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国税通則法ラボ【応用編】|図で学ぶ納税者の立場・延滞税と加算税の経理・加算税の場面・税務調査

国税通則法ラボ【応用編】|図で学ぶ納税者の立場・延滞税と加算税の経理・加算税の場面・税務調査

無料の学習ツール「国税通則法ラボ」の読み方ガイドです。ラボの「納税者の立場から」「経理処理から」「様式から」「手続・期限から」「テーマから」「設例・試算」の各タブから、実務で迷いやすい論点を選んで、先生と生徒の会話形式で見ていきます。全体像タブの内容は基礎編で扱っています。登場する人物と設例の数値はすべて架空の例です。解説は公認会計士・税理士が監修しています。各行の図はラボの図そのものです(記事内の図は表示用で、ボタンやクリックの操作はできません。操作は各節の「ラボで開く」「ラボを開く」からラボ本体で試せます)。重要な節の最後には、ラボで30秒だけ手を動かす小さな実習を置いています。

今日の事例
300,00077,000A社本税 3,000,000円40,0007,400Bさん本税 800,000円25,0001,900C社本税 500,000円赤=加算税/橙=延滞税(円)
はじめに

今日の題材 ── 3つの事例の加算税と延滞税

📍 ラボの場所:設例・試算タブ「3つの事例を並べる」
ハルカ
基礎編では、A社の修正申告で、加算税が調査の通知の前か後かで変わると習いました。図には、Bさんの期限後申告とC社の源泉所得税も並んでいますね。
先生
そう。A社は過少申告加算税10%で30万円、Bさんは無申告加算税5%で4万円、C社は不納付加算税5%で2万5千円だよ。3つとも違う種類の加算税なんだ。
ハルカ
Bさんは、調査で決定を受けていれば15%の12万円だったと書いてあります。自分で気づいたかどうかで、3倍違うんですね。
先生
そう。今日はラボの「納税者の立場から」「経理処理から」「テーマから」などのタブを使って、立場ごとの違い、経理と別表四、加算税の場面、税務調査の手続を見ていこうか。
ラボの設例・試算タブで、3つの事例を並べて見られますラボで開く ▶
👤 納税者の立場 ラボの画面
赤字=加算税・延滞税・不利になる結論緑字=かからない・軽くなる・取り戻せる太字=手続・期限の名前(小さい文字)=根拠灰色のマス=その立場には関係がない
納税者の立場主な手続期限附帯税のリスク救済・特例間違えやすい点
法人(3月決算)法人税・消費税・源泉所得税を申告・納付する会社
  • 法人税・消費税の期限内申告
  • 誤りは修正申告か更正の請求(第19条・第23条)
  • 法定申告期限は事業年度終了の日の翌日から2か月以内(法人税法第74条)
  • 申告期限の延長の特例(法人税法第75条の2)を受けると法人税の納期限も延びるが、延長期間には利子税がかかる
  • 消費税は届出をした場合だけ1か月延長(消費税法第45条の2)
  • 修正申告なら延滞税
  • 調査で指摘されると過少申告加算税10%
  • 隠蔽・仮装なら重加算税35%
  • 調査通知前の自主的な修正申告なら過少申告加算税はかからない(第65条第6項)
  • 更正の請求は5年
  • 延滞税・加算税は損金不算入(法人税法第55条第4項第1号)
  • 利子税は損金になる
個人事業者所得税・消費税の確定申告をする個人
  • 所得税の確定申告(翌年3月15日まで)
  • 期限後申告・修正申告・更正の請求
法定申告期限から5年が更正の請求の期限申告を忘れると無申告加算税15%(調査通知前の自主申告なら5%)と延滞税期限内に申告する意思があり、1か月以内の期限後申告なら無申告加算税はかからない(第66条第9項)
  • 期限が土日祝日なら翌日(第10条第2項)
  • e-Taxでも期限は同じ
源泉徴収義務者給与・報酬を支払う会社・個人事業者
  • 源泉所得税は支払の時に成立と同時に確定
  • 翌月10日(納期の特例は7月10日・1月20日)までに納付(第15条第3項第2号)
  • 法定納期限を過ぎると延滞税
  • 申告書はない
告知を受けると不納付加算税10%、告知前の自主納付は5%(第67条第1項・第2項)納付する意思があったと認められ、1か月以内の納付なら不納付加算税はかからない(第67条第3項)
  • 不納付加算税は会社が納めるので、源泉された従業員に負担させない
  • 法人税では損金不算入
相続人亡くなった人の税と自分の相続税を負う人
  • 被相続人の国税の納付義務を相続分に応じて承継(第5条)
  • 準確定申告・相続税申告
相続税は相続の開始を知った日の翌日から10か月以内(相続税法第27条第1項)申告漏れの財産が見つかると過少申告加算税・延滞税未分割の後の分割確定など、後発的な理由なら更正の請求の特則がある(相続税法第32条)承継した国税は、相続によって得た財産の価額を限度に納める義務がある(第5条第3項)
納められない人災害・病気・事業の休廃業で一時に納付できない人納税の猶予の申請(第46条・第46条の2)猶予期間は原則1年以内(延長して最長2年)猶予が認められないまま放置すると、督促・差押え(第37条・第40条)猶予期間中の延滞税は全部または一部が免除される(第63条)—
調査を受ける人税務署の実地の調査を受ける納税者事前通知(第74条の9)・質問検査(第74条の2)・終了の説明(第74条の11)事前通知の日時は、合理的な理由があれば変更を求められる(第74条の9第2項)
  • 調査の結果の修正申告は「予知後」なので過少申告加算税10%
  • 帳簿の提示がないと加算税が加重される(第65条第4項)
調査の通知の後でも、指摘を予知する前の修正申告なら5%(第65条第1項)修正申告をすると、その内容について不服申立てはできない(更正なら不服申立てができる)
処分に不服がある人更正・決定・差押えなどに納得できない人再調査の請求(税務署長)か審査請求(国税不服審判所長)を選ぶ(第75条)処分の通知を受けた日の翌日から3か月以内(第77条第1項)—審査請求から3か月を経過しても裁決がなければ訴訟を起こせる(第115条第1項)不服申立てをしても、原則として処分の執行(納付)は止まらない(第105条)
税理士(代理人)税務代理をする税理士事前通知は、納税者とともに税務代理人(税理士)にも行われる(第74条の9第1項)納税者の同意があれば、事前通知は税務代理人だけにできる(第74条の9第5項)—不服申立ての代理人になれる(第107条)調査通知の時点を記録しておく(加算税の割合が変わる)
納税者の立場

