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法定調書ラボ【設例・不動産・提出と訂正編】|先生と一緒に図で学ぶ設例4〜6 法人オーナーへの家賃・30枚の数え方・無効分と訂正分

法定調書ラボ【設例・不動産・提出と訂正編】|先生と一緒に図で学ぶ設例4〜6 法人オーナーへの家賃・30枚の数え方・無効分と訂正分

無料の学習ツール「法定調書ラボ」の読み方ガイドです。ラボの設例タブから、不動産関係の支払・電子での提出・訂正と追加の設例(設例4〜6)を1つずつ、先生と生徒の会話形式で見ていきます。登場する人物と設例の数値はすべて架空の例です。解説は公認会計士・税理士が監修しています。各行の図はラボの図そのものです(記事内の図は表示用で、ボタンやクリックの操作はできません。操作は各節の「ラボで開く」「ラボを開く」からラボ本体で試せます)。重要な節の最後には、ラボで30秒だけ手を動かす小さな実習を置いています。

今日の事例
設例・不動産・提出と訂正編で追う3つの設例(独自の数値・令和8年分)
設例4D社(法人)。個人オーナーから倉庫を年240万円、法人オーナーから事務所を年180万円で賃借。事務所の更新料22万円(税込)と、その更新をあっせんした不動産会社への手数料16.5万円(税込)
設例5E社。令和7年中に提出すべきだった枚数は、報酬の支払調書34枚、使用料の支払調書6枚。給与支払報告書は40枚で、改正前の範囲の源泉徴収票は22枚
設例6F社。未払の報酬の税額を見積りで書いた支払調書が実際と違った。講師1人分の出し忘れと、給与支払報告書1人分の誤りもある
共通の前提令和9年1月に提出。給与支払報告書は eLTAX で市区町村へ(みなし提出)
はじめに

今日の題材 ── 家賃・枚数・訂正の3社

📍 ラボの場所:設例タブ 設例4〜6
ハルカ
先生、今日の3社は支払の種類がばらばらです。家賃の会社、枚数の多い会社、出したあとで間違いに気づいた会社。
先生
そう、設例4は「相手が法人か個人か」、設例5は「どの調書を電子で出すか」、設例6は「出したあとにどう直すか」なんだ。前の設例編が「出す・出さない」なら、今日は出し方の回だよ。
ハルカ
設例6の「出したあとで誤りに気づいた」は、他人事と思えません。
先生
誰でも一度は通る場面だから、直し方を手順で覚えておこうか。設例タブを開いて、設例4から読んでいこうか。
ラボの設例タブを開きながら読むと分かりやすいですラボで開く ▶
📘 設例4 ラボの画面
支払った会社など家賃・地代など税務署出さないこの支払は出さない市区町村出さない出さない受け取った本人出さない交付の義務はない
提出しない(範囲外):不動産の使用料等の支払調書
  • 法人に払う不動産の使用料等は、賃借料(家賃・地代)は対象外で、権利金・更新料などだけが対象です。
  • 消費税等を含めた 1,800,000円 で判定しています(原則)。
提出期限—
電子で出す義務なし
合計表この調書の分はなし
支払った会社など家賃・地代など税務署支払調書+合計表市区町村出さない出さない受け取った本人出さない交付の義務はない
提出する:不動産の使用料等の支払調書
  • 同じ相手への年間の支払が 150,000円 を超えるので、提出範囲に入ります。
  • 消費税等を含めた 220,000円 で判定しています(原則)。
  • 法人への権利金・更新料等なので対象です。
提出期限令和9年2月1日(月)
電子で出す義務なし
合計表添えて出す
設例4

