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グループ通算制度 会計・税効果ラボ【設例・通算税効果額と税率編】|先生と一緒に図で学ぶ設例・基礎5・6/応用5 法人税等の表示・税金の種類ごとの税率

グループ通算制度 会計・税効果ラボ【設例・通算税効果額と税率編】|先生と一緒に図で学ぶ設例・基礎5・6/応用5 法人税等の表示・税金の種類ごとの税率

無料の学習ツール「グループ通算制度 会計・税効果ラボ」の読み方ガイドです。ラボの設例タブから、通算税効果額と税率の設例(設例・基礎5・6、設例・応用5)を1つずつ、先生と生徒の会話形式で見ていきます。登場する会社と設例の数値はすべて架空の例です。解説は公認会計士・税理士が監修しています。各行の図はラボの図そのものです(記事内の図は表示用で、ボタンやクリックの操作はできません。操作は各節の「ラボで開く」「ラボを開く」からラボ本体で試せます)。重要な節の最後には、ラボで30秒だけ手を動かす小さな実習を置いています。

今日の事例
設例・通算税効果額と税率編で追う3つの設例(独自の数値)
設例・基礎5通算税効果額の会計処理と表示(単位:円)。法人税・地方法人税に係る通算税効果額だけを扱い、防衛特別法人税・住民税・事業税は省略
設例・基礎6税金の種類ごとの税率(単位:万円)
設例・応用5住民税・事業税を区別した回収可能性と税率(単位:万円)
共通の前提税率は法人税23.2%・地方法人税10.3%・防衛特別法人税4.0%・住民税10.4%・事業税3.78%(補足文書 別紙3の算定例)
はじめに

今日の題材 ── 通算税効果額と税率の3つの設例

📍 ラボの場所:設例タブ 基礎5・6、応用5
ハルカ
今日は、損益計算書の法人税等と、繰延税金資産に掛ける税率ですね。
先生
そうなんだ。基礎5で通算税効果額の仕訳、基礎6で税金の種類ごとの税率、応用5でそれを基本の4社のS3社に当てはめるよ。
ハルカ
基礎5は、税務のラボの基本の4社の数字なんですね。円単位です。
先生
税務で計算した額を、そのまま仕訳にするからなんだ。設例タブを開いて、プルダウンで設例を切り替えながら読んでいこうか。
ラボの設例タブを開きながら読むと分かりやすいですラボで開く ▶
📘 設例・基礎5 ラボの画面
P社(所得法人)当期の法人税・地方法人税10,235,840+ 支払う通算税効果額5,117,920= 法人税等15,353,760B/S未払金 5,117,920S1社(欠損法人)当期の法人税・地方法人税0− 受け取る通算税効果額5,117,920= 法人税等▲5,117,920B/S未収入金 5,117,920通算税効果額5,117,920円P社の 15,353,760円 = 単体なら払う 6,000万円×23.2%×(1+10.3%)と同じ(この計算方法の場合)
🧾 仕訳で確認
P社
借方金額貸方金額
法人税等5,117,920未払金5,117,920