納税者の立場 × 効く規定の早見表

📍 ラボの場所:納税者の立場からタブ
ハルカ
法人・個人事業者・源泉徴収義務者・相続人…8つの立場が行に並んでいます。法人の行に「申告期限の延長の特例」とありますね。
先生
そう。3月決算の法人で株主総会が6月なら、法人税の申告期限の延長の特例(法人税法第75条の2)を受けることが多いんだ。そのとき法人税の納期限も延びるけれど、延長期間には利子税がかかるよ。
迷いポイント 法人税の申告期限を延長したら、消費税の申告期限も一緒に延びる?
ハルカ
法人税と消費税は同じ5月31日が期限ですから、法人税を延長したら消費税も自動で6月30日になると思っていました。
先生
そこは別なんだ。消費税は、法人税の延長の特例を受けている法人が届出書を出した場合だけ、1か月延長されるよ(消費税法第45条の2第1項)。届出がなければ5月31日のままなんだ。
ハルカ
延長してもらったのに利息を取られるなんて、友だちに締切を延ばしてもらったら、お礼にケーキを請求された気分です。
先生
お礼ではなく、延ばした期間の利息だよ。だから利子税は延滞税と違って、法人税で損金になるんだ。経理処理の節でもう一度出てくるよ。
💡 そうだったのか!
法人税の申告期限の延長の特例(法人税法第75条の2)を受けると、法人税の納期限も延び、延長期間に利子税がかかります。消費税は届出をした場合だけ1か月延長です(消費税法第45条の2)。
👤 納税者の立場 1 ラボの図
多すぎた少なすぎたまだ受けた予知前予知後申告した税額に誤りがある税額は多すぎた?少なすぎた?更正の請求(5年以内)税務調査の通知を受けた?自主的な修正申告加算税なし指摘を予知した?修正申告過少申告加算税 5%修正申告・更正過少申告加算税 10%
計算誤りで税額が多すぎた法定申告期限から5年以内に更正の請求をします(第23条第1項)。自分で減額の申告はできません。税務署長が調査して減額の更正をし、還付金には還付加算金が付きます(第58条)。
国税通則法第23条第1項 国税通則法第58条
納税者の立場 1

