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役員給与ラボ①【設例・期中改定編】|先生と一緒に図で学ぶ設例1〜5 通常改定・上乗せ部分・臨時改定事由・業績悪化

役員給与ラボ①【設例・期中改定編】|先生と一緒に図で学ぶ設例1〜5 通常改定・上乗せ部分・臨時改定事由・業績悪化

無料の学習ツール「役員給与ラボ①【損金算入編】」の読み方ガイドです。ラボの設例タブから、毎月の報酬を期の途中で変えたときの設例(設例1〜5)を1つずつ、先生と生徒の会話形式で見ていきます。登場する会社と設例の数値はすべて架空の例です。解説は公認会計士・税理士が監修しています。各行の図はラボの図そのものです(記事内の図は表示用で、ボタンやクリックの操作はできません。操作は各節の「ラボで開く」「ラボを開く」からラボ本体で試せます)。重要な節の最後には、ラボで30秒だけ手を動かす小さな実習を置いています。

今日の事例
設例・期中改定編で追う5つの設例(独自の数値)
設例1通常改定で増額(80万円 → 100万円)
設例2理由のない増額(100万円 → 120万円)
設例3据置きの後の理由のない減額(90万円 → 70万円)
設例4入院で減額・復帰で増額(臨時改定事由)
設例5業績悪化改定事由による減額(100万円 → 70万円)
共通の前提3月決算(期首 2026年4月1日)・毎月末日に支給・3月経過日等は2026年6月30日
はじめに

今日の題材 ── 期中改定の5つの設例

📍 ラボの場所:設例タブ 設例1〜5
ハルカ
先生、今日から設例編ですね。基礎5と基礎6で見た期中改定を、1ステップずつ数字で追うんですか。
先生
そうなんだ。どの設例も、① 3月経過日等 → ② 改定の理由 → ③ 期間ごとに同額か → ④ 損金不算入額と別表四、の4ステップで進むよ。
ハルカ
5つとも同じ手順なら、5回目には目をつぶっても解けそうです。
先生
手順は同じでも、②の理由で結論が変わるんだ。設例タブを開いて、プルダウンで設例を切り替えながら読んでいこうか。
ラボの設例タブを開きながら読むと分かりやすいですラボで開く ▶
📘 設例1 ラボの画面
月額同額 ✓同額 ✓804月805月806月1007月1008月1009月10010月10011月10012月1001月1002月1003月改定1:有効(区切る)定期同額給与(損金)上乗せ部分(損金不算入)数字は月額(万円)
① 役員か② 給与の形③ 改定・届出④ 過大・仮装⑤ 申告・支給

4月〜6月:支給額が同額(800,000円) → 定期同額給与

7月〜3月:支給額が同額(1,000,000円) → 定期同額給与

有効な改定の前後で期間を区切り、区切った期間ごとに支給額が同額かを判定する(法人税法施行令第69条第1項第1号)。

設例1

通常改定で増額 ── 定時総会の翌月から

📍 ラボの場所:設例タブ 設例1 ステップ③
ハルカ
代表取締役Aは、6月26日の定時総会で、7月支給分から80万円を100万円にしました。4月〜6月と7月〜3月の2つの区間に分かれています。
先生
ステップ①で3月経過日等を出すと、期首の4月1日を含めて数えて6月30日になるんだ。6月26日の決議はその前なので、ステップ②で通常改定と判定されるよ。
迷いポイント 7月から額が変わるので、7月の支給までに決議すれば通常改定になる?
ハルカ
新しい額を払い始めるのは7月なので、7月の支給日までに決めれば間に合うと思っていました。
先生
通常改定では、3月経過日等までに定期給与の額の改定がされていることが大事なんだ。この設例は6月26日の総会で7月支給分からの改定を決めているので、要件を満たすよ(Q&A Q2)。決議日を7月1日にすると結論が変わるんだ。
ハルカ
支給日を目安にしていたら、4日の余裕を、1日の遅刻に変えてしまうところでした。
先生
6月26日の決議なら、6月30日まで4日の余裕があるね。その余裕は、改定を決めた日で数えて初めて見えるんだ。
💡 そうだったのか!
通常改定は、3月経過日等(期首から3月)までに改定がされているかで判定。区切った期間ごとに同額なら、損金不算入額は0円です。
⏱ 30秒だけラボで試す
  1. シミュレーション「期中改定」で「通常改定で増額(定時総会の翌月から)」を読み込む
  2. 「改定1の決議日」を 2026年7月1日にする

