MENU

地方税法ラボ【応用編】|図で学ぶ外形標準課税の判定・事業税の経理・所得割の税率・申告の期限

地方税法ラボ【応用編】|図で学ぶ外形標準課税の判定・事業税の経理・所得割の税率・申告の期限

無料の学習ツール「地方税法ラボ(法人の申告)」の読み方ガイドです。ラボの「法人の立場から」「経理処理から」「様式から」「手続・期限から」「テーマから」「設例・試算」の各タブから、実務で迷いやすい論点を選んで、先生と生徒の会話形式で見ていきます。全体像タブの内容は基礎編で扱っています。登場する人物と設例の数値はすべて架空の例です。解説は公認会計士・税理士が監修しています。各行の図はラボの図そのものです(記事内の図は表示用で、ボタンやクリックの操作はできません。操作は各節の「ラボで開く」「ラボを開く」からラボ本体で試せます)。重要な節の最後には、ラボで30秒だけ手を動かす小さな実習を置いています。

今日の事例
13.3万24.6万9.1万A社所得 600万円80.1万189.2万70万B社所得 3,000万円215.4万730万260万C社所得 1億円紺=法人住民税/青=事業税/紫=特別法人事業税(円)
はじめに

今日の題材 ── 3社の住民税・事業税・特別法人事業税

📍 ラボの場所:設例・試算タブ「3社を並べる」
ハルカ
基礎編ではA社だけでした。図には、2つの県に事業所があるB社と、資本金3億円のC社も並んでいますね。
先生
そう。C社は外形標準課税で、付加価値割480万円・資本割150万円が所得割より大きいんだ。特別法人事業税も所得割額の260%で260万円になっているよ。
ハルカ
資本金が1億円を超えるかどうかで、事業税の形がまるで違います。
先生
そう。今日はラボの「法人の立場から」「経理処理から」「テーマから」などのタブを使って、外形標準課税の判定、事業税と住民税の経理、所得割の税率の場面、申告の期限と償却資産を見ていこうか。
ラボの設例・試算タブで、3社を並べて見られますラボで開く ▶
👤 法人の立場 1 ラボの図
超える1億円以下はいいいえはいいいえその法人の事業税は外形標準課税?資本金の額が1億円を超える?外形標準課税付加価値割・資本割・所得割前事業年度は外形標準課税で払込資本10億円超?外形標準課税(減資への対応)払込資本50億円超の法人の完全子法人(払込資本2億円超)?外形標準課税(令和6年改正の子法人)所得割だけ(3.5%〜7.0%)公益法人等・特別法人などは所得割だけ
前期は資本金3億円で外形標準課税。当期に資本金5,000万円へ減資(払込資本12億円)令和7年4月1日以後に開始する事業年度からは、前事業年度に外形標準課税の対象だった法人は、資本金が1億円以下になっても払込資本の額が10億円を超えていれば引き続き対象です(地方税法附則第8条の3の3)。
地方税法附則第8条の3の3 地方税法第72条の2第1項第1号
法人の立場 1

外形標準課税の対象になるか ── 判定フロー

📍 ラボの場所:法人の立場からタブ 1
ハルカ
判定フローの最初の分かれ目は「資本金の額が1億円を超える?」です。超えれば外形標準課税ですね。
先生
そう。資本金1億円超の普通法人は外形標準課税だよ(第72条の2第1項第1号イ)。1億円以下でも、払込資本50億円超の法人の完全子法人で払込資本2億円超なら対象なんだ(令和6年の改正)。
迷いポイント 資本金を1億円以下に減資すれば、外形標準課税から外れる?
ハルカ
図の「減資した会社」は、資本金3億円から5,000万円に減資しています。1億円以下になったので、所得割だけに戻れますよね。
先生
それが、そうではないんだ。前事業年度に外形標準課税の対象だった法人は、資本金が1億円以下になっても、払込資本の額が10億円を超えていれば引き続き対象だよ(地方税法附則第8条の3の3)。令和7年4月1日以後に開始する事業年度からなんだ。
ハルカ
引っ越したのに、前の住所あての郵便がずっと転送されてくるみたいです。
先生
転送の条件は「前期に対象だったこと」と「払込資本10億円超」の2つだよ。資本金だけを見て判定すると、ここで誤るんだ。
💡 そうだったのか!
外形標準課税は資本金1億円超のほか、大法人の完全子法人(払込資本2億円超)と、前期に対象だった法人で払込資本10億円超(減資への対応。地方税法附則第8条の3の3)も対象です。
⏱ 30秒だけラボで試す
  1. 設例・試算タブの試算で「A社(1か所)」を選び、資本金の額を50,000,000、払込資本の額を1,200,000,000にして、「前事業年度は外形標準課税の対象だった」にチェックする

