いを選んだときはX社、それ以外はグループ外と仮定しています。
判定

この関係図で、どの制度が適用される?

📍 ラボの場所:設例・試算タブ「判定」
ハルカ
関係図の例が6つあって、親子100%、個人オーナーの兄弟会社、持株会2%、外国親会社、取引先が20%、親子・配当。株主の種類や保有割合を変えると、6つの制度の○×が入れ替わります。
先生
そう。初期の例は親会社Pの下にX社とY社がいる兄弟会社で、X社からY社への譲渡だよ。ⅰ〜ⅲは「主な要件を満たす」、ⅳ〜ⅵは「適用なし」になっているね。
迷いポイント 兄弟会社どうしでも、受取配当の全額益金不算入は判定できる?
ハルカ
X社とY社は同じグループなので、受取配当の益金不算入も○になるはずです。なのに×で「適用なし」。制度の要件を満たしていないのでしょうか。
先生
要件の前に、取引そのものが起こらないんだ。配当・現物分配・自己株式の譲渡は、X社がY社の株主でないと生じないよ。この関係図ではX社がY社株式を持っていないから、判定の表は「適用なし」と出しているんだ。
ハルカ
株を持っていない会社に配当は届かない…。宛先のない手紙を、一生懸命判定していました。
先生
宛先を先に確かめる、それが判定の順番だよ。兄弟会社でも株式を持ち合っていれば話は別で、ラボの「X社の残りの株主」で「兄弟会社Y社(持ち合い)」を選ぶと判定の対象になるんだ。
💡 そうだったのか!
配当・現物分配・自己株式の譲渡は、X社がY社の株主であるときにだけ生じます。この関係図(兄弟会社・持ち合いなし)では取引そのものが起こらないので「適用なし」。兄弟会社でも持ち合いがあれば判定の対象です。まず株式の保有関係、次に制度の要件を見ます。
⏱ 30秒だけラボで試す
  1. 設例・試算タブの「判定」で、関係図の例「親子・配当」を押す

👀 Y社の表示が「X社による完全支配あり」になり、取引「配当(Y→X)」が「主な要件を満たす」、判定の理由に「計算期間を通じて完全支配関係があるY社株式=完全子法人株式等。負債利子を控除せず全額益金不算入」(第23条第1項・第5項)と表示されます。

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🧮 設例 ラボの図
02,000万A社(土地)繰延べ 2,000万円40万360万D社(機械・簡便法)初年度戻入 40万円01,000万K社(寄附)親会社Pの寄附修正 1,000万円赤=譲渡年度の所得への影響(戻入額)/紺=翌期以後に残る金額・修正額(円)
設例

3つの事例を並べると見えること

📍 ラボの場所:設例・試算タブ「3つの事例」
ハルカ
A社(土地)、D社(機械・簡便法)、K社(寄附)の3本です。赤が譲渡年度の所得への影響、紺が翌期以後に残る金額。A社は赤が0で紺が2,000万円、D社は赤40万円で紺360万円、K社は赤0で紺1,000万円です。
先生
そう。A社は譲渡益を全額繰り延べて所得への影響がゼロ。D社は繰り延べた同じ年度に簡便法の戻入れが始まるから、譲渡年度の所得が戻入額の分だけ増えるんだ。K社は所得は動かず、親会社Pが寄附修正で1,000万円ずつ帳簿価額を直すよ。
迷いポイント 機械を売ったD社も、譲渡年度の所得への影響はゼロ?
ハルカ
繰り延べるのだから、D社も譲渡年度はゼロだと思います。戻入れは翌期からで、初年度は土地と同じでは。
先生
機械は違うんだ。譲受法人E社が譲渡年度から償却を始めるから、D社も同じ年度から戻すんだよ。簡便法なら400万円×6か月÷60か月で40万円。別表四は減算400万円と加算40万円を両方書くんだ。
ハルカ
K社の紺の1,000万円は、個人オーナーの会社ならどうなりますか。法人税法ラボで、寄附金は限度額を超えた部分が損金不算入と習いましたが。
先生
そこにつながるね。個人による完全支配関係なら特例がないから、K社は一般の寄附金として限度額256,250円を超える9,743,750円が損金不算入、M社は1,000万円が益金算入になるんだ。
💡 そうだったのか!
A社(土地)は譲渡年度の所得への影響ゼロ、D社(機械・簡便法)は同じ年度に40万円の戻入れが始まり、K社(寄附)は所得が動かず親会社が寄附修正。個人支配ならK社は9,743,750円が損金不算入です。
⏱ 30秒だけラボで試す
  1. 設例・試算タブの「試算」で、プリセット「D社:機械・簡便法」を押す

👀 上の数字が「譲渡利益額 4,000,000/譲渡年度(X1期)の戻入額 400,000/X1期末の残高 3,600,000/X6期末の残高 0」になり、年度表にX1期40万円、X2期〜X5期80万円、X6期は計算額80万円を未戻入残高40万円で打ち切る行が出ます。

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今日の内容を、ラボで確かめてみませんか?