科目名は2026年改正後の法人税等会計基準の例示「法人税等」。改正前の例示は「法人税、住民税及び事業税」。

🧾 仕訳で確認
S1社
借方金額貸方金額
未収入金5,117,920法人税等5,117,920
設例・基礎5

通算税効果額の会計処理と表示

📍 ラボの場所:設例タブ 基礎5 ステップ①〜④
ハルカ
P社は「法人税等 5,117,920/未払金 5,117,920」。S1社は「未収入金/法人税等」で逆向きですね。
先生
払う側も受け取る側も法人税等に含めるんだ(第42号第7項・第25項)。P社は、当期の法人税・地方法人税10,235,840円に足して15,353,760円になるよ。防衛特別法人税などは省略していて、税金の総額ではないんだ。
ハルカ
税務のラボの設例で、通算税効果額の授受を計算しました。あの5,117,920円ですね。
先生
そう、同じ数字なんだ。15,353,760円は、P社が単体で申告した場合の6,000万円×23.2%×(1+10.3%)と同じ額だよ。この計算方法では、P社の税負担は通算の前後で変わらないんだ。
迷いポイント 受け取った通算税効果額は別表四で減算するから、一時差異になる?
ハルカ
S1社は税務で益金不算入なので、別表四で減算します。会計と税務がずれるなら、一時差異だと思いました。
先生
別表四で減算はするけれど、将来に解消するずれではないので、一時差異にはならないんだ。ステップ②の説明のとおりだよ。
ハルカ
別表四に載ったら全部一時差異、と覚えていました。別表四は、一時差異の名簿ではなかったんですね。
先生
載る理由はいろいろなんだ。将来に解消するずれかどうかで分けて読もうか。
💡 そうだったのか!
通算税効果額は法人税等に含め、受け取る側の益金不算入は一時差異になりません。
設例・基礎5をラボで開くラボで開く ▶
📘 設例・基礎6 ラボの画面
計上対象一時差異等(万円)適用税率繰延税金資産法人税・地方法人税・防衛特別法人税20026.03%52.05住民税(法人税割)502.24%1.12事業税(特別法人事業税を含む)1003.64%3.64回収可能性が税金の種類で異なる:合計 56.81(事業税率を修正した税率で計算)
① 対象の税金② 当期の税金③ 個別の回収可能性④ 連結で見直す⑤ 投資簿価・表示
税金の種類計上対象税率繰延税金資産
法人税・地方法人税・防衛特別法人税20026.03%52.05
住民税502.24%1.12
事業税1003.64%3.64
合計56.81

全部が回収できる場合(①)の 63.03 と比べて、住民税と事業税の計上対象が減った分だけ小さくなる。

補足文書 別紙3
設例・基礎6

税金の種類ごとの税率

📍 ラボの場所:設例タブ 基礎6 ステップ①〜③
ハルカ
ステップ①で、法人税等25.55%、住民税2.32%、事業税3.64%。全部回収できれば繰延税金資産は63.03ですね。
先生
ステップ②では、計上対象が法人税等200・住民税50・事業税100に分かれるんだ。影響が重要と判断したので、税率を直すよ(第42号第9項また書き・補足文書 別紙3)。
迷いポイント 住民税の計上対象が減っただけなのに、法人税等の税率まで変わる?
ハルカ
ステップ③で、法人税等の税率が25.55%から26.03%に上がっています。法人税等の計上対象は200のままなのに、不思議でした。
先生
原因は事業税なんだ。事業税の繰延税金資産が半分しか計上されないなら、事業税が損金に算入される効果も半分だよ。分母の事業税率を3.78%×100÷200=1.89%に直すので、法人税等の税率が上がるんだ。
ハルカ
事業税が半分しか来ないので、ほかの税金が少しずつ背伸びをしている感じですね。
先生
背伸びの理由が分かれば十分だよ。住民税用の事業税率は3.78%×100÷50で7.56%になり、合計は56.81なんだ。
💡 そうだったのか!
事業税の計上対象が減ると、分母に入れる事業税率も減らします。だから法人税等の税率が上がることがあります。
⏱ 30秒だけラボで試す
  1. シミュレーションの「税金の種類ごとの税率」で「税金の種類で異なる」を開く
  2. 「計上対象:住民税」を 50 から 200 に変える

👀 「税金の種類で異なる場合」が 56.81 から 60.43 に、「住民税に使う事業税率」が 7.56% から 1.89% に変わります。

ラボを開く ▶
📘 設例・応用5 ラボの画面
法人税・地方法人税・防衛特別法人税150 / 200住民税(法人税割)100 / 200事業税(所得割)100 / 200住民税・事業税は損益通算の益金算入見積額では回収できない(各社で計算する税金)
① 対象の税金② 当期の税金③ 個別の回収可能性④ 連結で見直す⑤ 投資簿価・表示
税金の種類計上対象税率繰延税金資産
法人税・地方法人税・防衛特別法人税15025.87%38.80
住民税1002.32%2.32
事業税1003.64%3.64
合計44.76