事務所の家賃・更新料・仲介手数料 ── 法人オーナーには家賃は出さず、更新料は出す

📍 ラボの場所:設例タブ 設例4 ステップ3・4
ハルカ
D社は法人なので、不動産の調書を出す側です。個人オーナーへの倉庫の家賃240万円は「提出する」。法人オーナーへの事務所の家賃180万円は「提出しない(範囲外)」と出ています。
先生
そう、法人に払う使用料のうち、家賃・地代の賃借料は対象外なんだ。180万円でも出さない。同じ法人オーナーでも、権利金・更新料・承諾料などを払えば対象になるよ。
迷いポイント 法人オーナーへの家賃180万円は出さないのに、更新料22万円は出す?
ハルカ
金額の大きい家賃を出さなくてよいのに、小さい更新料は出すのが、逆のように感じました。
先生
金額の大小ではなく、支払の中身で決まるんだ。更新料は権利金と同じ仲間で、法人への支払でも年15万円を超えれば出す。22万円は超えるから「提出する」だよ。
ハルカ
更新をあっせんした不動産会社への手数料16.5万円は、あっせん手数料の支払調書。でも「使用料等の支払調書の『あっせんをした者』欄に書けば省略できる」とあります。
先生
そう、更新料について出す使用料等の支払調書の「あっせんをした者」欄に、この更新のあっせんについて不動産会社の名前や手数料などの必要事項を書けば、あっせん手数料の調書は1枚減らせるんだ。
ハルカ
家賃は出さず、更新料は出し、手数料は欄に書けば省略。一つの事務所の契約の中に、3通りの答えが同居していました。
先生
同居しているから、契約書を「家賃」「更新料」「手数料」の3行に分けて台帳に写しておくといいよ。行ごとに判定すれば迷わないんだ。
💡 そうだったのか!
法人オーナーへの家賃・地代は対象外、更新料・権利金は15万円超で対象。あっせん手数料は、そのあっせんに係る使用料等の調書の「あっせんをした者」欄に必要事項を書けば省略できます。
⏱ 30秒だけラボで試す
  1. リンク先(設例4の更新料の条件)で、「法人に払う使用料の中身」を「家賃・地代(賃借料)」に変える

👀 同じ220,000円 > 150,000円のまま、判定が「提出する」から「提出しない(範囲外)」に変わります。金額ではなく中身で決まることが分かります。

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設例4をラボで1ステップずつ見るラボで開く ▶
📘 設例5 ラボの画面
支払った会社など報酬・料金税務署支払調書+合計表市区町村出さない出さない受け取った本人出さない交付の義務はない
提出する:報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書
  • 同じ相手への年間の支払が 50,000円 を超えるので、提出範囲に入ります。
  • 消費税等を含めた 300,000円 で判定しています(原則)。
提出期限令和9年2月1日(月)
電子で出す義務あり(e-Tax・認定クラウド等・光ディスク等)
合計表添えて出す
支払った会社など給与・賞与税務署提出不要(みなし提出)源泉徴収票は作らない市区町村給与支払報告書受け取った本人給与所得の源泉徴収票(2月1日まで)データ連携
提出する:給与支払報告書(市区町村へ)+給与所得の源泉徴収票(本人へ)
  • 年末まで在職している人の給与は、金額にかかわらず提出範囲に入ります(令和8年分から源泉徴収票の提出範囲も給与支払報告書と同じになりました)。
  • 給与支払報告書を市区町村に出すと、税務署に源泉徴収票を出したものとみなされます(みなし提出の特例)。税務署用は作りません。
  • 本人への源泉徴収票の交付は、提出範囲にかかわらず全員に必要です。
提出期限令和9年2月1日(月)
電子で出す義務なし
合計表給与分は不要
設例5

