無料の学習ツール「役員給与ラボ③【株式報酬・会社法・会計編】」の読み方ガイドです。ラボの設例・応用タブから、予定どおりにいかないときの設例(応用1〜6)を1つずつ、先生と生徒の会話形式で見ていきます。登場する会社と設例の数値はすべて架空の例です。解説は公認会計士・税理士が監修しています。各行の図はラボの図そのものです(記事内の図は表示用で、ボタンやクリックの操作はできません。操作は各節の「ラボで開く」「ラボを開く」からラボ本体で試せます)。重要な節の最後には、ラボで30秒だけ手を動かす小さな実習を置いています。
| 応用1 | B社のRS 3,000株(@1,000)。没収を見込まずに2年を過ごし、3年目に1名の退任で600株を没収。2,400株を解除(解除日の株価1,400円) |
| 応用2 | A社のSO(@300、確定840個)。2年目末に行使価額を引き下げ、条件変更日の単価は360円。4年目に800個を行使、40個が失効 |
| 応用3 | C社のPSU。@1,200、達成率75%で1,500株に確定。4年目に新株を交付(交付日の株価1,500円) |
| 応用4 | H社のRS 2,000株。6月25日の定時総会で決議、7月20日に交付。3年在任なら全部解除、途中退任なら全部没収(勤務条件のみ) |
| 応用5 | G社のRS 1,000株(@2,000)。退任日に譲渡制限を解除する設計。退任までの期間は3年と見積もる |
| 応用6 | E社(非上場・設立20年以上)の税制適格SO 30,000個(行使価額500円)。同じ年に20,000個と10,000個の2回に分けて行使 |
今日の題材 ── 予定どおりにいかないときの6つの設例
RSの没収が3年目に起きたとき ── 見込みなし → 実際の没収
- シミュレーションタブで「② RSの会計と損金の時期」を開き、プリセット「見込まずに3年目に没収」を押す
- 「3年目末の解除株数」を 3,000 にする
👀 最初は3年目の費用 400,000、別表四は「3年目 減算 2,000,000」。3,000株にすると3年目の費用が 1,000,000、会計の費用の合計と法人税の損金がともに 3,000,000 になり、減算は 2,000,000 のままです。
ラボを開く ▶SOの条件変更 ── 単価が上がる分だけ追加の費用、損金は交付時の価額
PSUの損金算入額 ── 会計は付与日の単価、法人税は交付時の市場価格
勤務条件だけのRSと、届出不要の2つの1か月
- 設例・応用タブで「応用4」を開く
- ステップ「③ 変えてみる ── 交付が8月10日なら」を押す
👀 「決議の日から1か月以内に交付?」が ✖ になり、結論が「事前確定届出給与・業績連動給与に当たらない → 損金不算入」に変わります。届出をしていない株は、解除日になっても損金になりません。
ラボを開く ▶退任時に譲渡制限が解けるRS ── 法人税では退職給与にならない
税制適格SOの年間限度額 ── 超えることとなる「行使」は全部が課税
- 設例・応用タブで「応用6」を開く
- ステップ「③ 変えてみる ── 設立5年未満の会社なら」を押す
👀 判定に使う額が「÷2」の列で 5,000,000・2,500,000 になり、年間の累計 7,500,000 で「2回とも非課税(実質2,400万円の枠)」と表示されます。
ラボを開く ▶今日の内容を、ラボで確かめてみませんか?
この記事の図は、すべて役員給与ラボ③【株式報酬・会社法・会計編】の画面そのものです。設例タブを開けば、同じ図を見ながら、ステップを1つずつ読み返せます。
役員給与ラボ③【株式報酬・会社法・会計編】を開く ▶今日のまとめ ── 設例ごとの結論
| 設例 | 迷いポイント | 答え |
|---|---|---|
| 応用1 | 3年目に没収が分かったら1・2年目を訂正する? | 直さない。見直した期に確定数で累計を出し直し、差額を当期に(第41号第8項) |
| 応用2 | 条件変更で単価が上がったら全部360円で計算し直す? | 付与日の単価で続け、増加分だけ残存期間に追加(SO基準第10項(1))。損金は交付時の価額が基礎 |
| 応用3 | PSUの損金は会計の累計1,800,000と同じ? | 交付時の市場価格@1,500×1,500株=2,250,000(基通9-2-20の2)。差450,000は留保の残高 |
| 応用4 | 「全部か0か」のRSは業績連動給与? | 在任だけが条件なら事前確定届出給与。業績で没収数が変わるRSはどの給与にも当たらない(基通9-2-16の2) |
| 応用5 | 退任日に解けるRSは法人税でも退職給与? | 退職給与に当たらない(基通9-2-27の2)。事前確定届出給与などの形で判定 |
| 応用6 | 限度額を超えた300万円分だけ課税? | 超えることとなる行使の全部(10,000個)が課税(措法第29条の2第1項ただし書) |
今日のふりかえり
参考資料
会社法第202条の2・第236条・第361条、会社法施行規則第98条の2〜第98条の5、法人税法第34条・第54条・第54条の2、法人税法施行令第69条・第111条の2・第111条の3(e-Gov法令検索 令和8年10月1日施行版)、法人税基本通達9-2-15の2・9-2-16の2・9-2-18・9-2-20(国税庁)、所得税法施行令第84条、租税特別措置法第29条の2、企業会計基準第4号「役員賞与に関する会計基準」・第8号「ストック・オプション等に関する会計基準」、実務対応報告第41号「取締役の報酬等として株式を無償交付する取引に関する取扱い」(企業会計基準委員会)。確認日:2026年10月30日。ラボと記事の数値は学習用の独自の設例です。3つの形(定期同額給与・事前確定届出給与・業績連動給与)は役員給与ラボ①【損金算入編】、過大な役員給与と退職給与は役員給与ラボ②【過大・退職給与編】で扱っています。
動画で聞く:役員給与③【基礎編】株式報酬の4つの物差し・ストック・オプション・譲渡制限付株式・業績連動給与を図で(YouTube・13分)
動画で聞く:役員給与③【応用編】業績連動給与の細部・届出不要の2つの1か月・没収と失効・税制適格SOの要件を図で(YouTube・13分)
このシリーズの記事:役員給与ラボ③【基礎編】/役員給与ラボ③【設例・会計と法人税編】/役員給与ラボ③【設例・要件判定・所得税・会社法編】/役員給与ラボ③【応用編】/役員給与ラボ③【税務調整編】
