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役員給与ラボ①【設例・非常勤役員と使用人兼務役員編】|先生と一緒に図で学ぶ設例12・13 届出の要否・使用人分の賞与

役員給与ラボ①【設例・非常勤役員と使用人兼務役員編】|先生と一緒に図で学ぶ設例12・13 届出の要否・使用人分の賞与

無料の学習ツール「役員給与ラボ①【損金算入編】」の読み方ガイドです。ラボの設例タブから、非常勤役員の年俸と使用人兼務役員の賞与の設例(設例12・13)を1つずつ、先生と生徒の会話形式で見ていきます。登場する会社と設例の数値はすべて架空の例です。解説は公認会計士・税理士が監修しています。各行の図はラボの図そのものです(記事内の図は表示用で、ボタンやクリックの操作はできません。操作は各節の「ラボで開く」「ラボを開く」からラボ本体で試せます)。重要な節の最後には、ラボで30秒だけ手を動かす小さな実習を置いています。

今日の事例
設例・非常勤役員と使用人兼務役員編で追う2つの設例(独自の数値)
設例12同族会社の非常勤取締役L。年俸400万円を7月と12月に200万円ずつ。届出なし
設例13取締役営業部長M(同族会社・持株1%、株主グループ3%)。使用人分の賞与を7月と12月に支給
共通の前提同族会社・3月決算(期首 2026年4月1日)
はじめに

今日の題材 ── 非常勤役員と使用人兼務役員

📍 ラボの場所:設例タブ 設例12・13
ハルカ
先生、設例編の最後ですね。今日は、毎月の報酬がない非常勤役員と、部長を兼ねる取締役ですか。
先生
どちらも「3つの形」の入口で迷う人なんだ。設例12は届出が要るかどうか、設例13はそもそも第34条第1項の対象かどうか、が論点だよ。
ハルカ
入口で迷う人の話なら、私の担当分野です。
先生
頼もしいね。設例タブを開いて、設例12から読んでいこうか。
ラボの設例タブを開きながら読むと分かりやすいですラボで開く ▶
📘 設例12 ラボの画面
当期(2026年4月1日〜)翌期期末届出1 7/10 200万 → 実際 7/10 200万✓ 届出どおり / 損金不算入 200万届出2 12/10 200万 → 実際 12/10 200万✓ 届出どおり / 損金不算入 200万
🧾 別表四で確認
区分項目総額①留保②社外流出③
加算役員給与の損金不算入額4,000,00004,000,000(その他)

当期の損金不算入額。

① 役員か② 給与の形③ 改定・届出④ 過大・仮装⑤ 申告・支給

この給与は届出が必要(同族会社、または定期給与を支給している役員への給与。法人税法第34条第1項第2号イ)。

届け出ていない → 事前確定届出給与に当たらない。

設例12

同族会社の非常勤役員の年俸

📍 ラボの場所:設例タブ 設例12 ステップ①・④
ハルカ
非常勤取締役Lの年俸400万円を、7月と12月に200万円ずつ払いました。決めたとおりの日に決めたとおりの額なのに、400万円が損金不算入です。
先生
ステップ①で「この給与は届出が必要」と出ているね。同族会社が払う給与なので、届出が要らない場合に当たらないんだ。届け出ていないので、事前確定届出給与にならないよ。
迷いポイント 毎月の報酬がない非常勤役員なら、届出は要らない?
ハルカ
応用編で、定期給与のない役員への給与は届出不要と習いました。Lさんも定期給与はないので、届出は要らないと思いました。
先生
届出不要になるのは、同族会社に当たらない法人が、定期給与を支給しない役員に金銭で払う場合なんだ(第34条第1項第2号イ)。同族会社の非常勤役員の年俸を年1回や年2回払うなら、届出が必要だよ(法人税基本通達9-2-12の注)。
ハルカ
3つの条件のうち2つまで合っていたのに、最後の1つで門前払いでした。
先生
条件は全部そろって初めて効くんだ。毎月払いにすれば定期同額給与になる道もあるけれど、年2回なら期限内に届け出ておこうか。
💡 そうだったのか!
届出不要は非同族会社・定期給与なし・金銭がそろうときだけ。同族会社の非常勤役員の年俸は届出が必要です。
⏱ 30秒だけラボで試す
  1. シミュレーション「届出どおりか」で「同族会社・届出なし」を読み込む
  2. 「同族会社か」を「いいえ」にする

👀 届出が「不要」になり、当期の損金不算入額が 4,000,000円から 0円に変わります。

ラボを開く ▶
設例12をラボで1ステップずつ見るラボで開く ▶
📘 設例13 ラボの画面

4人の取締役で、使用人兼務役員になれるかを上から順に判定します

法人税法の役員か社長・副社長・専務・常務・監査役などでないか同族会社の50%・10%・5%を全部満たす役員でないか部長などの地位があり、常時使用人の職務に従事しているか使用人兼務役員 → 使用人分の給与は第34条第1項の対象外
取締役営業部長:使用人兼務役員になれる

部長の職制上の地位があり、常時使用人の職務に従事している(法人税法第34条第6項)。

使用人分の給与(他の使用人と同じ基準の給与・賞与)は、不相当に高額でなければ損金。ただし使用人分の賞与を他の使用人と違う時期に払うと損金不算入(法人税法施行令第70条第3号)。

