会計・経理まわりのサービス12社(マネーフォワード・freee・LayerX・Sansan・ラクス・invox・TOKIUM・OBC・弥生ほか)の公式発表を taxjudge が確認し、新サービス・機能アップデート・提携・調査のうち経理・会計事務所が見ておきたいものだけを独自の編集でお届けします。
🎧 動画で聞くAIが業務システムを作る時代へ!ラクス・freee・TOKIUMの最新動向(7分)
今週のピックアップを中心に、この号の内容を音声で解説する動画です。クリックすると再生が始まります(YouTubeで開く)
① 今週のピックアップ(3件)
1. 担当者とAIが聞き取りから構築まで行い、自社専用の業務システムを納品する新サービス(ラクス/10/14)
自社の業務に合わせた専用の業務システムを、同社の担当者とAIが組み立てて納品するという新サービスが発表されました。 公式発表によると、担当者が業務上の課題を聞き取って要件に落とし込み、AIが設計・構築を担い、実際に動かしながら調整したうえで納品する流れで、 利用者側が設定画面を操作したり仕様を自分で整理したりする必要はないとされています。最短1か月での作成を想定しているとのことです。 注目したいのは価格の提示のしかたで、構築費用60万円から、月額5万円からという水準が示されています。 ただし発表時点では「現時点で検討中の価格であり、今後変更となる可能性がある」と明記されており、販売開始は2027年4月以降です。 背景として同社が挙げているのは、先週この連載でも取り上げた同社の調査結果です。 専用システムの導入を検討した層の79.3%が断念または本格化していないとされ、理由の上位は開発・導入費用(58.3%)、費用対効果の判断のしにくさ(49.1%)、社内のIT人材不足(46.5%)でした。 調査で挙がったハードルのうち、費用と人材の2つに価格と提供方式で応えようとしている発表、という読み方ができます。
2. 入社・異動・申請を起点に、後続の依頼や催促を自動で流す機能が提供開始(freee/10/15)
従業員の入社や部署異動、各種申請といった業務イベントを起点に、後続の業務を自動化する機能の提供が始まりました。 公式発表によると、従来の汎用的な自動化ツールがアプリケーション間のデータ連携を主目的としていたのに対し、 今回の機能は同じプラットフォーム上にある人事労務・会計・請求などの業務データを使い、自社製品内の業務イベントを直接のきっかけにして後続プロセスを動かすという組み立てになっています。 まず従業員ポータルの対応依頼の発行から対応し、会計や請求の領域へ順次拡大する予定とされています。 同社が解消したい対象として挙げているのは、依頼の作成・進捗確認・未対応者への催促といった、成果に直接結びつかないまま時間を取る作業です。 経理の現場に引き直すと、月次の締めや入退社にともなう手続きで、「誰がどこまで出したか」を人が追いかけている部分が該当します。 なお、AIを使って自動化ルールを直感的に組み立てられる仕組みについては「提供も検討してまいります」という書き方にとどまっており、現時点の機能はイベント起点の自動化です。
3. 経理の自動化基盤を業務代行の処理基盤として使う3社の包括提携(TOKIUM/10/16)
リース会社と、そのグループで経理などの業務代行を手がける事業者、そして経費精算・請求書管理のサービス会社の3社による包括的な業務提携が公表されました。 公式発表によると、提携の中身は大きく2つで、3社の顧客基盤を使った相互の紹介・共同提案と、 サービス会社側のAI・OCRとデータ処理の仕組みを、業務代行側の処理基盤として運用することだとされています。 多様な取引関連の帳票をその場でデータ化する部分も統合の対象に挙げられています。 規模感として、発表では、経費精算などのサービスが累計3,000社以上に導入されていること、 オンラインの入力担当者が8,000人以上いること、自社運営のスキャンセンターを2拠点持つこと(いずれも2026年5月時点)が示されています。 ソフトウェアを売る側と、人手で業務を引き受ける側が同じ基盤を共有するという形は、 「システムを入れるか、外に出すか」という二択で考えてきた経理部門にとって、前提が変わりうる動きです。 提携は締結の段階で、具体的なサービスの形や提供時期は今回の発表では示されていません。
② その他の更新
- 10/14freee
購買の事前申請が承認されると、その内容に合わせて法人カードの利用上限額が自動で設定される機能を提供開始——平時は上限を低く抑えて不正利用や想定外の決済を防ぎ、承認されたときだけ引き上げるという運用を想定しており、これまで管理者が管理画面で手作業で変更していた上限額の設定が不要になるとしている(同社は本機能について特許を出願中としている) - 10/16freee
会社設立の手続きサービス上で、独自ドメインの取得とグループウェアの初期設定をまとめて自動実行できる機能を提供開始——希望するドメインと必要事項を入力すると数分でセットアップが完了するとしており、将来的には単独での提供や、同社のホームページ作成サービスで作ったサイトへの独自ドメイン適用も視野に入れるとしている(会計事務所が顧問先の立ち上げを支援する場面で関係する話題) - 10/15Sansan
取引先の情報を名寄せして最新の状態に保つサービスと、社内の各種システムからデータを集めて移すツールをつなぐ機能の提供に向けて協業を開始——複数のシステムに分かれている取引先データをいったん集約し、重複や更新漏れを解消して整えたうえで元のシステムへ書き戻す流れを想定しており、提供開始は2027年3月頃の予定。発表では、協業相手が2026年7月に公表した調査でAI活用により「明確な成果が得られている」と回答した企業が16.4%にとどまったことが引用されている(数値は協業相手の調査によるもの) - 10/14Sansan
グループ会社が提供するAI対話型の入力ツールと、取引先情報を整えるサービスをつなぐ連携機能を2026年12月下旬に提供開始すると発表——展示会やセミナー、商談の場で受け取った取引先の情報に、系列・業種・従業員規模といった属性を付け足したうえで、営業支援や顧客管理のシステムへ反映できるようにするもの
導入事例・セミナー・展示会・コーポレートのお知らせなどの話題(今週は7件)は各社トピックスβに掲載しています。
③ 全件は「AIサービス動向ウォッチβ」で
※本記事の見出し・要約は、taxjudge が各社の公式発表をもとに独自に作成したものです。機能の内容・提供条件・料金は、必ずリンク先の公式発表でご確認ください。
※本記事は taxjudge が各社の公開情報を独自に収集・整理したものであり、掲載各社との提携・監修関係を示すものではありません。
