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役員給与ラボ①【応用編】|先生と一緒に図で学ぶ特別の事情・業績悪化改定事由・変更届出・使用人兼務役員

役員給与ラボ①【応用編】|先生と一緒に図で学ぶ特別の事情・業績悪化改定事由・変更届出・使用人兼務役員

無料の学習ツール「役員給与ラボ①【損金算入編】」の読み方ガイドです。ラボの応用タブから、実務で迷いやすい論点を選んで、先生と生徒の会話形式で見ていきます。基礎タブの内容は基礎編で扱っています。登場する会社と設例の数値はすべて架空の例です。解説は公認会計士・税理士が監修しています。各行の図はラボの図そのものです(記事内の図は表示用で、ボタンやクリックの操作はできません。操作は各節の「ラボで開く」「ラボを開く」からラボ本体で試せます)。重要な節の最後には、ラボで30秒だけ手を動かす小さな実習を置いています。

処理早見表
必ずそうなる選択の余地がない処理 「できる」扱い選べる・届出などで変わる処理 要件を満たす場合の例外法令の要件に当たると原則と違う扱いになる処理 認められない法令で否定されている処理
① 定期同額給与(法人税法第34条第1項第1号・施行令第69条第1項)
論点原則認められる扱い・例外根拠
期中の改定改定の前後それぞれで支給額が同額なら定期同額給与要件を満たす場合の例外
3月経過日等の後でも、特別の事情があれば通常改定(毎年所定の時期)
法人税法施行令第69条第1項第1号イ・法人税基本通達9-2-12の2
臨時改定事由役職の変更・職務の重大な変更などによる改定は区切れる必ずそうなる
増額・減額のどちらでも区切れる
法人税法施行令第69条第1項第1号ロ
業績悪化改定事由経営の状況の著しい悪化などによる減額は区切れる認められない
増額や、資金繰りの都合・目標未達だけの減額
法人税法施行令第69条第1項第1号ハ・法人税基本通達9-2-13
理由のない改定区切れない。上乗せ部分が損金不算入(国税庁の考え方)必ずそうなる
基準になる額は定期同額給与のまま(全額が損金不算入ではない)
Q&A Q3・Q4、質疑応答事例
手取りが同額源泉税・社会保険料を引いた額が同額なら同額とみなす必ずそうなる
(選択の余地はない)
法人税法施行令第69条第2項
さかのぼった増額の一括支給事後に決めた増額は損金不算入認められない
(定期同額給与に当たらない)
質疑応答事例「定期給与の増額改定に伴う一括支給額」
② 事前確定届出給与(法人税法第34条第1項第2号・施行令第69条第3項〜第8項)
論点原則認められる扱い・例外根拠
届出届出期限までに所轄税務署長へ届け出る要件を満たす場合の例外
非同族会社が定期給与のない役員に金銭で支給する給与は届出不要
法人税法第34条第1項第2号イ
届出期限決議日(開始日後なら開始日)から1月と4月経過日等のいずれか早い日要件を満たす場合の例外
新設法人は設立の日以後2月、臨時改定事由はいずれか遅い日
法人税法施行令第69条第4項
届出と違う支給その支給額の全額が損金不算入(多く払っても少なく払っても)認められない
差額だけを損金不算入
法人税基本通達9-2-14
翌期だけ違う支給職務執行期間で判定するのが原則「できる」扱い
当期どおりなら翌期の支給だけ損金不算入として差し支えない
質疑応答事例「定めどおりに支給されたかどうかの判定」
定めの変更臨時改定事由・業績悪化改定事由(減額)なら変更届出認められない
理由のない変更
法人税法施行令第69条第5項
期限後の届出原則として事前確定届出給与に当たらない「できる」扱い
やむを得ない事情があれば期限内とみなされることがある
法人税法施行令第69条第7項
③ 役員の範囲と使用人兼務役員(法人税法第2条第15号・第34条第6項)
論点原則認められる扱い・例外根拠
相談役・顧問経営に従事していれば役員必ずそうなる
(肩書で外れることはない)
法人税法施行令第7条第1号・法人税基本通達9-2-1
同族会社の使用人50%・10%・5%の要件と経営従事でみなし役員必ずそうなる
(選択の余地はない)
法人税法施行令第7条第2号
使用人兼務役員使用人分の給与は第34条第1項の対象外認められない
代表・専務・常務・監査役・同族の大株主などはなれない
法人税法第34条第6項・施行令第71条
使用人分の賞与他の使用人と同じ時期に支給認められない
違う時期に支給した使用人分の賞与は過大(損金不算入)
法人税法施行令第70条第3号
はじめに