申告の誤りに気づいたら ── 判定フロー

📍 ラボの場所:納税者の立場からタブ 1
ハルカ
フローの分かれ目は「多すぎた・少なすぎた」「調査の通知を受けた?」「指摘を予知した?」の3つです。
先生
そう。少なすぎた場合、調査の通知の前の自主的な修正申告なら加算税なし、通知の後で予知の前なら5%、予知の後なら10%なんだ(第65条第1項・第6項)。
迷いポイント 調査の通知を受けたら、もう何をしても10%?
ハルカ
通知が来たら、もう手遅れだと思っていました。調査の日まで、じっと待つしかないですよね。
先生
そうではないんだ。通知を受けた後でも、調査で指摘を予知する前に自分で修正申告をすれば5%で済むよ。通知の後の数週間にも、できることはあるんだ。
ハルカ
通知と予知の間に、半額になる窓があるんですね。
先生
そう。だから通知を受けたら、まず社内で過去の申告を見直して、誤りが見つかればその段階で修正申告をするのが実務の動き方だよ。
💡 そうだったのか!
加算税の割合は3段階:調査の通知の前の自主的な修正申告は0%、通知の後・予知の前は5%、予知の後(指摘を受けた後)は10%です(第65条第1項・第6項)。
⏱ 30秒だけラボで試す
  1. 納税者の立場からタブの判定フローで、「通知後・予知前」を押す

👀 フローの「税務調査の通知を受けた?→受けた→指摘を予知した?→予知前→修正申告 過少申告加算税 5%」が点灯し、下の説明に「調査の通知の後でも、指摘を予知する前の修正申告なら過少申告加算税は5%です(第65条第1項かっこ書)」と表示されます。

ラボを開く ▶
🔁 経理処理から ラボの画面
加算法人税の所得が増える(別表四で足す)減算所得が減る赤字=附帯税・損金不算入緑字=損金になる・益金にならない社外流出/留保=別表四の区分(小さい文字)=根拠
論点📒 経理(帳簿)🧾 国税通則法📝 法人税での扱い(別表四)
延滞税附帯税納付した時に租税公課(または法人税等)で費用処理する
  • 納付が遅れた日数に応じてかかる(第60条第2項)
  • 本税と一緒に納める(第60条第3項)
  • 税目は本税と同じ(第60条第4項)
法人税・消費税などの国税の延滞税は損金不算入なので、費用にしたら加算社外流出(法人税法第55条第4項第1号)。
利子税附帯税租税公課で費用処理する申告期限の延長や延納など、法律で認められた期間の利息にあたる(第64条)
法人税の申告期限の延長による利子税は損金になる(法人税法第38条第1項第3号)。別表四の調整はない。
過少申告加算税・無申告加算税附帯税賦課決定通知書を受けて納付した時に租税公課で費用処理する
  • 修正申告・更正・期限後申告などに対して課される(第65条・第66条)
  • 賦課決定通知書を受けた日から1か月が納期限(第35条第3項)
国税の加算税は損金不算入なので加算社外流出(法人税法第55条第4項第1号)。
重加算税附帯税租税公課で費用処理する隠蔽・仮装に基づく申告・無申告・不納付に対し35%・40%(第68条)
損金不算入なので加算社外流出(法人税法第55条第4項第1号)。
源泉所得税の不納付加算税附帯税
  • 会社が納付した時に租税公課で費用処理する
  • 従業員から取り立てない
源泉徴収義務者である会社に課される(第67条第1項)
国税の加算税なので損金不算入、加算社外流出(法人税法第55条第4項第1号)。
修正申告で増えた法人税本税修正申告の事業年度に「法人税、住民税及び事業税」または過年度法人税等で処理する修正申告書の提出の日が納期限(第35条第2項第1号)
法人税の本税は損金不算入(法人税法第38条第1項)。直接費用処理して納付した場合は「損金経理をした法人税及び地方法人税」、未払計上した場合は「損金経理をした納税充当金」として、別表四で加算留保。前期に計上した納税充当金を取り崩して納付した場合は、納付自体による別表四の調整はない。別表五(一)・五(二)との整合も確認する。
更正の請求で戻った法人税還付還付を受けた時に「法人税等還付税額」などで収益処理する更正の請求に基づく減額の更正で還付される(第23条第4項・第56条第1項)
損金不算入だった法人税の還付は益金不算入なので減算(法人税法第26条第1項第1号)。
還付加算金還付受け取った時に雑収入で処理する還付金・過誤納金に、日数に応じて加算される(第58条第1項)
利息にあたるので益金になる。別表四の調整はない。
延滞税の免除附帯税免除された分は納付しないので費用も計上しない納税の猶予を受けた期間などの延滞税は、全部または一部が免除される(第63条)
—(納付しないので損金の問題は生じない)
経理処理から