👀 事業税が「事業税(外形標準課税)110,000」に、特別法人事業税が「(260%)156,000」に変わります(チェック前は事業税246,000・特別法人事業税91,000)。注意の欄に「地方税法附則第8条の3の3」による判定であることが表示されます。

ラボを開く ▶
🔁 経理処理から ラボの画面
加算法人税の所得が増える(別表四で足す)減算所得が減る赤字=損金不算入緑字=損金になる社外流出/留保=別表四の区分(小さい文字)=根拠
論点📒 経理(帳簿)🧾 地方税法📝 法人税での扱い(別表四)
法人住民税(法人税割)住民税
  • 「法人税、住民税及び事業税」で費用処理する
  • 中間納付は仮払税金
法人税額を課税標準として計算する(第23条第1項第3号・第51条)
法人税と同じく損金不算入(法人税法第38条第2項第2号)。中間納付を費用(損金経理)にしたら、その期の別表四で「損金経理をした道府県民税及び市町村民税」として加算留保。期末に未払計上(納税充当金)したら「損金経理をした納税充当金」として加算留保。前期末の納税充当金を取り崩して納付した期は、別表四の調整はなく、別表五(一)・五(二)で処理する。
法人住民税(均等割)住民税「法人税、住民税及び事業税」または租税公課で費用処理する資本金等の額・従業者数による定額(第52条・第312条)
損金不算入なので加算(法人税法第38条第2項第2号)。
法人事業税(所得割)事業税「法人税、住民税及び事業税」で費用処理し、未払分は未払法人税等に計上する
  • 所得を課税標準とする(第72条の12第3号)
  • 申告は事業年度終了の日から2か月以内(第72条の25)
原則として申告した事業年度の損金になる(直前事業年度分は、当期末までに申告等がなくても当期の損金にできる場合がある:法人税基本通達9-5-2)。期末の未払計上分は「損金経理をした納税充当金」として加算留保、翌期に申告して納税充当金から納付したときに「納税充当金から支出した事業税等の金額」として減算留保。
特別法人事業税事業税事業税と同じく「法人税、住民税及び事業税」で処理する
  • 事業税の所得割額に37%などを掛けた国税(特別法人事業税法第7条)
  • 事業税と一緒に申告納付(同法第9条・第10条)
事業税と同じく、原則として申告した期の損金になる。
外形標準課税(付加価値割・資本割)事業税販売費及び一般管理費の租税公課で処理する(所得に応じた税ではないため)付加価値額×1.2%、資本金等の額×0.5%(第72条の24の7第1項第1号)
原則として申告した期の損金になる。未払計上分は加算・翌期減算。
償却資産の固定資産税その他租税公課で費用処理する
  • 1月1日の所有者に、価格×1.4%(第343条・第350条)
  • 納税通知書で納める(第364条)
納税通知書を受けた期(または納期の到来した期)の損金になる。
地方税の延滞金その他租税公課で費用処理する納期限後に納めたときにかかる
延滞金は損金不算入。ただし申告期限の延長による延滞金は損金になる(法人税法第55条第4項第2号)。
地方法人税住民税法人税と一緒に「法人税、住民税及び事業税」で処理する法人税額×10.3%の国税(地方法人税法第10条)
損金不算入なので加算(法人税法第38条第1項)。
経理処理から