今日の地図 ── 処理早見表

📍 ラボの場所:応用タブ 冒頭の処理早見表
ハルカ
先生、応用タブの最初の表は4色に分かれています。「必ずそうなる」「できる」「要件を満たす場合の例外」「認められない」。
先生
応用編の論点は、ほとんどがこの4色のどこかに入るんだ。基礎編で見た3つの形と改定の理由に、「例外」と「認められない」の線を引いていくのが今日の仕事だよ。
ハルカ
赤い「認められない」の行が、意外と多いです。
先生
実務で迷うのは、たいてい赤と黄色の境目なんだ。表を手元に置いて、応用タブから8つの論点を選んで読んでいこうか。
ラボの応用タブを開きながら読むと分かりやすいですラボで開く ▶
📙 応用 A1 ラボの図
月額同額 ✓同額 ✓804月805月806月807月958月959月9510月9511月9512月951月952月953月改定1:有効(区切る)定期同額給与(損金)上乗せ部分(損金不算入)数字は月額(万円)
応用 A1

3月経過日等と「特別の事情」 ── 親会社の総会を待つ場合

📍 ラボの場所:応用タブ A1
ハルカ
7月までは80万円、8月から95万円。3月経過日等の6月30日を過ぎた改定なのに、「改定1:有効(区切る)」になっています。
先生
基礎5で見た「3月経過日等の後に増額」と同じ数字なんだ。違うのは、3月経過日等の後になることに特別の事情がある、という前提だよ。
迷いポイント 3月経過日等を1日でも過ぎた改定は、必ず理由のない改定になる?
ハルカ
期限を過ぎたら、どんな事情でも通常改定にはならないと思っていました。
先生
継続して毎年所定の時期にされる改定で、3月経過日等の後になることに特別の事情があれば、通常改定として扱えるんだ(法人税基本通達9-2-12の2)。親会社の役員給与を参考に決めるので、親会社の定時総会の後でないと決議できない場合などだよ。
ハルカ
親会社の総会を待っている間に、うっかり6月30日が過ぎてしまう。子会社の担当者には、ありがたい通達ですね。
先生
ありがたいけれど、「毎年その時期に決めている」ことが前提なんだ。その年だけ遅れた場合には使えないから、毎年の議事録で時期をそろえておこうか。
💡 そうだったのか!
3月経過日等の後の改定でも、毎年所定の時期で特別の事情があれば通常改定。その年だけの遅れには使えません。
⏱ 30秒だけラボで試す
  1. シミュレーション「期中改定」で「3月経過日等の後の増額」を読み込む
  2. 「改定1の理由」を「通常改定(特別の事情あり)」に変える

👀 損金不算入額が 1,200,000円から 0円に変わります。結果の下に「選んだ理由に当たることが前提」という注意も出ます。

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📙 応用 A3 ラボの図
月額同額 ✓同額 ✓同額 ✓1004月1005月1006月1007月1008月1009月10010月10011月7012月701月702月703月改定1:有効(区切る)改定2:有効(区切る)定期同額給与(損金)上乗せ部分(損金不算入)数字は月額(万円)
応用 A3

業績悪化改定事由 ── 第三者との関係で減額せざるを得ないか

📍 ラボの場所:応用タブ A3
ハルカ
11月までは100万円、12月から70万円。業績悪化改定事由の減額なので、3つの区間とも同額 ✓ です。
先生
取引銀行との返済条件の見直しの協議で、役員給与の減額を求められた場面だよ。株主・取引銀行・取引先との関係で、減額せざるを得ない客観的な事情があるかで判断するんだ(国税庁「役員給与に関するQ&A」Q1)。
迷いポイント 業績目標に届かなかったら、業績悪化改定事由で減額できる?
ハルカ
目標の売上に届かなかったので、社長が自分から報酬を下げる。立派な判断なので、業績悪化に当たると思いました。
先生
気持ちとしては立派でも、単に業績目標値に達しなかったことや、一時的な資金繰りの都合は当たらないんだ(法人税基本通達9-2-13)。もう一つ、業績悪化改定事由は減額に限られるよ。業績悪化を理由に増額しても、理由のない改定と同じ扱いなんだ。
💡 そうだったのか!
業績悪化改定事由は第三者との関係で減額せざるを得ない客観的な事情があるときの減額だけ。目標未達や資金繰りだけでは当たりません。
⏱ 30秒だけラボで試す
  1. シミュレーション「期中改定」で「業績悪化改定事由で減額」を読み込む
  2. 「改定2の後の月額」を 1,100,000円(増額)にする