論点ごとの「経理/国税通則法/法人税」

📍 ラボの場所:経理処理からタブ
ハルカ
表に延滞税・利子税・加算税・還付加算金が並んでいます。法人税の列が赤字と緑字に分かれていますね。
先生
附帯税は、帳簿では租税公課で費用にしても、法人税では扱いが分かれるんだ。国税の延滞税・加算税は損金不算入で加算・社外流出、利子税は損金、還付加算金は益金だよ。
迷いポイント 附帯税は、どれも損金にならない?
ハルカ
別表五(二)ラボで、附帯税でも利子税と納期限延長の延滞金は損金になる、と習いました。ここでも同じ分け方ですか。
先生
よく覚えていたね。同じ分け方なんだ。利子税は法律で認められた期間の利息にあたるから損金(法人税法第38条第1項第3号)、延滞税・加算税は制裁の性格があるから損金不算入(法人税法第55条第4項第1号)だよ。
ハルカ
還付加算金は益金…。税金が戻ってきて喜んでいたら、その上乗せ分に法人税がかかるなんて、少し悲しいです。
先生
国から利息を受け取ったのと同じだからね。一方、損金不算入だった法人税の本税の還付は益金不算入で減算するんだ(法人税法第26条第1項)。
ハルカ
修正申告で増えた前期の法人税を当期に納めたときは、別表四のどこに書くんですか。
先生
本税は損金不算入だから加算(留保)だよ。直接費用にしたら「損金経理をした法人税及び地方法人税」、未払計上したら「損金経理をした納税充当金」の欄なんだ。
ハルカ
前期に積んだ納税充当金を取り崩して納めたときも、加算ですか。
先生
その納付は費用になっていないから、納付自体による別表四の調整はないよ。どの処理でも、別表五(一)・五(二)との整合を確認しようね。
💡 そうだったのか!
国税の延滞税・加算税は損金不算入(加算・社外流出)、利子税は損金、還付加算金は益金。損金不算入だった法人税の還付は益金不算入(減算)です。修正申告で増えた法人税の本税は、直接費用処理なら「損金経理をした法人税及び地方法人税」、未払計上なら「損金経理をした納税充当金」で加算(留保)。納税充当金の取崩しで納めたときは、納付自体の調整はありません。
🔁 経理処理 A1 ラボの図
1か月後に納付2,300円(31日)2か月後に納付4,600円(61日)3か月後に納付12,400円(92日)6か月後に納付35,300円(184日)1年後に納付80,400円(365日)本税100万円を法定納期限(令和8年3月16日)までに納めなかった場合の延滞税
3か月後に納付:延滞税 12,400円法定納期限の翌日から2026年6月16日まで92日。納期限の翌日から2か月を経過する日(2026年5月16日)までは年2.8%、その後は年9.1%です(第60条第2項・措置法第94条第1項)。2か月を超えると割合が3倍以上になるので、延滞税の増え方が急になります。
国税通則法第60条第2項 措置法第94条第1項
経理処理 A1

