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法定調書ラボ【応用編】|先生と一緒に図で学ぶ提出範囲の改正・退職金の全員提出・報酬と不動産の基準・給与の30枚の数え方

法定調書ラボ【応用編】|先生と一緒に図で学ぶ提出範囲の改正・退職金の全員提出・報酬と不動産の基準・給与の30枚の数え方

無料の学習ツール「法定調書ラボ」の読み方ガイドです。ラボの応用タブから、実務で迷いやすい論点を選んで、先生と生徒の会話形式で見ていきます。基礎タブの内容は基礎編で扱っています。登場する人物と設例の数値はすべて架空の例です。解説は公認会計士・税理士が監修しています。各行の図はラボの図そのものです(記事内の図は表示用で、ボタンやクリックの操作はできません。操作は各節の「ラボで開く」「ラボを開く」からラボ本体で試せます)。重要な節の最後には、ラボで30秒だけ手を動かす小さな実習を置いています。

🎧 動画で聞く法定調書【応用編】提出範囲の改正・退職金の全員提出・報酬と不動産の基準・給与の30枚の数え方を図で(9分)

この記事の先生とハルカの会話と、ラボの図で解説する音声動画です。令和8年分の提出範囲の改正、退職所得の全員提出、報酬・不動産の細かい基準、給与支払報告書の30枚の数え方を扱います。クリックすると再生が始まります(YouTubeで開く)

今日の早見表
調書出す人提出範囲(令和8年分)提出先本人交付
給与所得の源泉徴収票(給与支払報告書)給与の支払者中途退職で年30万円以下の人を除く全員市区町村(税務署はみなし提出)全員に必要
退職所得の源泉徴収票・特別徴収票退職手当等の支払者令和8年中に支払が確定した退職手当等のすべて(死亡退職を除く)税務署(特別徴収票は当面省略可)全員に必要
報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書報酬・料金等の支払者外交員・ホステス等・広告賞金・診療報酬:年50万円超/馬主の賞金:1回75万円超の人の全額/その他・プロ野球選手等:年5万円超税務署義務なし
不動産の使用料等の支払調書法人・不動産業者の個人年15万円超(法人へは権利金・更新料等のみ)税務署義務なし
不動産等の譲受けの対価の支払調書法人・不動産業者の個人年100万円超税務署義務なし
不動産等の売買又は貸付けのあっせん手数料の支払調書法人・不動産業者の個人年15万円超税務署義務なし
はじめに

今日の題材 ── 6種類の処理早見表

📍 ラボの場所:応用タブ 表
ハルカ
先生、基礎編で「誰に・いくら・源泉徴収とは別に」の物差しが分かりました。今日は、その物差しで迷う細かい場面ですか。
先生
そう、応用タブは「自分の支払がどの行に当たるか」を探す表から始まるんだ。6種類の調書について、出す人・提出範囲・提出先・本人交付が1行ずつ並んでいるよ。
ハルカ
報酬の行だけ、提出範囲が「50万円超」「75万円超」「5万円超」と3つに分かれています。
先生
その違いもあとで見るよ。表で行を見つけたら、応用タブの各節で理由を確かめる。給与、退職金、報酬、不動産、提出方法、最後に改正の表の順に読んでいこうか。
ラボの応用タブを開きながら読むと分かりやすいですラボで開く ▶
📙 応用 A1 ラボの図
受給者改正前(令和7年分まで)改正後(令和8年分から)
年末調整をした役員年150万円超年の中途で退職し、その年の給与が30万円以下の場合を除く、すべての給与等
年末調整をした弁護士・税理士等年250万円超
年末調整をしたそれ以外の人年500万円超
扶養控除等申告書を出し、年末調整をしなかった人年250万円超(役員は50万円超)/2,000万円超で年調なしは全部
扶養控除等申告書を出していない人(乙欄・丙欄など)年50万円超
応用 A1