① 役員か② 給与の形③ 改定・届出④ 過大・仮装⑤ 申告・支給

代表・専務・常務・監査役などではない(法人税法施行令第71条第1項第1号〜第4号)。

持株の要件(50%・10%・5%)を満たさない(法人税法施行令第71条第1項第5号)。

部長の地位があり、常時使用人の職務に従事 → 使用人兼務役員(法人税法第34条第6項)。

① 役員か② 給与の形③ 改定・届出④ 過大・仮装⑤ 申告・支給

使用人分の賞与は、第34条第1項の対象外なので、届出なしで損金になる。

他の使用人と違う時期に支給すると、その使用人分の賞与は過大な役員給与として損金不算入(法人税法施行令第70条第3号)。未払計上して役員の支給時期に払うのも同じ(法人税基本通達9-2-26)。

設例13

部長兼取締役の使用人分賞与

📍 ラボの場所:設例タブ 設例13 ステップ①・②
ハルカ
取締役営業部長Mは、代表でも専務でもなく、持株の要件も満たさず、部長として常時営業の仕事をしています。使用人兼務役員ですね。
先生
そう、ステップ①の判定で使用人兼務役員になるんだ(第34条第6項)。使用人分の賞与は第34条第1項の対象外なので、届出なしで損金になるよ。
迷いポイント 使用人分の賞与なら、いつ払ってもよい?
ハルカ
使用人分は届出が要らないので、役員分の賞与と一緒に、都合のよい時期に払えばよいと思いました。
先生
使用人分の賞与を他の使用人と違う時期に払うと、その賞与は過大な役員給与として損金不算入になるんだ(施行令第70条第3号)。未払計上しておいて、役員の支給時期に払うのも同じ扱いだよ(法人税基本通達9-2-26)。
ハルカ
他の使用人と同じ時期に賞与をもらうことが条件なんですね。なんだか、部の打ち上げの日程を合わせる感覚です。
先生
同じ日でなくても、他の使用人と同じ支給時期ならよいんだ。もう一つ、使用人分の額は、同じような職務の使用人の賞与と比べて相当な額かで見るんだ(法人税基本通達9-2-23)。高すぎる部分の判定は、②過大役員給与・役員退職給与編で扱う予定だよ。
💡 そうだったのか!
使用人兼務役員の使用人分の賞与は届出なしで損金。ただし他の使用人と同じ時期に払い、相当な額であることが条件です。
⏱ 30秒だけラボで試す
  1. 「役員の立場から」タブの「使用人兼務役員の判定フロー」で「専務取締役」を押す

👀 2段目の「社長・副社長・専務・常務・監査役などでないか」で止まり、「専務取締役:使用人兼務役員になれない」と出ます。

ラボを開く ▶
設例13をラボで1ステップずつ見るラボで開く ▶

今日の内容を、ラボで確かめてみませんか?

この記事の図は、すべて役員給与ラボ①【損金算入編】の画面そのものです。設例タブを開けば、同じ図を見ながら、ステップを1つずつ読み返せます。

役員給与ラボ①【損金算入編】を開く ▶

今日のまとめ ── 設例ごとの結論

設例迷いポイント答え
設例12毎月の報酬がない非常勤役員なら届出不要?同族会社なら届出が必要。不要は非同族・定期給与なし・金銭のとき
設例13使用人分の賞与ならいつ払ってもよい?他の使用人と同じ時期に払う。違う時期なら損金不算入(施行令第70条第3号)
おわりに

今日のふりかえり

先生
今日のまとめだよ。届出が要らないのは非同族会社・定期給与なし・金銭のときだけで、使用人兼務役員の使用人分の賞与は、他の使用人と同じ時期に払うことが条件なんだ。
ハルカ
基礎編から6本を通して、「3つの形」の前に「役員か」「使用人分か」「届出が要るか」の入口があると分かりました。前は損金かどうかばかり見ていましたが、今は入口から順に見られます。
先生
入口から順に見られるなら、役員給与の判断はもう迷わないよ。残るのは、④の不相当に高額な部分と、退職給与や株式報酬なんだ。
ハルカ
では、②過大・退職給与編と③株式報酬編が公開されるまでに、今日の6本を1回ずつ読み返しておきます。
先生
いい準備だね。基礎編から読み返すと、5段の流れの図の見え方がきっと変わるよ。②過大役員給与・役員退職給与編で、また会おうか。

参考資料

法人税法第2条第15号・第34条・第36条、法人税法施行令第7条・第69条〜第72条の3、法人税法施行規則第22条の3(e-Gov法令検索 令和8年10月1日施行版)、国税通則法第10条第2項・国税通則法施行令第2条第2項、法人税基本通達第9章第2節(9-2-1〜9-2-52)。国税庁「役員給与に関するQ&A」(平成20年12月、平成24年4月改訂)、質疑応答事例(報酬、給料、賞与及び退職給与等)、タックスアンサーNo.5211・No.5200・No.5202・No.2523、事前確定届出給与に関する届出書・変更届出書の記載要領。確認日:2026年10月23日。ラボと記事の数値は学習用の独自の設例です。過大な役員給与・役員退職給与は②過大役員給与・役員退職給与編(準備中)、株式報酬と会計処理は③株式報酬・会社法・会計編(準備中)で扱います。公認会計士が監修しています。
このシリーズの記事:役員給与ラボ①【基礎編】/役員給与ラボ①【応用編】/役員給与ラボ①【設例・期中改定編】/役員給与ラボ①【設例・届出期限編】/役員給与ラボ①【設例・届出どおりの支給編】

📓 ハルカの学習ノートで、この章を見る ▶

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この記事を書いた人

TaxJudge編集部|公認会計士・税理士(実務25年)による企画・監修。会計基準・税法・裁決・有価証券報告書などの一次情報をもとに、検索できるデータベースと計算・判定・文書作成ツールを制作しています。