延滞税は日数で増える

📍 ラボの場所:経理処理からタブ A1
ハルカ
本税100万円を納め忘れた場合の延滞税です。1か月後2,300円、2か月後4,600円、3か月後12,400円…。2か月を過ぎたところで急に伸びています。
先生
そう。納期限の翌日から2か月を経過する日までは年2.8%、その後は年9.1%なんだ(第60条第2項・措置法第94条第1項)。割合が3倍以上になるから、グラフの傾きが急になるんだよ。
迷いポイント 延滞税は、本税に一定の割合を掛けるだけ?
ハルカ
本税×2.8%で28,000円、と1回で計算できると思っていました。
先生
延滞税は日数に比例するんだ。本税(1万円未満切捨て)×割合×日数÷365で、2か月までと2か月後で割合を分けて足すよ。年が変わって割合が変わるときも、年ごとに分けるんだ。
ハルカ
6か月で35,300円、1年で80,400円。延滞税のグラフ、うちの会社の売上グラフより元気に伸びています。
先生
このグラフは元気にさせないのがいちばんだよ。修正申告をしたら、その日のうちに納めようか。
💡 そうだったのか!
延滞税は本税×割合×日数÷365(第60条第2項)。納期限の翌日から2か月を過ぎると割合が3倍以上(令和8年 2.8%→9.1%)になります。延滞税の額は100円未満切捨てです(第119条第4項)。
⏱ 30秒だけラボで試す
  1. 経理処理からタブの「延滞税は日数で増える」の図で、「6か月後に納付」の棒を押す

👀 下の説明が「6か月後に納付:延滞税 35,300円」に変わり、法定納期限の翌日から2026年9月16日まで184日、5月16日までは年2.8%、その後は年9.1%と表示されます。「2か月後に納付」なら61日で4,600円です。

ラボを開く ▶
🧩 テーマ 1 ラボの図
調査通知の前に自分で修正申告▼過少 0%事前通知を受けた後、調査の前に修正▼過少 5%調査で指摘されて修正申告▼過少 10%申告を忘れ、20日後に気づいて申告▼無申告 0%申告を忘れ、半年後に自主申告▼無申告 5%売上を隠して申告▼重加 35%
調査通知の前に自分で修正申告 → 過少 0%調査の通知の前に、自分で誤りに気づいて修正申告をすれば過少申告加算税は課されません(第65条第6項)。延滞税はかかります。
国税通則法第65条第6項
  • ✔ 要点加算税は4種類過少申告加算税第65条・無申告加算税第66条・不納付加算税第67条・重加算税第68条。税務署長の賦課決定で確定します第32条。
  • 調査通知の前自主的な修正申告なら過少申告加算税は0%第65条第6項、期限後申告の無申告加算税は5%第66条第8項。
  • 通知の後・予知の前過少申告加算税は5%(超える部分10%)、無申告加算税は10%(50万円超300万円以下の部分15%、300万円超の部分25%)第65条第1項・第66条第1項〜第3項。
  • 予知の後(調査で指摘)過少申告加算税10%(期限内申告税額と50万円のいずれか多い金額を超える部分15%)、無申告加算税15%・20%・30%第65条・第66条。
  • ⚠ 注意重加算税隠蔽・仮装に基づくときは、過少申告・不納付に代えて35%、無申告に代えて40%第68条第1項〜第3項。過去5年以内に無申告加算税等を課されていれば10%を上乗せ第68条第4項。
  • 帳簿の不提示調査で帳簿を提示しない・記載が著しく不十分なときは、過少申告加算税・無申告加算税に10%(不十分なら5%)を上乗せ第65条第4項・第66条第5項。
  • 💡 実務端数加算税の計算の基礎となる税額は1万円未満を切り捨て第118条第3項、加算税の額は100円未満を切り捨て、全額が5,000円未満なら課されません第119条第4項。
テーマ 1