👀 損金不算入額が 0円から 1,800,000円に変わります。増えた20万円×9か月が上乗せになります。

ラボを開く ▶
設例1をラボで1ステップずつ見るラボで開く ▶
📘 設例2 ラボの画面
月額同額 ✓上乗せ部分を除けば同額804月805月806月1007月1008月1009月10010月10011月10012月1201月1202月1203月改定1:有効(区切る)改定2:理由なし定期同額給与(損金)上乗せ部分(損金不算入)数字は月額(万円)
🧾 別表四で確認
区分項目総額①留保②社外流出③
加算役員給与の損金不算入額600,0000600,000(その他)

損金不算入の役員給与は社外流出。別表五(一)には出ない。

設例2

理由のない増額 ── 上乗せ部分が損金不算入

📍 ラボの場所:設例タブ 設例2 ステップ④
ハルカ
取締役Bは、担当部門の業績が良いので、12月の臨時総会で1月支給分から100万円を120万円にしました。損金不算入は60万円です。
先生
ステップ③で、7月〜3月の区間の中に理由のない改定があるので、低い方の100万円を定期同額給与、超える20万円を上乗せとみるんだ。20万円×1月〜3月の3か月で60万円だよ。
迷いポイント 臨時株主総会で決議したのだから、臨時改定事由になる?
ハルカ
「臨時」の総会で決めたので、臨時改定事由に当たると思いました。名前がそっくりです。
先生
臨時改定事由は、役員の職制上の地位の変更や職務の内容の重大な変更などの「事情」のことなんだ(施行令第69条第1項第1号ロ)。総会の種類ではないよ。担当部門の業績が良いだけでは、どれにも当たらないんだ。
ハルカ
総会の名前で選んでいたら、名前負けしていました。
先生
名前ではなく中身で判定するのは、役員の範囲と同じだね。ステップ④の別表四で、60万円が加算・社外流出になっているのも確かめておこうか。
💡 そうだったのか!
臨時改定事由は総会の種類ではなく事情で判定します。理由のない増額は、増えた部分×月数だけが損金不算入です。
⏱ 30秒だけラボで試す
  1. シミュレーション「期中改定」で「理由のない増額」を読み込む
  2. 「改定2の理由」を「臨時改定事由」に変える

👀 損金不算入額が 600,000円から 0円に変わります。数字は同じでも、理由の事実があるかで結論が分かれます。

ラボを開く ▶
設例2をラボで1ステップずつ見るラボで開く ▶
📘 設例3 ラボの画面
月額同額 ✓上乗せ部分を除けば同額904月905月906月907月908月909月9010月7011月7012月701月702月703月改定1:有効(区切る)改定2:理由なし定期同額給与(損金)上乗せ部分(損金不算入)数字は月額(万円)
🧾 別表四で確認
区分項目総額①留保②社外流出③
加算役員給与の損金不算入額800,0000800,000(その他)

損金不算入の役員給与は社外流出。別表五(一)には出ない。

設例3

据置きの後の理由のない減額

📍 ラボの場所:設例タブ 設例3 ステップ④
ハルカ
代表取締役Cは、定時総会で90万円に据え置いた後、営業利益を確保するためだけに11月から70万円に減額しました。損金不算入は80万円です。
先生
減額のときは、減額後の70万円を職務執行期間を通じて払うはずだったとみるんだ。だから7月〜10月の4か月の20万円が上乗せになって、20万円×4か月で80万円だよ(国税庁「役員給与に関するQ&A」Q4)。
迷いポイント 報酬を減らしたのに、損金不算入が出る?
ハルカ
会社が払う額を減らしたのだから、税務署に叱られることはないと思っていました。
先生
減らしたこと自体ではなく、期の途中で理由なく額を動かしたことが問題なんだ。利益を見て報酬を調整できてしまう点は、増額でも減額でも同じだよ。
ハルカ
会社のために我慢して減らしたのに、それで損金不算入…。少ししょんぼりします。
先生
気持ちは分かるよ。図の赤い部分が、その「我慢」の前の4か月なんだ。業績悪化改定事由に当たる事情があれば区切れるけれど、営業利益の確保だけでは当たらないよ(法人税基本通達9-2-13)。
💡 そうだったのか!
理由のない減額は減額後の額が基準。減額前の月の差額が上乗せとして損金不算入になります。
設例3をラボで1ステップずつ見るラボで開く ▶
📘 設例4・5 ラボの画面
月額同額 ✓同額 ✓同額 ✓904月905月906月907月908月309月3010月9011月9012月901月902月903月改定1:有効(区切る)改定2:有効(区切る)定期同額給与(損金)上乗せ部分(損金不算入)数字は月額(万円)
月額同額 ✓同額 ✓同額 ✓1004月1005月1006月1007月1008月1009月10010月10011月7012月701月702月703月改定1:有効(区切る)改定2:有効(区切る)定期同額給与(損金)上乗せ部分(損金不算入)数字は月額(万円)
設例4・5