論点ごとの「経理/地方税法/法人税」

📍 ラボの場所:経理処理からタブ
ハルカ
表の法人税の列が、赤字の「損金不算入」と緑字の「損金」に分かれています。地方税でも扱いがばらばらなんですね。
先生
そう。法人住民税(法人税割・均等割)は損金不算入(法人税法第38条第2項第2号)、事業税・特別法人事業税は原則として申告した期の損金、外形標準課税の付加価値割・資本割は販管費の租税公課で損金だよ。
迷いポイント 損益計算書の「法人税、住民税及び事業税」は、まとめて加算すれば終わり?
ハルカ
法人税法ラボで、「法人税等」はまとめて加算せずに税目ごとに見る、と習いました。地方税の中でも分けるんですね。
先生
よく覚えていたね。住民税は加算、事業税は申告した期の損金、地方法人税は法人税と同じく損金不算入なんだ。同じ「法人税、住民税及び事業税」の行の中で、扱いが分かれるよ。
ハルカ
住民税は払っても損金にならない…。せっかく払ったのに、レシートをもらえない買い物みたいで寂しいです。
先生
法人税と同じ性格の税だからね。地方税の延滞金も原則は損金不算入だけれど、申告期限の延長による延滞金は損金になるんだ(法人税法第55条第4項第2号)。
💡 そうだったのか!
法人住民税は損金不算入、事業税・特別法人事業税は原則として申告した期の損金、付加価値割・資本割は租税公課で損金。地方税の延滞金は原則損金不算入で、延長による延滞金は損金です(法人税法第55条第4項第2号)。
🔁 経理処理 A2 ラボの図
当期末事業税を未払計上—当期の別表四納税充当金の繰入額を加算(留保)—翌期の申告事業税の申告・納付第72条の25翌期の別表四納税充当金から支出した事業税を減算(留保)—
事業税は原則「申告した期」の損金事業税・特別法人事業税は、原則として申告書を提出した事業年度の損金になります(直前事業年度分は、当期末までに申告等がなくても当期の損金にできる場合があります:法人税基本通達9-5-2)。期末に未払計上(納税充当金)して費用にしても、その期は「損金経理をした納税充当金」として加算し、翌期に申告して納税充当金から納めたときに「納税充当金から支出した事業税等の金額」として減算します。法人住民税(法人税割・均等割)はいつまでも損金になりません。
経理処理 A2

事業税と住民税の損金の時期

📍 ラボの場所:経理処理からタブ A2
ハルカ
当期末に事業税を未払計上 → 当期の別表四で加算 → 翌期に申告・納付 → 翌期の別表四で減算。事業税の流れです。
先生
そう。事業税は原則として申告書を提出した事業年度の損金なんだ。期末に未払計上(納税充当金)して費用にしても、その期は加算(留保)、翌期に納税充当金から納めた時に減算(留保)するよ。
迷いポイント 事業税は、費用に計上した期の損金になる?
ハルカ
会計では当期の費用にしているので、法人税でも当期の損金だと思っていました。
先生
会計と法人税で1期ずれるんだ。当期の所得に対する事業税は、翌期に申告して初めて損金になるよ。だから別表四で「当期は加算、翌期は減算」と動くんだ。
ハルカ
前期分の事業税を、当期の終わりまでに申告していないこともありそうです。そのときは当期の損金にできないんですか。
先生
実務上の補足だよ。直前の事業年度分の事業税・特別法人事業税は、当期末までに申告等がなくても、当期の損金にできる場合があるんだ(法人税基本通達9-5-2、タックスアンサーNo.5300)。
ハルカ
住民税のボタンを押すと、加算だけで減算がありません。
先生
住民税はいつまでも損金にならないから、減算の出番がないんだ。事業税と住民税を同じ流れで処理しないことが大事だよ。
💡 そうだったのか!
事業税・特別法人事業税は原則として申告した期の損金:当期の未払計上分は「損金経理をした納税充当金」で加算(留保)、翌期に納税充当金から納めたら減算(留保)。法人住民税はいつまでも損金不算入です。
🔁 経理処理 A1 ラボの図
所得 300万円事業税 105,000+特別 38,800所得 600万円事業税 246,000+特別 91,000所得 1,000万円事業税 492,000+特別 182,000所得 3,000万円事業税 1,892,000+特別 700,000所得 1億円事業税 6,792,000+特別 2,513,000資本金1,000万円・1県のみの法人の所得割と特別法人事業税(標準税率)
所得 300万円:事業税 105,000円+特別法人事業税 38,800円所得に対する割合は約4.79%です。所得のうち400万円以下は3.5%、800万円以下は5.3%、それを超える部分は7.0%で、特別法人事業税は所得割額の37%です(第72条の24の7第1項第3号・特別法人事業税法第7条第3号)。
地方税法第72条の24の7第1項第3号 特別法人事業税法第7条
経理処理 A1