加算税はいくら? ── 例で見る6つの場面

📍 ラボの場所:テーマからタブ 1
ハルカ
6枚のカードです。自主修正0%、通知後5%、指摘後10%、申告を忘れて20日後に申告で0%、半年後に自主申告で5%、売上を隠して35%。
先生
そう。基礎編で見た過少申告加算税に、無申告加算税と重加算税を足して並べたんだ。気づいた時期と方法で、同じ申告漏れでも割合が変わるよ。
迷いポイント 申告期限を1日でも過ぎたら、必ず無申告加算税がかかる?
ハルカ
Bさんのように期限を過ぎたら、たとえ1日でも5%はかかると思っていました。
先生
例外があるんだ。期限内に申告する意思があったと認められ(過去5年以内に無申告加算税などがない、期限内に納付しているなど)、法定申告期限から1か月以内の期限後申告なら、無申告加算税は課されないよ(第66条第9項)。
ハルカ
Bさんは4か月後だったので、この例外には入らないんですね。
先生
そう。だから5%なんだ。もう一つ、加算税の計算の基礎は1万円未満を切り捨て、加算税が5,000円未満なら課されないことも覚えておこうか(第118条第3項・第119条第4項)。
💡 そうだったのか!
期限後申告でも、期限内に申告する意思があり1か月以内なら無申告加算税はかかりません(第66条第9項)。それを過ぎても調査通知の前の自主的な期限後申告なら5%、隠蔽・仮装なら重加算税です。
⏱ 30秒だけラボで試す
  1. テーマからタブの「加算税はいくら?」の図で、4枚目の「申告を忘れ、20日後に気づいて申告」を押す
  2. 設例・試算タブの試算で「A社」を選び、「気づいた時期」を「調査の通知の前(自主的)」に変える

👀 1つ目は「無申告 0%」と第66条第9項・施行令第27条の2の説明が出ます。2つ目は、A社の過少申告加算税が「(10%)300,000」から「(0%)0」に変わり、合計で納める額が3,377,000円から3,077,000円になります(延滞税77,000円は変わりません)。

ラボを開く ▶
⏱ 手続・期限 1 ラボの図
1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月翌1月翌2月翌3月5月31日:法人税・消費税の申告と納付(延長がない場合)6月30日:延長の特例なら法人税の申告・納付(延長期間は利子税)8月:前期の誤りに気づいたら修正申告11月:中間申告・納付(法人税)
3月決算の法人:法人税・消費税の申告と納付3月決算の法人は、事業年度終了の日の翌日から2か月以内(5月31日)が法定申告期限・法定納期限です(法人税法第74条第1項)。法人税の申告期限の延長の特例を受けると、納期限も延長された申告期限になります(法人税法第75条の2第1項・法人税法第77条)。ただし延長期間には利子税がかかるため(法人税法第75条の2第8項・第64条)、実務では当初の期限までに見込納付をすることがあります。消費税の申告期限は法人税に合わせて自動では延びず、届出書を出した法人だけが1か月延長されます(消費税法第45条の2第1項。延長期間には利子税、同条第4項)。修正申告はいつでも出せますが、延滞税は法定納期限の翌日から数えます。
手続・期限 1

