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国税通則法ラボ【基礎編】|図で学ぶ5段の流れ・修正申告と更正の請求・延滞税・加算税

国税通則法ラボ【基礎編】|図で学ぶ5段の流れ・修正申告と更正の請求・延滞税・加算税

無料の学習ツール「国税通則法ラボ」の読み方ガイドです。ラボの全体像タブを中心に、条文からのタブも合わせて、先生と生徒の会話形式で見ていきます。登場する人物と設例の数値はすべて架空の例です。解説は公認会計士・税理士が監修しています。各行の図はラボの図そのものです(記事内の図は表示用で、ボタンやクリックの操作はできません。操作は各節の「ラボで開く」「ラボを開く」からラボ本体で試せます)。重要な節の最後には、ラボで30秒だけ手を動かす小さな実習を置いています。

今日の事例
設例A社(3月決算。令和7年3月期の法人税を、調査で指摘されて修正申告。単位:円)
期限内に申告・納付した法人税(令和7年3月期)8,000,000
法定申告期限(5月31日が土曜日なので翌月曜日)令和7年6月2日
税務調査の事前通知令和8年8月
修正申告で増えた法人税(提出日に納付)3,000,000
修正申告の提出日=納期限令和8年9月30日
延滞税(1年を超えた期間を除外)77,000
過少申告加算税(増えた税額×10%)300,000
合計で納める額3,377,000
はじめに

今日の題材 ── A社の修正申告から国税通則法を引く

📍 ラボの場所:全体像タブ・設例・試算タブ(A社)
ハルカ
先生、国税通則法って、名前は聞いたことがあるのに中身が浮かびません。法人税法や消費税法と何が違うんですか。
先生
法人税法や消費税法が「いくら納めるか」を決めるのに対して、国税通則法はどう確定し、どう納め、間違えたらどう直すかを、すべての国税に共通で決めている法律なんだ。
ハルカ
表のA社は、増えた法人税300万円のほかに、延滞税と加算税で37万円以上を払っています。税額は法人税法で決まるのに、こちらは国税通則法なんですね。
先生
そう。延滞税・加算税・修正申告・期間の制限は、どの税目でも国税通則法の条文で動くんだ。A社の数字を手がかりに、ラボの全体像タブを順に読んでいこうか。
ラボの全体像タブを開きながら読むと分かりやすいですラボで開く ▶
🧭 全体像 ラボの画面
入口

このラボの引き方 ── 7つの切り口

📍 ラボの場所:全体像タブ 冒頭
ハルカ
タイルが7枚あります。条文から、納税者の立場から、経理処理から…。法人税法ラボと同じ並びですね。
先生
そう。ただ「様式から」の中身が違うんだ。国税通則法には決まった申告書がなくて、使うのは修正申告書・更正の請求書・納税の猶予申請書・審査請求書のような手続の書類なんだよ。
迷いポイント 国税通則法は、税理士や税務署の人だけが読む法律?
ハルカ
手続の法律なら、経理担当は知らなくても困らないと思っていました。申告書は顧問の先生が作ってくれますし。
先生
実は、経理がいちばん関わる法律なんだ。誤りに気づいたときにいつまでに、どの書類で直すかと、そのとき加算税が0%になるか10%になるかは、ここで決まるからね。
ハルカ
気づいた後の動き方で、会社の負担が変わるということですか。
先生
そう。A社の30万円の加算税も、調査の通知の前に自分で直していれば0円だったんだ。そこを今日の一番の目標にしようか。
💡 そうだったのか!
国税通則法は、すべての国税に共通する手続のルールの法律です。誤りの直し方・納付の期限・延滞税と加算税・期間の制限・不服申立てを決めていて、経理の「気づいた後の動き方」を左右します。
📗 全体像 1 ラボの図
本流:納税義務の成立 → 税額の確定 → 納付 ── 遅れ・誤りには附帯税、争いには救済の手続① 確定成立・確定の方式第15条・第16条② 申告期限内・期限後・修正・更正の請求第17条・第19条③ 納付法定納期限・督促・猶予第35条・第37条④ 附帯税延滞税・利子税・加算税第60条・第65条⑤ 救済期間制限・調査・不服申立て第70条・第74条の9税額は、いつ・どうやって決まるの?税務調査の手続事前通知・終了の説明納税の猶予災害・病気・休廃業還付と還付加算金過誤納金・還付金犯則調査査察・告発(第11章)枝(テーマタブ)
① 確定:成立・確定の方式納税義務は、法人税なら事業年度の終了の時、所得税なら暦年の終了の時、源泉所得税なら給与などの支払の時に、法律上当然に成立します(第15条第2項)。ただ、成立しただけでは金額が決まっていないので、納税者の申告(申告納税方式)や税務署長の処分(賦課課税方式)で「確定」させます(第16条)。源泉所得税・印紙税・延滞税などは、成立と同時に自動的に確定します(第15条第3項)。
国税通則法第15条 国税通則法第16条 この段の図解へ ▶
全体像 1