臨時改定事由と業績悪化改定事由 ── 区切れる2つの理由

📍 ラボの場所:設例タブ 設例4・設例5 ステップ③
ハルカ
設例4は、代表取締役Dが2か月入院して90万円を30万円に減らし、復帰後に90万円に戻した例。設例5は、取引銀行との協議で100万円を70万円に減らした例です。
先生
設例4は、入院で職務の一部ができなくなった減額と、復帰後の増額の両方が臨時改定事由なんだ(国税庁「役員給与に関するQ&A」Q5)。設例5は業績悪化改定事由による減額だよ。どちらも区間が3つに分かれて、損金不算入額は0円になるんだ。
迷いポイント 臨時改定事由で減らしたら、元に戻す増額は理由のない改定になる?
ハルカ
減らすのは仕方がないとしても、戻すのは「増額」なので、理由のない改定になると思いました。
先生
復帰して職務の内容が元に戻ったことも、臨時改定事由なんだ。だから設例4では2回とも期間を区切るよ。ただ、設例4で入院の改定を「理由のない改定」に変えると、ラボでは損金不算入額が大きく変わるんだ。
💡 そうだったのか!
臨時改定事由は増額・減額のどちらでも区切れます。業績悪化改定事由は減額だけです。
⏱ 30秒だけラボで試す
  1. シミュレーション「期中改定」で「入院で減額・復帰で増額(臨時改定事由)」を読み込む
  2. 「改定1の理由」を「理由のない改定」に変える

👀 損金不算入額が 0円から 3,000,000円に変わります。4月〜10月が1つの区間になり、30万円を超える60万円×5か月が上乗せになります。

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設例4をラボで1ステップずつ見るラボで開く ▶
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今日の内容を、ラボで確かめてみませんか?

この記事の図は、すべて役員給与ラボ①【損金算入編】の画面そのものです。設例タブを開けば、同じ図を見ながら、ステップを1つずつ読み返せます。

役員給与ラボ①【損金算入編】を開く ▶

今日のまとめ ── 設例ごとの結論

設例迷いポイント答え
設例17月の支給までに決議すれば通常改定?3月経過日等(6月30日)までに改定を決めたかで判定。過ぎると区切れない
設例2臨時株主総会で決めたら臨時改定事由?総会の種類ではなく事情で判定。上乗せ20万円×3か月が不算入
設例3報酬を減らしたのに損金不算入?理由のない減額は減額後の額が基準。20万円×4か月が不算入
設例4・5戻す増額は理由のない改定?復帰も臨時改定事由。業績悪化改定事由は減額だけ
おわりに

今日のふりかえり

先生
今日のまとめだよ。期中改定は、決議日と改定の理由の事実で期間を区切れるかが決まる。区切れない改定は、増額なら改定前、減額なら減額後の額を基準に、上乗せだけが損金不算入なんだ。
ハルカ
5つとも同じ4ステップでしたが、結論を分けていたのは全部ステップ②でした。計算より先に、理由の欄を読む練習をした気がします。
先生
そのとおりだね。ステップ④の金額は、ステップ②が決まれば機械的に出てくるんだ。
ハルカ
では次からは、議事録の「理由」の欄に蛍光ペンを引いてから計算します。
先生
蛍光ペンは、日付の欄にも1本引いておくといいよ。次の設例・届出期限編では、賞与の届出期限と変更届出を見ていこうか。

参考資料

法人税法第2条第15号・第34条・第36条、法人税法施行令第7条・第69条〜第72条の3、法人税法施行規則第22条の3(e-Gov法令検索 令和8年10月1日施行版)、国税通則法第10条第2項・国税通則法施行令第2条第2項、法人税基本通達第9章第2節(9-2-1〜9-2-52)。国税庁「役員給与に関するQ&A」(平成20年12月、平成24年4月改訂)、質疑応答事例(報酬、給料、賞与及び退職給与等)、タックスアンサーNo.5211・No.5200・No.5202・No.2523、事前確定届出給与に関する届出書・変更届出書の記載要領。確認日:2026年10月23日。ラボと記事の数値は学習用の独自の設例です。過大な役員給与・役員退職給与は②過大役員給与・役員退職給与編(準備中)、株式報酬と会計処理は③株式報酬・会社法・会計編(準備中)で扱います。公認会計士が監修しています。
このシリーズの記事:役員給与ラボ①【基礎編】/役員給与ラボ①【応用編】/役員給与ラボ①【設例・届出期限編】/役員給与ラボ①【設例・届出どおりの支給編】/役員給与ラボ①【設例・非常勤役員と使用人兼務役員編】

📓 ハルカの学習ノートで、この章を見る ▶

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この記事を書いた人

TaxJudge編集部|公認会計士・税理士(実務25年)による企画・監修。会計基準・税法・裁決・有価証券報告書などの一次情報をもとに、検索できるデータベースと計算・判定・文書作成ツールを制作しています。