会計・経理まわりのサービス12社(マネーフォワード・freee・LayerX・Sansan・ラクス・invox・TOKIUM・OBC・弥生ほか)の公式発表を taxjudge が確認し、新サービス・機能アップデート・提携・調査のうち経理・会計事務所が見ておきたいものだけを独自の編集でお届けします。
🎧 動画で聞く仕訳の前後も自動化へ!請求書の仕分け・設定変更・入金回収(7分)
今週のピックアップを中心に、この号の内容を音声で解説する動画です。クリックすると再生が始まります(YouTubeで開く)
① 今週のピックアップ(3件)
1. まとめてスキャンした書類を、AIが請求書1件ずつに切り分ける(ラクス/10/21)
請求書処理サービスに3つの機能が追加されました。公式発表によると、1つ目は、複数枚をまとめて読み込んだPDFについて、 どこからどこまでが1件なのかをAIが判定して分割するというものです。手で上げたファイル、メールで受け取ったもの、 取引先が専用ページから提出したもののいずれにも対応し、取り込む前に分割結果を画面で確認・修正できるとされています。 2つ目は、明細の行に自社独自の項目を最大15項目まで足せるというもので、発注番号や工事番号などを想定しており、 追加した項目を仕訳の自動化の条件に使ったり、摘要欄に反映したりできるとのことです。 3つ目は、取引先ごとに、どの項目をどの位置から読むかをあらかじめ指定できる設定で、明細の不要な行や文字を読み取り対象から外すこともできます。 経理の現場に引き直すと、1つ目はスキャン前の紙の仕分け、3つ目は読み取ったあとの手直しに当たる作業で、 どちらも「AI-OCRを入れたのに結局そこは人がやっている」と言われやすい部分です。
2. 読み取りルールの変更を、管理画面ではなく対話型AIから行えるように(TOKIUM/10/21)
請求書のデータ化サービスで、設定を変えるための窓口そのものが対話型のAIに置き換わりました。 公式発表によると、同社はこのサービス向けのMCPサーバーの提供を開始し、利用者が普段使っている対話型AIから接続することで、 現在の入力ルールを確認したり、変更したりできるとしています。 挙げられている例は、特定の取引先の請求書について「型番を明細のメモ欄にも入れたい」と相談すると、 AIが今のルールを踏まえて変更案を示し、利用者が承認すると反映されるという流れです。 管理画面を開いて設定箇所を探す必要がない点が利点として説明されています。 接続先として名前が挙がっているのは Microsoft 365 Copilot・Claude・ChatGPT などで、 利用にはAIツール側で接続の設定が必要、対応状況や必要なプランは各社の最新情報を確認してほしい、と注記されています。 今後については、受け取った請求書をもとにAIがルールの変更案を作る機能を開発中で、他サービスへの展開も予定しているとのことです。 「AIが読み取る」から「AIに読み取り方を教える窓口もAIにする」という一段階の移動で、 設定を触れる人が限られがちな経理部門では、属人化の解消につながりうる話題です。
3. 請求書を送った時点で回収まで終わらせる、という新機能が先行発表(freee/10/20)
請求書サービスに、請求を出したあとの工程をまとめて外部に任せる新機能が先行発表されました。 公式発表によると、請求書の作成・発行から、取引先の与信審査、代金の回収、入金の消し込み、 そして会計処理までを一続きで自動化するもので、決済サービス会社との連携によって実現するとされています。 債権を譲り渡す対価を受け取る形のため、未回収や貸し倒れのリスクを抑えられると説明されていますが、 対象になるのは与信審査を通過した取引に限られ、規約で対象外とされる取引は含まれません。 請求書ごとに自社で回収するかこの機能を使うかを選べる点、入金が月2回になるプランが用意される点も挙げられています。 注意したいのは時期で、今回は発表のみ、正式な提供は2027年1月の予定とされています。 経理の立場では、入金消し込みと督促という、金額の大小にかかわらず手間が一定かかる工程が対象になっている点が目を引きます。
② その他の更新
- 10/20TOKIUM