電子で出すのはどの調書? ── 種類ごとに数え、給与は改正前の範囲で

📍 ラボの場所:設例タブ 設例5 ステップ2・4
ハルカ
E社が令和7年中に提出すべきだった枚数は、報酬34枚、使用料6枚。報酬の支払調書は「電子で出す義務 あり」、使用料は6枚なので書面でも出せるんですね。
先生
そう、30枚の判定は調書の種類ごとなんだ。報酬の34枚と使用料の6枚を足して40枚とは数えない。使用料の調書は書面でもいいよ。
迷いポイント 給与支払報告書を40枚出しているのだから、給与も電子で出す義務がある?
ハルカ
40枚は30枚を超えているので、給与支払報告書も eLTAX で出す義務があると思いました。
先生
給与の判定は、基準年に税務署に出すべきだった源泉徴収票の枚数で、それを改正前の提出範囲で数えるんだ。E社は22枚だから、電子で出す義務はない。もちろん eLTAX で出すのは勧められているよ。
ハルカ
40枚の会社が22枚と数えられる……体重計に乗ったら、申告していない分だけ軽く表示される感じですね。
先生
軽く表示されるのは、改正前の範囲に入らない人を数えないからなんだ。乙欄の人や、年末調整済みで500万円以下の人がそこに入るよ。
ハルカ
義務がなくても、E社は報酬の調書を e-Tax で出すなら、給与支払報告書も eLTAX でまとめて出した方が楽そうです。
先生
そういう判断でいいんだ。義務の判定と、実務でどう出すかは分けて考えようか。
💡 そうだったのか!
30枚の判定は調書の種類ごと。給与支払報告書は改正前の範囲で数えた源泉徴収票の枚数で判定するので、40枚出していても義務がないことがあります。
⏱ 30秒だけラボで試す
  1. リンク先(設例5の報酬の条件)で、枚数の欄を 34 から 29 に変える

👀 電子で出す義務が「あり:e-Tax・認定クラウド等・光ディスク等」から「なし(29枚<30枚)」に変わります。判定は「提出する」のままです。

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📘 設例6 ラボの画面
無効分の調書前と同じ内容無効区分「1」合計表(無効分)提出区分「4」訂正分の調書正しい内容無効区分「0」摘要「訂正分」合計表(訂正分)提出区分「3」書面の場合。合計表は、無効分と訂正分のそれぞれ、無効・訂正の箇所だけを書く。
支払った会社など訂正税務署提出不要(みなし提出)無効分・訂正分の源泉徴収票は不要市区町村訂正した給与支払報告書受け取った本人源泉徴収票(交付済み)データ連携
設例6

出したあとで誤りに気づいた ── 無効分+訂正分、追加分、みなし提出の訂正

📍 ラボの場所:設例タブ 設例6 ステップ2・4
ハルカ
F社は、未払の報酬の税額を見積りで書いて出したあと、実際に徴収した額と違っていました。直すときは「無効分」と「訂正分」の2枚を出すんですね。
先生
そう、無効分は前と同じ内容で無効区分「1」、訂正分は正しい内容で無効区分「0」、摘要に「訂正分」。合計表も、無効分に提出区分「4」、訂正分に「3」を付けて出すんだ。
迷いポイント 出し忘れた講師1人分も、無効分と訂正分のセットで出す?
ハルカ
直す手続は全部同じ型だと思って、出し忘れの分も「無効分+訂正分」で出すつもりでした。
先生
出し忘れは、無効にする前の調書がないんだ。だから「追加分」の1枚だけ。無効区分「0」、摘要に「追加分」と書き、合計表は提出区分「2」で追加分だけを書くよ。
ハルカ
給与支払報告書1人分の誤りは、eLTAX で提出区分を「訂正」として出し直す。図では税務署への線に「無効分・訂正分の源泉徴収票は不要」とあります。
先生
みなし提出の訂正も、市区町村に訂正した報告書を出せば、税務署への源泉徴収票の訂正も出したものとみなされるんだ。税務署に別の紙を出す必要はないよ。
ハルカ
3つの誤りに、3通りの直し方。間違えた回数より、直し方の種類の方を覚えるのが大変です。
先生
覚えるのは2つでいいよ。「前に出したものがあるなら無効分+訂正分、ないなら追加分」。みなし提出分は市区町村で完結、と添えておけばいいんだ。
💡 そうだったのか!
誤りは無効分+訂正分、出し忘れは追加分だけ。みなし提出した給与支払報告書の誤りは、市区町村への訂正で税務署分も済みます。
⏱ 30秒だけラボで試す
  1. 基礎9 の図の上のボタンで「出し忘れ(追加)」を押す

👀 図が追加分の1枚に変わり、「出し忘れた調書だけを「追加分」として出し、合計表も追加分だけを書きます」と説明が出ます。

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設例6をラボで1ステップずつ見るラボで開く ▶

今日の内容を、ラボで確かめてみませんか?