法定実効税率31.52%を150にそのまま掛けると 47.28。住民税・事業税の計上対象が少ないことを反映すると、これより小さくなる。

設例・応用5

住民税・事業税を区別した回収可能性と税率

📍 ラボの場所:設例タブ 応用5 ステップ①〜③
ハルカ
基本の4社のS3社です。法人税等は150、住民税と事業税は100ずつ回収できる。
先生
法人税等は損益通算の益金算入見積額50まで使えるけれど、住民税・事業税は自社の見積額100だけなんだ(第42号第8項なお書き)。ステップ②で税率を直すよ。
迷いポイント 住民税の税率2.32%も、直す必要がある?
ハルカ
基礎6では住民税の税率も2.24%に変わりました。だからS3社でも住民税の税率を直すと思いました。
先生
直す元は、住民税用の事業税率なんだ。S3社は事業税と住民税の計上対象がどちらも100なので、3.78%×100÷100=3.78%のままだよ。住民税の税率は2.32%のままなんだ。
ハルカ
基礎6の公式を丸暗記していたら、変わらない数字まで直すところでした。
先生
公式より、比べている2つの計上対象を見る方が確かだよ。法人税等の方は3.78%×100÷150=2.52%に直して、税率は25.87%になるんだ。
💡 そうだったのか!
税率を直すかどうかは、事業税の計上対象と比べる相手の計上対象で決まります。同じなら直りません。
⏱ 30秒だけラボで試す
  1. シミュレーションの「税金の種類ごとの税率」で「応用5のS3社」を押す

👀 「全部回収できる場合 47.28」「税金の種類で異なる場合 44.76」、「法人税等に使う事業税率 2.52%」「住民税に使う事業税率 3.78%」と出ます。

ラボを開く ▶

今日の内容を、ラボで確かめてみませんか?

この記事の図は、すべてグループ通算制度 会計・税効果ラボの画面そのものです。設例タブを開けば、同じ図を見ながら、ステップを1つずつ読み返せます。

グループ通算制度 会計・税効果ラボを開く ▶

今日のまとめ ── 設例ごとの結論

設例迷いポイント答え
基礎5 通算税効果額別表四で減算するから一時差異?将来に解消しないので一時差異ではない。会計は法人税等に含める
基礎6 税金の種類ごとの税率法人税等の税率まで変わる?事業税の計上対象が減ると分母の事業税率を直すので変わる(26.03%)
応用5 S3社住民税の税率も直す?事業税と住民税の計上対象が同じ100なので直らない(2.32%)
おわりに

今日のふりかえり

先生
今日のまとめだよ。通算税効果額は法人税等に含め、一時差異にはならない。税率は税金の種類ごとに出し、回収額が違えば事業税率を計上対象の比で直すんだ。
ハルカ
税率は表に書いてある数字を使うもの、と思っていました。今日は、税率も計上対象から計算し直せる数字なんだと分かりました。
先生
そこに気づけたのは大きいよ。1点だけ足すと、この直し方は補足文書が示す方法の一つで、影響が重要でなければ直さないことも考えられるんだ。
ハルカ
「重要でなければ」と言われると、つい全部重要に見えてしまいます。
先生
全部重要に見えるうちは、まず金額の差を計算してみようか。次の設例・投資簿価修正と加入編では、子会社株式の税効果と未実現利益を数字で追っていこうか。

参考資料

企業会計基準委員会 実務対応報告第42号「グループ通算制度を適用する場合の会計処理及び開示に関する取扱い」(2021年8月12日公表、2026年7月7日改正)、実務対応報告第48号「防衛特別法人税の会計処理及び開示に関する当面の取扱い」(2026年2月27日公表)、補足文書「我が国における課税対象利益を基礎とする税金及び税効果会計における税率に関する取扱いについて」(2026年7月7日)、企業会計基準第27号「法人税等に関する会計基準」(2026年7月7日改正)、企業会計基準適用指針第26号「繰延税金資産の回収可能性に関する適用指針」、企業会計基準適用指針第28号「税効果会計に係る会計基準の適用指針」(2026年7月7日改正)、法人税法(e-Gov法令検索 令和8年10月1日施行版)。確認日:2026年10月25日。改正後の第42号・法人税等会計基準は2028年4月1日以後に開始する事業年度の期首から適用(2026年7月7日以後に開始する事業年度の期首から早期適用可)。ラボと記事の数値は学習用の独自の設例で、基準の設例の数値は計算の確認にだけ使っています。将来減算一時差異は翌年にすべて解消し、損金算入限度額は課税所得の100%とする簡便化をしています。公認会計士が監修しています。
このシリーズの記事:グループ通算制度 会計・税効果ラボ【基礎編】/グループ通算制度 会計・税効果ラボ【応用編】/グループ通算制度 会計・税効果ラボ【設例・回収可能性編】/グループ通算制度 会計・税効果ラボ【設例・投資簿価修正と加入編】

📓 ハルカの学習ノートで、この章を見る ▶

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この記事を書いた人

TaxJudge編集部|公認会計士・税理士(実務25年)による企画・監修。会計基準・税法・裁決・有価証券報告書などの一次情報をもとに、検索できるデータベースと計算・判定・文書作成ツールを制作しています。