A1 源泉徴収票の提出範囲が、給与支払報告書と同じになった

📍 ラボの場所:応用タブ A1
ハルカ
改正前は、年末調整をした役員は150万円超、それ以外の人は500万円超、乙欄の人は50万円超。改正後は全部まとめて「中途退職で30万円以下の人を除く全員」ですね。
先生
そう、令和8年分から、税務署用の源泉徴収票の提出範囲が市区町村用の給与支払報告書と同じになったんだ。みなし提出と組み合わせて、1つの書類で両方に出す形に整えたんだよ。
迷いポイント 改正前の「500万円超」などの範囲は、もう使う場面がない?
ハルカ
提出範囲が全員になったので、古い表は忘れてよいと思っていました。
先生
それが、1か所だけ生きているんだ。給与支払報告書を電子で出す義務の30枚の判定は、改正前の範囲で数えた源泉徴収票の枚数で行う。詳しくは応用E1で見ようか。
ハルカ
引退した選手が、審判としてだけ試合に残っているんですね。
先生
その審判は枚数を数えるときだけ出てくるよ。普段の提出範囲は、新しい表の1行で足りるんだ。
💡 そうだったのか!
令和8年分から源泉徴収票の提出範囲は給与支払報告書と同じ(中途退職で30万円以下を除く全員)。改正前の範囲は30枚の判定にだけ使います。
📙 応用 A2 ラボの要点
  • 対象令和9年1月1日以後に提出すべき源泉徴収票(令和8年分以後)。令和7年分の出し忘れ・訂正は、従来どおり税務署に出しますみなし提出Q&A 問10・問11。
  • 提出方法eLTAX・光ディスク等・書面のどれで出しても、みなし提出になりますみなし提出Q&A 問4。
  • 通知はない税務署から「みなし提出された」旨の通知は届きませんみなし提出Q&A 問13。
  • ⚠ 注意提出義務は残る記載内容の確認のため、税務署から問い合わせが来ることがありますみなし提出Q&A 問15。
  • 一元化機能の廃止eLTAX で給与支払報告書と源泉徴収票を一括送信する機能は、令和8年9月で廃止されました。
  • 応用 A2

    A2 みなし提出の注意点

    📍 ラボの場所:応用タブ A2
    ハルカ
    みなし提出の対象は、令和9年1月1日以後に提出すべき源泉徴収票。令和7年分の出し忘れや訂正は、これまでどおり税務署に出すんですね。
    先生
    そう、令和8年分以後の分だけがみなし提出なんだ。提出方法は eLTAX でも光ディスク等でも書面でも、市区町村に出せばみなし提出になるよ。
    迷いポイント みなし提出されたら、税務署から「受け付けました」の通知が来る?
    ハルカ
    税務署に出したことになるのなら、何か受付の控えか通知が届くと思っていました。届かなかったら不安です。
    先生
    通知は届かないんだ。市区町村に出した記録が、そのまま税務署への提出の証拠になる。ただし提出義務そのものは残るから、記載内容の確認で税務署から問い合わせが来ることはあるよ。
    ハルカ
    eLTAX で給与支払報告書と源泉徴収票を一括送信する機能は、令和8年9月で廃止、とあります。
    先生
    送る先が市区町村だけになったから、一括送信の出番がなくなったんだ。令和9年1月からは、給与支払報告書だけを eLTAX で出せばいいよ。
    💡 そうだったのか!
    みなし提出は令和8年分以後の源泉徴収票が対象で、通知は来ません。令和7年分の出し忘れ・訂正は従来どおり税務署へ出します。
    📙 応用 A3 ラボの要点
  • 省略できる場合その年の給与が30万円以下なら、給与支払報告書の提出を省略できます。
  • ⚠ 注意本人交付は省けない30万円以下でも、退職後1か月以内に本人へ源泉徴収票を渡します。
  • 提出の時期運用上、翌年1月末までにまとめて出してよく、みなし提出の対象として扱えますみなし提出Q&A 問2。
  • 応用 A3