このラボの背骨 ── 5段の流れ

📍 ラボの場所:全体像タブ 1
ハルカ
「① 確定 → ② 申告 → ③ 納付 → ④ 附帯税 → ⑤ 救済」。法人税法ラボの「誰が・何に・いくら」とは、段の名前がずいぶん違います。
先生
国税通則法は税額を計算しないから、段の名前も手続の順番になるんだ。税額が決まり、申告で直し、納め、遅れや誤りに附帯税がかかり、最後に期間の制限と争う手続がある、という流れだよ。
迷いポイント 税額は、申告書を出した時に生まれる?
ハルカ
法人税は、申告書を出した時に初めて生まれるんですよね。出すまでは、まだ存在しない税金だと思っていました。
先生
それが、そうではないんだ。納税義務は法人税なら事業年度の終了の時に法律上当然に成立していて(第15条第2項)、申告は金額を確定させる手続なんだよ(第16条)。
ハルカ
成立と確定は別の段階なんですね。
先生
そう。成立した時点ではまだ金額が決まっていないから、申告や税務署長の処分で確定させるんだ。この区別が、次の「3つの方式」につながるよ。
💡 そうだったのか!
納税義務は税目ごとの時に法律上当然に成立し(第15条)、申告・処分などで金額が確定します(第16条)。国税通則法は、確定→申告→納付→附帯税→救済の5段の手続で並びます。
📗 全体像 2 ラボの図
源泉所得税には申告書がありません。では、税額はいつ・どうやって決まっているのでしょう?
法人税・地方法人税事業年度の終了の時に成立/申告で確定所得税(申告分)暦年の終了の時に成立/申告で確定消費税課税資産の譲渡等の時に成立/申告で確定相続税・贈与税財産の取得の時に成立/申告で確定加算税法定申告期限の経過の時に成立/賦課決定源泉所得税支払の時に成立と同時に確定印紙税課税文書の作成の時に成立と同時に確定延滞税・利子税成立と同時に確定(附帯税)登録免許税・自動車重量税登記・検査証の交付の時に成立と同時に確定申告納税方式賦課課税方式自動確定成立の時期は第15条第2項、確定の方式は第16条・第15条第3項
法人税:申告納税方式事業年度の終了の時に納税義務が成立し(第15条第2項第3号)、法人が確定申告書を提出して税額が確定します(第16条第1項第1号)。申告がない・誤っているときに限り、税務署長の決定・更正で確定します。
国税通則法第15条第2項第3号 国税通則法第16条第1項第1号
全体像 2