この記事の図は、すべて法定調書ラボの画面そのものです。設例タブを開けば、同じ図を見ながら、ステップを1つずつ読み返せます。

法定調書ラボを開く ▶

今日のまとめ ── 設例ごとの結論

設例迷いポイント答え
設例4法人オーナーへの家賃180万円は出さないのに、更新料22万円は出す?出す。法人への使用料は家賃・地代が対象外で、権利金・更新料は15万円超で対象。あっせん手数料は、その取引の調書の「あっせんをした者」欄に必要事項を書けば省略できる
設例5給与支払報告書を40枚出していれば、給与も電子で出す義務がある?ない。改正前の範囲で数えた源泉徴収票22枚で判定する。30枚の判定は調書の種類ごと
設例6出し忘れも「無効分+訂正分」で出す?追加分の1枚だけ。誤りは無効分+訂正分のセット。みなし提出分の誤りは市区町村への訂正で足りる
おわりに

今日のふりかえり

先生
今日のまとめだよ。不動産は相手が法人なら家賃は出さず、更新料は出す。30枚は種類ごとに、給与は改正前の範囲で数える。誤りは無効分+訂正分、出し忘れは追加分なんだ。
ハルカ
基礎編から4本読んで、法定調書は「出す・出さない」を決めたら終わりではなく、「どう出すか」「どう直すか」まで含めて1月の仕事なんだと分かりました。去年は提出した瞬間に終わった気になっていました。
先生
提出のあとまで見えるようになったのは、大きな変化だよ。訂正の型を知っていれば、誤りに気づいたときに慌てずに済むんだ。
ハルカ
来年の1月は、提出ボタンを押したあとに「無効分・訂正分・追加分」と3回唱えてから席を立ちます。……隣の席の人には、何の呪文かと思われそうです。
先生
呪文の中身を聞かれたら、この設例を見せればいいよ。基礎編から読み返すと、図の見え方がきっと変わるはずだよ。

参考資料

国税庁「令和8年分 給与所得の源泉徴収票等の法定調書の作成と提出の手引」(令和8年8月)とその正誤表、国税庁「源泉徴収票(給与所得・公的年金等)のみなし提出の特例に関するQ&A」(令和8年4月)、所得税法第225条・第226条・第228条の4、相続税法第59条、国税庁 質疑応答事例「死亡退職した場合の『退職手当金等受給者別支払調書』の記載方法と提出省略範囲」、国税庁 手続案内「退職手当金等受給者別支払調書(同合計表)」。確認日:2026年10月30日。ラボと記事の設例はすべて学習用の独自の数値で、令和8年分(令和9年に提出する分)として、手引が扱う6種類の調書と合計表の範囲で判定しています(非居住者・外国法人への支払、診療報酬、馬主の賞金、公共事業施行者等の買取りなどは扱いません)。公認会計士・税理士が監修しています。
動画で聞く:法定調書【基礎編】6種類の調書・みなし提出・金額基準・合計表・30枚を図で(YouTube・10分)
動画で聞く:法定調書【応用編】提出範囲の改正・退職金の全員提出・報酬と不動産の基準・給与の30枚の数え方を図で(YouTube・9分)
このシリーズの記事:法定調書ラボ【基礎編】/法定調書ラボ【応用編】/法定調書ラボ【設例・給与・報酬・退職金編】

📓 ハルカの学習ノートで、この章を見る ▶

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この記事を書いた人

TaxJudge編集部|公認会計士・税理士(実務25年)による企画・監修。会計基準・税法・裁決・有価証券報告書などの一次情報をもとに、検索できるデータベースと計算・判定・文書作成ツールを制作しています。