この記事の図は、すべてグループ法人税制ラボの画面そのものです。各タブを開けば、同じ図を見ながら読み返せます。

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📝 グループ法人税制ラボ【基礎編】(完全支配関係・繰延べと戻入れ・別表十四(六))基礎編を読む ▶
📓 ハルカの学習ノートで、この章を見る学習ノートへ ▶

今日のまとめ ── 迷いポイント早見表

迷いポイント答えラボ
X社が、100%株主のオーナー個人に土地を売っても繰り延べる?対象外。繰延べは内国法人から内国法人への譲渡に限る(第61条の11第1項)。時価との差額は役員給与・寄附金の問題法人の立場1
寄附金の損金不算入は、後で戻る調整?戻らないので社外流出。譲渡益の繰延べは戻るので留保(別表五(一)に譲渡損益調整勘定)会計との違い
帳簿価額で売れば譲渡益はゼロだから、申告調整はいらない?税務は時価で考え、譲渡法人4つ・譲受法人2つの調整。所得への影響はゼロでも別表五(一)・別表十四(二)に記載が残る会計との違いA1
寄附修正は、P社の別表四を通して所得を動かす?別表四は通さず別表五(一)で調整。同じ親会社で同額の減算・加算なら合計ゼロ。修正額が複数の株主に分かれるなど相殺されないときは検算式と不符合(質疑応答事例 問7)会計との違いA2
譲受法人が12月決算なら、戻入れはいつの事業年度?事由の日ではなく、譲受法人の事業年度終了の日を含む譲渡法人の事業年度(施行令第122条の12第4項)手続・期限
外国の親会社が100%持つ日本の子会社どうしの寄附は、特例の対象外?一の者が外国法人でも「法人による完全支配関係」。内国法人どうしなら全額損金不算入・益金不算入テーマ
兄弟会社どうしでも、受取配当の全額益金不算入は判定できる?この関係図ではX社がY社株式を持たないので配当は生じない。持ち合いがあれば判定の対象。まず株式の保有関係、次に制度の要件判定
機械を売ったD社も、譲渡年度の所得への影響はゼロ?簡便法なら譲渡年度から戻入れ(400万円×6/60=40万円)。別表四に減算と加算の両方を書く設例
おわりに

今日のふりかえり

先生
今日のまとめだよ。適用は一の者が誰か・取引相手が誰かで決まり、別表四は譲渡益が留保で寄附金・受贈益が社外流出。帳簿価額で売っても税務は時価で考えて6つの調整を通し、寄附修正は別表四を通さず別表五(一)だけを動かすんだ。
ハルカ
基礎編のときは「繰り延べて、戻す」の2つを覚えるのに必死でした。今日は、戻す年を相手の期末で決めることや、所得がゼロでも別表には4行残ることが、同じ図から読めるようになった気がします。
先生
図の見え方が変わるのは、いちばんいい成長だね。一つ足すと、判定の表の「主な要件を満たす」は最終判断ではないんだ。条文と事実関係で確かめるところまでが実務だよ。
ハルカ
分かりました。ラボの判定で○が出ても、条文のチップを押して原文を読む。宛先のない手紙を判定していた私が、原文まで読むようになりました。
先生
その順番なら、どの関係図が来ても大丈夫だよ。基礎編から読み返すと、5段の流れの図の見え方がきっと変わるよ。

参考資料

法人税法(昭和40年法律第34号。e-Gov法令検索、令和8年10月1日施行の版)第2条・第23条・第24条・第25条の2・第37条・第57条・第61条の2・第61条の11・第62条の5・第66条・第74条ほか、法人税法施行令第4条・第4条の2・第9条・第22条の2・第73条・第119条の3・第122条の12、法人税法施行規則第35条、国税庁「平成22年度税制改正に係る法人税質疑応答事例(グループ法人税制関係・資本取引関係)」、税務大学校講本 法人税法(令和8年度版)第11章、別表十四(六)・別表十四(二)(令和8年4月1日以後終了事業年度分)とその記載の仕方。法令の確認日:2026年10月20日。ラボと記事の設例の会社・人物・金額はすべて架空です(単位:円)。条番号・条見出しは、ラボ本体で e-Gov 法令検索の原文と照合しています。

国税庁の質疑応答事例(グループ法人税制関係):一覧/問7 寄附修正事由が生じた場合の株主の処理(PDF)/問10 譲渡損益調整資産(非減価償却資産)を簿価により譲渡した場合の課税関係(PDF)/問13 譲渡損益調整資産に係る通知義務(PDF)/資本に関係する取引等に係る税制関係(一覧)。これらの質疑応答事例は平成22年6月30日現在の法令に基づく当時の資料です。条番号・別表番号(例:法61の13、別表十四(四))は、記事とラボでは現行法令(第61条の11、別表十四(六)など)に読み替えて解説しています。

シリーズ:基礎編/応用編 / 関連:法人税法ラボ【基礎編】(5段の流れ・第22条・別段の定め・税率)/別表四・別表五(一)ラボ【基礎編】(留保と社外流出・別表五(一)の残高)/別表四・別表五(一)ラボ【設例・社外流出と赤字の年編】(受取配当・寄附金)/資本連結ラボ【応用編】(段階取得・追加取得・一部売却)

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この記事を書いた人

TaxJudge編集部|公認会計士・税理士(実務25年)による企画・監修。会計基準・税法・裁決・有価証券報告書などの一次情報をもとに、検索できるデータベースと計算・判定・文書作成ツールを制作しています。