所得と事業税・特別法人事業税

📍 ラボの場所:経理処理からタブ A1
ハルカ
所得300万円で事業税105,000円、600万円で246,000円、3,000万円で1,892,000円…。所得に対する割合が、所得が増えるほど上がっています。
先生
そう。段階税率だからね。所得300万円なら全部3.5%の部分だけれど、3,000万円になると7.0%の部分が大きくなるんだ。特別法人事業税は、いつも所得割額の37%だよ(特別法人事業税法第7条第3号)。
迷いポイント 特別法人事業税は、事業税とは別に税務署へ申告する?
ハルカ
名前に「特別」と付いていて国税なので、税務署に別の申告書を出すんだと思っていました。
先生
国税だけれど、事業税と一緒に都道府県へ申告納付するんだ(同法第9条・第10条)。法人税の扱いも事業税と同じく、申告した期の損金だよ。
ハルカ
所得1億円だと、事業税679万円と特別法人事業税251万円。2つ合わせると、新入社員を一人採用できそうな金額です。
先生
人件費と比べたくなる気持ちは分かるよ。だからこそ所得の見込みが出たら、事業税と特別法人事業税も含めて納税資金を準備しておこうか。
💡 そうだったのか!
特別法人事業税は所得割額×37%(外形の法人は260%)の国税で、事業税と一緒に都道府県へ申告納付します。法人税では事業税と同じく原則として申告した期の損金です。
⏱ 30秒だけラボで試す
  1. 経理処理からタブの「所得と事業税」の図で、「所得 3,000万円」の棒を押す

👀 下の説明が「所得 3,000万円:事業税 1,892,000円+特別法人事業税 700,000円」に変わり、所得に対する割合が約8.64%と表示されます。所得300万円のとき(約4.79%)の2倍近くになることが分かります。

ラボを開く ▶
🧩 テーマ 1 ラボの図
資本金1,000万円・1県のみ・所得600万円▼所得割 3.5%+5.3%資本金5,000万円・3県に事業所・所得600万円▼所得割 7.0%一律資本金900万円・3県に事業所▼所得割 3.5%〜資本金3億円・赤字▼付加価値割・資本割事業年度6か月・所得300万円▼400万円→200万円協同組合(特別法人)▼4.9%
資本金1,000万円・1県のみ・所得600万円 → 所得割 3.5%+5.3%所得のうち400万円以下に3.5%、400万円超800万円以下に5.3%(第72条の24の7第1項第3号)。
地方税法第72条の24の7第1項第3号
テーマ 1

所得割の税率はどれ? ── 例で見る6つの場面

📍 ラボの場所:テーマからタブ 1
ハルカ
6枚のカードです。1県のみで3.5%+5.3%、3県で7.0%一律、資本金900万円なら3県でも軽減、資本金3億円の赤字、事業年度6か月、協同組合。
先生
そう。所得割の税率の区分は、資本金・事業所のある都道府県の数・事業年度の長さで変わるんだ。
迷いポイント 事業年度が6か月でも、400万円・800万円の区分はそのまま?
ハルカ
設立1期目で事業年度が6か月の会社でも、所得400万円までは3.5%ですよね。
先生
事業年度が1年未満なら、区分の金額を月割するんだ(第72条の24の7第6項)。6か月なら400万円が200万円、800万円が400万円になるよ。
ハルカ
区分の金額も、事業年度の長さに合わせて縮むんですね。
先生
そう。均等割も事務所を持っていた月数で月割するから、短い事業年度では「月割」を2か所で確かめると覚えておこうか。
💡 そうだったのか!
所得割の区分は資本金・都道府県の数・事業年度の長さで変わります。3県以上・資本金1,000万円以上は7.0%一律(第72条の24の7第5項)、1年未満の事業年度は区分の金額を月割(同条第6項)です。
⏱ 30秒だけラボで試す
  1. テーマからタブの「所得割の税率はどれ?」の図で、5枚目の「事業年度6か月・所得300万円」を押す
  2. 同じ図で2枚目の「資本金5,000万円・3県に事業所・所得600万円」を押す

👀 1つ目は「400万円→200万円」と「事業年度が1年未満なら、軽減税率の区分の金額を月割します(第72条の24の7第6項)」、2つ目は「所得割 7.0%一律」と「軽減税率は使えず7.0%一律です(第72条の24の7第5項)」と表示されます。

ラボを開く ▶
⏱ 手続・期限 1 ラボの図
1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月翌1月翌2月翌3月1月31日:償却資産の申告5月31日:住民税・事業税の確定申告4月:固定資産税(第1期)11月30日:中間申告(要件に当たる法人)
3月決算の法人:地方税の1年3月決算の法人は、5月31日までに住民税・事業税・特別法人事業税の確定申告と納付をします(第53条・第72条の25)。中間申告が必要な法人は11月30日までに中間申告をします(第72条の26)。事業年度が6か月を超える法人は中間申告が原則ですが、所得割だけの法人で法人税の中間申告が要らない法人(前期実績による予定額が10万円以下など)は、事業税の中間申告も要りません(第72条の26第8項)。償却資産は事業年度と関係なく1月31日が申告期限です(第383条)。
手続・期限 1