    A3 年の中途で退職した人

    📍 ラボの場所:応用タブ A3
    ハルカ
    年末調整 書類の書き方ラボで、年の途中で退職した人は会社が年末調整しないと習いました。その人の給与支払報告書は、退職時の住所地の市区町村に出すんですね。
    先生
    よく覚えていたね。1月1日現在の住所地ではなく、退職したときの住所地なんだ。その年の給与が30万円以下なら、給与支払報告書の提出は省略できるよ。
    迷いポイント 30万円以下で給与支払報告書を省略した人には、源泉徴収票も渡さなくてよい?
    ハルカ
    提出を省略できるなら、作る書類そのものが減ると思っていました。本人用も含めて。
    先生
    省略できるのは市区町村への提出だけなんだ。本人への源泉徴収票は、金額にかかわらず退職後1か月以内に渡す。本人は次の勤め先の年末調整や確定申告で使うからね。
    ハルカ
    提出の時期は、翌年1月末までにまとめて出してもよい、とあります。
    先生
    運用上はそれでよく、みなし提出の対象としても扱えるんだ。退職の月に本人分を渡し、市区町村分は1月にまとめる、という流れでいいよ。
    💡 そうだったのか!
    中途退職者の給与支払報告書は退職時の住所地へ。30万円以下なら提出を省略できますが、本人への源泉徴収票は退職後1か月以内に渡します。
    ⏱ 30秒だけラボで試す
    1. シミュレーションタブで、プリセット「中途退職(25万円)」を押す
    2. 金額の欄を 800000 に変える

    👀 判定が「省略できる」から「提出する」に変わります。本人への交付は、どちらも「退職の日以後1か月以内」のままです。

    ラボを開く ▶
    📙 応用 B1 ラボの要点
  • 範囲令和8年中に支払が確定した退職手当等のすべて。企業年金の一時金など退職所得とみなされるものも含みます。
  • ⚠ 注意死亡退職は別の調書死亡退職で遺族に払う退職手当等は、相続税法の「退職手当金等受給者別支払調書」の対象です相続税法第59条。
  • 死亡退職の調書受給者1人あたり100万円以下なら提出を省略でき、出すときは支払った月の翌月15日までに専用の合計表を付けます国税庁 質疑応答事例・手続案内。
  • 特別徴収票市区町村への提出は、eLTAX による提出方法が整うまでの当面の間、省略できます。
  • 【番号】欄退職一時金等に当たるなどの場合は、区分に応じた番号を書く欄ができました。
  • 💡 実務実務では、本人が確定申告をするときは退職所得も含めて申告する必要があることを、本人に伝えます。
  • 応用 B1

    B1 退職所得の源泉徴収票は、全員分を税務署へ

    📍 ラボの場所:応用タブ B1
    ハルカ
    退職所得の源泉徴収票は、これまで法人の役員の分だけを税務署に出していたのが、令和8年分からは一般の従業員も含めて全員分なんですね。
    先生
    そう、令和8年中に支払が確定した退職手当等のすべてが対象なんだ。企業年金の一時金のように、退職所得とみなされるものも含むよ。給与とは逆向きの改正だね。
    迷いポイント 亡くなった従業員の遺族に払った退職金も、退職所得の源泉徴収票を出す?
    ハルカ
    退職金には違いないので、同じ源泉徴収票を全員分の中に入れるものだと思っていました。
    先生
    死亡退職で遺族に払う退職手当等は、所得税ではなく相続税の世界なんだ。相続税法の「退職手当金等受給者別支払調書」を出す。受給者1人あたり100万円以下なら省略でき、出すときは支払った月の翌月15日までに専用の合計表を付けるよ。
    ハルカ
    同じ「退職金」と呼んでいるのに、出す調書も期限も合計表も別の人格でした。
    先生
    呼び名は同じでも、所得税法と相続税法で入口が分かれているんだ。生前の退職金は退職後1か月以内、死亡退職金は翌月15日、と期限も分けて覚えようか。
    💡 そうだったのか!
    退職所得の源泉徴収票は全員分を税務署へ。死亡退職金は相続税法の別の調書(100万円以下は省略可・翌月15日まで・専用の合計表)です。
    ⏱ 30秒だけラボで試す
    1. シミュレーションタブで、プリセット「一般従業員の退職金」を押す
    2. 退職の理由を「死亡退職(遺族に支払う)」に、金額を 5000000 に変える