👀 損金不算入額が 0円から 400,000円に変わり、「業績悪化改定事由は減額の改定に限られます」と注意が出ます。

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📙 応用 A4 ラボの図
ケース定期同額給与か理由
源泉税・社会保険料を引いた手取りが同額○ 当たる手取りが同額なら同額とみなす(法人税法施行令第69条第2項)
外貨建てで毎月同額(円換算は毎月違う)○ 当たる外貨で同額なら、円換算した額が同額である必要はない(質疑応答事例)
固定給+運送収入に応じた歩合給△ 固定給の部分だけ毎月額が変わる歩合給は当たらない(質疑応答事例)
期首にさかのぼった増額分を7月に一括支給× 当たらない既に終わった職務への事後の増額(質疑応答事例)
子の授業料1年分を一括で負担○ 当たる毎月おおむね一定の経済的な利益(質疑応答事例)
応用 A4

同額かどうかの判定 ── 手取り・外貨・歩合給・一括支給

📍 ラボの場所:応用タブ A4
ハルカ
表に5つのケースが並んでいます。手取りが同額、外貨で同額、歩合給、さかのぼった増額の一括支給、子の授業料の一括負担。
先生
「同額」かどうかは、支給の形より、何が同額であればよいかで決まるんだ。源泉税・社会保険料などを引いた手取りが同額なら、同額とみなすよ(施行令第69条第2項)。
迷いポイント 期首にさかのぼって増額した分をまとめて払えば、4月から同額だったことになる?
ハルカ
6月の総会で4月分から増額すると決めて、差額を7月にまとめて払えば、4月から同じ額だったことになると思いました。
先生
役員給与は、職務の執行の前に定めたものでないといけないんだ。もう終わった4月〜6月の職務に対する事後の増額なので、一括支給した額は損金不算入になるよ(質疑応答事例)。7月以後の増額後の月額は、定期同額給与のままなんだ。
ハルカ
「さかのぼって」は、タイムマシンに乗ったつもりでも、税務署の時計は進んだままなんですね。
先生
時計の針は戻らないね。逆に、子の授業料1年分を一括で負担する場合は、役員が受ける利益が毎月おおむね一定なので定期同額給与になるんだ。払い方ではなく、利益の受け方で見るよ。
💡 そうだったのか!
同額は手取りで判定でき、外貨なら外貨で同額でよい。さかのぼった増額の一括支給は損金不算入です。
📙 応用 B2 ラボの図

届け出た賞与の額を変えるときの「変更届出」の期限。業績悪化の減額は、次の支給日の前日が先に来ることがあります
12/1イ 変更の決議日から1月11/20 → 12/20ロ 次の支給日の前日まで11/20 → 12/9(変更前の定めの次の支給日)12/10提出(予定)日12/5届出期限 2026年12月9日
届出期限は 2026年12月9日 提出 2026年12月5日 → 期限内

イ 変更の決議日から1月を経過する日:2026年11月20日 → 2026年12月20日(施行令第69条第5項第2号)

ロ 変更前の定めによる支給日(決議日後最初のもの)の前日:2026年12月10日 → 2026年12月9日(施行令第69条第5項第2号)