① 確定 ── 成立の時と、税額が決まる3つの方式

📍 ラボの場所:全体像タブ 2
ハルカ
タイルが3色に分かれています。紺が申告納税方式、紫が賦課課税方式、緑が自動確定。法人税・所得税・消費税は紺ですね。
先生
そう。申告納税方式は納税者の申告で確定して、申告がない・誤っているときだけ税務署長の処分で確定する方式だよ(第16条第1項第1号)。加算税は紫の賦課課税方式で、税務署長の賦課決定で確定するんだ。
迷いポイント 源泉所得税は申告書がないのに、税額はいつ決まる?
ハルカ
印紙税法ラボで、印紙は貼って消印した時が納付で、申告書はないと習いました。源泉所得税も申告書がないので、似たようなものですか。
先生
よく覚えていたね。源泉所得税も印紙税も自動確定の仲間なんだ。支払の時に成立すると同時に、特別の手続なしで税額が確定するよ(第15条第3項)。
ハルカ
生まれた瞬間に、名札まで付いているんですね。
先生
うまく言うね。だから源泉所得税は申告で確定させる場面がなくて、納め遅れると税務署長が納税の告知をするんだ(第36条)。
💡 そうだったのか!
税額の確定は3つ。申告納税方式(法人税・所得税・消費税など)、賦課課税方式(加算税など)、自動確定(源泉所得税・印紙税・延滞税など。第15条第3項)です。
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  1. 全体像タブの「確定の3つの方式」の図で、「源泉所得税」のタイルを押す

👀 下の説明が「源泉所得税:自動確定」に変わり、「給与・報酬などの支払の時に成立し(第15条第2項第2号)、同時に特別の手続なしで税額が確定します(第15条第3項第2号)。申告書はなく、翌月10日…までに納付書で納めます」と表示されます。

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📗 全体像 3 ラボの図
誤りに気づく申告した税額に不足がある・欠損金が多すぎる第19条第1項修正申告書更正があるまではいつでも提出できる第19条第1項提出日に納付増えた税額は提出の日が納期限第35条第2項附帯税延滞税と、調査通知後なら過少申告加算税第60条・第65条
修正申告:税額が少なすぎたとき(第19条)申告した税額が少なかったときは、税務署長の更正があるまで修正申告書を出せます(第19条第1項)。増えた税額は修正申告書を出した日までに納め(第35条第2項第1号)、法定納期限の翌日からの延滞税がかかります。調査の通知の前に自分で直せば過少申告加算税はかかりません(第65条第6項)。
国税通則法第19条第1項 国税通則法第35条第2項第1号 国税通則法第65条第6項
全体像 3

② 申告 ── 修正申告と更正の請求

📍 ラボの場所:全体像タブ 3
ハルカ
A社は税額が少なすぎたので、修正申告書を出して、その日に納めています。フローの最後に「附帯税」の箱がありますね。
先生
そう。少なすぎたら修正申告で、更正があるまではいつでも出せるんだ(第19条第1項)。増えた税額は提出の日が納期限だよ(第35条第2項第1号)。
迷いポイント 税額が多すぎたときも、修正申告で減らせばよい?
ハルカ
少なすぎたら修正申告、多すぎたら逆向きの修正申告。同じ書類で上にも下にも直せるんですよね。
先生
それが、そうではないんだ。自分で税額を減らす申告はできないんだよ。多すぎたときは更正の請求をして、税務署長が調査したうえで減額の更正をするんだ(第23条第1項・第4項)。
ハルカ
増やすのは自分で、減らすのは税務署にお願い。期限はありますか。
先生
法定申告期限から5年以内、法人税の欠損金は10年だよ。判決などで後から前提が変わったときは、その翌日から2か月以内という特則もあるんだ(第23条第2項)。
💡 そうだったのか!
少なすぎたら修正申告(第19条。提出の日が納期限)、多すぎたら更正の請求(第23条。法定申告期限から5年以内)。自分で税額を減らす申告はできず、税務署長の減額の更正を待ちます。
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  1. 全体像タブの「申告」の図で、「税額が多すぎた」を押す

👀 フローが「誤りに気づく → 5年以内に請求 → 税務署が調査 → 還付」に変わり、下の説明に「自分で税額を減らす申告はできず、税務署長が調査して減額の更正をします(第23条第4項)」と表示されます。還付金には還付加算金が付く(第56条・第58条)ことも出てきます。