1年のカレンダー ── 3月決算と12月決算

📍 ラボの場所:手続・期限からタブ 1
ハルカ
3月決算の法人は、1月31日に償却資産の申告、5月31日に住民税・事業税の確定申告、11月30日に中間申告です。
先生
そう。償却資産だけは事業年度と関係なく1月1日現在の資産を1月31日までに申告するんだ(第383条)。12月決算の法人は、2月末の確定申告と時期が近くなるよ。
迷いポイント 事業税の申告期限を延長したら、延長期間の延滞金はかからない?
ハルカ
総会が6月なので、事業税も延長の承認を受けています。延長してもらったのなら、延滞金の心配はないですよね。
先生
延長期間の分には延滞金がかかるんだ(第72条の45の2第1項)。国税の利子税と同じ考え方で、当初の期限までに見込額を納めることが多いよ。その延長期間の延滞金は損金になるんだ。
ハルカ
延長は申告書のための時間で、お金は先に、ですね。
先生
そう。それと中間申告は、所得割だけの法人で法人税の中間申告が要らない法人なら不要だから、11月の欄はすべての法人に当てはまるわけではないよ(第72条の26第8項)。
💡 そうだったのか!
償却資産は1月1日現在の資産を1月31日までに申告(第383条)。事業税の申告期限を延長すると延長期間に延滞金(第72条の45の2)がかかるので、見込額を先に納めるのが実務の動きです。
🧮 設例・試算 ラボの画面
5 / 5
1償却資産
対象になる資産
土地・家屋以外の事業用資産で、減価償却費が損金になるものが償却資産です(第341条第4号)。自動車税・軽自動車税の対象の車両、一定の少額資産、ソフトウェアなどの無形固定資産は除かれます。
2賦課期日
1月1日に所有
固定資産税の賦課期日は1月1日で(第359条)、その日に所有している人が納税義務者です(第343条第1項)。1月2日に買った資産は翌年度からです。
3申告
1月31日までに申告
所在・種類・数量・取得時期・取得価額・耐用年数などを、1月31日までに所在地の市町村長に申告します(第383条)。
4×1.4%
価格と税額
市町村が取得価額と耐用年数から価格を決め、課税標準とします(第349条の2)。税率は標準1.4%(第350条)、課税標準が150万円未満なら課されません(第351条)。
5普通徴収
納付
市町村が税額を計算し、納税通知書で知らせます(普通徴収、第364条第1項)。納期は4月・7月・12月・2月中の条例で定める日です(第362条第1項)。
設例・試算

償却資産の申告と固定資産税

📍 ラボの場所:設例・試算タブ「償却資産の申告と固定資産税」
ハルカ
A社が店舗の内装工事と器具備品を取得して、令和9年1月1日現在で1,200万円の償却資産を持っています。5つのステップです。
先生
償却資産は、土地・家屋以外の事業用資産で、減価償却費が損金になるものだよ(第341条第4号)。自動車税の対象の車両や、ソフトウェアなどの無形固定資産は除かれるんだ。
迷いポイント 12月に買った資産は、使った日数が短いから翌年度から?
ハルカ
12月20日に買った器具は、まだ10日しか使っていません。来年度からの課税ですよね。
先生
賦課期日は1月1日だから、その日に持っていれば課税されるんだ(第359条・第343条第1項)。逆に1月2日に買った資産は翌年度からだよ。使った日数ではなく、1月1日に持っているかで決まるんだ。
ハルカ
お正月の朝に、会社の持ち物検査があるみたいですね。おせちより先に器具備品を数えないといけません。
先生
数えるのは年明けの申告のときで大丈夫だよ。税額は市町村が計算して納税通知書で知らせるし、課税標準が150万円未満なら課されないんだ(第351条)。
💡 そうだったのか!
償却資産の固定資産税は1月1日に所有しているかで決まり(第359条)、1月31日までに申告(第383条)。市町村が税額を決めて通知する普通徴収で、標準税率1.4%、課税標準150万円未満は課されません(第350条・第351条)。
⏱ 30秒だけラボで試す
  1. 設例・試算タブのプルダウンで「償却資産の申告と固定資産税」を選び、「全部表示」を押す

👀 5つのステップがすべて開き、2番目の「1月1日に所有」に「1月2日に買った資産は翌年度からです」、4番目の「価格と税額」に「税率は標準1.4%(第350条)、課税標準が150万円未満なら課されません(第351条)」と表示されます。

ラボを開く ▶

今日の内容を、ラボで確かめてみませんか?