    👀 判定が「別の調書を出す:退職手当金等受給者別支払調書(相続税法)」、提出期限が「支払った日の属する月の翌月15日まで」に変わります。金額を 800000 にすると「提出しない(範囲外)」です。

    ラボを開く ▶
    📙 応用 C1 ラボの要点
  • 年50万円超外交員・集金人・電力量計の検針人・プロボクサーの報酬、ホステス等の報酬、広告宣伝のための賞金、医療情報基盤・診療報酬審査支払機構が払う診療報酬(国公立病院などへの支払を除く)。
  • 馬主の賞金1回の支払が75万円を超える人について、その年中の全部の支払額。
  • 年5万円超プロ野球選手などの報酬・契約金と、それ以外の報酬・料金(原稿料・講演料・弁護士や税理士の報酬・デザイン料など)。
  • 未払がある場合支払調書の作成日に未払のものは、未払額を支払金額の欄に、未徴収の税額を源泉徴収税額の欄に内書きします。税額は見積りで書き、実際に徴収した額と違ったら訂正します手引 第4章。
  • 応用 C1

    C1 報酬・料金は、区分で基準が違う

    📍 ラボの場所:応用タブ C1
    ハルカ
    報酬の基準は3段階。外交員やホステス等の報酬、広告宣伝のための賞金は年50万円超、馬主の賞金は1回75万円超の人の全額、それ以外は年5万円超ですね。
    先生
    そう、同じ「報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書」でも、報酬の区分で基準が違うんだ。原稿料・講演料・弁護士や税理士の報酬・デザイン料は、年5万円超の方だよ。
    迷いポイント 支払調書を作る時点で未払の報酬は、払ってから書けばよい?
    ハルカ
    源泉徴収税額は払うときに決まるので、未払の分は翌年の調書に回せばよいと思っていました。
    先生
    支払調書は、その年中に支払が確定した金額で作るんだ。未払の分は、未払額を支払金額の欄に、未徴収の税額を源泉徴収税額の欄に内書きする。税額は見積りで書き、実際に徴収した額と違ったら訂正するよ。
    ハルカ
    12月に確定した講演料を、1月に払うつもりで来年の表に書き写すところでした。
    先生
    書き写す先は今年の調書で、未払の分は内書き、税額は見積りなんだ。払ったあとで額が違えば、基礎9で見た無効分と訂正分を出そうか。
    💡 そうだったのか!
    報酬の基準は区分ごと(50万円超・75万円超・5万円超)。未払分も支払が確定した年の調書に内書きし、税額は見積りで書きます。
    📙 応用 D1 ラボの要点
  • 法人には公法人や人格のない社団等も含みます。
  • ⚠ 注意法人への家賃・地代は対象外法人に払う使用料は、権利金・更新料・承諾料・名義書換料などだけが対象です。
  • 含まれるもの返還不要の敷金・保証金、催物会場の一時的な賃借料、広告用の塀や壁面の賃借料も使用料に入ります。
  • 管理会社経由管理会社を通じて個人に払う家賃は、個人への支払として判定します。
  • 共有共有の不動産は共有者ごとに作ります。持分が分からなければ総額で書き、摘要に共有者のことを書きます。
  • 応用 D1