1年のカレンダー ── 法人の申告・延長・修正申告

📍 ラボの場所:手続・期限からタブ 1
ハルカ
3月決算の法人のカレンダーです。5月31日に法人税・消費税の申告と納付、6月30日に延長の特例の法人税、11月に中間申告。
先生
そう。延長の特例を受けると6月30日が法人税の申告期限で、納期限も同じ日になるんだ(法人税法第75条の2第1項・法人税法第77条)。ただ延長期間には利子税がかかるから、実務では5月31日までに見込納付をすることがあるよ。
迷いポイント 見込納付をしたら、延長の特例を受けた意味がない?
ハルカ
6月30日まで延ばしてもらったのに、5月に払ってしまうなら、延長しなくても同じに思えます。
先生
延長の特例は申告書を作る時間のための制度なんだ。株主総会で決算が確定するまで申告書は出せないから、申告は延ばし、お金だけ先に納めて利子税を抑える、という使い分けだよ。
ハルカ
書類は後で、お金は先に。払いすぎていたら、どうなりますか。
先生
確定申告のときに、確定した税額との差額を精算するんだ。納めすぎた分は還付されるよ。
💡 そうだったのか!
延長の特例は申告書の提出期限を延ばす制度で、法人税の納期限も延び、延長期間は利子税(法人税法第75条の2第8項・第64条)。決算確定前に見込納付をして利子税を抑えるのが実務の使い分けです。
🧮 設例・試算 ラボの画面
5 / 5
1調査通知
事前通知
調査の開始の日時・場所・目的・税目・対象期間・調査する帳簿書類などが、A社と税務代理人の税理士に通知されます(第74条の9第1項)。都合が悪ければ、合理的な理由を付けて日時の変更を求められます(同条第2項)。この「調査通知」の後の修正申告は、過少申告加算税が0%ではなく5%になります(第65条第1項・第6項)。
2質問検査
実地の調査
職員は質問をし、帳簿書類その他の物件の提示・提出を求めます(第74条の2第1項)。正当な理由なく拒むと罰則の対象です(第128条)。帳簿を提示しないと、加算税が加重されることがあります(第65条第4項)。
3説明
結果の説明
誤りがなければ「更正決定等をすべきと認められない」旨が書面で通知されます(第74条の11第1項)。誤りがあれば、税目・期間・金額・理由が説明されます(同条第2項)。
4勧奨・更正
修正申告の勧奨
説明の際に修正申告を勧められます。修正申告をすると不服申立てはできないが更正の請求はできることも説明され、その旨の書面が交付されます(第74条の11第3項)。応じなければ税務署長が更正します(第24条)。
5納付
調査の後
修正申告の税額は提出の日に納め(第35条第2項)、過少申告加算税(10%)の賦課決定通知書が届いたら1か月以内に納めます(第35条第3項)。新たな情報があれば再び調査されることもあります(第74条の11第5項)。
設例・試算

税務調査の流れ ── 事前通知から終了の説明まで

📍 ラボの場所:設例・試算タブ「税務調査の流れ」
ハルカ
5つのステップです。事前通知、質問検査、結果の説明、修正申告の勧奨、納付。調査の手続も法律で決まっているんですね。
先生
そう。平成23年の改正で、第7章の2にまとめられたんだ。事前通知では、日時・場所・目的・税目・対象期間・調べる帳簿書類などが、会社と税理士に通知されるよ(第74条の9第1項)。
迷いポイント 調査で誤りを説明されたら、必ず修正申告をしなければならない?
ハルカ
「修正申告の勧奨」って、お店の店員さんの「こちらもおすすめです」と同じですか。断ったら気まずくなりそうです。
先生
気まずさはともかく、断ることはできるんだ。応じなければ税務署長が更正をするよ(第24条)。大事なのは、修正申告をするとその内容について不服申立てはできないこと。この点は勧奨のときに書面で説明されるんだ(第74条の11第3項)。
ハルカ
納得できない指摘なら、修正申告ではなく更正を受けて、それから争うんですね。
先生
そう。更正の通知を受けた日の翌日から3か月以内に、再調査の請求か審査請求だよ。納得できる指摘なら、修正申告で早く終えるのが普通なんだ。
💡 そうだったのか!
調査の手続は事前通知 → 質問検査 → 結果の説明 → 修正申告の勧奨(第74条の9〜第74条の11)。修正申告をすると不服申立てはできないので、納得できなければ更正を受けてから争います。
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  1. 設例・試算タブのプルダウンで「税務調査の流れ」を選び、「全部表示」を押す