契約書管理サービスで、日本語以外で書かれた契約書の読み取りを強化——ファイルを上げるとAIが言語を判定し、日付・取引先名・契約の種類を日本語の契約書と同じ形式でそろえて登録するため、原文を探して入力し直す手間がなくなるとしている。英語・中国語(簡体字と繁体字)・韓国語・ドイツ語・フランス語・イタリア語・スペイン語・ポルトガル語・インドネシア語・ベトナム語・マレー語の12言語が対象(精度の数値は発表では示されていない) - 10/21マネーフォワード
AIツールの導入・契約・支払いに関わる担当者520名に聞いた調査の結果を公開——勤務先での使われ方は部門単位が49.8%、個人やチームの判断が27.1%で、合わせて76.9%が現場の判断で使い始めていると回答。費用の負担部署が複数にまたがり、4人に1人以上で個人の立て替えが発生しているとされ、利用コストの把握・管理が課題だという回答は77.5%にのぼった(契約の重複や予算超過が具体的な困りごととして挙げられており、経費精算の運用を見直す材料になる) - 10/21LayerX
勤怠管理サービスのスマートフォンアプリを10月21日から順次提供開始——出退勤と休憩の記録をホーム画面のウィジェットからアプリを開かずに行え、打刻の漏れがあれば通知が届く。修正が必要な日をまとめて直せるほか、パソコンの利用ログや勤務予定から時刻の候補も示される。締め日を待たずに自分の残業時間や有給の残りを確認でき、上限が近づくと本人と上長の双方に通知される。承認もこのアプリから行え、すでに利用している企業は追加費用なしとしている - 10/21マネーフォワード
地方銀行と共同で開発している法人向けポータルについて、名称と画面、機能の詳細を公開——経理システムと法人向けインターネットバンキングが分かれていることによる個別ログインや転記の手間を、画面設計の段階から解消する狙いだとしている。スマートフォンアプリにも対応し、請求書の支払いから資金の管理、複数の資金調達手段までを1か所にまとめる構成。提供開始は2027年秋の予定 - 10/22マネーフォワード
個別原価の管理システムと、自社の勤怠管理システムとの連携を開始——これまでは工数のデータをCSVで書き出して取り込む手作業が発生していたが、連携の設定を済ませればその変換と取り込みが不要になり、原価の計算や配賦をそのまま進められるとしている(月次決算の締め作業のうち、部門をまたいだデータ収集にあたる部分が対象) - 10/22マネーフォワード
営業支援システム向けの帳票発行アプリを、同システムのアプリ配布基盤(AgentExchange)上で発表——営業側のレポートのデータから請求書や納品書をまとめて作成・送付し、発送作業を自動化するもので、送った控えは電子帳簿保存法に沿った形で自動保管され、送付の状況を営業側の画面からそのまま確認できるとしている(営業部門と経理部門が同じ画面で状況を見られる点が特徴として挙げられている) - 10/23ラクス
経費精算システムの運用そのものを代行するサービスを、人材サービス会社と共同で開発し提供開始——申請内容の確認、規定に合っているかのチェック、一次承認、経理処理といった作業を、必要な範囲だけ選んで任せられる。手順書が整っていなくても最短で約1か月で運用を始められるとしており、主に従業員999名以下の企業を想定。地方で経理の担当者が確保しにくいという背景が挙げられている(システムを入れたあとの運用まで含めて外に出す、という選択肢) - 10/23マネーフォワード
家計簿アプリを運営するグループ会社が、海外の大手IT企業が提供する個人向けAIエージェントの日本展開で、立ち上げ時の連携先に決まったと発表——家計や資産のデータを、そのAIエージェントとの対話から扱えるようにする連携を予定しているとしている。日本は北米に次ぐ2番目の提供地域(個人向けの話題だが、対話型AIが個人の金融データを扱う入口になる動きとして記録しておく)
導入事例・セミナー・展示会・コーポレートのお知らせなどの話題(今週は14件)は各社トピックスβに掲載しています。
③ 全件は「AIサービス動向ウォッチβ」で
※本記事の見出し・要約は、taxjudge が各社の公式発表をもとに独自に作成したものです。機能の内容・提供条件・料金は、必ずリンク先の公式発表でご確認ください。
※本記事は taxjudge が各社の公開情報を独自に収集・整理したものであり、掲載各社との提携・監修関係を示すものではありません。