    D1 不動産関係の調書を出すのは「法人」と「不動産業者の個人」

    📍 ラボの場所:応用タブ D1
    ハルカ
    不動産の使用料・譲受け・あっせん手数料の3つを出すのは、法人と、不動産業者である個人だけ。個人事業者が払う家賃は、不動産業者でなければ出さないんですね。
    先生
    そう、支払う側の属性で決まるんだ。法人には公法人や人格のない社団等も含む。不動産業者でも、主として建物の賃貸借の代理や仲介をする人は除くよ。
    迷いポイント 法人オーナーに払う事務所の家賃も、年15万円を超えれば支払調書を出す?
    ハルカ
    家賃は使用料そのものなので、相手が法人でも個人でも、15万円を超えれば出すと思っていました。
    先生
    法人に払う使用料は、権利金・更新料・承諾料・名義書換料などだけが対象なんだ。家賃や地代は、相手が法人なら出さない。相手が個人なら、年15万円超で出すよ。
    ハルカ
    管理会社を通して個人オーナーに払う家賃は、どちらに払ったことになりますか。
    先生
    個人への支払として判定するんだ。返還されない敷金や保証金、催物会場の一時的な賃借料、広告用の塀や壁面の賃借料も使用料に入るよ。
    💡 そうだったのか!
    不動産関係の調書を出すのは法人と不動産業者である個人。法人への家賃・地代は対象外で、権利金・更新料などだけが対象です。
    ⏱ 30秒だけラボで試す
    1. シミュレーションタブで、プリセット「法人オーナーへの家賃」を押す
    2. 続けてプリセット「個人が払う家賃」を押す

    👀 どちらも「提出しない(範囲外)」です。前者は法人への賃借料だから、後者は支払う人が不動産業者でない個人だからで、理由が違います。

    ラボを開く ▶
    📙 応用 D2 ラボの要点
  • 公共事業施行者等法律に基づく買取り等の対価は、金額にかかわらず四半期ごとに出します(期限は各四半期末の翌月末日)。
  • あっせん手数料の省略15万円を超える手数料でも、提出する使用料等・譲受けの調書の「あっせんをした者」欄に必要事項を書けば、あっせん手数料の調書は省略できます。
  • ⚠ 注意名目は関係ない紹介料・業務委託料・コンサルタント料でも、実質があっせん手数料なら対象です。
  • 応用 D2

    D2 譲受けの対価とあっせん手数料

    📍 ラボの場所:応用タブ D2
    ハルカ
    譲受けの対価は、売買だけでなく交換・競売・収用・現物出資も含むんですね。あっせん手数料は、名目ではなく中身で判定する、とあります。
    先生
    そう、紹介料・業務委託料・コンサルタント料という名目でも、実質が不動産の売買や貸付けのあっせんなら、あっせん手数料の支払調書の対象なんだ。
    迷いポイント 15万円を超える仲介手数料は、必ずあっせん手数料の支払調書を出す?
    ハルカ
    基準を超えたら必ず出すものだと思っていました。省略できる場面があるんですか。
    先生
    あるんだ。その取引について出す使用料等や譲受けの調書の「あっせんをした者」欄に、仲介した人の名前や手数料を書けば、あっせん手数料の調書は省略できるよ。
    ハルカ
    公共事業施行者等の買取りは、金額にかかわらず四半期ごと、とあります。
    先生
    法律に基づく買取り等の対価は、各四半期末の翌月末日が期限なんだ。一般の会社ではめったに出ないから、「そういう特例がある」と覚えておけばいいよ。
    💡 そうだったのか!
    あっせん手数料は名目ではなく中身で判定。使用料等・譲受けの調書の「あっせんをした者」欄に書けば省略できます。
    📙 応用 E1 ラボの図
    例1:年調済み・600万円50枚→改正前の範囲に入る50枚→30枚以上電子で提出
    例2:年調済み・600万円20枚+乙欄・40万円15枚→改正前の範囲に入るのは20枚→30枚未満義務なし
    応用 E1

    E1 給与支払報告書の電子提出義務は「改正前の範囲」で数える

    📍 ラボの場所:応用タブ E1
    ハルカ
    例1は、年末調整済みで600万円の人が50枚。改正前の範囲でも全員が入るので50枚のままで、30枚以上だから電子で提出。例2は、600万円の人20枚と乙欄40万円の人15枚で、入るのは20枚だけですね。
    先生
    そう、給与支払報告書を eLTAX 等で出す義務は、基準年に税務署に出すべきだった源泉徴収票の枚数で判定するんだ。その「出すべきだった」は、改正前の提出範囲で数えるよ。
    迷いポイント みなし提出で税務署に1枚も出していなければ、判定の枚数は0枚?
    ハルカ
    実際に税務署に出した源泉徴収票が0枚なら、数える枚数も0枚で、電子の義務はなくなると思っていました。
    先生
    0枚にはならないんだ。市区町村に出して税務署にはみなし提出になった分も「提出すべきであった源泉徴収票」に含めて数える。みなし提出Q&Aの問9だよ。
    ハルカ
    出していない紙を数えるなんて、幽霊の人数を数えているみたいです。
    先生
    幽霊ではなくて、市区町村に出した報告書の中にいる人たちだよ。改正前の範囲に入る人を数えれば、ちゃんと枚数が出るんだ。
    💡 そうだったのか!
    給与支払報告書の30枚の判定は、改正前の範囲で数えた源泉徴収票の枚数で行い、みなし提出分も含めます。0枚にはなりません。
    ⏱ 30秒だけラボで試す
    1. リンク先(設例5の条件)で、支払の種類を「給与・賞与」にする
    2. 枚数の欄を 22 にし、次に 30 にする