👀 5つのステップがすべて開き、4番目の「修正申告の勧奨」に「修正申告をすると不服申立てはできないが更正の請求はできることも説明され、その旨の書面が交付されます(第74条の11第3項)。応じなければ税務署長が更正します(第24条)」と表示されます。

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今日のまとめ ── 迷いポイント早見表

迷いポイント答えラボ
法人税の申告期限を延長したら、消費税の申告期限も一緒に延びる?延びない。消費税は届出をした法人だけ1か月延長(消費税法第45条の2)。法人税の延長期間には利子税納税者の立場
調査の通知を受けたら、もう何をしても10%?通知の後でも、指摘を予知する前の修正申告なら5%(第65条第1項)。通知の前なら0%納税者の立場1
附帯税は、どれも損金にならない?延滞税・加算税は損金不算入、利子税は損金、還付加算金は益金(法人税法第55条第4項・第38条第1項)経理処理から
修正申告で増えた法人税は、どう加算する?直接費用処理→「損金経理をした法人税及び地方法人税」、未払計上→「損金経理をした納税充当金」で加算(留保)。取崩し納付は調整なし経理処理から
延滞税は、本税に一定の割合を掛けるだけ?本税×割合×日数÷365。2か月を過ぎると割合が3倍以上(第60条第2項)経理処理A1
申告期限を1日でも過ぎたら、必ず無申告加算税?意思があり1か月以内の期限後申告なら課されない(第66条第9項)。自主的な期限後申告は5%テーマ1
見込納付をしたら、延長の特例を受けた意味がない?延長は申告書の提出期限のため。お金は先に納めて利子税を抑える手続・期限1
調査で誤りを説明されたら、必ず修正申告?勧奨に応じるかは選べる。修正申告をすると不服申立てはできないので、納得できなければ更正を受けて争う(第74条の11)設例・試算
おわりに

今日のふりかえり

先生
今日のまとめだよ。法人税の延長の特例は納期限も延びて利子税、消費税は届出があるときだけ延長。加算税は通知と予知で0%・5%・10%、延滞税・加算税は損金不算入で利子税は損金。調査の勧奨に応じるかは選べるんだ。
ハルカ
基礎編では「自分で早く直すほど軽い」ことを習いましたが、今日は「直し方を選べる」ことを知りました。修正申告にするか、更正を受けるか。手続そのものが判断なんですね。
先生
いい気づきだね。ただ、選べるのは納得できない指摘があるときの話だよ。誤りがはっきりしているなら、早く修正申告をして納めるのが基本なんだ。
ハルカ
はい。それでも、経理の手帳に「通知を受けた日」と「予知した日」を書く欄を作ります。0%と5%と10%の境目は、日付で決まるので。
先生
日付で考えるのは、国税通則法らしい読み方だね。基礎編から読み返すと、5段の流れの見え方がきっと変わるよ。

参考資料

国税通則法(昭和37年法律第66号。e-Gov法令検索、令和8年6月24日施行の版)本則、国税通則法施行令・施行規則、租税特別措置法第94条(延滞税の割合の特例)、法人税法・所得税法・消費税法・相続税法(使う条)、国税庁タックスアンサー No.9205(延滞税について)。法令の確認日:2026年10月18日。ラボと記事の設例の会社・人物・金額はすべて架空です(単位:円)。条番号・条見出しは、ラボ本体で e-Gov 法令検索の原文と照合しています。

シリーズ:基礎編/応用編 / 関連:別表五(二)ラボ【応用編】(修正申告・附帯税・源泉所得税)/法人税法ラボ【応用編】(会計との違い・別表・手続の期限・グループと国際)/消費税法ラボ【応用編】(事業者の種類・取引の区分・インボイス・手続)

関連ツール:加算税・延滞税等の税務ペナルティのざっくり計算/別表五(二)ラボ/別表四・別表五(一)ラボ/査察告発リスクマップ/公表裁決・判例の統合検索

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この記事を書いた人

TaxJudge編集部|公認会計士・税理士(実務25年)による企画・監修。会計基準・税法・裁決・有価証券報告書などの一次情報をもとに、検索できるデータベースと計算・判定・文書作成ツールを制作しています。