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📗 全体像 4 ラボの図
法定納期限2か月を経過する日督促状(納期限から50日以内)差押え(督促から10日経過)延滞税 年7.3%(特例:令和8年は2.8%)延滞税 年14.6%(特例:令和8年は9.1%)申告書の提出・納付の期限督促(第37条)
期限内申告:法定納期限までに納める期限内申告の税額は法定納期限までに納めます(第35条第1項)。完納しないと翌日から延滞税がかかり、納期限の翌日から2か月を経過する日までは年7.3%、その後は年14.6%(いずれも特例で軽減。令和8年は2.8%・9.1%)です(第60条第2項・措置法第94条)。督促状は納期限から50日以内に発せられ(第37条第2項)、発した日から10日を経過しても完納しないと差押えに進みます(国税徴収法)。
国税通則法第35条第1項 国税通則法第60条第2項 国税通則法第37条第2項 措置法第94条第1項
全体像 4

③ 納付 ── 納期限と、延滞税の割合が変わる日

📍 ラボの場所:全体像タブ 4
ハルカ
時間の帯に、法定納期限と「2か月を経過する日」の目盛りがあります。手前が低い割合、後ろが高い割合ですね。
先生
そう。延滞税は法定納期限の翌日から数え始めて、納期限の翌日から2か月を経過する日までは低い割合、その後は高い割合なんだ(第60条第2項)。令和8年は年2.8%と年9.1%だよ。
迷いポイント 修正申告が1年以上遅れたら、その間ずっと高い割合の延滞税がかかる?
ハルカ
A社は法定申告期限から1年4か月たっています。2か月をとっくに過ぎているので、ほとんど高い割合だと思っていました。
先生
修正申告の納期限は提出の日だから、2か月の起点はそこなんだ。提出の日に納めれば、全部が低い割合で済むよ。さらに1年を超えた修正申告は、1年を経過した日の翌日から提出の日までが除かれるんだ(第61条第1項)。
ハルカ
延滞税って、借りたDVDを返し忘れたときの延滞料みたいに、一日ごとに増えるんですね。
先生
日数で増えるところは同じだよ。違うのは、2か月を過ぎると1日あたりの割合が3倍以上になることなんだ。A社が77,000円で済んだのは、提出の日に納めて、120日が除かれたからだよ。
💡 そうだったのか!
延滞税は法定納期限の翌日から数え、納期限の翌日から2か月までは低い割合(令和8年2.8%)。修正申告は提出の日が納期限なので、その日に納めれば低い割合だけ。1年を超えた修正申告は期間の一部が除かれます(第61条第1項)。
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  1. 全体像タブの「納付」の図で、「後から修正申告した」を押す

👀 帯の目盛りが「法定納期限 → 修正申告の提出日(納期限)→ 納期限から2か月」に変わり、下の説明に「提出日に納めれば、延滞税はすべて低い割合で済みます」と表示されます。

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📗 全体像 5 ラボの図
同じ300万円の申告漏れでも、加算税が0円の人と30万円の人がいます。違いはどこでしょう?
過少申告加算税(調査で指摘)10%(50万円超などの部分は15%)過少申告加算税(調査通知後・予知前)5%(同 10%)過少申告加算税(調査通知前の自主修正)0%無申告加算税(調査で指摘)15%・20%・30%(300万円超部分)無申告加算税(調査通知前の自主申告)5%不納付加算税(告知・指摘)10%(告知前の自主納付は5%)重加算税(過少・不納付に代えて)35%重加算税(無申告に代えて)40%加算税の割合:調査の通知の前か後か、指摘を予知した後かで変わる(第65条〜第68条)
過少申告加算税 10%期限内申告の後に修正申告・更正があったとき、増えた税額の10%です(第65条第1項)。増えた税額のうち、期限内申告税額と50万円のいずれか多い金額を超える部分には5%が上乗せされます(第65条第2項)。
国税通則法第65条第1項 国税通則法第65条第2項
全体像 5