この記事の図は、すべて地方税法ラボ(法人の申告)の画面そのものです。各タブを開けば、同じ図を見ながら読み返せます。

地方税法ラボ(法人の申告)を開く ▶
📝 地方税法ラボ【基礎編】(法人の住民税・事業税・5段の流れ・標準税率・分割基準)基礎編を読む ▶
📓 ハルカの学習ノートで、この章を見る学習ノートへ ▶

今日のまとめ ── 迷いポイント早見表

迷いポイント答えラボ
資本金を1億円以下に減資すれば、外形標準課税から外れる?前期に対象で払込資本10億円超なら引き続き対象(地方税法附則第8条の3の3)。完全子法人の判定もある法人の立場1
「法人税、住民税及び事業税」はまとめて加算すれば終わり?住民税は損金不算入、事業税・特別法人事業税は原則として申告した期の損金、付加価値割・資本割は租税公課経理処理から
事業税は、費用に計上した期の損金?原則として申告した期の損金(直前期分は9-5-2の例外あり)。当期の未払計上分は加算(留保)、翌期に減算(留保)。住民税は減算なし経理処理A2
特別法人事業税は税務署へ別に申告する?国税だが事業税と一緒に都道府県へ申告納付。所得割額×37%(外形は260%)経理処理A1
事業年度6か月でも、400万円・800万円の区分はそのまま?1年未満は区分の金額を月割(第72条の24の7第6項)。3県以上・資本金1,000万円以上は7.0%一律テーマ1
事業税の申告期限を延長したら延滞金はかからない?延長期間に延滞金がかかる(第72条の45の2)。見込額を先に納める。延長による延滞金は損金手続・期限1
12月に買った資産は、翌年度から?1月1日に所有していれば課税(第359条)。1月2日以後に買った資産が翌年度から設例・試算
おわりに

今日のふりかえり

先生
今日のまとめだよ。外形標準課税は資本金だけでなく完全子法人と減資後の判定も見る。住民税は損金不算入、事業税は原則として申告した期の損金。所得割の区分は都道府県の数と事業年度の長さで変わり、償却資産は1月1日で決まるんだ。
ハルカ
基礎編では「税目ごとに物差しが違う」ことを習いましたが、今日は「判定の日」も税目ごとに違うと分かりました。事業税は事業年度の終わり、償却資産は1月1日、外形の判定は前の期まで見るんですね。
先生
大事な整理だね。日付を取り違えると、税額そのものが変わるんだ。判定の日を先に確かめる習慣は、どの税目でも役に立つよ。
ハルカ
はい。基礎編で作ると言った税率の「お品書き」に、判定の日の列も足します。メニューが一段と豪華になりました。
先生
使える一覧になりそうだね。基礎編から読み返すと、5段の流れの見え方がきっと変わるよ。

参考資料

地方税法(昭和25年法律第226号。e-Gov法令検索、令和8年10月16日施行の版)本則のうち法人の住民税・事業税・償却資産の固定資産税に関する部分と附則第8条の3の3、地方税法施行令・施行規則(使う条)、特別法人事業税及び特別法人事業譲与税に関する法律、地方法人税法・法人税法(使う条)。法令の確認日:2026年10月18日。税率は地方税法の標準税率です(実際の税率は各自治体の条例によります)。ラボと記事の設例の会社・金額はすべて架空です(単位:円)。条番号・条見出しは、ラボ本体で e-Gov 法令検索の原文と照合しています。

シリーズ:基礎編/応用編 / 関連:法人税法ラボ【応用編】(会計との違い・別表・手続の期限・グループと国際)/別表五(二)ラボ【応用編】(修正申告・附帯税・源泉所得税)/国税通則法ラボ【基礎編】(確定・申告・納付・附帯税・救済)

関連ツール:分割基準ナビβ/均等割・法人税割・事業税の従業者数はなぜ違う?/外形標準課税に関するQ&A(早見表)/別表五(二)ラボ/税効果会計ラボ

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

TaxJudge編集部|公認会計士・税理士(実務25年)による企画・監修。会計基準・税法・裁決・有価証券報告書などの一次情報をもとに、検索できるデータベースと計算・判定・文書作成ツールを制作しています。