支給日が1月を経過する日より前ならロ、それ以外はイ:2026年12月9日

応用 B2

変更届出 ── 臨時改定事由と業績悪化改定事由

📍 ラボの場所:応用タブ B2
ハルカ
12月10日に払う予定の賞与を、11月20日の総会で減額。期限は「決議日から1月」の12月20日ではなく、12月9日なんですね。
先生
業績悪化改定事由による変更届出の期限は、変更の決議日から1月を経過する日なんだ。ただし、変更前の定めによる次の支給日がその日より前なら、支給日の前日までになるよ(施行令第69条第5項第2号)。
迷いポイント 変更届出を出せば、増額にも変えられる?
ハルカ
変更届出という名前なので、業績が良くなったときの増額にも使えると思いました。
先生
業績悪化改定事由による変更は、支給額の減額などに限られるんだ(施行令第69条第5項)。臨時改定事由による変更なら、事由が生じた日から1月を経過する日までに届け出るよ(同項第1号)。増額の理由が役職の変更などなら、こちらの道になるんだ。
💡 そうだったのか!
変更届出の理由は臨時改定事由と業績悪化改定事由(減額)の2つ。業績悪化の期限は、次の支給日の前日が先に来ることがあります。
⏱ 30秒だけラボで試す
  1. シミュレーション「届出期限」で「変更届出:業績悪化で減額」を読み込む
  2. 「変更前の定めによる、決議日後最初の支給日」を 2026年12月25日にする

👀 期限がイの12月20日(日曜日)に変わり、休日の繰延べで提出期限が 2026年12月21日と出ます。

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📙 応用 B3 ラボの図
当期(2026年4月1日〜)翌期期末届出1 12/10 300万 → 実際 12/10 200万✖ 支給額が届出と違う / 損金不算入 200万届出2 6/10 300万 → 実際 6/10 300万✓ 届出どおり / 損金不算入 300万
応用 B3

複数回の支給と職務執行期間 ── 6月と12月に払う場合

📍 ラボの場所:応用タブ B3
ハルカ
12月に300万円の届出で200万円しか払わず、翌年6月は届出どおり300万円。それなのに、両方とも損金不算入です。
先生
複数回の支給は、職務執行期間の全ての支給が定めどおりかで判定するんだ。当期の12月が違うので、職務執行期間の支給の全部が事前確定届出給与に当たらなくなるよ(質疑応答事例)。
迷いポイント 翌年6月は届出どおり払ったので、6月分は損金になる?
ハルカ
基礎8では、翌期だけ違うときは翌期の分だけが不算入でした。だから今度は逆に、当期の12月分だけが不算入になると思いました。
先生
基礎8は「当期は届出どおり」のときの取扱いなんだ。当期に違う支給があると、翌期の6月分まで全額が損金不算入になる。同じ2回払いでも、どちらの期で違ったかで範囲が変わるよ。
ハルカ
1回目でつまずくと、2回目は頑張っても戻れないんですね。
先生
そう、だから資金繰りに不安があるなら、届け出る金額や回数を無理のない形にしておくのが実務の知恵なんだ。設例・届出どおりの支給編で、数字を変えて確かめようか。
💡 そうだったのか!
複数回の支給は職務執行期間の全部で判定。当期に違う支給があると、翌期の届出どおりの支給まで損金不算入です。
📙 応用 B4 ラボの図
当期(2026年4月1日〜)翌期期末届出1 9/30 120万 → 実際 9/30 120万✓ 届出どおり / 損金算入届出2 3/31 120万 → 実際 3/31 120万✓ 届出どおり / 損金算入
応用 B4

届出が要らない給与・業績で全部か0か

📍 ラボの場所:応用タブ B4
ハルカ
9月と3月に120万円ずつ、届出なしで払っているのに「損金算入」です。届出は要らないんですか。
先生
同族会社に当たらない法人が、定期給与を支給しない役員に金銭で払う給与は、届出が要らないんだ(第34条第1項第2号イ)。非同族会社の非常勤役員の年俸のような場面だよ。
迷いポイント 同族会社の非常勤役員の年俸も、届出なしで損金になる?
ハルカ
非常勤で毎月の報酬がないのは同じなので、同族会社でも届出は要らないと思いました。
先生
同族会社では、年俸を年1回や年2回に分けて払うなら、届出をしないと損金にならないんだ(法人税基本通達9-2-12の注)。同じ非常勤でも、会社が同族会社かどうかで扱いが分かれるよ。
ハルカ
同じ年俸なのに、会社の「家系図」で届出の有無が変わるんですね。
先生
家系図というより、株主の構成だね。それから、業績目標を達成したら全額を払い、達成しなければ0という賞与は、業績連動給与ではなく事前確定届出給与の対象になるよ(法人税基本通達9-2-15の5)。
💡 そうだったのか!
届出不要は非同族会社・定期給与なし・金銭の3つがそろうときだけ。同族会社の非常勤役員の年俸は届出が必要です。
⏱ 30秒だけラボで試す
  1. シミュレーション「届出どおりか」で「同族会社・届出なし」を読み込む
  2. 「届出期限までに届け出たか」を「届け出た」に変える