④ 附帯税 ── 加算税の割合を並べる

📍 ラボの場所:全体像タブ 5
ハルカ
棒が8本並んでいます。いちばん長いのが重加算税の40%で、短いのは0%…。同じ「申告漏れ」なのに、こんなに差があるんですか。
先生
加算税の割合は、どの義務に違反したかと、調査の通知・指摘の予知の前か後かで決まるんだ。過少申告なら、通知の前に自分で直せば0%、通知の後で予知の前なら5%、調査で指摘されたら10%だよ(第65条)。
迷いポイント 加算税は、修正申告をしたら必ずかかる罰金?
ハルカ
印紙税法ラボで、印紙の貼り忘れの過怠税は3倍、調査の前に自分から申し出れば1.1倍と習いました。加算税も同じ形ですか。
先生
よく覚えていたね。考え方は同じで、自分から直すほど軽くなるんだ。過少申告加算税は、調査の通知の前の自主的な修正申告なら0%だよ(第65条第6項)。
ハルカ
0%と10%の差…。今すぐ会社に戻って、過去5年分の申告書を全部見直したくなりました。土日も返上です。
先生
気持ちはうれしいけれど、休みはちゃんと取ろうか。まずは「調査の通知を受けた日」を記録しておくことが、割合の判断の出発点になるよ。
💡 そうだったのか!
加算税は過少申告・無申告・不納付・重加算税の4種類(第65条〜第68条)。割合は調査の通知・予知の前か後かで変わり、通知の前の自主的な修正申告なら過少申告加算税は0%です。
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  1. 全体像タブの「加算税の割合」の図で、3本目の「過少申告加算税(調査通知前の自主修正)0%」の棒を押す

👀 下の説明が「過少申告加算税なし」に変わり、「調査の通知の前に、自分で誤りに気づいて修正申告をすれば、過少申告加算税は課されません(第65条第6項)。延滞税はかかります」と表示されます。

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📗 全体像 6 ラボの図
処分更正・決定・差押えなど第24条再調査の請求処分をした税務署長へ(選べる)第75条第1項審査請求国税不服審判所長へ第75条第1項訴訟裁決を経てから第115条
不服申立て:再調査の請求か審査請求を選ぶ(第75条)税務署長の処分に不服があれば、処分の通知を受けた日の翌日から3か月以内に、税務署長への再調査の請求か、国税不服審判所長への審査請求を選んでします(第75条第1項・第77条第1項)。再調査の請求をした場合、その決定の後1か月以内なら審査請求ができます(第77条第2項)。訴訟は原則として審査請求の裁決を経た後です(第115条第1項)。
国税通則法第75条第1項 国税通則法第77条第1項 国税通則法第77条第2項 国税通則法第115条第1項
全体像 6