    👀 22枚では電子で出す義務が「なし(22枚<30枚)」、30枚では「あり:eLTAX・光ディスク等」に変わります。

    ラボを開く ▶
    📙 改正 1 ラボの図
    項目改正前(令和7年分まで)改正後(令和8年分から)
    給与の源泉徴収票(税務署)
    手引 第2章
    税務署にも源泉徴収票を出す市区町村に給与支払報告書を出せば提出不要(みなし提出)
    給与の源泉徴収票の提出範囲
    みなし提出Q&A 問7
    役員150万円超・その他500万円超など中途退職で30万円以下を除く全員(給与支払報告書と同じ)
    退職所得の源泉徴収票
    手引 第3章
    法人の役員に払う分だけ居住者に払う退職手当等のすべて
    退職所得の特別徴収票(市区町村)
    手引 第3章
    提出するeLTAX の方法が整うまで当面省略できる
    退職所得の源泉徴収票の様式
    手引 第1章
    —【番号】欄を新設(退職一時金等の区分)
    電子的提出義務
    手引 第1章
    前々年100枚以上前々年30枚以上(種類ごと)
    生命保険料控除(23歳未満の扶養親族)
    手引 第2章
    —特例の適用者は摘要に「租税特別措置法第41条の15の5第1項適用」
    書面の様式
    手引 第1章
    従来の様式令和8年9月の国税システム更改で変更(最新の様式を使う)
    eLTAX の一元化機能
    手引 参考
    給与支払報告書と源泉徴収票を一括送信できた令和8年9月で廃止(給与支払報告書のみ eLTAX で提出)
    改正 1

    令和8年分で変わること(改正前と改正後)

    📍 ラボの場所:令和8年分の改正タブ 1
    ハルカ
    改正前と改正後が左右に並んでいます。給与は「税務署にも出す」から「みなし提出」へ、退職金は「役員だけ」から「全員」へ。向きが逆ですね。
    先生
    そこがいちばん大きな変化なんだ。給与は税務署に出さなくなり、退職金は全員分を税務署に出す。電子的提出の基準も100枚から30枚に下がったよ。
    迷いポイント 様式も変わるので、去年の様式で作った源泉徴収票は使えない?
    ハルカ
    表に「令和8年9月の国税システム更改で変更」とあります。手元の様式は全部作り直しでしょうか。
    先生
    書面で出すなら最新の様式を使うんだ。退職所得の源泉徴収票には【番号】欄も新設されている。給与計算ソフトや e-Tax ソフトを使っていれば、様式は更新されているはずだよ。
    ハルカ
    変わらないことも、タブの次の節にまとまっていますね。本人への交付、期限、報酬や不動産の金額基準、訂正と追加の出し方。
    先生
    変わらないことを先に押さえておくと、変わったことが3つに絞れるんだ。出す先、退職金の範囲、30枚。この3つを1月までに社内で共有しておこうか。
    💡 そうだったのか!
    令和8年分の変化は給与は税務署に出さない・退職金は全員分を出す・30枚から電子の3つ。本人交付・期限・金額基準・訂正の出し方は変わりません。

    今日の内容を、ラボで確かめてみませんか?