👀 当期の損金不算入額が 4,000,000円から 0円に変わります。プリセット「非同族会社の非常勤役員(届出不要)」では、届出が「不要」と出ます。

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📙 応用 C2 ラボの図

4人の役員で、株主グループの持株割合から判定します。役員Eは3要件をすべて満たし、使用人兼務役員になれない例です(独自の数値)
社長の一族45%取引先A社30%役員Bの一族15%その他10%50%✖ イ 上位の株主グループで初めて50%超になるグループに属する✓ ロ 自分の株主グループの所有割合が10%超(15%)✓ ハ 本人と配偶者などの所有割合が5%超(6%)役員B(持株6%)は満たさない要件がある → 使用人兼務役員になれる余地がある
3つの要件を「全部」満たすと、使用人兼務役員になれない(法人税法施行令第71条第1項第5号)

イ:所有割合の大きい株主グループから順に足し、第1順位〜第3順位のうち初めて50%を超えるまでのグループに属するか。同順位のグループは合わせて1つの順位(法人税基本通達9-2-8)。

同じ物差しは、同族会社の使用人がみなし役員になるかの判定にも使う(法人税法施行令第7条第2号)。

応用 C2

同族会社の50%・10%・5% ── 大株主の役員

📍 ラボの場所:応用タブ C2
ハルカ
株主グループの帯と50%の線。役員Bは、自分のグループが3番目なので、イの要件を満たさない。
先生
同族会社では、50%・10%・5%の3つの要件を全部満たす役員は、使用人兼務役員になれないんだ(施行令第71条第1項第5号)。同じ物差しで、使用人がみなし役員になるかも判定するよ。
迷いポイント 自分の持株が5%以下なら、使用人兼務役員になれる?
ハルカ
これ、別表二ラボの応用編でやりましたよね。ハの5%は本人だけでなく、配偶者なども合わせて見るんでしたか。
先生
よく覚えていたね。ハは本人と配偶者など(とその支配する会社)の合計で見るんだ。イとロも合わせて、3つ全部を満たすかどうかを確かめるよ。図のボタンで役員Eを押すと、3つとも ✓ になる例が見られるんだ。
💡 そうだったのか!
使用人兼務役員になれないのは50%・10%・5%を全部満たす役員。5%は本人+配偶者などの合計で見ます。
⏱ 30秒だけラボで試す
  1. 応用C2 の図の上のボタンで「役員E(3要件すべて)」を押す

👀 社長の一族40%と役員Eの一族30%で初めて50%を超え、グループ30%・本人12%なので、イ・ロ・ハがすべて ✓ になり「使用人兼務役員になれない」と出ます。

ラボを開く ▶
📙 応用 D1 ラボの図

6つの例を「毎月一定」と「1回きり」に分けます
社宅を安く貸す毎月の家賃の差額がおおむね一定9-2-9(6)無利息で貸し付ける毎月の利息の差額(著しく変動しない)9-2-9(7)子の授業料を一括で払う教育役務は毎月提供 → 毎月おおむね一定質疑応答事例個人の飲食代を会社が払うその都度の負担。毎月一定ではない9-2-9(10)車を役員に安く売る1回きりの利益9-2-9(2)役員への貸付金を免除1回きりの利益9-2-9(4)
毎月おおむね一定の経済的な利益は、定期同額給与として損金

継続的に供与される経済的な利益で、毎月おおむね一定のもの(法人税法施行令第69条第1項第2号、法人税基本通達9-2-11)。

支払形態(一括払い)ではなく、役員が受ける利益が毎月一定かで判定する(国税庁 質疑応答事例「役員の子の授業料を一括して支出した場合」)。

応用 D1

経済的な利益 ── 毎月一定なら定期同額給与

📍 ラボの場所:応用タブ D1
ハルカ
6つの例が「毎月おおむね一定」と「1回きり・不定期」に分かれています。社宅を安く貸すのは毎月一定、車を安く売るのは1回きり。
先生
役員給与には、お金で払うものだけでなく、経済的な利益も含まれるんだ(法人税基本通達9-2-9)。継続的に供与されて毎月おおむね一定なら、定期同額給与として損金になるよ(施行令第69条第1項第2号)。
迷いポイント 社宅や車のような「物」の利益は、役員給与とは別の話?
ハルカ
お金を払っていないので、役員給与のルールとは関係ないと思っていました。
先生
役員が受ける利益があれば、役員給与として同じ3つの形で判定するんだ。1回きりの利益は3つの形のどれにも当たらないので、損金不算入になる。払い方ではなく、役員が受ける利益が毎月一定かで見るよ。
💡 そうだったのか!
経済的な利益も役員給与。毎月おおむね一定なら定期同額給与、1回きりなら損金不算入です。

今日の内容を、ラボで確かめてみませんか?