⑤ 救済 ── 期間の制限・調査の手続・不服申立て

📍 ラボの場所:全体像タブ 6
ハルカ
処分 → 再調査の請求か審査請求 → 訴訟。税務署の処分に納得できないときの道筋ですね。
先生
そう。処分の通知を受けた日の翌日から3か月以内に、処分をした税務署長への再調査の請求か、国税不服審判所長への審査請求を選ぶんだ(第75条第1項・第77条第1項)。訴訟は原則として審査請求の裁決の後だよ(第115条第1項)。
迷いポイント 「再調査の請求」をすると、会社にもう一度調査に来られる?
ハルカ
「再調査」という名前なので、調査をもう一回されるのかと身構えました。せっかく終わったのに、また来てくださいとお願いする手続なんですか。
先生
名前で身構えるよね。処分をした税務署長に、処分の見直しを求める手続なんだ。国税不服審判所への審査請求と違って、処分をした役所自身が見直すところが特徴だよ。
ハルカ
期間の制限のボタンもあります。税務署はいつまで直しに来られるんですか。
先生
更正・決定は法定申告期限から5年、偽りその他不正の行為があれば7年だよ(第70条)。納税者の更正の請求も5年だから、どちらも5年が基本なんだ。
💡 そうだったのか!
処分に不服があれば、通知の翌日から3か月以内に再調査の請求か審査請求を選べます(第75条・第77条)。税務署の更正・決定は原則5年(不正は7年。第70条)、更正の請求も5年です。
🗺 条文から ラボの図
22件
手続・期間長さ起算点・ポイント条文
期間の計算初日不算入期間の初日は数えない。月・年は暦に従う第10条第1項
期限が休日翌日日曜・祝日・土曜日などに当たれば翌日第10条第2項
災害による期限の延長理由がやんだ日から2か月以内国税庁長官・税務署長などが延長第11条
更正の請求法定申告期限から5年法人税の欠損金(純損失等)は10年第23条第1項
後発的な理由の更正の請求理由が生じた日の翌日から2か月以内判決・他の者の更正など第23条第2項
修正申告の納期限提出の日期限後申告も同じ第35条第2項
更正・決定の納期限通知書を発した日から1か月第35条第2項
督促状納期限から50日以内に発する第37条第2項
納税の猶予(災害など)1年以内(延長して最長2年)第46条
猶予の担保が要らない場合猶予税額100万円以下・期間3か月以内など第46条第5項
延滞税の低い割合納期限の翌日から2か月を経過する日まで令和8年は年2.8%(原則7.3%)第60条第2項
延滞税の計算期間の特例法定申告期限から1年期限内申告後1年を経過した修正・更正は、その後の期間を除く第61条第1項
期限後申告で無申告加算税なし法定申告期限から1か月以内期限内に申告する意思があったと認められる場合第66条第9項
源泉の不納付加算税なし法定納期限から1か月以内納付する意思があったと認められる場合第67条第3項
更正・決定の期間制限法定申告期限から5年偽りその他不正の行為は7年第70条第1項・第5項
法人税の欠損金の更正法定申告期限から10年第70条第2項
徴収権の消滅時効法定納期限から5年第72条第1項
還付金等の請求権の時効請求できる日から5年第74条第1項
再調査の請求・審査請求処分の通知を受けた日の翌日から3か月以内第77条第1項
再調査決定後の審査請求決定書謄本の送達の翌日から1か月以内第77条第2項
不服申立ての最終期限処分があった日の翌日から1年正当な理由があれば例外第77条第3項
審査請求後に訴訟できる審査請求から3か月を経過しても裁決がない第115条第1項
条文から

期間・期限の早見表

📍 ラボの場所:条文からタブ
ハルカ
表に22件の期間が並んでいます。初日不算入、休日なら翌日、5年、3か月、2か月…。国税通則法は「期間」の法律でもあるんですね。
先生
そう。期限を数え間違えると、加算税や不服申立てに直結するからね。まず期間の初日は数えないこと、期限が土日祝日なら翌日になることを押さえようか(第10条)。
迷いポイント 「5年」と書いてあるものは、全部同じ日から数える?
ハルカ
更正の請求も、税務署の更正も、徴収権の時効も、みんな5年です。同じ5年なら、同じ日から数えれば済みますよね。
先生
長さは同じでも、起算点が違うんだ。更正の請求と税務署の更正は法定申告期限から、徴収権の時効は法定納期限から、還付金の請求権は請求できる日から5年だよ。
ハルカ
法人税なら法定申告期限と法定納期限は同じ日ですが、還付金は別の日から、なんですね。
先生
そう。だから期限を確かめるときは、長さより先に「何の日から」を表で引く習慣をつけるといいよ。
💡 そうだったのか!
期間は初日不算入、期限が休日なら翌日(第10条)。同じ「5年」でも、更正の請求・更正は法定申告期限から、徴収権は法定納期限から、還付金は請求できる日から。起算点を表で確かめます。
⏱ 30秒だけラボで試す
  1. 条文からタブの「期間・期限の早見表」の検索欄に「5年」と入れる

👀 件数が「4件」になり、更正の請求(法定申告期限から5年)・更正・決定の期間制限(法定申告期限から5年、不正は7年)・徴収権の消滅時効(法定納期限から5年)・還付金等の請求権の時効(請求できる日から5年)の4行が残ります。

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この記事の図は、すべて国税通則法ラボの画面そのものです。全体像タブを開けば、同じ図を見ながら読み返せます。