    この記事の図は、すべて法定調書ラボの画面そのものです。応用タブを開けば、同じ図を見ながら読み返せます。

    法定調書ラボを開く ▶

    今日のまとめ ── 迷いポイント早見表

    迷いポイント答えラボ
    改正前の「500万円超」などの範囲はもう使わない?30枚の判定にだけ使う。普段の提出範囲は「中途退職で30万円以下を除く全員」応用A1
    みなし提出されたら税務署から通知が来る?来ない。令和8年分以後が対象で、令和7年分の出し忘れ・訂正は税務署へ応用A2
    30万円以下で省略した人には源泉徴収票も渡さなくてよい?渡す。省略できるのは市区町村への提出だけ。本人へは退職後1か月以内応用A3
    死亡退職金も退職所得の源泉徴収票?相続税法の別の調書。100万円以下は省略可、翌月15日まで、専用の合計表応用B1
    未払の報酬は払ってから書く?支払が確定した年の調書に内書きし、税額は見積りで書く。違えば訂正応用C1
    法人オーナーへの家賃も15万円超なら出す?出さない。法人への使用料は権利金・更新料などだけが対象応用D1
    15万円超の仲介手数料は必ずあっせん手数料の調書?使用料等・譲受けの調書の「あっせんをした者」欄に書けば省略できる応用D2
    みなし提出で税務署に0枚なら、30枚の判定も0枚?ならない。改正前の範囲で数え、みなし提出分も含める応用E1
    去年の様式の源泉徴収票は使える?書面なら最新の様式。退職所得の源泉徴収票には【番号】欄が新設改正1
    おわりに

    今日のふりかえり

    先生
    今日のまとめだよ。給与はみなし提出で税務署に出さず、退職金は全員分を税務署へ。報酬と不動産は区分と相手で基準が変わり、給与の30枚は改正前の範囲で数えるんだ。
    ハルカ
    基礎編では「出す・出さない」の物差しを覚えました。今日は、同じ物差しでも「相手が法人か」「名目でなく中身か」「改正前の範囲か」と、当てる面を変える場面があると分かりました。
    先生
    当てる面を意識できたのは大きいね。迷ったら、早見表の行に戻って「出す人・範囲・提出先」を一つずつ確かめればいいんだ。
    ハルカ
    では、来年の1月の自分に向けて、早見表を印刷して机に貼っておきます。……去年の様式の源泉徴収票を貼らないように、先に剥がしておきます。
    先生
    剥がすのは様式だけで、考え方はそのまま貼っておいていいよ。次の設例編では、給与・報酬・退職金の設例を1ステップずつ判定していこうか。

    参考資料

    国税庁「令和8年分 給与所得の源泉徴収票等の法定調書の作成と提出の手引」(令和8年8月)とその正誤表、国税庁「源泉徴収票(給与所得・公的年金等)のみなし提出の特例に関するQ&A」(令和8年4月)、所得税法第225条・第226条・第228条の4、相続税法第59条、国税庁 質疑応答事例「死亡退職した場合の『退職手当金等受給者別支払調書』の記載方法と提出省略範囲」、国税庁 手続案内「退職手当金等受給者別支払調書(同合計表)」。確認日:2026年10月30日。ラボと記事の設例はすべて学習用の独自の数値で、令和8年分(令和9年に提出する分)として、手引が扱う6種類の調書と合計表の範囲で判定しています(非居住者・外国法人への支払、診療報酬、馬主の賞金、公共事業施行者等の買取りなどは扱いません)。公認会計士・税理士が監修しています。
    動画で聞く:法定調書【基礎編】6種類の調書・みなし提出・金額基準・合計表・30枚を図で(YouTube・10分)
    このシリーズの記事:法定調書ラボ【基礎編】/法定調書ラボ【設例・給与・報酬・退職金編】/法定調書ラボ【設例・不動産・提出と訂正編】

    📓 ハルカの学習ノートで、この章を見る ▶

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    この記事を書いた人

    TaxJudge編集部|公認会計士・税理士(実務25年)による企画・監修。会計基準・税法・裁決・有価証券報告書などの一次情報をもとに、検索できるデータベースと計算・判定・文書作成ツールを制作しています。