この記事の図は、すべて役員給与ラボ①【損金算入編】の画面そのものです。応用タブを開けば、同じ図を見ながら読み返せます。

役員給与ラボ①【損金算入編】を開く ▶

今日のまとめ ── 迷いポイント早見表

迷いポイント答えラボ
3月経過日等を過ぎた改定は必ず理由のない改定?毎年所定の時期で特別の事情があれば通常改定(基通9-2-12の2)応用A1
目標未達なら業績悪化改定事由で減額できる?当たらない。第三者との関係の客観的な事情が必要。減額に限る応用A3
さかのぼった増額を一括で払えば同額になる?ならない。事後の増額の一括支給は損金不算入応用A4
変更届出で増額にも変えられる?業績悪化は減額だけ。期限は次の支給日の前日が先のことも応用B2
翌年6月は届出どおりなら6月分は損金?当期に違う支給があれば職務執行期間の全額が不算入応用B3
同族会社の非常勤役員の年俸も届出不要?届出が必要(基通9-2-12の注)。不要は非同族・定期給与なし・金銭応用B4
持株5%以下なら使用人兼務役員になれる?本人+配偶者などで判定。50%・10%・5%の全部で判断応用C2
物の利益は役員給与と別?経済的な利益も役員給与。毎月一定なら定期同額給与応用D1
おわりに

今日のふりかえり

先生
今日のまとめだよ。改定の理由と変更届出には、それぞれ認められる範囲がある。賞与は職務執行期間の全部で照合し、使用人兼務役員は50%・10%・5%の全部で判定するんだ。
ハルカ
基礎編は「3つの形」の中身、応用編は「どこまでなら例外になるか」でした。前は数字ばかり見ていましたが、今日は議事録の理由の書き方の方が大事だと分かりました。
先生
その気づきは大きいね。実務では、理由を後から説明できるかどうかで結論が変わることが多いんだ。
ハルカ
では、私のスマホの24回払いも、理由を書いておけば…。いえ、あれは役員給与ではありませんでした。
先生
役員給与でもリースでもなく、ただの分割払いだね。次の設例・期中改定編では、設例1〜5を1ステップずつ数字で追っていこうか。

参考資料

法人税法第2条第15号・第34条・第36条、法人税法施行令第7条・第69条〜第72条の3、法人税法施行規則第22条の3(e-Gov法令検索 令和8年10月1日施行版)、国税通則法第10条第2項・国税通則法施行令第2条第2項、法人税基本通達第9章第2節(9-2-1〜9-2-52)。国税庁「役員給与に関するQ&A」(平成20年12月、平成24年4月改訂)、質疑応答事例(報酬、給料、賞与及び退職給与等)、タックスアンサーNo.5211・No.5200・No.5202・No.2523、事前確定届出給与に関する届出書・変更届出書の記載要領。確認日:2026年10月23日。ラボと記事の数値は学習用の独自の設例です。過大な役員給与・役員退職給与は②過大役員給与・役員退職給与編(準備中)、株式報酬と会計処理は③株式報酬・会社法・会計編(準備中)で扱います。公認会計士が監修しています。
このシリーズの記事:役員給与ラボ①【基礎編】/役員給与ラボ①【設例・期中改定編】/役員給与ラボ①【設例・届出期限編】/役員給与ラボ①【設例・届出どおりの支給編】/役員給与ラボ①【設例・非常勤役員と使用人兼務役員編】

📓 ハルカの学習ノートで、この章を見る ▶

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TaxJudge編集部|公認会計士・税理士(実務25年)による企画・監修。会計基準・税法・裁決・有価証券報告書などの一次情報をもとに、検索できるデータベースと計算・判定・文書作成ツールを制作しています。