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今日のまとめ ── 迷いポイント早見表

迷いポイント答えラボ
国税通則法は、税理士や税務署の人だけが読む法律?すべての国税に共通する手続のルール。誤りの直し方と加算税の割合を決めていて、経理の「気づいた後の動き方」を左右する全体像 冒頭
税額は、申告書を出した時に生まれる?納税義務は税目ごとの時に法律上当然に成立し(第15条)、申告や処分で金額が確定する(第16条)全体像1
源泉所得税は申告書がないのに、税額はいつ決まる?支払の時に成立と同時に確定する自動確定(第15条第3項)。印紙税・延滞税も同じ仲間全体像2
税額が多すぎたときも、修正申告で減らせばよい?自分で減らす申告はできない。法定申告期限から5年以内に更正の請求をし、税務署長の減額の更正を受ける(第23条)全体像3
修正申告が1年以上遅れたら、ずっと高い割合の延滞税?修正申告は提出の日が納期限。その日に納めれば低い割合だけで、1年を超えた分は期間が除かれる(第35条・第60条・第61条)全体像4
加算税は、修正申告をしたら必ずかかる罰金?調査の通知の前の自主的な修正申告なら過少申告加算税は0%(第65条第6項)。通知後・予知前は5%、指摘後は10%全体像5
「再調査の請求」をすると、もう一度調査に来られる?処分をした税務署長に見直しを求める手続。審査請求とどちらかを3か月以内に選ぶ(第75条・第77条)全体像6
「5年」なら全部同じ日から数える?起算点が違う。更正の請求・更正は法定申告期限、徴収権は法定納期限、還付金は請求できる日から条文から
おわりに

今日のふりかえり

先生
今日のまとめだよ。国税通則法は、成立と確定、修正申告と更正の請求、納期限と延滞税、加算税、期間の制限と不服申立てを決める手続の法律なんだ。加算税は調査の通知の前か後かで0%から10%に変わるよ。
ハルカ
前は、修正申告は「税金が増えて罰金もかかる、つらい書類」だと思っていました。今日は、自分で早く気づいて直すことが、いちばん負担を小さくする方法だと分かりました。
先生
いい整理だね。一つだけ補足すると、加算税が0%でも延滞税はかかるんだ。だから気づいたら、提出の日に納めるところまでが一続きだよ。
ハルカ
分かりました。修正申告書と納付書は、ホチキスで留めて一緒に持ち歩くことにします。
先生
それなら納め忘れはないね。次の応用編では、納税者の立場ごとの違い、延滞税・加算税の経理と別表四、加算税の6つの場面、税務調査の手続を見ていこうか。

参考資料

国税通則法(昭和37年法律第66号。e-Gov法令検索、令和8年6月24日施行の版)本則、国税通則法施行令・施行規則、租税特別措置法第94条(延滞税の割合の特例)、法人税法・所得税法・消費税法・相続税法(使う条)、国税庁タックスアンサー No.9205(延滞税について)。法令の確認日:2026年10月18日。ラボと記事の設例の会社・人物・金額はすべて架空です(単位:円)。条番号・条見出しは、ラボ本体で e-Gov 法令検索の原文と照合しています。

シリーズ:基礎編/応用編 / 関連:印紙税法ラボ【応用編】(作成者の立場・経理処理・所属の決定・過怠税と手続)/別表五(二)ラボ【応用編】(修正申告・附帯税・源泉所得税)/法人税法ラボ【応用編】(会計との違い・別表・手続の期限・グループと国際)

関連ツール:加算税・延滞税等の税務ペナルティのざっくり計算/別表五(二)ラボ/別表四・別表五(一)ラボ/査察告発リスクマップ/公表裁決・判例の統合検索

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この記事を書いた人

TaxJudge編集部|公認会計士・税理士(実務25年)による企画・監修。会計基準・税法・裁決・有価証券報告書などの一次情報をもとに、検索できるデータベースと計算・判定・文書作成ツールを制作しています。